有価証券報告書-第94期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 9:02
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、資源高や円相場の変動の影響などを受けつつも、新型コロナウイルスの感染抑制と社会経済活動の両立が進むもとで、景気の持ち直しが見られました。企業収益が全体として高水準で推移するもとで、設備投資は緩やかに増加し、個人消費も物価上昇の影響を受けつつ緩やかに回復しました。
葬儀に関しては、コロナ禍において小規模・簡素化傾向が加速し、今後も感染症の動向とその影響については不確実性が高いものの、当期においてはこうした傾向がやや緩和したものと見られます。また、故人との大切な最後のお別れの場においては、引き続き適切な感染防止対策を講じたうえで、関係者の安全・安心に配慮すると同時にご遺族等のお気持ちに寄り添い応えることが、葬儀事業者には求められています。
葬儀業界では、各地での新規出店の加速、マッチングビジネスの台頭などにより、特に小規模葬儀をめぐる競争が激化しています。このような事業環境の変化を背景にM&Aが増加しており、今後、葬儀業界のみならずライフエンディング業界全体の再編が進むものと考えられます。
このような事業環境の変化をふまえ、当社グループでは新たに定めたパーパスおよび10年ビジョンの実現に向けて、その基盤づくりの時期と位置付ける3ヵ年(2022年度~2024年度)の中期経営計画を2022年4月にスタートさせました。その中の重点項目の一つである「葬儀事業の拡大」では、3ヵ年で31会館の出店を目指しております。初年度の2022年度は6会館を開設する計画に対し、以下のとおり8会館を開設しました。
2022年9月 「公益社 平野会館」(大阪市平野区)
2022年12月 「葬仙 米原ホール」(鳥取県米子市)
「タルイ会館 塩屋」(神戸市垂水区)
2023年3月 「公益社 経堂会館」(東京都世田谷区)
「エンディングハウス 東四つ木」(東京都葛飾区)
「エンディングハウス 新小岩」(東京都葛飾区)
「エンディングハウス 大阪鶴見」(大阪市鶴見区)
「エンディングハウス 大東」(大阪府大東市)
このうち「エンディングハウス」の4会館は、中期経営計画における「葬儀事業の拡大」達成のカギとして準備を進めてきた、家族葬専門の新しい葬儀ブランドです。また、2022年4月に設立した葬祭会社「㈱グランセレモ東京」(㈱広済堂ホールディングス51%、当社49%の出資による合弁会社)については、2022年7月5日より事業を開始しております。
当期のグループ葬祭3社の葬儀施行収入は前連結会計年度(以下、前期)比7.6%の増収となりました。グループの全葬儀施行件数は、㈱葬仙および㈱タルイにおける増加により、前期比1.5%の増加となりました。また、葬儀施行単価は、葬儀規模にかかわらず全般的に持ち直したため上昇しました。さらに、葬儀に付随する販売やサービス提供による収入も、グループ全体では前期比増収となりました。
費用については、社葬・お別れの会の件数増加による直接費の増加、昨今の資源・エネルギー価格の高騰影響による光熱費やガソリン代の増加のほか、広告宣伝費や新規出店による地代家賃等が増加しました。そのため、営業費用は前期比6.8%の増加となりました。また、販売費及び一般管理費は、人材強化のための採用関連費用やソフトウエアの減価償却費の増加等により前期比9.3%増加しました。
この結果、当期の営業収益は216億63百万円となり、前期比8.3%の増収となり、営業利益は38億68百万円と前期比14.6%の増益となりました。また、営業外費用において「㈱グランセレモ東京」に係る持分法による投資損失12百万円や会館のリニューアル等に伴う解体撤去費用24百万円の計上等はありましたが、経常利益は38億43百万円と前期比13.5%の増益となりました。さらに特別利益として、主に「公益社 宝塚会館」の土地等の売却益(注)からなる固定資産売却益2億92百万円を計上し、税金等調整前当期純利益は41億27百万円となり、税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は27億83百万円と前期比36.4%の増益となりました。
(注)「公益社 宝塚会館」は2022年12月、家族葬に適した規模の会館として隣地に新築リニューアルオープンしました。
当社グループでは、葬祭3社および当社を中心とした会社グループ別の4つのセグメント、「公益社グループ」、「葬仙グループ」、「タルイグループ」、「持株会社グループ」を報告セグメントとしております。なお、「公益社グループ」には、㈱公益社に加え、㈱公益社の葬儀サービスのサポートのほか介護サービス事業や高齢者施設での食事の提供等を行うエクセル・サポート・サービス㈱、および終活関連WEBプラットフォーム事業を行うライフフォワード㈱を含んでおります。当期のセグメント別の経営成績は次の通り、持株会社グループを除く3つのセグメントで増収増益となりました。
ア 公益社グループ
公益社グループの中核会社である㈱公益社においては、葬儀施行件数は前期比0.3%減少しました。その主な要因として、前第4四半期(2022年1~3月)においてコロナ感染の第6波によりコロナ関連葬儀が増加していたためです。これに対し、葬儀施行収入は前期比6.7%の増収となりました。これは主に、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)の施行件数の増加に加え、一般葬儀(金額5百万円以下の葬儀)の単価が持ち直したことによります。また、葬儀に付随する販売やサービス提供は、法事法要や墓地・墓石等の増収が仏壇仏具、後日返礼品の減収をカバーして、全体として前期比増収となりました。
費用については、人件費の増加や広告宣伝費の増加、新規会館に係る地代家賃の増加等のため、セグメント費用は前期比増加しました。この結果、当セグメントの売上高は179億34百万円(前期比8.0%増)、セグメント利益は24億42百万円(前期比24.5%増)となりました。
イ 葬仙グループ
葬仙グループの㈱葬仙においては、米子、松江を中心に新店効果により葬儀施行件数が増加し、全体では前期比11.0%増加しました。会葬者数の増加に伴い、葬儀施行単価についても上昇しました。このため葬儀施行収入は前期比13.5%の増収となりました。一方、葬儀に付随する販売やサービス提供は、仏壇仏具の販売減少等により前期比減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は15億15百万円(前期比10.9%増)、セグメント利益は1億39百万円(前期比84.3%増)となりました。
ウ タルイグループ
タルイグループの㈱タルイにおいては、新店のみならず既存店においても葬儀施行件数が伸長し、全体で前期比9.8%増加しました。葬儀施行単価についても、小規模葬儀が増加する一方、大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)の受託があり、全体で上昇しました。このため葬儀施行収入は前期比10.5%の増収となりました。葬儀に付随する販売やサービス提供は、後日返礼品や仏壇仏具等の販売増加により前期比増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は18億31百万円(前期比11.1%増)、セグメント利益は3億71百万円(前期比23.9%増)となりました。
エ 持株会社グループ
持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、主に配当金収入の増加により増収となりました。費用については新規出店に伴う地代家賃や減価償却費、新たな基幹情報システムの稼働等に伴うソフトウエアの減価償却費等の固定費が増加したほか、合弁会社「㈱グランセレモ東京」に係る持分法による投資損失を営業外費用に計上しました。
この結果、当セグメントの売上高は61億47百万円(前期比3.0%増)、セグメント利益は26億55百万円(前期比1.9%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末(以下、当期末)における流動資産は110億39百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)比23億23百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が17億49百万円、営業未収入金及び契約資産が1億59百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産は251億89百万円となり、前期末比57百万円増加しました。有形固定資産は主に「公益社 宝塚会館」の土地売却等により1億78百万円減少したことによるものです。その一方で、新たな基幹情報システムの稼働等に伴うソフトウエアの増加により無形固定資産が1億79百万円増加したほか、合弁会社「㈱グランセレモ東京」への出資や新規会館の開設に伴う差入保証金の増加等により、投資その他の資産が56百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は362億29百万円となり、前期末比23億81百万円増加しました。
(負債)
当期末における流動負債は35億59百万円となり、前期末比5億32百万円増加しました。これは主に、営業未払金が1億41百万円、未払法人税等が1億7百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は10億54百万円となり、前期末比1億36百万円減少しました。これは主に、リース債務と長期未払金の減少によるものです。
この結果、負債合計は46億13百万円となり、前期末比3億95百万円増加しました。
(純資産)
当期末における純資産合計は316億15百万円となり、前期末比19億85百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益27億83百万円を計上し、剰余金の配当4億50百万円を支払うこと等により利益剰余金が17億50百万円増加したこと、ならびに当期中に自己株式を3億87百万円取得したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比0.2ポイント低下し、87.3%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末より17億44百万円増加し、91億79百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは32億62百万円の増加(前期は29億91百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益41億27百万円、減価償却費8億82百万円により資金が増加したのに対して、売上債権の増加額1億59百万円、法人税等の支払額14億7百万円により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは5億94百万円の減少(前期は14億91百万円の減少)となりました。
これは主に「公益社 宝塚会館」の土地等の売却からなる、有形固定資産の売却による収入4億62百万円等で資金が増加する一方、新規会館の建設工事や既存会館の改修工事等に伴う有形固定資産の取得による支出7億80百万円、新たな基幹情報システムの構築等に伴う支出2億20百万円により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは9億23百万円の減少(前期は11億3百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額4億50百万円、自己株式の取得による支出3億87百万円により資金が減少したことによるものです。
④営業の実績
ア 営業売上実績
当連結会計年度における営業売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
公益社グループ17,934108.0
葬仙グループ1,515110.9
タルイグループ1,831111.1
持株会社グループ6,147103.0
合計27,430107.2

(注)上記の金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
イ 葬儀請負の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬儀請負事業に係わる葬儀施行件数の、当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
(公益社グループ)
区分当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
式場数(式場)施行件数(件)前年同期比(%)稼働率(%)
大規模会館
千里会館、枚方会館、西宮山手会館
大式場33594.66.4
一般式場111,601101.579.8
支店・営業所付属会館
天神橋、東大阪、堺、吹田、用賀、岸和田、玉出、城東、西田辺、宝塚、豊中、高槻、守口、雪谷、富雄、はびきの、たまプラーザ、なかもず、明大前、田園調布、住吉御影、学園前、森小路、高輪、石橋、高円寺、仙川、江坂、日吉、西大寺、六甲道、くずは、喜多見、甲南山手、武庫之荘、甲子園口、千里山田、東久留米、津久野、上板橋、吉祥寺、香里園、川西多田、枚方出屋敷、練馬、長居、国分寺、生駒、平野、経堂
エンディングハウス東四つ木、エンディングハウス新小岩、エンディングハウス大阪鶴見、エンディングハウス大東
一般式場709,353100.379.3
小計8410,989100.576.6
その他(自宅、寺院等)-2,06194.5-
合計-13,05099.5-

(葬仙グループ)
区分当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
式場数(式場)施行件数(件)前年同期比(%)稼働率(%)
支店・営業所付属会館
鳥取、吉方、岩美、米子、安倍、福米、安来、境港、余子、松江、比津、金持テラスひの、東朝日町
皆生、米原
一般式場171,189108.643.3
その他(自宅、寺院等)-400119.0-
合計-1,589111.0-

(タルイグループ)
区分当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
式場数(式場)施行件数(件)前年同期比(%)稼働率(%)
支店・営業所付属会館
舞子、大蔵谷、新明、大久保、魚住、土山、東加古川、神戸西、長坂寺、西明石、北大久保、塩屋
一般式場141,537111.163.4
その他(自宅、寺院等)-5079.4-
合計-1,587109.8-

(注)1.稼働率=施行件数÷基準件数×100
なお、式場利用は通常、通夜と葬儀の2日間にわたるため、基準件数は1式場2日間に1件の施行を標準として算出しております。
2.葬儀施行件数は、法事・法要件数を除いた件数を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(以下、当期)は新型コロナウイルスの感染拡大の3年目となり、わが国でもようやく感染対策を継続しながら社会経済活動の正常化を目指す動きが強まりました。そうした中で大きな感染拡大の波が二度到来しましたが、前連結会計年度(以下、前期)と比べると当該感染症の業績への影響がさらに緩和し、前期比増収増益となりました。増収の主な要因は、一つは一般葬儀の単価の持ち直し、もう一つは大規模葬儀(金額5百万円超)の回復にあります。
一般葬儀につきましては、公益社関西圏では主にコロナ関連葬儀(陽性の方及び検査後陰性が判明した方の葬儀)の減少により葬儀施行件数が減少し、エリアシェアも競合の出店等の影響で低下しました。その反面、葬儀単価は全体的に上昇しました。一方、公益社首都圏ではエリアシェアの上昇を伴って件数が増加しました。また、葬仙、タルイともに件数が前期比二桁台の伸び率で増加した上、単価も上昇しました。大規模葬儀につきましては、金額ベースでコロナ前の平均的水準を回復しました。
また、ライフエンディングサポート事業につきましては、中期経営計画最終年度である2024年度の目標を30億円と設定しておりますが、当期は18億円となりました。
費用につきましては、昨今の資源・エネルギー価格の高騰影響による光熱費やガソリン代の増加という外部要因のほか、人材強化のための人件費や採用関連費用、集客のための広告宣伝等のマーケティングコスト、地代家賃等の新規出店関連費用、基幹営業システムの構築に伴うソフトウエアの減価償却費など、社内の政策的な要因による増加がありましたが、営業費用と一般管理費を合わせて増収率を下回る増加率に抑えました。
この結果、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の「売上高営業利益率15.5%以上」については、実績値が17.9%となり、目標を大幅に上回ることができました。
新たな中期経営計画の初年度となる当期は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に掲げた5つの課題に取り組みました。その中の重要項目の一つである「葬儀事業の拡大」の取り組みとして、2023年3月に新しい葬儀ブランド「エンディングハウス」事業をスタートさせました。
この結果、当期は6会館(中期経営計画3ヵ年で31会館)の出店計画に対し、8会館(首都圏3、関西圏4、山陰1)を出店しました。このうち「エンディングハウス」を4会館(首都圏、関西圏各2)同時オープンしております。
「エンディングハウス」は家族葬専門のブランドで、価格を抑えながら高品質を追求したコストパフォーマンスに優れたシンプルなパッケージプランによるサービスを提供します。伝統や格式・形式にとらわれず、ご家族など近しい方々だけでゆっくりとお別れしていただく場としてのご利用を想定しています。この事業を展開する営業エリアは、関西圏、首都圏も対象ですが、エリア拡大の中心はこれまで当社グループが事業展開していない全国の主要都市となります。また、自社による出店の他にM&Aやアライアンス等、様々なスキームを使いながら新規出店スピードを加速させ、全国へと事業エリアの拡大を図っていきます。
なお、特別利益として固定資産売却益2億92百万円計上しました。これは主に、自社所有の「公益社 宝塚会館」を事業環境の変化に合わせて家族葬に適した会館にダウンサイジングしたことに伴い発生した余剰不動産を資本効率改善のために売却したことによるものです。
(新型コロナウイルス感染症の影響について)
新型コロナウイルス感染症の業績に対する影響(以下、「コロナ影響」と略記)の主なものは、①一般葬儀における参列者減少による一般葬儀の小規模化 ②社葬・お別れの会を中心とする大規模葬儀に関して、感染拡大状況やその防止施策の影響を受けて、開催が見合わせられるケースがあること、の2つです。
①の一般葬儀に関しては、一定の前提条件をおいてグループ葬祭3社における影響額を推計してきましたが、コロナ禍の3年間に、葬儀の単価や価格帯別構成比に影響を与えるコロナ以外の要因が徐々に大きくなっており、試算結果をそのままコロナの定量的影響とみなすことはもはや困難であるとの判断から、影響額の推計を取りやめることとします。
②の大規模葬儀に関しては、当期金額ベースでコロナ前の平均的水準を回復したと判断しております。
2020年初頭からのコロナ禍が葬儀の小規模化を加速させたことは事実であり、当期葬祭3社の葬儀単価が前期比上昇したとはいえ、コロナ前の2019年度の水準に戻ったわけではありません。その一方で、わが国も感染再拡大のリスクを念頭に置きつつ、社会経済活動の正常化に向けて動き出しました。これらの状況を勘案すると、葬儀の小規模化傾向は、揺り戻しを挟みつつ今後もコロナ前と同様に続くものと考えます。
当社グループでは、「(1)経営成績等の状況の概要」でもふれましたように、故人との大切な最後のお別れの場においては、引き続き適切な感染防止対策を講じたうえで、関係者の安全・安心に配慮すると同時に、ご遺族等のお気持ちに寄り添ってまいります。
(財政状態)
総資産は、前期末比23億81百万円増加して362億29百万円となりました。
負債の部では、業績の拡大を反映して営業未払金や未払法人税等が増加するなど流動負債が増加しましたが、固定負債に大きな異動はありませんでした。また、有利子負債は少額のリース債務のみで、投下資本はもっぱら純資産からなります。純資産額は主に利益剰余金の増加により19億85百万円増加しました。
投資に伴う資産の部の動きを見ると、新規出店8会館および基幹情報システムの構築を中心とする設備投資は大半が減価償却費でまかなえる規模であり、固定資産の増加はごくわずかでした。その結果、現金及び預金は、固定資産の売却代金も加わり、設備投資や株主還元(配当金支払い、自己株式取得)の資金に充当してもなお、17億49百万円の増加となりました。
このように投下資本は増加しましたが、営業利益及び経常利益はコロナ禍3年目の当期、コロナ前の2019年度の過去最高益を更新する大幅増益となりました。その結果、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の資本効率目標「投下資本利益率(ROIC)」は7.8%と前期0.6ポイント向上し、目標とする7.0%を上回りました。
※ROIC=税引後営業利益/投下資本
(投下資本=有利子負債+純資産、税引後営業利益=営業利益×(1-実効税率))
一方、財務の状況は、総資産に占める固定資産の比率が高いものの、その固定資産は純資産によってまかなわれており、当期末において自己資本比率は87.3%と高水準です。また、流動資産の8割超を現金及び預金が占め、手元流動性比率5.3ヵ月(コロナ影響を除くため、2018年3月期~2020年3月期の営業収益の平均値に基づいて算出)であることから短期的な支払能力も高いと言えます。これらの点から、今般の新型コロナウイルス感染症クラスの外的ショックが再び発生しても、それに耐えうる財務の健全性を有すると判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資金の最大の源泉である税金等調整前当期純利益が、主に一般葬儀の単価の持ち直しと大規模葬儀の回復による業績向上や固定資産売却益の発生などにより、前期比3割増加したため、営業活動によるキャッシュ・フローが32億62百万円の増加となりました。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、8つの葬儀会館の新規出店及び既存会館のリニューアル等による有形固定資産の取得と新たな基幹情報システムの構築に係る無形固定資産(ソフトウエア)の取得による支出に対して、公益社の旧宝塚会館の土地等の売却による収入を差し引きして、5億94百万円の減少となりました。さらに、前期に引き続き、当期も増配および自己株式の取得を実施し株主還元を充実させたことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは、9億23百万円の減少となりました。
この結果、現金及び現金同等物は前期末比17億44百万円増加して91億79百万円となりました。
これにより、以下の資金使途や資金需要に対する原資の一部として、さらに万が一のダウンサイドへの備えとして、資金の流動性は十分に確保できていると判断しております。
当社は現在取り組んでいる中期経営計画(2022年度~2024年度)において、強固な財務基盤をベースに成長のための積極的な投資を行うことを明らかにし、営業キャッシュ・フローをまず、《既存設備への投資》と《成長投資》とに配分し、その余を株主還元に充当するという、キャピタル・アロケーションの枠組みを示しました。
ここで《既存設備への投資》とは葬儀会館を中心とする既存設備のリニューアルや改修であり、減価償却費の範囲内を基本とします。《成長投資》とは、葬儀会館の積極的な新規出店やライフエンディングサポート事業の強化といったオーガニックな成長のための投資とM&Aやアライアンスによるインオーガニックな成長のための投資からなります。
※ここでのオーガニックな成長とは、自社が有する技術や資産、人材等の資源を活用して成長することを意味し、インオーガニックな成長とは、社外に存在するそれらの資源を提携や買収などにより獲得し成長することを意味します。
葬儀の小規模化や家族葬ニーズの高まりという外部環境をふまえ、成長のための新規出店は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、新たな葬儀ブランド「エンディングハウス」を中心とする計画ですが、残り2ヵ年で23会館の出店を目指す投資資金は、営業キャッシュ・フローを中心とした自己資金でまかなうことができる見込みです。ライフエンディングサポート事業に係る投資資金に関しても、同様と考えております。
なお、会館用地については賃借(事業用定期借地)を原則とする中で、首都圏においては元々候補物件自体が少ないことから、稀少な好物件については土地の取得という判断をすることもあり得ます。その場合、土地を賃借する場合と比べて、一時的に多額の投資資金を要する可能性があります。また、M&Aやアライアンスに係る投資においては、予期せぬ好投資案件に対して、資金調達に起因する機会損失を回避することが重要であると考えます。
これらのケースを含む緊急多額の資金需要に対しては、高い水準にある資金の流動性で対応するほか、取引銀行3行と締結している総額10億円のコミットメントライン契約に基づく借入れによって資金調達をすることがあります。なお、同契約に基づく当期末の借入実行残高はありません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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