訂正有価証券報告書-第65期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2019/02/28 9:12
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【項目】
132項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」という企業理念のもとに、公益事業としての使命を果たしつつ、多くのステークホルダーにとって魅力ある安定成長企業となるため、国内事業における設備信頼性の確保、石炭火力の高効率化技術開発など低炭素化への対応、成長が見込まれるアジアを中心とした海外事業のさらなる展開、これら事業を支える財務健全性の維持などに着実に取り組んでおります。
当社グループは、公正で透明な経営を行うとともに、上記取り組みを通じて企業価値の増大を図り、多様なステークホルダーの期待に応えてまいります。
(2) 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題
わが国の電気事業においては、平成27年7月に「長期エネルギー需給見通し」が策定され、再生可能エネルギー、原子力、石炭火力などのエネルギーミックス目標が示されるとともに、国際社会に向けた新たなCO2削減目標の決定、平成28年4月から開始された電力小売の全面自由化と卸規制の撤廃、さらに平成32年に予定されている発送電分離など、事業環境が大きく変化しております。
こうした状況を受け、当社グループは、平成27年3月に実施した公募増資と自己株式の処分による資金調達を梃子とする今後10年間の更なる成長に向けた挑戦を、中期経営計画として策定いたしました(平成27年7月31日公表)。
中期経営計画では、事業環境の変化に対応しつつ更なる成長を実現するため、「Ⅰ.自由化が進展する国内市場で更なる成長の基盤を構築し、コスト競争力を武器に競争に勝ち残る発電事業者となること」、「Ⅱ.世界各地域のエネルギー事情を踏まえ、その持続可能な発展に貢献する海外発電事業を成長させること」、「Ⅲ.気候変動対策に適応すべく石炭火力の更なる低炭素化に向けた技術開発を加速し、石炭火力発電におけるリーディングカンパニーとして国内外での事業展開を図ること」の3点を挑戦の基本方向と定め、さらにその具体的な取り組みとして、以下の6項目の重点取組を定めております。
当社グループは、「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」という企業理念のもと、かかる中期経営計画の実現に向けた取り組みを着実に進め、更なる成長と企業価値の向上に努めてまいります。
①高効率石炭火力の開発と次世代に向けた技術開発の促進
(a)国内における高効率石炭火力の開発
世界に広く賦存する石炭は、石油・ガスより地政学的リスクが低く、安定的に供給されるエネルギー資源であるとともに、日本に輸入され消費されるエネルギー資源の中では最も低コストとなっております。当社グループは、バランスのとれたエネルギーミックスの観点から重要な高効率石炭火力の開発を通じて、日本の経済成長に貢献しつつ企業成長を目指してまいります。
【主な建設中・計画中のプロジェクト】
案件名出力運転開始予定
竹原火力発電所
新1号機リプレース計画(広島県)
60万kW平成32年
高砂火力発電所
新1・2号機リプレース計画(兵庫県)
60万kW×2基新1号機:平成33年
新2号機:平成39年以降
鹿島パワー計画(茨城県)※164.5万kW平成32年
山口宇部パワー計画(山口県)※260万kW級×2基1号機:平成35年
2号機:平成37年

※1 新日鐵住金株式会社との共同事業
※2 大阪ガス株式会社および宇部興産株式会社との共同事業
(b)高効率化・低炭素化に向けた技術開発
気候変動対策に対応しつつ石炭を継続利用していくため、より高効率な酸素吹石炭ガス化複合発電(酸素吹 IGCC)技術の技術開発を推進するとともに、CO2回収・貯留(CCS)技術などの研究開発に取り組み、更なる低炭素化の実現を目指してまいります。
このような技術開発の一環として、当社グループは、中国電力株式会社と共同で大崎クールジェン株式会社(広島県豊田郡大崎上島町)を設立いたしました。平成29年3月には酸素吹IGCC技術実証試験(第1段階)を開始し、平成31年度に開始予定のCO2分離・回収型酸素吹IGCC技術実証試験(第2段階)に向けて必要なCO2分離・回収設備の詳細設計を進めております。
②自由化がもたらす競争環境への適応と設備信頼性の向上
(a)競争環境への適応
国内電気事業においては、市場参入規制を緩和し市場競争を導入する自由化が進展しております。当社グループは、卸規制が撤廃されるなど市場競争が進む発電事業分野で、コスト競争力を武器に一層の成長を実現すると同時に、競争的な市場の実現に不可欠な卸電力市場活性化に向けて期待される役割を果たしてまいります。
また、市場競争の進展に伴う収益の変動幅の拡大に対しては、適切なリスク・マネジメントを行い、リターンの増大を追求してまいります。
(b)安定稼働の取り組み強化
収益の変動幅が拡大する中にあって、発電設備の安定稼働の確保こそが最大のリスク・マネジメントと考えております。当社グループは、安定稼働の確保に向けて、設備の保守・運転の最適化を不断に追求し、設備価値の向上を実現してまいります。
(c)電力流通設備の広域的整備と健全性維持
電力システム改革が目指す健全な競争市場は、広域的な電力流通ネットワークが健全に機能することにより支えられます。当社グループは、電力安定供給に貢献するとともに活発な市場競争を支えるため、地域間連系線をはじめとする流通設備の広域的な整備と健全な機能維持に一層努めてまいります。
なお、電力広域的運営推進機関にて策定された佐久間周波数変換設備(30万kW→60万kW)および関連送電線の増強計画については、当社は実施主体として選定されており、当社グループの技術・経験を活かし、最大限取り組んでまいります。
③再生可能エネルギーの導入拡大
当社グループは、技術力を活かし、純国産CO2フリーエネルギーのトップランナーであり続けます。
風力発電につきましては、開発中のプロジェクトの着実な推進に加え、引き続き風況良好な地点を継続的に発掘・培養し事業基盤の拡大を図るとともに、保守・運営の効率化による設備稼働率の向上に取り組み、収益力向上に努めてまいります。また、福岡県北九州市の「響灘洋上風力発電施設の設置・運営事業者」の公募において、当社を含むコンソーシアムが占用予定者(優先交渉者)に選定され、今後、事業化に向けた調査等を実施してまいります。
さらに、当社グループは、設立以来、純国産CO2フリーエネルギーである水力発電で大量の電気を生み続けており、今後も水力発電の活用(中小水力開発、既設発電所の主要設備一括更新に伴う増出力等)を進めてまいります。
また、ベースロード電源である地熱発電についても、開発を推進してまいります。
このほか、石炭火力発電所におけるバイオマス燃料混焼の拡大に取り組むとともに、その着実な推進のため、下水汚泥などのバイオマス資源の燃料化事業にも継続的に取り組んでまいります。
【主な建設中・計画中のプロジェクト】
案件名出力運転開始予定
せたな大里風力発電事業(北海道)5万kW平成31年
(仮称)仁賀保第二風力発電事業(秋田県)4.14万kW平成31年
(仮称)葛巻第二風力発電事業(岩手県)4.46万kW平成31年
山葵沢地熱発電所(秋田県)※4.2万kW平成31年
鬼首地熱発電所リプレース計画(宮城県)1.5万kW級平成36年
新桂沢発電所(水力)(北海道)1.68万kW平成34年

※ 三菱マテリアル株式会社および三菱ガス化学株式会社との共同事業
④安全を大前提とした大間原子力計画の推進
当社グループは、青森県下北郡大間町にて、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する大間原子力発電所(出力138.3万kW、運転開始時期未定)の建設を進めております。
同発電所は、エネルギー安定供給を支えるベースロード電源の確保と、地球温暖化対策の社会的要請に応えるとともに、プルトニウム利用による原子燃料サイクルの中核を担う重要なプロジェクトとして、安全性の確保を大前提に、引き続き地域の皆様からのご理解を得ながら、着実な推進を図ってまいります。
平成26年12月16日、原子力発電所に係る新規制基準への適合性審査を受けるため、原子力規制委員会に対し、原子炉設置変更許可申請書および工事計画認可申請書を提出いたしました。現在、当社グループは、原子力規制委員会の適合性審査に真摯かつ適切に対応しており、引き続き必要な安全対策などを着実に実施することで、全力をあげて安全な発電所づくりに取り組み、早期の運転開始を目指してまいります。
⑤海外発電事業の推進
当社グループは、現在、インドネシア国においてセントラルジャワ石炭火力IPPプロジェクト(出力200万kW、PT. ADARO POWERおよび伊藤忠商事株式会社との共同事業)を建設中であります。本プロジェクトにつきましては、用地取得および融資銀行団との融資契約締結が完了し、今後は、建設計画に基づき平成32年6月(1号機)、同年12月(2号機)の運転開始を目指して進めてまいります。
当社グループは、建設中のプロジェクトを確実に遂行し、既存プロジェクトも含めた海外発電事業における収益力の向上に努めてまいります。さらに、中期経営計画で掲げた海外持分出力1,000万kWを実現するため、旺盛なエネルギー需要があるアジアを中心に、高効率石炭火力も含めた新規開発案件の獲得を目指すとともに、自由化の先進市場であり、豊富な事業機会が見込める米国において、今日の事業基盤をベースに、多様な販売形態を取り入れながら業容拡大を図ってまいります。
⑥事業の選別による資産効率の向上
当社グループは、国内外を問わずグローバルな発電事業者として成長を目指します。一方、新たなエネルギー基本計画、気候変動問題に対するわが国の対応、自由化の進展などにより事業環境は大きく変化しており、これら事業環境の変化に対応しリスク耐力を強化するには、不断の資産効率の向上が不可欠と考えております。
当社グループは、上記の①から⑤の取り組みに加え、常に個々の事業価値を再評価しつつ資産の選別を進め、収益力を一層高める取り組みを推進してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標として、以下を採用しております。
○成長性指標:『J-POWER EBITDA=営業利益+減価償却費+持分法投資損益』
継続的に大規模な電源開発を進める当社グループにとっては、設備投資の回収を踏まえた収益力の大きさが成長を表すこと、また持分法投資による収益貢献も大きいことから、EBITDA(営業利益+減価償却費)に持分法投資損益を加えたJ-POWER EBITDAを成長性指標として採用しております。
○健全性指標:『有利子負債÷J-POWER EBITDA』
今後も成長に向けた設備形成のための投資を行う当社グループとしては、有利子負債とキャッシュ・フローのバランスを重視し、財務健全性に留意しながら成長を目指す必要があることから、有利子負債÷J-POWER EBITDAを健全性指標として採用しております。
(4) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社取締役会は、会社法施行規則第118条第3号に規定する「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を、以下のとおり決議しております。
「当社は、国内の電力供給の増加を目的として昭和27年に設立されて以来、半世紀にわたり低廉かつ安定した電力を供給するとともに、全国規模での基幹送電線の建設及び運用を行い、わが国の経済発展と国民生活の向上に寄与してまいりました。
この間、当社は、人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献することを企業理念として掲げるとともに、エネルギーと環境の共生を事業の基調とし魅力ある安定成長企業を目指し、企業価値向上のため不断の取り組みを継続しております。
当社の事業の特徴は、発電所等の公共性の高い設備に投資し、長期間の操業を通じてこれを回収することにあります。当社は、こうした長期の事業運営のなかで、多くのステークホルダーと協調し、安定的に成長していくことにより、当社の企業価値の最大化が図られていると考えております。
当社は、このような当社事業の特性を株主の皆様にご理解いただくことを期待しておりますが、また一方、当社株式の売買が株主の皆様ご自身の意思に基づき自由に行われるべきことも当然であります。
しかしながら、経営支配権の取得を目指す当社株式の大規模な買付けにつきましては、当社の取締役は、株主の皆様の負託を受けた立場から、株主共同の利益ひいては当社の企業価値に照らして、これを慎重に検討し、対処するべきであると考えております。
従いまして、株主の皆様及び取締役にとって検討のための情報や時間が不足している場合、または、検討の結果、株主共同の利益ひいては当社の企業価値を著しく毀損するおそれがある場合には、会社法をはじめとする関係法令等の許容する範囲で適切な措置を講じる方針であります。」

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