有価証券報告書-第89期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、国内外の政治動向や金融資本市場のリスクが懸念されるなか、景気の緩やかな回復基調が続きました。雇用情勢に着実な改善が見られ、個人消費も一時落ち込んだものの持ち直しました。また、企業収益も改善し、設備投資も堅調に推移しました。
葬祭市場においては、故人や喪主の高齢化に加え、地域社会や職場の人間関係の希薄化等の影響もあり、会葬者数は減少傾向にあります。また、消費者の価値観・嗜好の多様化が葬儀の形態や費用のかけ方に反映される傾向が強まっています。一方、葬儀業界においては、葬祭会館の新規出店や、インターネットを通じた集客による葬儀紹介に特化した事業者の活動など、事業者間の激しい競争が続いています。
以上のような環境変化を踏まえ、現在、中期経営計画(平成28年度~平成30年度)に取り組んでおり、当期において、葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大の一環として、平成29年8月に「公益社 東久留米会館」(東京都東久留米市)をオープンしました。また、同月に「公益社 枚方会館」(大阪府枚方市)を新築リニューアル(建替え)オープンすることにより、中核会社である公益社の大規模葬祭会館のリニューアルが完了しました。さらに新規事業においては、平成30年1月にリハビリ特化型デイサービス施設の1号店として「ポシブル箕面牧落」(大阪府箕面市)をオープンしました。
当期においては、グループの全葬儀施行件数が、㈱公益社を中心に前連結会計年度(以下、前期)と比べて9.1%伸長したため、葬儀施行収入は前期比8.6%の増収となりました。
費用については、営業収益の増加に伴い直接費が増加したほか、新規出店(新築リニューアルを含む)に伴う人件費や広告宣伝費、地代家賃などが増加しました。このため営業費用が前期比5.2%増加しました。販売費及び一般管理費は、前期に計上したのれん償却額69百万円がなくなった影響により、前期比3.1%減少しました。
営業外収益については、前期に計上した移転損失引当金戻入益60百万円(新築リニューアルに伴う旧会館の解体撤去費用の見積り金額の変更によるもの)の計上がなくなりました。
特別損益については、平成30年3月「公益社 岸和田会館」(大阪府岸和田市)の運用変更――同会館の「別館」に改修工事を施すとともに、「本館」にあった機能を別館敷地内に移転、「本館」はその後解体する――の意思決定を行い、これに伴い固定資産に係る減損損失1億86百万円を計上しました。
この結果、当期の営業収益は200億70百万円となり、前期比7.5%の増収となりました。また、営業利益は26億58百万円(前期比31.6%増)、経常利益は26億50百万円(前期比28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億73百万円(前期比16.9%増)と増益となりました。
セグメント別の業績は次の通りです。
ア 公益社グループ
公益社グループの中核会社である㈱公益社では、既存店の件数の伸びに、平成28年4月以降に開設した6つの会館の効果が加わり、関西圏、首都圏の一般葬儀の件数が伸長しました。とりわけ、首都圏では葬儀施行件数が、前期比18.6%の増加となりました。これは新規出店による営業エリアの拡大および集客チャネルの多様化への取り組みが奏功したものと考えられます。一方、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)においては単価が上昇しました。その結果、全体の葬儀施行件数は前期比10.6%の増加、葬儀施行収入は前期比8.5%の増収となりました。
葬儀に付随する販売やサービス提供においては、返礼品販売収入や手数料収入などが前期比増収となりました。
費用については、営業収益の増加に伴う直接費の増加以外に、人員増による人件費の増加、集客力強化のための広告宣伝費の増加、新規出店に係る経費の増加、さらに人材力強化のための外部研修実施による教育費の増加等により、営業費用は前期比増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は166億7百万円(前期比7.1%増)となり、セグメント利益は13億38百万円(前期比22.3%増)となりました。
イ 葬仙グループ
葬仙グループの㈱葬仙においては、米子葬祭会館のリニューアル効果により、米子エリアで葬儀施行件数を前期比5.0%伸ばしたものの、鳥取エリアで葬儀施行件数が減少したため、全体で葬儀施行件数は前期比1.1%の減少となりました。加えて、大規模葬儀(㈱葬仙では金額2百万円超の葬儀と定義)の減少により、全体の葬儀施行単価が前期を下回ったため、葬儀施行収入は前期比2.2%の減収となりました。
費用については、米子葬祭会館に係る地代家賃が増加した一方、同会館の前期改装工事およびオープンに係る消耗備品費、広告宣伝費等がなくなったことにより、営業費用は前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は13億93百万円(前期比1.9%減)となり、セグメント利益は22百万円(前期比49.2%減)となりました。
ウ タルイグループ
タルイグループの㈱タルイにおいては、主に「タルイ会館 大蔵谷」(平成28年7月新築リニューアルオープン)、「タルイ会館 西明石」(平成29年1月新規オープン)の効果により、葬儀施行件数が前期比10.4%増加し、葬儀施行単価が提案力の強化により上昇した結果、葬儀施行収入は前期比19.5%の増収となりました。
費用については、営業収益の増加に伴う直接費の増加以外に、人員増に伴う人件費の増加、新規出店(新築リニューアルを含む)の地代家賃の増加により、営業費用は前期比増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は17億6百万円(前期比19.4%増)となり、セグメント利益は3億40百万円(前期比64.7%増)となりました。
エ 持株会社グループ
持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、子会社からの不動産収入が増加したものの、配当金収入の減少により減収となりました。
費用については、新規会館に係る地代家賃が増加した一方、過年度の新築リニューアル計画に伴う耐用年数の見積り変更による減価償却費が減少したため、営業費用は前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は47億74百万円(前期比2.9%減)となり、セグメント利益は16億78百万円(前期比6.2%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当期末における流動資産は60億38百万円となり、前期末比21億30百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が21億69百万円増加したことによるものです。
固定資産は241億22百万円となり、前期末比69百万円増加しました。これは主に、新規会館用地に係る土地の増加や新規会館等の竣工による建物及び構築物の増加を中心に、有形固定資産が80百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は301億61百万円となり、前期末比21億99百万円増加しました。
(負債)
当期末における流動負債は32億56百万円となり、前期末比9億66百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が3億76百万円、未払消費税等が1億54百万円増加したほか、1年内返済予定の長期借入金が1億49百万円、賞与引当金が97百万円増加したことによるものです。
固定負債は26億49百万円となり、前期末比78百万円減少しました。これは主に、リース債務が71百万円増加する一方、長期借入金が1億70百万円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は、59億5百万円となり、前期末比8億87百万円増加しました。
(純資産)
当期末における純資産合計は242億55百万円となり、前期末比13億11百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益15億73百万円を計上する一方、配当金2億61百万円を支払ったことにより、利益剰余金が13億12百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比1.7ポイント低下し、80.4%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物は、前期末より21億69百万円増加し、47億81百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは35億51百万円の増加(前期は22億42百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益24億64百万円、減価償却費8億50百万円、減損損失1億86百万円、未払消費税等の増加1億54百万円により資金が増加したのに対して、法人税等の支払い6億32百万円により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは9億84百万円の減少(前期は20億96百万円の減少)となりました。
これは主に、会館建設に伴う有形固定資産の取得による支出9億41百万円により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは3億97百万円の減少(前期は3億64百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額2億61百万円により資金が減少したことによるものです。
④営業の実績
ア 営業売上実績
当連結会計年度における営業売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ 葬儀請負の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬儀請負事業に係わる葬儀施行件数の、当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
(公益社グループ)
(葬仙グループ)
(タルイグループ)
(注)1.稼働率=施行件数÷基準件数×100
なお、式場利用は通常、通夜と葬儀の2日間にわたるため、基準件数は1式場2日間に1件の施行を標準として算出しております。
2.葬儀施行件数は、法事・法要件数を除いた件数を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり、重要な資産の評価基準及び評価方法、重要な減価償却資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等において、継続性・網羅性・厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産につきましては、将来の回収可能性を十分に検討したうえで計上しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期は、営業収益の伸びを伴って利益を伸長させることができました。営業収益の伸びは、第一に㈱公益社、とりわけ首都圏(東京本社)の増収、第二に㈱タルイの増収によって実現したものです。㈱公益社首都圏では過去10年来の会館の新規開設および集客マーケティングや人材教育などの諸施策の成果が現れているものと考えます。㈱公益社関西圏(大阪本社)も、施策の浸透・徹底が徐々に進み、増収に貢献しました。
㈱タルイにおいては、小さな組織ならではの機動性を生かしてこの3年間に実施した集客や人材活用に係る諸施策に加え、会館の新規開設および新築リニューアル(建替え)が奏功しております。
但し、当期の増収には、公益社が強みとする社葬・お別れの会等における一部大型の案件の受託が影響しており、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)において平年ベース(過去5年平均)と比べて約3億円の営業収益の増加がありました。
なお、上述の戦略的な新規出店や集客等に係る諸施策が成果を収める前提として、グループ中期経営計画において重点課題の最初に掲げておりますとおり、《サービス品質の向上》への不断の取り組みが不可欠と考えております。
費用につきましては、集客のための広告宣伝費、会館の新設・リニューアルに伴う消耗備品費、会館設備の維持・更新のために修繕費が前期比増加しました。広告宣伝費の支出は費用対効果の検証に基づいて実施するとともに、消耗備品費および修繕費の支出では、お客様の利便性や快適さの確保と施設面での競争力の維持を重視しております。
また、人件費も葬儀施行件数が増加する中、前期比増加しました。当期も欠員補充と増員のための採用に努めましたが、予定数を充足するには至りませんでした。今後、業務量調査に基づく、より精緻な適正人員の把握と人的効率に係る経営指標を整備し、人件費コントロールを適切に行ってまいります。
新たな「公益社 枚方会館」のオープン(平成29年8月)とその後の旧施設の解体工事等の終了をもって、築年数の経過した大規模会館(枚方のほかに天神橋、西宮山手の2会館)の新築リニューアル(建替え)がプロジェクトとして完了しました。足かけ4年におよんだ当プロジェクトでは、当社および㈱公益社の大阪本社・本部機能等の移転・集約や会館の一部敷地の外部への賃貸借を組み合わせることにより、従前と比べて年間約1億5千万円の増益効果を生み出すことができました。
以上の結果、達成すべき経営指標として掲げております「売上高経常利益率10%以上」を達成(13.2%)することができました。
③当連結会計年度の財政状態の分析
現金及び預金が、前期末比21億69百万円増加して47億81百万円と高水準となりました。その要因については次項「④資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載いたします。
なお、第1四半期は資金需要期(税金・賞与・配当)であるため、平成30年6月末の残高を36億円前後と予想しております。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
現金及び預金が47億81百万円と高水準となった要因は、増益を背景として営業活動によるキャッシュ・フローが35億51百万円増加する一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が少なく、9億84百万円の減少にとどまったことによります。
葬儀の小規模化や家族葬ニーズの高まりという外部環境を踏まえると、葬儀会館の投資資金は、多店舗展開するとしても自己資金でまかなうことができる見込みです。但し、首都圏においては今後、営業エリアの拡大に伴う業務効率の低下を避けるために、会館機能に加えて人員の広域管理のための集中配置と資材等のバックヤード機能を併せ持つ、いわゆる母店の設置が必要になると予想されます。その際には、自己資金でまかなえる範囲ではありますが、一時的に標準的な規模の会館(子店)と比べて、多額の投資資金を要する可能性があります。
株主の皆様への利益還元につきましては、連結業績および資金の状況、中長期的な成長投資のための内部留保の確保、および財務の健全性等を総合的に勘案の上、安定的な配当水準の向上を目指して実施しております。当期は1株当たり年50円と年5円の増配といたしました。その結果、連結での配当性向は17.9%となりました。
内部留保金につきましては、継続的かつ安定的な成長のために、関西圏および首都圏における積極的な新規会館建設(母店含む)を継続するとともに、生産性の向上のためのIT投資など、情報システムの高度化に係る投資の原資に充て、経営基盤の強化、生産性が高く働きやすい業務体制の構築のために活用する方針であります。
なお、当社は、資産効率向上の観点から余剰現預金を持たない方針であります。そのために当社は、緊急多額の資金需要に備え、取引銀行3行と総額10億円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、同契約に基づく当期末の借入実行残高はありません。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
葬儀および周辺事業をグループの基軸としながらも、事業ポートフォリオのリスクを軽減する観点から、新たな収益の柱となる新規事業の創出を模索していきます。そして、継続的かつ安定的な営業収益および利益の成長の実現を目指してまいります。
当面の個別具体的な問題意識については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、国内外の政治動向や金融資本市場のリスクが懸念されるなか、景気の緩やかな回復基調が続きました。雇用情勢に着実な改善が見られ、個人消費も一時落ち込んだものの持ち直しました。また、企業収益も改善し、設備投資も堅調に推移しました。
葬祭市場においては、故人や喪主の高齢化に加え、地域社会や職場の人間関係の希薄化等の影響もあり、会葬者数は減少傾向にあります。また、消費者の価値観・嗜好の多様化が葬儀の形態や費用のかけ方に反映される傾向が強まっています。一方、葬儀業界においては、葬祭会館の新規出店や、インターネットを通じた集客による葬儀紹介に特化した事業者の活動など、事業者間の激しい競争が続いています。
以上のような環境変化を踏まえ、現在、中期経営計画(平成28年度~平成30年度)に取り組んでおり、当期において、葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大の一環として、平成29年8月に「公益社 東久留米会館」(東京都東久留米市)をオープンしました。また、同月に「公益社 枚方会館」(大阪府枚方市)を新築リニューアル(建替え)オープンすることにより、中核会社である公益社の大規模葬祭会館のリニューアルが完了しました。さらに新規事業においては、平成30年1月にリハビリ特化型デイサービス施設の1号店として「ポシブル箕面牧落」(大阪府箕面市)をオープンしました。
当期においては、グループの全葬儀施行件数が、㈱公益社を中心に前連結会計年度(以下、前期)と比べて9.1%伸長したため、葬儀施行収入は前期比8.6%の増収となりました。
費用については、営業収益の増加に伴い直接費が増加したほか、新規出店(新築リニューアルを含む)に伴う人件費や広告宣伝費、地代家賃などが増加しました。このため営業費用が前期比5.2%増加しました。販売費及び一般管理費は、前期に計上したのれん償却額69百万円がなくなった影響により、前期比3.1%減少しました。
営業外収益については、前期に計上した移転損失引当金戻入益60百万円(新築リニューアルに伴う旧会館の解体撤去費用の見積り金額の変更によるもの)の計上がなくなりました。
特別損益については、平成30年3月「公益社 岸和田会館」(大阪府岸和田市)の運用変更――同会館の「別館」に改修工事を施すとともに、「本館」にあった機能を別館敷地内に移転、「本館」はその後解体する――の意思決定を行い、これに伴い固定資産に係る減損損失1億86百万円を計上しました。
この結果、当期の営業収益は200億70百万円となり、前期比7.5%の増収となりました。また、営業利益は26億58百万円(前期比31.6%増)、経常利益は26億50百万円(前期比28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億73百万円(前期比16.9%増)と増益となりました。
セグメント別の業績は次の通りです。
ア 公益社グループ
公益社グループの中核会社である㈱公益社では、既存店の件数の伸びに、平成28年4月以降に開設した6つの会館の効果が加わり、関西圏、首都圏の一般葬儀の件数が伸長しました。とりわけ、首都圏では葬儀施行件数が、前期比18.6%の増加となりました。これは新規出店による営業エリアの拡大および集客チャネルの多様化への取り組みが奏功したものと考えられます。一方、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)においては単価が上昇しました。その結果、全体の葬儀施行件数は前期比10.6%の増加、葬儀施行収入は前期比8.5%の増収となりました。
葬儀に付随する販売やサービス提供においては、返礼品販売収入や手数料収入などが前期比増収となりました。
費用については、営業収益の増加に伴う直接費の増加以外に、人員増による人件費の増加、集客力強化のための広告宣伝費の増加、新規出店に係る経費の増加、さらに人材力強化のための外部研修実施による教育費の増加等により、営業費用は前期比増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は166億7百万円(前期比7.1%増)となり、セグメント利益は13億38百万円(前期比22.3%増)となりました。
イ 葬仙グループ
葬仙グループの㈱葬仙においては、米子葬祭会館のリニューアル効果により、米子エリアで葬儀施行件数を前期比5.0%伸ばしたものの、鳥取エリアで葬儀施行件数が減少したため、全体で葬儀施行件数は前期比1.1%の減少となりました。加えて、大規模葬儀(㈱葬仙では金額2百万円超の葬儀と定義)の減少により、全体の葬儀施行単価が前期を下回ったため、葬儀施行収入は前期比2.2%の減収となりました。
費用については、米子葬祭会館に係る地代家賃が増加した一方、同会館の前期改装工事およびオープンに係る消耗備品費、広告宣伝費等がなくなったことにより、営業費用は前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は13億93百万円(前期比1.9%減)となり、セグメント利益は22百万円(前期比49.2%減)となりました。
ウ タルイグループ
タルイグループの㈱タルイにおいては、主に「タルイ会館 大蔵谷」(平成28年7月新築リニューアルオープン)、「タルイ会館 西明石」(平成29年1月新規オープン)の効果により、葬儀施行件数が前期比10.4%増加し、葬儀施行単価が提案力の強化により上昇した結果、葬儀施行収入は前期比19.5%の増収となりました。
費用については、営業収益の増加に伴う直接費の増加以外に、人員増に伴う人件費の増加、新規出店(新築リニューアルを含む)の地代家賃の増加により、営業費用は前期比増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は17億6百万円(前期比19.4%増)となり、セグメント利益は3億40百万円(前期比64.7%増)となりました。
エ 持株会社グループ
持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、子会社からの不動産収入が増加したものの、配当金収入の減少により減収となりました。
費用については、新規会館に係る地代家賃が増加した一方、過年度の新築リニューアル計画に伴う耐用年数の見積り変更による減価償却費が減少したため、営業費用は前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は47億74百万円(前期比2.9%減)となり、セグメント利益は16億78百万円(前期比6.2%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当期末における流動資産は60億38百万円となり、前期末比21億30百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が21億69百万円増加したことによるものです。
固定資産は241億22百万円となり、前期末比69百万円増加しました。これは主に、新規会館用地に係る土地の増加や新規会館等の竣工による建物及び構築物の増加を中心に、有形固定資産が80百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は301億61百万円となり、前期末比21億99百万円増加しました。
(負債)
当期末における流動負債は32億56百万円となり、前期末比9億66百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が3億76百万円、未払消費税等が1億54百万円増加したほか、1年内返済予定の長期借入金が1億49百万円、賞与引当金が97百万円増加したことによるものです。
固定負債は26億49百万円となり、前期末比78百万円減少しました。これは主に、リース債務が71百万円増加する一方、長期借入金が1億70百万円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は、59億5百万円となり、前期末比8億87百万円増加しました。
(純資産)
当期末における純資産合計は242億55百万円となり、前期末比13億11百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益15億73百万円を計上する一方、配当金2億61百万円を支払ったことにより、利益剰余金が13億12百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比1.7ポイント低下し、80.4%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物は、前期末より21億69百万円増加し、47億81百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは35億51百万円の増加(前期は22億42百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益24億64百万円、減価償却費8億50百万円、減損損失1億86百万円、未払消費税等の増加1億54百万円により資金が増加したのに対して、法人税等の支払い6億32百万円により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは9億84百万円の減少(前期は20億96百万円の減少)となりました。
これは主に、会館建設に伴う有形固定資産の取得による支出9億41百万円により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは3億97百万円の減少(前期は3億64百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額2億61百万円により資金が減少したことによるものです。
④営業の実績
ア 営業売上実績
当連結会計年度における営業売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 公益社グループ | 16,607,024 | 107.1 |
| 葬仙グループ | 1,393,803 | 98.1 |
| タルイグループ | 1,706,303 | 119.4 |
| 持株会社グループ | 4,774,210 | 97.1 |
| 合計 | 24,481,342 | 105.2 |
(注)1.上記の金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ 葬儀請負の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬儀請負事業に係わる葬儀施行件数の、当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
(公益社グループ)
| 区分 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||||
| 式場数(式場) | 施行件数(件) | 前年同期比(%) | 稼働率(%) | ||
| 大規模会館 千里会館、枚方会館、西宮山手会館 | 大式場 | 3 | 67 | 88.2 | 12.2 |
| 一般式場 | 11 | 1,651 | 102.3 | 82.2 | |
| 支店・営業所付属会館 天神橋、東大阪、堺、吹田、岸和田、用賀、玉出、城東、西田辺、宝塚、豊中、高槻、守口、雪谷、富雄、はびきの、たまプラーザ、なかもず、明大前、田園調布、住吉御影、学園前、森小路、高輪、石橋、高円寺、仙川、江坂、日吉、西大寺、六甲道、甲南山手、くずは、武庫之荘、喜多見、甲子園口、千里山田、東久留米 | 一般式場 | 54 | 7,709 | 110.8 | 78.0 |
| 小計 | 68 | 9,427 | 109.0 | 75.8 | |
| その他(自宅、寺院等) | - | 1,991 | 116.0 | - | |
| 合計 | - | 11,418 | 110.2 | - | |
(葬仙グループ)
| 区分 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||||
| 式場数(式場) | 施行件数(件) | 前年同期比(%) | 稼働率(%) | ||
| 支店・営業所付属会館 鳥取、吉方、岩美、米子、安倍、福米、安来、境港、余子、松江、比津、東出雲 | 一般式場 | 14 | 1,031 | 97.8 | 40.4 |
| その他(自宅、寺院等) | - | 224 | 104.2 | - | |
| 合計 | - | 1,255 | 98.9 | - | |
(タルイグループ)
| 区分 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||||
| 式場数(式場) | 施行件数(件) | 前年同期比(%) | 稼働率(%) | ||
| 支店・営業所付属会館 舞子、大蔵谷、新明、大久保、魚住、土山、東加古川、神戸西、長坂寺、西明石 | 一般式場 | 14 | 1,143 | 109.4 | 44.7 |
| その他(自宅、寺院等) | - | 37 | 154.2 | - | |
| 合計 | - | 1,180 | 110.4 | - | |
(注)1.稼働率=施行件数÷基準件数×100
なお、式場利用は通常、通夜と葬儀の2日間にわたるため、基準件数は1式場2日間に1件の施行を標準として算出しております。
2.葬儀施行件数は、法事・法要件数を除いた件数を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり、重要な資産の評価基準及び評価方法、重要な減価償却資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等において、継続性・網羅性・厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産につきましては、将来の回収可能性を十分に検討したうえで計上しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期は、営業収益の伸びを伴って利益を伸長させることができました。営業収益の伸びは、第一に㈱公益社、とりわけ首都圏(東京本社)の増収、第二に㈱タルイの増収によって実現したものです。㈱公益社首都圏では過去10年来の会館の新規開設および集客マーケティングや人材教育などの諸施策の成果が現れているものと考えます。㈱公益社関西圏(大阪本社)も、施策の浸透・徹底が徐々に進み、増収に貢献しました。
㈱タルイにおいては、小さな組織ならではの機動性を生かしてこの3年間に実施した集客や人材活用に係る諸施策に加え、会館の新規開設および新築リニューアル(建替え)が奏功しております。
但し、当期の増収には、公益社が強みとする社葬・お別れの会等における一部大型の案件の受託が影響しており、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)において平年ベース(過去5年平均)と比べて約3億円の営業収益の増加がありました。
なお、上述の戦略的な新規出店や集客等に係る諸施策が成果を収める前提として、グループ中期経営計画において重点課題の最初に掲げておりますとおり、《サービス品質の向上》への不断の取り組みが不可欠と考えております。
費用につきましては、集客のための広告宣伝費、会館の新設・リニューアルに伴う消耗備品費、会館設備の維持・更新のために修繕費が前期比増加しました。広告宣伝費の支出は費用対効果の検証に基づいて実施するとともに、消耗備品費および修繕費の支出では、お客様の利便性や快適さの確保と施設面での競争力の維持を重視しております。
また、人件費も葬儀施行件数が増加する中、前期比増加しました。当期も欠員補充と増員のための採用に努めましたが、予定数を充足するには至りませんでした。今後、業務量調査に基づく、より精緻な適正人員の把握と人的効率に係る経営指標を整備し、人件費コントロールを適切に行ってまいります。
新たな「公益社 枚方会館」のオープン(平成29年8月)とその後の旧施設の解体工事等の終了をもって、築年数の経過した大規模会館(枚方のほかに天神橋、西宮山手の2会館)の新築リニューアル(建替え)がプロジェクトとして完了しました。足かけ4年におよんだ当プロジェクトでは、当社および㈱公益社の大阪本社・本部機能等の移転・集約や会館の一部敷地の外部への賃貸借を組み合わせることにより、従前と比べて年間約1億5千万円の増益効果を生み出すことができました。
以上の結果、達成すべき経営指標として掲げております「売上高経常利益率10%以上」を達成(13.2%)することができました。
③当連結会計年度の財政状態の分析
現金及び預金が、前期末比21億69百万円増加して47億81百万円と高水準となりました。その要因については次項「④資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載いたします。
なお、第1四半期は資金需要期(税金・賞与・配当)であるため、平成30年6月末の残高を36億円前後と予想しております。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
現金及び預金が47億81百万円と高水準となった要因は、増益を背景として営業活動によるキャッシュ・フローが35億51百万円増加する一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が少なく、9億84百万円の減少にとどまったことによります。
葬儀の小規模化や家族葬ニーズの高まりという外部環境を踏まえると、葬儀会館の投資資金は、多店舗展開するとしても自己資金でまかなうことができる見込みです。但し、首都圏においては今後、営業エリアの拡大に伴う業務効率の低下を避けるために、会館機能に加えて人員の広域管理のための集中配置と資材等のバックヤード機能を併せ持つ、いわゆる母店の設置が必要になると予想されます。その際には、自己資金でまかなえる範囲ではありますが、一時的に標準的な規模の会館(子店)と比べて、多額の投資資金を要する可能性があります。
株主の皆様への利益還元につきましては、連結業績および資金の状況、中長期的な成長投資のための内部留保の確保、および財務の健全性等を総合的に勘案の上、安定的な配当水準の向上を目指して実施しております。当期は1株当たり年50円と年5円の増配といたしました。その結果、連結での配当性向は17.9%となりました。
内部留保金につきましては、継続的かつ安定的な成長のために、関西圏および首都圏における積極的な新規会館建設(母店含む)を継続するとともに、生産性の向上のためのIT投資など、情報システムの高度化に係る投資の原資に充て、経営基盤の強化、生産性が高く働きやすい業務体制の構築のために活用する方針であります。
なお、当社は、資産効率向上の観点から余剰現預金を持たない方針であります。そのために当社は、緊急多額の資金需要に備え、取引銀行3行と総額10億円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、同契約に基づく当期末の借入実行残高はありません。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
葬儀および周辺事業をグループの基軸としながらも、事業ポートフォリオのリスクを軽減する観点から、新たな収益の柱となる新規事業の創出を模索していきます。そして、継続的かつ安定的な営業収益および利益の成長の実現を目指してまいります。
当面の個別具体的な問題意識については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。