四半期報告書-第129期第1四半期(平成29年3月1日-平成29年5月31日)

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2017/07/18 16:01
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30項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、引き続き緩やかな回復基調が続きましたが、海外経済の不確実性等、依然留意が必要な状況で推移いたしました。
このような情勢下にあって当社グループでは、主力の映画事業において定番のアニメーション作品他、話題作を配給し、演劇事業においても様々な話題作を提供いたしました。この結果、営業収入は710億2百万円(前年同四半期比22.8%増)、営業利益は174億4千万円(同36.0%増)、経常利益は175億7千8百万円(同36.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は121億6千3百万円(同39.7%増)となりました。
セグメントの業績状況は以下のとおりです。
映画事業
映画営業事業のうち製作部門では、東宝㈱において「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」「帝一の國」等の8本の映画を共同製作し、また劇場用映画「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」等を制作いたしました。
映画営業事業のうち配給部門では、当第1四半期連結累計期間の封切作品として、東宝㈱において前記作品の他、「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」「映画 クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ」を含む10本を、東宝東和㈱等において「SING/シング」「ワイルド・スピード ICE BREAK」等の5本を配給いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は15,306百万円(前年同四半期比26.6%増)、営業利益は4,308百万円(同33.0%増)となりました。なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(972百万円、同104.2%増)控除前で13,317百万円(同9.3%減)であり、その内訳は、国内配給収入が10,862百万円(同16.3%減)、製作出資に対する受取配分金収入が301百万円(同31.1%減)、輸出収入が483百万円(同163.0%増)、テレビ放映収入が609百万円(同47.3%増)、ビデオ収入が655百万円(同71.3%増)、その他の収入が404百万円(同43.1%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(503百万円、前年同四半期比37.5%増)控除前で、1,476百万円(同106.1%増)でした。
映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、前記配給作品の他に、「美女と野獣」「モアナと伝説の海」等、邦洋画の話題作を上映いたしました。当第1四半期連結累計期間における映画館入場者数は、14,232千人と前年同四半期比24.4%増となりました。その結果、映画興行事業の営業収入は23,847百万円(前年同四半期比26.9%増)、営業利益は4,993百万円(同67.7%増)となりました。
当第1四半期連結累計期間中の劇場の異動ですが、TOHOシネマズ㈱が、3月31日に福岡県福岡市中央区の「TOHOシネマズ 天神・本館」(6スクリーン)を閉館いたしました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は、共同経営の「札幌シネマフロンティア」(12スクリーン)、「広島バルト11」(11スクリーン)、「新宿バルト9」(9スクリーン)、「TOHOシネマズ 西宮OS」(12スクリーン)、「大阪ステーションシティシネマ」(12スクリーン)を含め、全国で6スクリーン減の660スクリーンとなりました。
映像事業では、東宝㈱のパッケージ事業において、DVD、Blu-ray(一部)にて「シン・ゴジラ」等を提供いたしました。出版・商品事業は劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」をはじめとする当社配給作品及び「美女と野獣」等の洋画作品が順調に稼働いたしました。アニメ製作事業では、TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」、映画「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」等に製作出資いたしました。また、アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入及び、製作出資いたしました作品の各種配分金収入がありました。ODS事業では「夜は短し歩けよ乙女」「WE ARE X」等を提供いたしました。さらに、㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では原価管理に努めながら、映画やTV・CMなどでの舞台製作・美術製作、テーマパークにおける展示物の製作業務、メンテナンス業務、及び大規模改修工事などを受注いたしました。これらの結果、映像事業の営業収入は10,508百万円(前年同四半期比55.6%増)、営業利益は2,912百万円(同97.6%増)となりました。
なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(858百万円、前年同四半期比72.2%増)控除前で9,280百万円(同73.3%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が3,951百万円(同100.8%増)、出版・商品事業収入が1,365百万円(同13.8%増)、アニメ製作事業収入が2,935百万円(同100.9%増)、実写製作事業収入が284百万円(同5.5%減)、ODS事業収入が742百万円(同75.2%増)でした。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は49,662百万円(前年同四半期比32.0%増)、営業利益は12,214百万円(同58.8%増)となりました。
演劇事業
演劇事業では、東宝㈱の帝国劇場におきまして、3月「Endless SHOCK」が全席完売、4、5月「王家の紋章」、日本初演30周年記念公演となる5月「レ・ミゼラブル」が、ともに大入りとなりました。シアタークリエにおきましては、3、4月「キューティ・ブロンド」が好評を博し、4、5月「ジャニーズ銀座2017」は満席となりました。日生劇場では4月「紳士のための愛と殺人の手引き」、5月「グレート・ギャツビー」を上演いたしました。また、5月にはEXシアター六本木の「舞台 あさひなぐ」に共同で製作出資した他、全国へと展開を続けている社外公演が事業収益に貢献いたしました。東宝芸能㈱では所属俳優がCM等で稼働いたしました。以上の結果、前期と演目等の違いはございますが、演劇事業の営業収入は3,745百万円(前年同四半期比17.2%増)、営業利益は1,110百万円(同59.3%増)となりました。
なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(65百万円、前年同四半期比55.1%増)控除前で3,397百万円(同17.1%増)であり、その内訳は、興行収入が2,840百万円(同10.0%増)、外部公演収入が525百万円(同90.7%増)、その他の収入が31百万円(同29.4%減)でした。
不動産事業
不動産賃貸事業では、全国に所有する不動産が好調に稼働し、事業収益に寄与いたしました。また、東宝㈱の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業におきまして、映画・TV・CMともに順調に稼働いたしました。東宝㈱では、平成29年3月1日を効力発生日として、連結子会社の東宝不動産㈱を吸収合併いたしました。また、同日付で東宝不動産㈱の行っておりました保険代理店事業につきまして事業を譲渡しております。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は7,535百万円(前年同四半期比7.9%減)、営業利益は3,264百万円(同14.3%減)となりました。
企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては、一時的なテナントの入れ替えにより、0.1%台で推移しております。また、企業集団の固定資産の含み益については、平成29年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2193億円となっております。(本情報開示時点までに最新の固定資産税評価額の入手が困難なため、一部に平成28年1月1日の数値を使用しております。当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)
なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(217百万円、前年同四半期比33.5%増)控除前で、7,682百万円(同20.8%増)でした。
道路事業では、受注競争の激化や、建設技能者の不足等があり、依然として予断を許さない状況での事業展開となりました。このような中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、積極的な営業活動で受注増に努めるとともに、原価管理の徹底や業務の効率化、コスト削減等に努め、その結果、道路事業の営業収入は、6,526百万円(前年同四半期比10.5%増)、営業利益は1,464百万円(同26.2%増)となりました。
不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び㈱東宝サービスセンターが、労務費や資材価格の高騰、人員不足の定常化等厳しい経営環境が続く中、新規受注に取り組むとともにコスト削減努力を重ねました。その結果、営業収入は2,501百万円(前年同四半期比5.3%減)、営業利益は221百万円(同14.6%減)となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は16,563百万円(前年同四半期比1.0%減)、営業利益は4,949百万円(同5.4%減)となっております。
その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業は、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」、㈱東宝エンタープライズの「東宝ダンスホール」、TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等で、お客様ニーズを捉えた充実したサービスの提供に努力いたしました。その結果、その他事業の営業収入は1,031百万円(前年同四半期比327.2%増)、営業利益は48百万円(同39.7%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,609百万円増加し、91,599百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動による資金は、税金等調整前四半期純利益が18,223百万円、減価償却費が2,640百万円、仕入債務の増加が2,800百万円ありましたが、法人税等の支払額が8,851百万円あったこと等により、15,705百万円の資金の増加(前年同四半期比12,248百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が15,300百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が18,607百万円、有形固定資産の取得による支出が1,202百万円あったこと等により、5,049百万円の資金の減少(前年同四半期比1,627百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が1,413百万円、配当金の支払額が5,677百万円あったこと等により、7,159百万円の資金の減少(前年同四半期比553百万円の減少)となりました。