有価証券報告書-第96期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、一部に弱めの動きもみられますが、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復等により緩やかに回復しています。一方で、アメリカの政策動向や長期化する不安定な国際情勢など、経済と物価をめぐる不確実性は高い状況が続いております。
当社が事業展開をしている葬儀業界では、65歳以上の高齢者人口の増加を背景に、葬儀に関する潜在ニーズは2040年まで継続的な増加が見込まれております。一方で、故人との大切な最後のお別れの場である葬儀の本質は変わりませんが、家族を中心に近しい人だけで行う家族葬のほか一日葬など、葬儀の形態が多様化しており葬儀施行単価の下落に繋がっております。加えて、葬儀事業者による葬祭会館の新規出店やインターネットによる葬儀紹介会社の台頭により、特に小規模葬儀のサービス提供をめぐる競争が激化しております。
当社は2032年に迎える創業100年に向けて当社グループが進むべき方向、ありたい姿を定めた「10年ビジョン(2022年5月公表)」において「葬儀事業の拡大」および「ライフエンディングサポート事業の拡大」の目標を掲げました。当期は、「10年ビジョン」に沿って推進しております「中期経営計画(2022年度~2024年度)」の最終年度となっております。
上記、中期経営計画の重点項目である「葬儀事業の拡大」の中核として、「リーズナブルでありながら高い品質のサービス」を提供する家族葬ブランド「エンディングハウス(ENDING HAUS)」を立ち上げ、当期は、首都圏に7会館、近畿圏に3会館を新規出店し、2023年のブランド立ち上げ以来合計18会館となりました。加えて当社グループは、2024年9月に株式公開買付け(TOB)により㈱きずなホールディングスの連結子会社化を実施いたしました。今回の連結子会社化により当社グループの事業展開エリアは、北海道から九州まで16都道府県に広がり、日本全国で安心と信頼のサービス提供が可能になりました。葬儀取扱い件数はおよそ年間33,000件、自社会館数は267会館(2025年3月末時点)となり、「10年ビジョン」で掲げた2031年度の目標会館数210会館を達成いたしました。今後も、日本最大の上場葬儀事業会社として、さらなる成長を目指してまいります。
もう一つの重点項目である「ライフエンディングサポート事業の拡大」では、単身高齢者向けの新商品「喪主のいらないお葬式」の販売を開始しました。これは、葬儀サービスと行政書士・司法書士による法務サービスを組み合わせた新しいサービスです。さらに、葬儀施行件数の増加に伴い、返礼品や仏壇・仏具の販売、不動産仲介など、葬儀後の支援も拡充しています。加えて、地域社会のニーズを踏まえ、リハビリ特化型デイサービス施設を開設し、高品質なケアを通じて、安心な暮らしの実現を目指しています。
当期の連結業績は、燦ホールディングス㈱の2024年4月~2025年3月までの連結業績と、㈱きずなホールディングスの2024年9月~2025年2月を合算したものとなります。当期の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益には、㈱きずなホールディングスの連結子会社化(みなし取得日:2024年8月31日)に伴い発生した、のれん償却額3億57百万円が含まれております。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)
当期の営業収益は319億84百万円となり、前連結会計年度(以下、前期)比42.5%の増収、営業利益は45億21百万円と前期比19.3%の増益となりました。
経常利益については43億63百万円と前期比14.8%の増益となりました。特別利益として、ノンコア事業用資産である「北浜エクセルビル」の土地および建物に関する不動産信託受益権の譲渡による固定資産売却益を34億3百万円計上しました。特別損失として、減損損失3億19百万円を計上しました。税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は47億21百万円と前期比99.8%の増益となりました。
当期のグループ葬祭各社の葬儀施行収入は、前期比49.9%の増収となりました。当期より㈱きずなホールディングスの2024年9月から2025年2月の損益を、連結業績の対象範囲に含めております。グループ全体の葬儀施行件数は、葬祭3社の件数が前期比増加したことに加え、㈱きずなホールディングスの連結子会社化により前期比61.9%増加しました。葬儀施行単価は、家族葬の割合が増えたため、前期比7.4%減少しました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、料理販売と、不動産仲介等の手数料収入を中心に前期比増収となりました。
費用については、㈱きずなホールディングスを連結子会社化した影響により、営業費用は前期比41.6%の増加となりました。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)また、販売費及び一般管理費は、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用の発生と、将来の事業成長に備えた人員採用に係る採用費の増加、人件費等により増加いたしました。㈱きずなホールディングスの連結子会社化による、のれん償却額(償却期間16年)については、当期は6か月分を計上しております。以上により販売費及び一般管理費は前期比110.3%増加しました。
なお、2022年4月に設立した葬祭会社「㈱グランセレモ東京」(㈱広済堂ホールディングス51%、当社49%の出資による合弁会社)に係る持分法による投資利益は64百万円となり、好調に推移しております。
従来当社グループでは、葬祭3社および当社を中心とした会社グループ別の4つのセグメント、「公益社グループ」、「葬仙グループ」、「タルイグループ」、「持株会社グループ」を報告セグメントとしておりました。当期に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化により、報告セグメント「きずなグループ」を新たに追加しております。
なお、「公益社グループ」には、㈱公益社に加え、㈱公益社の葬儀サービスのサポートのほか、介護サービス事業や高齢者施設での食事の提供等を行うエクセル・サポート・サービス㈱および、終活関連WEBプラットフォーム事業を行うライフフォワード㈱を含んでおります。
当期のセグメント別の経営成績は次の通りです。
ア 公益社グループ
公益社グループの中核会社である㈱公益社においては、新規出店効果により一般葬儀(金額5百万円以下の葬儀)の葬儀施行件数が増加し、葬儀施行単価が前期並みに推移したことにより、葬儀施行収入は全体で前期比10.7%の増収となりました。また、葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、料理販売と、不動産仲介等の手数料収入を中心に前期比増収となりました。
費用については、将来の事業成長に備えた人員採用に係る採用費の増加、売上拡大に伴う人件費の増加、新規出店に伴う地代家賃等の増加により、前期比増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は204億27百万円(前期比10.4%増)、セグメント利益は30億91百万円(前期比31.6%増)となりました。
イ 葬仙グループ
㈱葬仙を中心とする葬仙グループにおいては、直葬(火葬のみ)の割合が増え葬儀施行単価は微減したものの、一般葬儀を中心に葬儀施行件数が増加し、葬儀施行収入は前期比6.1%の増収となりました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入については、後日返礼品販売が低調であったため、前期比減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は16億23百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は2億4百万円(前期比31.1%増)となりました。
ウ タルイグループ
タルイグループの㈱タルイにおいては、一般葬の葬儀施行単価が微減したものの、葬儀施行件数が好調に推移したため、葬儀施行収入は前期比6.3%の増収となりました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、法事法要サービスが増加したため、前期比増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は21億13百万円(前期比6.0%増)、セグメント利益は5億12百万円(前期比13.2%増)となりました。
エ きずなグループ
当期から新たな報告セグメントとして追加したきずなグループは、当社子会社の㈱きずなホールディングスおよびその子会社である㈱家族葬のファミーユ、㈱花駒、㈱備前屋にて構成されております。
当セグメントの売上高は74億59百万円、セグメント利益は、子会社化に伴う一過性の公開買付関連費用約2億26百万円、およびのれん償却額を3億57百万円計上したため、3億66百万円となりました。
オ 持株会社グループ
持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、配当金収入が減少したものの、不動産管理収入が増加し、前期比1.5%の増収となりました。
営業費用は、主に新規出店に伴う地代家賃等の固定費が増加しました。
販売費及び一般管理費においても、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用が発生したほか、人件費や新システムの減価償却費等が増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は67億83百万円(前期比1.5%増)、セグメント利益は23億円(前期比24.0%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末(以下、当期末)における流動資産は152億67百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)比34億31百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が28億73百万円増加したことによるものです。
また、固定資産は477億86百万円となり、前期末比220億36百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う建物及び構築物、ならびにリース資産の増加により、有形固定資産が90億91百万円増加したことと、のれんが110億45百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は630億53百万円となり、前期末比254億67百万円増加しました。
(負債)
当期末における流動負債は96億64百万円となり、前期末比60億27百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴い短期借入金が5億円、1年内返済予定の長期借入金が25億31百万円増加したこと等によるものです。
また、固定負債は162億17百万円となり、前期末比151億45百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に要した長期借入金の増加によるものです。
この結果、負債合計は258億81百万円となり、前期末比211億73百万円増加しました。
(純資産)
当期末における純資産合計は371億72百万円となり、前期末比42億94百万円増加しました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益47億21百万円を計上する一方、剰余金の配当4億96百万円を支払ったことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比28.5ポイント低下し、59.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末より28億92百万円増加し、126億40百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは54億76百万円の増加(前期は31億70百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益74億35百万円、減価償却費14億75百万円、有形固定資産売却益34億4百万円により資金が増加し、法人税等の支払額14億円などにより減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは121億2百万円の減少(前期は14億42百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産売却による収入38億11百万円により資金が増加したものの、有形固定資産の取得による支出22億1百万円、ならびに㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う、子会社株式の取得による支出130億61百万円等により、資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは95億18百万円の増加(前期は11億59百万円の減少)となりました。
これは、配当金の支払額4億96百万円により資金が減少した一方で、主に㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う長期借入れによる収入108億51百万円により資金が増加いたしました。
④営業の実績
ア 営業売上実績
当連結会計年度における営業売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.きずなグループは2024年9月~2025年2月の業績の売上実績を記載しております。
イ 葬儀請負の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬儀請負事業に係わる葬儀施行件数の、当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
(注)1.葬儀施行件数は、法事・法要件数を除いた件数を記載しております。
2.きずなグループは2024年9月~2025年2月の業績による葬儀施行件数を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社が事業展開をしている葬儀業界では、65歳以上の高齢者人口の増加を背景に、葬儀に関する潜在ニーズは2040年まで継続的な増加が見込まれております。一方で、故人との大切な最後のお別れの場である葬儀の本質は変わりませんが、家族を中心に近しい人だけで行う家族葬のほか一日葬など、葬儀の形態が多様化しており葬儀施行単価の下落に繋がっております。加えて、葬儀事業者による葬祭会館の新規出店やインターネットによる葬儀紹介会社の台頭により、特に小規模葬儀のサービス提供をめぐる競争が激化しております。
当社は2032年に迎える創業100年に向けて当社グループが進むべき方向、ありたい姿を定めた「10年ビジョン(2022年5月公表)」において「葬儀事業の拡大」および「ライフエンディングサポート事業の拡大」の目標を掲げました。当期は、「10年ビジョン」に沿って推進しております「中期経営計画(2022年度~2024年度)」の最終年度となっております。
上記、中期経営計画の重点項目である「葬儀事業の拡大」の中核として、「リーズナブルでありながら高い品質のサービス」を提供する家族葬ブランド「エンディングハウス(ENDING HAUS)」を立ち上げ、当期は、首都圏に7会館、近畿圏に3会館を新規出店し、2023年のブランド立ち上げ以来合計18会館となりました。加えて当社グループは、2024年9月に株式公開買付け(TOB)により㈱きずなホールディングスの連結子会社化を実施いたしました。今回の連結子会社化により当社グループの事業展開エリアは、北海道から九州まで16都道府県に広がり、日本全国で安心と信頼のサービス提供が可能になりました。葬儀取扱い件数はおよそ年間33,000件、自社会館数は267会館(2025年3月末時点)となり、「10年ビジョン」で掲げた2031年度の目標会館数210会館を達成いたしました。今後も、日本最大の上場葬儀事業会社として、さらなる成長を目指してまいります。
もう一つの重点項目である「ライフエンディングサポート事業の拡大」では、単身高齢者向けの新商品「喪主のいらないお葬式」の販売を開始しました。これは、葬儀サービスと行政書士・司法書士による法務サービスを組み合わせた新しいサービスです。さらに、葬儀施行件数の増加に伴い、返礼品や仏壇・仏具の販売、不動産仲介など、葬儀後の支援も拡充しています。加えて、地域社会のニーズを踏まえ、リハビリ特化型デイサービス施設を開設し、高品質なケアを通じて、安心な暮らしの実現を目指しています。
当連結会計年度(以下、当期)の連結業績は、燦ホールディングス㈱の2024年4月~2025年3月までの連結業績と、㈱きずなホールディングスの2024年9月~2025年2月を合算したものとなります。当期の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益には、㈱きずなホールディングスの連結子会社化(みなし取得日:2024年8月31日)に伴い発生した、のれん償却額3億57百万円が含まれております。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)
当期の営業収益は319億84百万円となり、前連結会計年度(以下、前期)比42.5%の増収、営業利益は45億21百万円と前期比19.3%の増益となりました。
経常利益については43億63百万円と前期比14.8%の増益となりました。特別利益として、ノンコア事業用資産である「北浜エクセルビル」の土地および建物に関する不動産信託受益権の譲渡による固定資産売却益を34億3百万円計上しました。特別損失として、減損損失3億19百万円を計上しました。税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は47億21百万円と前期比99.8%の増益となりました。
当期のグループ葬祭各社の葬儀施行収入は、前期比49.9%の増収となりました。当期より㈱きずなホールディングスの2024年9月から2025年2月の損益を、連結業績の対象範囲に含めております。グループ全体の葬儀施行件数は、葬祭3社の件数が前期比増加したことに加え、㈱きずなホールディングスの連結子会社化により前期比61.9%増加しました。葬儀施行単価は、家族葬の割合が増えたため、前期比7.4%減少しました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、料理販売と、不動産仲介等の手数料収入を中心に前期比増収となりました。
費用については、㈱きずなホールディングスを連結子会社化した影響により、営業費用は前期比41.6%の増加となりました。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)また、販売費及び一般管理費は、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用の発生と、将来の事業成長に備えた人員採用に係る採用費の増加、人件費等により増加いたしました。㈱きずなホールディングスの連結子会社化による、のれん償却額(償却期間16年)については、当期は6か月分を計上しております。以上により販売費及び一般管理費は前期比110.3%増加しました。
(財政状態)
流動資産は152億67百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)比34億31百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が28億73百万円増加したことによるものです。固定資産は477億86百万円となり、前期末比220億36百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う建物及び構築物、ならびにリース資産の増加により、有形固定資産が90億91百万円増加したことと、のれんが110億45百万円増加したことによるものです。この結果、総資産は630億53百万円となり、前期末比254億67百万円増加しました。
流動負債は96億64百万円となり、前期末比60億27百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴い短期借入金が5億円、1年内返済予定の長期借入金が25億31百万円増加したこと等によるものです。固定負債は162億17百万円となり、前期末比151億45百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に要した長期借入金の増加によるものです。この結果、負債合計は258億81百万円となり、前期末比211億73百万円増加しました。
純資産合計は371億72百万円となり、前期末比42億94百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益47億21百万円を計上する一方、剰余金の配当4億96百万円を支払ったことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比28.5ポイント低下し59.0%となりました。当社の重要業績評価指標(KPI)である資本効率目標「投下資本利益率(ROIC)」は6.1%となり、目標とする7.0%を下回りました。これは、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用の発生と借入金の増加によるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
営業活動によるキャッシュ・フローは54億76百万円の増加(前期は31億70百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益74億35百万円、減価償却費14億75百万円、有形固定資産売却益34億4百万円により資金が増加し、法人税等の支払額14億円などにより減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは121億2百万円の減少(前期は14億42百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産売却による収入38億11百万円により資金が増加したものの、有形固定資産の取得による支出22億1百万円、ならびに㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う、子会社株式の取得による支出130億61百万円等により、資金が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは95億18百万円の増加(前期は11億59百万円の減少)となりました。
これは、配当金の支払額4億96百万円により資金が減少した一方で、主に㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う長期借入れによる収入108億51百万円により資金が増加いたしました。
この結果、現金及び現金同等物は前期末より28億92百万円増加し、126億40百万円となりました。
これにより、以下の資金使途や資金需要に対する原資の一部として、資金の流動性は十分に確保できていると判断しております。
当社は現在取り組んでいる中期経営計画(2022年度~2024年度)において、強固な財務基盤をベースに成長のための積極的な投資を行うことを明らかにし、営業キャッシュ・フローをまず、《既存設備への投資》と《成長投資》とに配分し、その余を株主還元に充当するという、キャピタル・アロケーションの枠組みを示しました。
ここで《既存設備への投資》とは葬儀会館を中心とする既存設備のリニューアルや改修であり、減価償却費の範囲内を基本とします。《成長投資》とは、葬儀会館の積極的な新規出店やライフエンディングサポート事業の強化といったオーガニックな成長のための投資とM&Aやアライアンスによるインオーガニックな成長のための投資からなります。
※ここでのオーガニックな成長とは、自社が有する技術や資産、人材等の資源を活用して成長することを意味し、インオーガニックな成長とは、社外に存在するそれらの資源を提携や買収などにより獲得し成長することを意味します。
葬儀の小規模化や家族葬ニーズの高まりという外部環境をふまえ、成長のための新規出店は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、家族葬ブランドの「エンディングハウス(ENDING HAUS)」および「家族葬のファミーユ」を中心とした自社展開を加速させる計画ですが、それに要する投資資金は、営業キャッシュ・フローを中心とした自己資金でまかなうことができる見込みです。ライフエンディングサポート事業に係る投資資金に関しても、同様と考えております。
なお、会館用地については賃借(事業用定期借地)を原則とする中で、首都圏においては元々候補物件自体が少ないことから、稀少な好物件については土地の取得という判断をすることもあり得ます。その場合、土地を賃借する場合と比べて、一時的に多額の投資資金を要する可能性があります。また、M&Aやアライアンスに係る投資においては、当社グループの企業価値向上への寄与が見込まれる場合には、資金調達に起因する機会損失を回避することが重要であると考えます。
これらのケースを含む緊急多額の資金需要に対しては、内部資金の活用と状況に応じて銀行借入を利用していく方針であります。また、取引銀行3行と総額10億円のコミットメントライン契約を締結することで、流動性の補完にも対応可能とし、グループ全体の借入金等の削減も図っております。
当社グループは健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達は可能であると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、一部に弱めの動きもみられますが、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復等により緩やかに回復しています。一方で、アメリカの政策動向や長期化する不安定な国際情勢など、経済と物価をめぐる不確実性は高い状況が続いております。
当社が事業展開をしている葬儀業界では、65歳以上の高齢者人口の増加を背景に、葬儀に関する潜在ニーズは2040年まで継続的な増加が見込まれております。一方で、故人との大切な最後のお別れの場である葬儀の本質は変わりませんが、家族を中心に近しい人だけで行う家族葬のほか一日葬など、葬儀の形態が多様化しており葬儀施行単価の下落に繋がっております。加えて、葬儀事業者による葬祭会館の新規出店やインターネットによる葬儀紹介会社の台頭により、特に小規模葬儀のサービス提供をめぐる競争が激化しております。
当社は2032年に迎える創業100年に向けて当社グループが進むべき方向、ありたい姿を定めた「10年ビジョン(2022年5月公表)」において「葬儀事業の拡大」および「ライフエンディングサポート事業の拡大」の目標を掲げました。当期は、「10年ビジョン」に沿って推進しております「中期経営計画(2022年度~2024年度)」の最終年度となっております。
上記、中期経営計画の重点項目である「葬儀事業の拡大」の中核として、「リーズナブルでありながら高い品質のサービス」を提供する家族葬ブランド「エンディングハウス(ENDING HAUS)」を立ち上げ、当期は、首都圏に7会館、近畿圏に3会館を新規出店し、2023年のブランド立ち上げ以来合計18会館となりました。加えて当社グループは、2024年9月に株式公開買付け(TOB)により㈱きずなホールディングスの連結子会社化を実施いたしました。今回の連結子会社化により当社グループの事業展開エリアは、北海道から九州まで16都道府県に広がり、日本全国で安心と信頼のサービス提供が可能になりました。葬儀取扱い件数はおよそ年間33,000件、自社会館数は267会館(2025年3月末時点)となり、「10年ビジョン」で掲げた2031年度の目標会館数210会館を達成いたしました。今後も、日本最大の上場葬儀事業会社として、さらなる成長を目指してまいります。
もう一つの重点項目である「ライフエンディングサポート事業の拡大」では、単身高齢者向けの新商品「喪主のいらないお葬式」の販売を開始しました。これは、葬儀サービスと行政書士・司法書士による法務サービスを組み合わせた新しいサービスです。さらに、葬儀施行件数の増加に伴い、返礼品や仏壇・仏具の販売、不動産仲介など、葬儀後の支援も拡充しています。加えて、地域社会のニーズを踏まえ、リハビリ特化型デイサービス施設を開設し、高品質なケアを通じて、安心な暮らしの実現を目指しています。
当期の連結業績は、燦ホールディングス㈱の2024年4月~2025年3月までの連結業績と、㈱きずなホールディングスの2024年9月~2025年2月を合算したものとなります。当期の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益には、㈱きずなホールディングスの連結子会社化(みなし取得日:2024年8月31日)に伴い発生した、のれん償却額3億57百万円が含まれております。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)
当期の営業収益は319億84百万円となり、前連結会計年度(以下、前期)比42.5%の増収、営業利益は45億21百万円と前期比19.3%の増益となりました。
経常利益については43億63百万円と前期比14.8%の増益となりました。特別利益として、ノンコア事業用資産である「北浜エクセルビル」の土地および建物に関する不動産信託受益権の譲渡による固定資産売却益を34億3百万円計上しました。特別損失として、減損損失3億19百万円を計上しました。税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は47億21百万円と前期比99.8%の増益となりました。
当期のグループ葬祭各社の葬儀施行収入は、前期比49.9%の増収となりました。当期より㈱きずなホールディングスの2024年9月から2025年2月の損益を、連結業績の対象範囲に含めております。グループ全体の葬儀施行件数は、葬祭3社の件数が前期比増加したことに加え、㈱きずなホールディングスの連結子会社化により前期比61.9%増加しました。葬儀施行単価は、家族葬の割合が増えたため、前期比7.4%減少しました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、料理販売と、不動産仲介等の手数料収入を中心に前期比増収となりました。
費用については、㈱きずなホールディングスを連結子会社化した影響により、営業費用は前期比41.6%の増加となりました。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)また、販売費及び一般管理費は、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用の発生と、将来の事業成長に備えた人員採用に係る採用費の増加、人件費等により増加いたしました。㈱きずなホールディングスの連結子会社化による、のれん償却額(償却期間16年)については、当期は6か月分を計上しております。以上により販売費及び一般管理費は前期比110.3%増加しました。
なお、2022年4月に設立した葬祭会社「㈱グランセレモ東京」(㈱広済堂ホールディングス51%、当社49%の出資による合弁会社)に係る持分法による投資利益は64百万円となり、好調に推移しております。
従来当社グループでは、葬祭3社および当社を中心とした会社グループ別の4つのセグメント、「公益社グループ」、「葬仙グループ」、「タルイグループ」、「持株会社グループ」を報告セグメントとしておりました。当期に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化により、報告セグメント「きずなグループ」を新たに追加しております。
なお、「公益社グループ」には、㈱公益社に加え、㈱公益社の葬儀サービスのサポートのほか、介護サービス事業や高齢者施設での食事の提供等を行うエクセル・サポート・サービス㈱および、終活関連WEBプラットフォーム事業を行うライフフォワード㈱を含んでおります。
当期のセグメント別の経営成績は次の通りです。
ア 公益社グループ
公益社グループの中核会社である㈱公益社においては、新規出店効果により一般葬儀(金額5百万円以下の葬儀)の葬儀施行件数が増加し、葬儀施行単価が前期並みに推移したことにより、葬儀施行収入は全体で前期比10.7%の増収となりました。また、葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、料理販売と、不動産仲介等の手数料収入を中心に前期比増収となりました。
費用については、将来の事業成長に備えた人員採用に係る採用費の増加、売上拡大に伴う人件費の増加、新規出店に伴う地代家賃等の増加により、前期比増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は204億27百万円(前期比10.4%増)、セグメント利益は30億91百万円(前期比31.6%増)となりました。
イ 葬仙グループ
㈱葬仙を中心とする葬仙グループにおいては、直葬(火葬のみ)の割合が増え葬儀施行単価は微減したものの、一般葬儀を中心に葬儀施行件数が増加し、葬儀施行収入は前期比6.1%の増収となりました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入については、後日返礼品販売が低調であったため、前期比減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は16億23百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は2億4百万円(前期比31.1%増)となりました。
ウ タルイグループ
タルイグループの㈱タルイにおいては、一般葬の葬儀施行単価が微減したものの、葬儀施行件数が好調に推移したため、葬儀施行収入は前期比6.3%の増収となりました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、法事法要サービスが増加したため、前期比増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は21億13百万円(前期比6.0%増)、セグメント利益は5億12百万円(前期比13.2%増)となりました。
エ きずなグループ
当期から新たな報告セグメントとして追加したきずなグループは、当社子会社の㈱きずなホールディングスおよびその子会社である㈱家族葬のファミーユ、㈱花駒、㈱備前屋にて構成されております。
当セグメントの売上高は74億59百万円、セグメント利益は、子会社化に伴う一過性の公開買付関連費用約2億26百万円、およびのれん償却額を3億57百万円計上したため、3億66百万円となりました。
オ 持株会社グループ
持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、配当金収入が減少したものの、不動産管理収入が増加し、前期比1.5%の増収となりました。
営業費用は、主に新規出店に伴う地代家賃等の固定費が増加しました。
販売費及び一般管理費においても、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用が発生したほか、人件費や新システムの減価償却費等が増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は67億83百万円(前期比1.5%増)、セグメント利益は23億円(前期比24.0%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末(以下、当期末)における流動資産は152億67百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)比34億31百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が28億73百万円増加したことによるものです。
また、固定資産は477億86百万円となり、前期末比220億36百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う建物及び構築物、ならびにリース資産の増加により、有形固定資産が90億91百万円増加したことと、のれんが110億45百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は630億53百万円となり、前期末比254億67百万円増加しました。
(負債)
当期末における流動負債は96億64百万円となり、前期末比60億27百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴い短期借入金が5億円、1年内返済予定の長期借入金が25億31百万円増加したこと等によるものです。
また、固定負債は162億17百万円となり、前期末比151億45百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に要した長期借入金の増加によるものです。
この結果、負債合計は258億81百万円となり、前期末比211億73百万円増加しました。
(純資産)
当期末における純資産合計は371億72百万円となり、前期末比42億94百万円増加しました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益47億21百万円を計上する一方、剰余金の配当4億96百万円を支払ったことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比28.5ポイント低下し、59.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末より28億92百万円増加し、126億40百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは54億76百万円の増加(前期は31億70百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益74億35百万円、減価償却費14億75百万円、有形固定資産売却益34億4百万円により資金が増加し、法人税等の支払額14億円などにより減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは121億2百万円の減少(前期は14億42百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産売却による収入38億11百万円により資金が増加したものの、有形固定資産の取得による支出22億1百万円、ならびに㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う、子会社株式の取得による支出130億61百万円等により、資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは95億18百万円の増加(前期は11億59百万円の減少)となりました。
これは、配当金の支払額4億96百万円により資金が減少した一方で、主に㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う長期借入れによる収入108億51百万円により資金が増加いたしました。
④営業の実績
ア 営業売上実績
当連結会計年度における営業売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 公益社グループ | 20,427 | 110.4 |
| 葬仙グループ | 1,623 | 104.0 |
| タルイグループ | 2,113 | 106.0 |
| きずなグループ | 7,459 | - |
| 持株会社グループ | 6,783 | 101.5 |
| 合計 | 38,407 | 133.6 |
(注)1.上記の金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.きずなグループは2024年9月~2025年2月の業績の売上実績を記載しております。
イ 葬儀請負の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬儀請負事業に係わる葬儀施行件数の、当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
| 区分 | セグメント | 会社 | 拠点 | 主な対象 | 会館数 | 2025年3月期 (件) | 前年同期比 (%) |
| 葬儀施行件数 | 公益社 グループ | ㈱公益社 | 大阪本社 | 大阪府 兵庫県 奈良県 | 47 | 9,915 | 108.0 |
| 東京本社 | 千葉県 東京都 神奈川県 | 27 | 4,357 | 117.5 | |||
| 葬仙 グループ | ㈱葬仙 | - | 鳥取県 島根県 | 14 | 1,638 | 107.0 | |
| タルイ グループ | ㈱タルイ | - | 兵庫県 | 13 | 1,851 | 108.1 | |
| きずな グループ | ㈱家族葬の ファミーユ | 北海道支社 | 北海道 | 26 | 1,057 | - | |
| 千葉支社 | 千葉県 | 28 | 1,354 | - | |||
| 愛知支社 | 愛知県 | 25 | 1,161 | - | |||
| 熊本支社 | 熊本県 | 26 | 1,013 | - | |||
| 宮崎支社 | 宮崎県 | 34 | 1,304 | - | |||
| 都市総合支社 | 埼玉県 神奈川県 群馬県 | 5 | 927 | - | |||
| ㈱花駒 | - | 京都府 大阪府 奈良県 | 12 | 829 | - | ||
| ㈱備前屋 | - | 岡山県 | 10 | 709 | - | ||
| 合計 | 267 | 26,115 | 161.9 | ||||
(注)1.葬儀施行件数は、法事・法要件数を除いた件数を記載しております。
2.きずなグループは2024年9月~2025年2月の業績による葬儀施行件数を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社が事業展開をしている葬儀業界では、65歳以上の高齢者人口の増加を背景に、葬儀に関する潜在ニーズは2040年まで継続的な増加が見込まれております。一方で、故人との大切な最後のお別れの場である葬儀の本質は変わりませんが、家族を中心に近しい人だけで行う家族葬のほか一日葬など、葬儀の形態が多様化しており葬儀施行単価の下落に繋がっております。加えて、葬儀事業者による葬祭会館の新規出店やインターネットによる葬儀紹介会社の台頭により、特に小規模葬儀のサービス提供をめぐる競争が激化しております。
当社は2032年に迎える創業100年に向けて当社グループが進むべき方向、ありたい姿を定めた「10年ビジョン(2022年5月公表)」において「葬儀事業の拡大」および「ライフエンディングサポート事業の拡大」の目標を掲げました。当期は、「10年ビジョン」に沿って推進しております「中期経営計画(2022年度~2024年度)」の最終年度となっております。
上記、中期経営計画の重点項目である「葬儀事業の拡大」の中核として、「リーズナブルでありながら高い品質のサービス」を提供する家族葬ブランド「エンディングハウス(ENDING HAUS)」を立ち上げ、当期は、首都圏に7会館、近畿圏に3会館を新規出店し、2023年のブランド立ち上げ以来合計18会館となりました。加えて当社グループは、2024年9月に株式公開買付け(TOB)により㈱きずなホールディングスの連結子会社化を実施いたしました。今回の連結子会社化により当社グループの事業展開エリアは、北海道から九州まで16都道府県に広がり、日本全国で安心と信頼のサービス提供が可能になりました。葬儀取扱い件数はおよそ年間33,000件、自社会館数は267会館(2025年3月末時点)となり、「10年ビジョン」で掲げた2031年度の目標会館数210会館を達成いたしました。今後も、日本最大の上場葬儀事業会社として、さらなる成長を目指してまいります。
もう一つの重点項目である「ライフエンディングサポート事業の拡大」では、単身高齢者向けの新商品「喪主のいらないお葬式」の販売を開始しました。これは、葬儀サービスと行政書士・司法書士による法務サービスを組み合わせた新しいサービスです。さらに、葬儀施行件数の増加に伴い、返礼品や仏壇・仏具の販売、不動産仲介など、葬儀後の支援も拡充しています。加えて、地域社会のニーズを踏まえ、リハビリ特化型デイサービス施設を開設し、高品質なケアを通じて、安心な暮らしの実現を目指しています。
当連結会計年度(以下、当期)の連結業績は、燦ホールディングス㈱の2024年4月~2025年3月までの連結業績と、㈱きずなホールディングスの2024年9月~2025年2月を合算したものとなります。当期の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益には、㈱きずなホールディングスの連結子会社化(みなし取得日:2024年8月31日)に伴い発生した、のれん償却額3億57百万円が含まれております。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)
当期の営業収益は319億84百万円となり、前連結会計年度(以下、前期)比42.5%の増収、営業利益は45億21百万円と前期比19.3%の増益となりました。
経常利益については43億63百万円と前期比14.8%の増益となりました。特別利益として、ノンコア事業用資産である「北浜エクセルビル」の土地および建物に関する不動産信託受益権の譲渡による固定資産売却益を34億3百万円計上しました。特別損失として、減損損失3億19百万円を計上しました。税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は47億21百万円と前期比99.8%の増益となりました。
当期のグループ葬祭各社の葬儀施行収入は、前期比49.9%の増収となりました。当期より㈱きずなホールディングスの2024年9月から2025年2月の損益を、連結業績の対象範囲に含めております。グループ全体の葬儀施行件数は、葬祭3社の件数が前期比増加したことに加え、㈱きずなホールディングスの連結子会社化により前期比61.9%増加しました。葬儀施行単価は、家族葬の割合が増えたため、前期比7.4%減少しました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、料理販売と、不動産仲介等の手数料収入を中心に前期比増収となりました。
費用については、㈱きずなホールディングスを連結子会社化した影響により、営業費用は前期比41.6%の増加となりました。(㈱きずなホールディングスを含む、きずなグループセグメントの業績については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)また、販売費及び一般管理費は、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用の発生と、将来の事業成長に備えた人員採用に係る採用費の増加、人件費等により増加いたしました。㈱きずなホールディングスの連結子会社化による、のれん償却額(償却期間16年)については、当期は6か月分を計上しております。以上により販売費及び一般管理費は前期比110.3%増加しました。
(財政状態)
流動資産は152億67百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)比34億31百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が28億73百万円増加したことによるものです。固定資産は477億86百万円となり、前期末比220億36百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う建物及び構築物、ならびにリース資産の増加により、有形固定資産が90億91百万円増加したことと、のれんが110億45百万円増加したことによるものです。この結果、総資産は630億53百万円となり、前期末比254億67百万円増加しました。
流動負債は96億64百万円となり、前期末比60億27百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴い短期借入金が5億円、1年内返済予定の長期借入金が25億31百万円増加したこと等によるものです。固定負債は162億17百万円となり、前期末比151億45百万円増加しました。これは主に、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に要した長期借入金の増加によるものです。この結果、負債合計は258億81百万円となり、前期末比211億73百万円増加しました。
純資産合計は371億72百万円となり、前期末比42億94百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益47億21百万円を計上する一方、剰余金の配当4億96百万円を支払ったことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比28.5ポイント低下し59.0%となりました。当社の重要業績評価指標(KPI)である資本効率目標「投下資本利益率(ROIC)」は6.1%となり、目標とする7.0%を下回りました。これは、㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う一過性の諸費用の発生と借入金の増加によるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
営業活動によるキャッシュ・フローは54億76百万円の増加(前期は31億70百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益74億35百万円、減価償却費14億75百万円、有形固定資産売却益34億4百万円により資金が増加し、法人税等の支払額14億円などにより減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは121億2百万円の減少(前期は14億42百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産売却による収入38億11百万円により資金が増加したものの、有形固定資産の取得による支出22億1百万円、ならびに㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う、子会社株式の取得による支出130億61百万円等により、資金が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは95億18百万円の増加(前期は11億59百万円の減少)となりました。
これは、配当金の支払額4億96百万円により資金が減少した一方で、主に㈱きずなホールディングスの連結子会社化に伴う長期借入れによる収入108億51百万円により資金が増加いたしました。
この結果、現金及び現金同等物は前期末より28億92百万円増加し、126億40百万円となりました。
これにより、以下の資金使途や資金需要に対する原資の一部として、資金の流動性は十分に確保できていると判断しております。
当社は現在取り組んでいる中期経営計画(2022年度~2024年度)において、強固な財務基盤をベースに成長のための積極的な投資を行うことを明らかにし、営業キャッシュ・フローをまず、《既存設備への投資》と《成長投資》とに配分し、その余を株主還元に充当するという、キャピタル・アロケーションの枠組みを示しました。
ここで《既存設備への投資》とは葬儀会館を中心とする既存設備のリニューアルや改修であり、減価償却費の範囲内を基本とします。《成長投資》とは、葬儀会館の積極的な新規出店やライフエンディングサポート事業の強化といったオーガニックな成長のための投資とM&Aやアライアンスによるインオーガニックな成長のための投資からなります。
※ここでのオーガニックな成長とは、自社が有する技術や資産、人材等の資源を活用して成長することを意味し、インオーガニックな成長とは、社外に存在するそれらの資源を提携や買収などにより獲得し成長することを意味します。
葬儀の小規模化や家族葬ニーズの高まりという外部環境をふまえ、成長のための新規出店は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、家族葬ブランドの「エンディングハウス(ENDING HAUS)」および「家族葬のファミーユ」を中心とした自社展開を加速させる計画ですが、それに要する投資資金は、営業キャッシュ・フローを中心とした自己資金でまかなうことができる見込みです。ライフエンディングサポート事業に係る投資資金に関しても、同様と考えております。
なお、会館用地については賃借(事業用定期借地)を原則とする中で、首都圏においては元々候補物件自体が少ないことから、稀少な好物件については土地の取得という判断をすることもあり得ます。その場合、土地を賃借する場合と比べて、一時的に多額の投資資金を要する可能性があります。また、M&Aやアライアンスに係る投資においては、当社グループの企業価値向上への寄与が見込まれる場合には、資金調達に起因する機会損失を回避することが重要であると考えます。
これらのケースを含む緊急多額の資金需要に対しては、内部資金の活用と状況に応じて銀行借入を利用していく方針であります。また、取引銀行3行と総額10億円のコミットメントライン契約を締結することで、流動性の補完にも対応可能とし、グループ全体の借入金等の削減も図っております。
当社グループは健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達は可能であると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。