四半期報告書-第82期第2四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)

【提出】
2014/08/08 15:08
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【項目】
32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(平成26年1月1日~6月30日)におけるわが国の経済は、経済政策や金融政策などの効果により、企業収益の改善や個人消費に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が続いております。
このような事業環境の下、宿泊部門は客室稼働率が高水準を維持しつつ、利用単価も上昇するなど堅調に推移、婚礼部門においても利用件数、利用人員がいずれも増加し、利用単価も上昇しました。また新規設備の貢献もあり、当社グループの売上高は、全セグメントで前年同四半期比増収となり、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比1,518百万円増収の30,826百万円となりました。
コスト面では、増収に伴う費用の増加のほか、円安や天候不順による原材料価格や水道光熱費の上昇、施設価値の向上などを目的とした積極的な投資に伴う減価償却費の増加などがありましたが、オペレーション効率化による抑制に引き続き努めた結果、当社グループが今期より重要指標と位置づけております減価償却費等負担前の営業利益は前年同四半期比242百万円増益の2,155百万円となりました。
営業損失は前年同四半期比79百万円改善の73百万円、経常損失は前年同四半期比84百万円改善の92百万円、四半期純損失は前年同四半期比151百万円改善の255百万円となりました。
業績の概要は以下の通りです。
(単位:百万円)
当期実績前年同四半期比
合計第1四半期第2四半期合計第1四半期第2四半期
売上高30,82614,67416,1521,5181,030488
営業利益(△は損失)△73△56449179263△184
経常利益(△は損失)△92△72663484220△135
四半期純利益(△は損失)△255△593337151△812963


セグメント別の概況については以下のとおりです。
椿山荘・太閤園事業
婚礼部門は、昨年度に実施した設備投資や広告宣伝効果などによりホテル椿山荘東京で受注件数が増加したほか、太閤園ゲストハウス「桜苑(おうえん)」の開業効果(前年9月開業)もあり、前年同四半期比で利用件数は増加し、利用人員は前年同四半期比8千人増の99千人、売上高は同545百万円増収の5,415百万円となりました。
宿泊部門は、ホテル椿山荘東京において「椿」や「桜」をテーマにしたプランや、今年で60回目を迎えた「ほたるの夕べ」プランなど、当ホテル独自の商品の拡充を図りました。京都国際ホテルでは、欧米やアジアからの集客が増えたほか、価格設定をきめ細かく行うことで利用単価が上昇しました。その結果、各施設で高稼働を維持、1人あたり単価は上昇し、売上高は同79百万円増収の1,513百万円となりました。
レストランの婚礼利用が増えたこともあり、レストラン部門としての利用人員は前年同四半期比7千人減の520千人、売上高は同65百万円減収の2,322百万円となりました。
これらの結果、ゴルフ部門なども含めた当セグメントの売上高は前年同四半期比447百万円増収の12,750百万円となり、営業利益は同69百万円増益の83百万円となりました。
WHG事業
(当第2四半期連結会計期間より、新たな総称の決定に伴い、セグメント名称を「ワシントンホテル事業」から「WHG事業」へ変更しております。なお、属するセグメントの内容に変更はございません。)
お客様のニーズの多様化に対応するため、付加価値を高める施策を継続して実施しております。
ワシントンホテルとホテルグレイスリーそれぞれのブランドの客室デザインコンセプトを新たに策定し、当コンセプトに則り、ホテルグレイスリー銀座は最上階客室の改装を、また東京ベイ有明ワシントンホテルでは、年初から順次800室の改装を実施しました(東京ベイ有明ワシントンホテルの改装は平成26年7月18日に完了)。
また、キャナルシティ・福岡ワシントンホテルの全客室ベッド入替えやお客さまのニーズに対応したダブルルームからツインルームへの改装を始め、ホテルグレイスリー札幌、藤田観光ワシントンホテル旭川、長崎ワシントンホテルにおいて客室改装を実施しました。
宿泊部門では、中国、台湾を中心に海外からの受客も前年に引き続き好調で、90%を超える高稼働を維持、1部屋あたり単価、1人あたり単価はいずれも上昇しました。更に広島ワシントンホテル(前年10月)、仙台ワシントンホテル(前年12月)の開業効果もあり、宿泊部門の利用人員は前年同四半期比75千人増の1,468千人、売上高は同926百万円増収の9,091百万円となりました。
レストラン、宴会、その他の部門を含めた当セグメントの売上高は前年同四半期比977百万円増収の13,055百万円となり、営業利益は同25百万円増益の98百万円となりました。

小涌園事業
リゾートホテル部門では、施設競争力を高めるため、箱根ホテル小涌園、伊東小涌園、ホテル鳥羽小涌園の一部客室を改装し、デラックスルームや露天風呂付の離れ客室の増室などハイクラスの客室を中心に実施いたしました。また、箱根ホテル小涌園においてはレストラン山桜のリニューアルも行いました。
日帰り・レジャー部門では、各種入場券内容の見直しと館内でのイベントを強化しました。箱根小涌園ユネッサンでは、飲料メーカー、映画等とタイアップしたイベント風呂を開催、下田海中水族館ではアザラシ館、ペンギンプールをリニューアルし新しいショーを始めました。
なお、主力の箱根においては、2月に記録的な大雪に見舞われ約一週間、国道1号線が通行止めとなりましたが、上記施策などによりその影響を補うことに努めた結果、当セグメントの売上高は、前年同四半期比18百万円増収の3,301百万円となり、営業損失は同60百万円悪化の177百万円となりました。
ノウハウ事業
椿山荘・太閤園事業での婚礼売上増収に伴い、株式会社ビジュアライフでは写真・ビデオ撮影の受注が増加し、売上高は前年同四半期比49百万円増収の308百万円、藤田観光工営株式会社では、装花事業の売上が増加し、売上高は前年同四半期比33百万円増収の437百万円となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は前年同四半期比43百万円増収の3,662百万円となり、営業利益は同9百万円増益の58百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産・負債の状況)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して833百万円増加の105,621百万円となりました。流動資産が1,507百万円減少した一方、固定資産が2,340百万円増加しております。流動資産は改装工事代の支払などに充てたことにより現金及び預金が1,191百万円減少したことや、固定資産は投資その他資産のその他が2,778百万円増加したことが主な要因です。
また負債は、前連結会計年度末比1,464百万円増加の78,358百万円となりました。改装工事代支払による未払金の減少628百万円、事業撤退損失引当金の取崩しにより664百万円減少し、一方で固定負債その他が2,945百万円増加しました。なお、当第2四半期連結会計期間末の借入金残高は前連結会計年度末比493百万円増加の42,107百万円となりました。
(純資産の状況)
純資産は、前連結会計年度末と比較して631百万円減少の27,262百万円となりました。利益剰余金が四半期純損失の計上ならびに配当金の支払により735百万円減少となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,836百万円となり、前連結会計年度末から1,190百万円減少しております。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、事業撤退損失引当金の664百万円支払が発生したものの、749百万円のキャッシュ・インとなりました。また、前年同四半期に不動産賃借料返還金の受取617百万円が発生したこともあり、前年同四半期比では1,068百万円の支出増となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,927百万円のキャッシュ・アウトとなりました。主な内容は、客室改装や新規開業による投資や、システム更新を行ったことによる固定資産の取得1,937百万円で、前年同四半期比では387百万円の支出減となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、9百万円のキャッシュ・アウトとなりました。主な内容は、配当金の支払486百万円に、借入金の増加(純増)493百万円を充てたことによるもので、前年同四半期比では357百万円の支出増となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。