有価証券報告書-第63期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 9:15
【資料】
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【項目】
130項目

有報資料

(1) 経営の基本方針
当社グループは、「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」という企業理念の下に、公益事業としての使命を果たしつつ、多くのステークホルダーにとって魅力ある安定成長企業となるため、国内事業における設備信頼性の確保、石炭火力の高効率化技術開発など低炭素化への対応、成長が見込まれるアジアを中心とした海外事業のさらなる展開、これら事業を支える財務健全性の維持などに着実に取り組んでおります。
当社グループは、公正で透明な経営を行うとともに、上記取り組みを通じて企業価値の増大を図り、多様なステークホルダーの期待に応えてまいります。
(2) 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境においては、電力システム改革による競争の進展、原子力政策動向の不透明性や、CO2排出規制をはじめとした地球環境問題などの多くの克服すべき課題があります。
このような状況のもと、当社グループは事業環境の変化に対応し、電力の安定供給に貢献し続けるために、技術力の強化と設備信頼性の確保を中核とした「事業基盤強化」を着実に推進してまいります。そして、エネルギーミックスのあり方や地球温暖化対策などをはじめとする国のエネルギー・環境政策の検討状況なども踏まえながら、「新規開発による成長」への取り組みを進めてまいります。
当社は、上記の取り組みを着実に推進すべく、平成27年3月、公募による新株式発行と自己株式の処分を実施いたしました。当社グループは、今回調達した資金を今後の新規開発への設備投資に活用するとともに、財務健全性の維持に努めることで、企業価値の向上を目指してまいります。
①事業基盤強化への取り組み
○設備信頼性の確保
当社の火力・水力・送変電設備につきましては、引き続き、高稼働の継続への対応と競争力強化を目的とした設備保全の強化および経年化対策を進め、設備の安定稼働に努めてまいります。
なお、平成26年3月、定期点検中に低圧タービンロータ落下事故が発生した松浦火力発電所2号機(長崎県松浦市、出力100万kW)は、平成26年8月より部分負荷(出力42.5万kW)での仮復旧による運転を継続しておりましたが、平成27年3月より本格復旧に向けた工事を開始し、平成27年6月11日より定格出力100万kWでの運転を再開いたしました。当社グループは、今後も事故の再発防止対策を適切に実施し、設備の安定運用の徹底を図ってまいります。
○社会的責任に応える事業運営
当社グループは、今後も経営環境の変化に応じて継続的にコーポレートガバナンスの充実を図っていくとともに、より一層の社会的信頼を獲得・維持するため、グループ全体にコンプライアンスの意識を浸透・定着させるよう取り組んでまいります。また、安全の確保・危機管理の徹底、災害への対応力強化により、電力安定供給を支えるとともに、地域・社会との共生や環境経営の推進を通じて、社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
○人財・組織および競争力の強化
当社グループは、事業の根幹となる技術力などグループ従業員一人ひとりの能力向上に向けた人財育成を進めてまいります。また、電力システム改革に伴う送配電部門の法的分離への対応など、事業環境の変化に柔軟に対応できる活力ある組織づくりに取り組んでまいります。さらに、新規電源の開発、既存設備の信頼性の維持・向上、コスト低減などの取り組みによって、グループ大での相乗的な競争力強化を図ってまいります。
○財務健全性の維持
当社は、新たな成長に向け、継続的に事業投資を実施していくとともに、財務健全性の維持が必要との認識のもと、自己資本の充実を図ることが重要な経営課題であると考えております。
このような状況を踏まえ、当社は平成27年3月、公募による新株式発行と自己株式の処分を実施いたしました。今回調達した資金を今後の国内新規石炭火力、再生可能エネルギー(風力、地熱)、海外発電事業などの新規開発への設備投資に活用し、事業基盤の拡大を目指すとともに、今後も競争力強化と投資効率向上に向けた取り組みを強化することにより、安定的な事業収益を確保し、引き続き財務健全性の維持、資金調達力の維持・強化に努めてまいります。
②新規開発による成長への取り組み
○国内石炭火力のリプレース・新増設と技術開発の推進
当社グループは、中長期的な電力の安定供給という社会的要請に応えるべく、経年化火力発電所のリプレースによる高効率化と、石炭火力発電を活用したベースロード電源の開発に努めてまいります。そのために、以下のプロジェクトを着実に推進し、世界最高水準の高効率石炭火力発電を展開するとともに、これらに続く新たなリプレース・新増設の事業機会を最大限に追求してまいります。
・竹原火力発電所新1号機リプレース計画(広島県竹原市、出力60万kW、平成32年運転開始予定)
・高砂火力発電所新1・2号機リプレース計画(兵庫県高砂市、出力各60万kW、新1号機:平成33年運転
開始予定、新2号機:平成39年以降運転開始予定)
・鹿島パワー計画(茨城県鹿嶋市、出力65万kW級、平成32年運転開始予定、新日鐵住金株式会社との
共同事業)
・山口宇部パワー計画(山口県宇部市、出力60万kW級×2基、大阪ガス株式会社および宇部興産株式会社
との共同事業)
さらに、石炭ガス化複合発電(IGCC)技術やCO2回収・貯留(CCS)技術などの高効率化・低炭素化を目指す技術開発に取り組んでまいります。このような技術開発の一環として、当社グループは、中国電力株式会社と共同で大崎クールジェン株式会社(広島県豊田郡大崎上島町)を設立し、平成28年度の酸素吹IGCC技術実証試験の開始に向けて、試験設備(出力16.6万kW)の建設工事を進めております。
○大間原子力建設の着実な推進
当社グループは、青森県下北郡大間町にて、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する大間原子力発電所(出力138.3万kW、運転開始時期未定)の建設を進めております。
同発電所は、エネルギー安定供給を支えるベースロード電源の確保と、地球温暖化対策の社会的要請に応えるとともに、プルトニウム利用による原子燃料サイクルの中核を担う重要なプロジェクトとして、安全性の確保を大前提に、引き続き地域の皆様からのご理解を得ながら、着実な推進を図ってまいります。
平成26年12月16日、原子力規制委員会の定める原子力発電所に係る新規制基準への適合に向けた取組みを踏まえて、原子力規制委員会に対し、原子炉設置変更許可申請書および工事計画認可申請書を提出いたしました。今後、当社グループは、原子力規制委員会の適合性審査に真摯かつ適切に対応し、必要な安全対策などを着実に実施することで、全力をあげて安全な発電所づくりに取り組み、早期の運転開始を目指してまいります。
○再生可能エネルギーの拡大
当社グループは、低炭素化の社会的要請に対応すべく、再生可能エネルギーの開発にも引き続き取り組んでまいります。
風力発電につきましては、国内で運転中の発電所が20地点、持分出力約39万kWとなっております(平成27年3月31日現在)。また、大間風力発電所(青森県下北郡大間町、出力1.95万kW、平成28年運転開始予定)をはじめとする建設工事中・建設準備中のプロジェクトに取り組んでおります。引き続き風況良好な地点を継続的に発掘し、新規開発を着実に推進すると同時に、設備稼働率の向上と保守・運営の効率化による収益力強化を実現してまいります。さらに、洋上風力の実証試験を進め、実用化に必要な技術の確立を目指してまいります。
このほか、地熱発電につきましては、三菱マテリアル株式会社および三菱ガス化学株式会社との共同出資により山葵沢地熱計画(秋田県湯沢市、出力4.2万kW、平成31年運転開始予定)を推進するほか、新規地点の開発に向け、さらなる取り組みを進めてまいります。
中小水力発電事業では、このき谷発電所(福井県大野市、出力199kW、平成28年運転開始予定)の建設工事を進めております。
また、下水汚泥などのバイオマス資源の燃料化事業を拡大し、石炭火力発電所におけるバイオマス燃料の混焼を着実に推進すべく、継続的に取り組んでまいります。
○海外発電事業の着実な展開
当社グループの海外発電事業につきましては、運転中の発電所は7ヶ国・地域で36件、当社持分出力は約610万kW(平成27年3月31日現在)となっております。
現在、タイ国ではウタイIPPプロジェクト(出力160万kW、平成27年運転開始予定)を建設中であります(1号系列80万kWは平成27年6月1日より営業運転を開始)。また、インドネシア国ではセントラルジャワ石炭火力IPPプロジェクト(出力200万kW)を開発準備中であります。なお、本プロジェクトにつきましては、用地取得が計画通り進捗していないため、着工時期が当初予定の平成24年10月から遅れておりますが、引き続き本プロジェクトのパートナーと協力し、早期着工の実現に努めてまいります。また、長期売電契約上のファイナンス組成期限が平成25年10月に設定され、平成26年10月まで延長されておりましたが、上記の進捗状況に鑑み、再度平成27年10月まで延長されております。
これらの発電所がすべて運転を開始した際には、持分出力が約800万kWとなる見通しであります。当社グループは、これら建設中・開発準備中のプロジェクトを確実に遂行し、既存プロジェクトも含めた海外発電事業における収益力の向上に努めるとともに、将来に向けた新規プロジェクトの培養を進めてまいります。
(3) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社取締役会は、会社法施行規則第118条第3号に規定する「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を、以下のとおり決議しております。
「当社は、国内の電力供給の増加を目的として昭和27年に設立されて以来、半世紀にわたり低廉かつ安定した電力を供給するとともに、全国規模での基幹送電線の建設及び運用を行い、わが国の経済発展と国民生活の向上に寄与してまいりました。
この間、当社は、人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献することを企業理念として掲げるとともに、エネルギーと環境の共生を事業の基調とし魅力ある安定成長企業を目指し、企業価値向上のため不断の取り組みを継続しております。
当社の事業の特徴は、発電所等の公共性の高い設備に投資し、長期間の操業を通じてこれを回収することにあります。当社は、こうした長期の事業運営のなかで、多くのステークホルダーと協調し、安定的に成長していくことにより、当社の企業価値の最大化が図られていると考えております。
当社は、このような当社事業の特性を株主の皆様にご理解いただくことを期待しておりますが、また一方、当社株式の売買が株主の皆様ご自身の意思に基づき自由に行われるべきことも当然であります。
しかしながら、経営支配権の取得を目指す当社株式の大規模な買付けにつきましては、当社の取締役は、株主の皆様の負託を受けた立場から、株主共同の利益ひいては当社の企業価値に照らして、これを慎重に検討し、対処するべきであると考えております。
従いまして、株主の皆様及び取締役にとって検討のための情報や時間が不足している場合、または、検討の結果、株主共同の利益ひいては当社の企業価値を著しく毀損するおそれがある場合には、会社法をはじめとする関係法令等の許容する範囲で適切な措置を講じる方針であります。」

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