有価証券報告書-第92期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 9:38
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)におけるわが国経済は、国内外での新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続き、とりわけ2度の緊急事態宣言のダメージにより通期でマイナス成長となる見通しです。景気は総じて厳しい状態ながら、外需の回復や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、2020年7~9月期、10~12月期に持ち直し、2020年4~6月期の記録的な落ち込みからは回復基調を辿りました。
一方、人が集い故人を弔う場の提供を事業の中心とする葬祭業界においては、感染防止への配慮を背景とした参列者の減少による葬儀の小規模化で葬儀本体の収入や料理、供養品、返礼品といった関連収入が大幅な減収となるなど、大きな影響を受けました。
このような外部環境を背景として、当期は少人数での葬儀の割合が高まりましたが、人の接触が制約されるコロナ禍の状況においても、故人をしっかり弔いたいというご遺族の皆様の気持ちに何ら変わりはありません。
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症対策の徹底により、お客様と従業員の安全を確保し、安心して故人様とお別れをしていただける場をご提供することを基軸とし、これに加えて新しい取り組みも開始しております。それは、コロナ禍やその他の事情により参列を諦めておられた方に葬儀の様子をオンライン配信できるサービス「葬儀へのリモート参列サービス」のご提供や、従来各葬儀会館で実施していたセミナーに替わる「オンラインセミナー」や、非対面での事前相談をご希望の方への「オンライン相談」の実施などです。
一方、ライフエンディングサポート企業への進化を目指す中期経営計画(2019年度~2021年度)の2年目となる2020年度は、「ライフエンディングサポート事業の拡充」、「業務効率の改善」、「葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大」に特に注力しました。
「ライフエンディングサポート事業の拡充」に関しましては、2020年4月1日ライフエンディングのポータルサイトを運営する「ライフフォワード株式会社」を設立し、7月から事業を開始しました。シニア層に今後ますます必要とされる「ライフエンディングのトータルサポートサービス」を提供していこうという、当社グループの新たなチャレンジの一環です。まず首都圏での葬儀とお墓の紹介から開始し、良質で安心なサービスや商品を提供する、信頼できるパートナー事業者との提携を推進しました。さらに当初計画を早めて関西圏でも同様のサービス提供を開始するための提携に着手しました。
「業務効率の改善」に関しましては、従来から㈱公益社の業務オペレーションの生産性向上に取り組んできましたが、このコロナ禍を契機ととらえ、さらなる見直しをはかり、人件費や直接費等の削減を実現しました。
「葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大」に関しましては、当期においては葬儀会館の新規開設はありませんでしたが、次期の新規開設予定の物件をすでに5会館決定しております。引き続き首都圏、関西圏を中心に、投資対効果の高い新規出店案件の選定に努めてまいります。
当期はグループ葬祭3社いずれも葬儀施行件数が伸長し、グループの全葬儀施行件数が前連結会計年度(以下、前期)比3.4%の増加となりました。一方、葬儀施行単価は、期初から新型コロナウイルス感染症の影響を受け、グループ全体として前期比12.8%低下しました。
四半期ごとに見ると、初回の緊急事態宣言があった第1四半期連結会計期間に比べて、第2四半期連結会計期間は、新型コロナウイルス感染症の影響(以下、「コロナ影響」と略記)による業績悪化からの改善の兆しが見られました。さらに、第3・第4四半期連結会計期間は、葬儀施行件数が前年同期比で伸長しましたが、少人数での簡素な低価格帯葬儀の増加が中心であったため、葬儀施行単価は低下しました。
また、葬儀に付随する販売やサービス提供による収入も、葬儀の小規模化や法事法要の減少、対面営業活動の制約等コロナ影響を受けたため、前期比減収となりました。
費用については、大規模葬儀の設営費用、参列者の減少に伴う供養品、返礼品等の仕入の減少や内製化の推進等による外注費の減少により直接費が減少したほか、業務効率の改善と人件費コントロールの徹底により人件費が減少し、営業費用は前期比9.8%減少しました。販売費及び一般管理費は、人件費のほか旅費交通費、求人・採用関連費用等の減少により、前期比16.4%減少しました。
この結果、当期の営業収益は188億65百万円となり、前期比11.3%の減収となりました。また、営業利益は25億50百万円(前期比17.5%減)、経常利益は25億36百万円(前期比17.2%減)と減益となりました。さらに、葬儀会館その他の固定資産に係る減損損失の計上により、税金等調整前当期純利益は24億51百万円(前期比15.1%減)となり、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15億62百万円(前期比15.8%減)と減益となりました。
セグメント別の業績は次の通りです。
ア 公益社グループ
公益社グループの中核会社である㈱公益社においては、関西圏、首都圏ともに一般葬儀(金額5百万円以下の葬儀)の施行件数は増加しましたが、葬儀施行単価については低下しました。コロナ影響により、少人数での簡素な低価格帯葬儀の増加が著しかったことが主な要因です。
大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀)の施行件数は首都圏、関西圏ともに前期比ほぼ半減し、前期比5割超の減収となりました。
公益社全体では、葬儀施行件数は前期比3.5%増加したものの、葬儀施行収入は前期比10.3%の減収となりました。
また、葬儀に付随する販売やサービス提供においては、コロナ影響により法事法要および後日返礼品・仏壇仏具の販売収入が減少したため、前期比減収となりました。
費用については、直接費の減少および人件費や消耗備品費等の減少により、前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は154億71百万円(前期比12.3%減)となり、セグメント利益は9億85百万円(前期比43.5%減)となりました。なお、当セグメントには、当期に事業を開始したライフフォワード㈱の損益を含んでおります。
イ 葬仙グループ
葬仙グループの㈱葬仙においては、米子エリア・松江エリアで葬儀施行件数が伸長し、全体では前期比1.0%増加しました。しかし、参列者の減少と葬儀規模の縮小の影響により葬儀施行単価が低下したため、葬儀施行収入は前期比13.0%の減収となりました。
また、葬儀に付随する販売やサービス提供においては、料理販売等の減少により、前期比減収となりました。
費用については、直接費の減少および人件費や消耗備品費等の減少により、前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は12億66百万円(前期比12.6%減)となり、セグメント利益は38百万円(前期比11.8%減)となりました。
ウ タルイグループ
タルイグループの㈱タルイにおいては、新店やリニューアル店を中心に葬儀施行件数が前期比7.4%増加したものの、少人数の家族葬が増加し、低価格帯プランの構成比が上昇したことにより、葬儀施行単価は低下しました。このため、葬儀施行収入は前期比3.6%の減収となりました。
費用については、直接費の減少および人件費の減少により、前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は17億48百万円(前期比3.8%減)となり、セグメント利益は3億28百万円(前期比1.3%増)と、減収ながら増益となりました。
エ 持株会社グループ
持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、配当金収入の減少により減収となりました。
費用については、主に人件費や旅費交通費等の減少により、前期比減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は49億7百万円(前期比11.6%減)となり、セグメント利益は18億37百万円(前期比18.8%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末(以下、当期末)における流動資産は78億95百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)比6億31百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が6億14百万円増加し、また、未収消費税等が43百万円発生する一方、営業未収入金が41百万円減少したことによるものです。
固定資産は244億92百万円となり、前期末比1億17百万円減少しました。これは主に、既存会館の改修工事および建替えを中心とする取得により増加する一方、建物及び構築物やリース資産等の有形固定資産の減価償却の進行等による減少が上回ったため、有形固定資産が1億29百万円減少したことによるものです。
この結果、総資産は323億87百万円となり、前期末比5億13百万円増加しました。
(負債)
当期末における流動負債は25億41百万円となり、前期末比5億63百万円減少しました。これは主に、営業未払金が1億22百万円、未払法人税等が1億94百万円、未払消費税等が96百万円、それぞれ減少したことによるものです。
固定負債は12億97百万円となり、前期末比1億55百万円減少しました。これは主に、長期未払金とリース債務の減少によるものです。
この結果、負債合計は38億39百万円となり、前期末比7億19百万円減少しました。
(純資産)
当期末における純資産合計は285億48百万円となり、前期末比12億32百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益15億62百万円を計上する一方、剰余金の配当3億58百万円を支払ったことにより、利益剰余金が12億4百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比2.4ポイント上昇し、88.1%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末より6億10百万円増加し、70億38百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは20億93百万円の増加(前期は32億67百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益24億51百万円、減価償却費9億11百万円を源泉として資金が増加する一方、法人税等の支払額10億75百万円により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは9億83百万円の減少(前期は7億69百万円の減少)となりました。
これは主に、既存の葬儀会館の改修及び建替え等に伴う有形固定資産の取得による支出8億81百万円により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは4億98百万円の減少(前期は16億81百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払い3億58百万円、ファイナンス・リース債務の返済1億20百万円により資金が減少したことによるものです。
④営業の実績
ア 営業売上実績
当連結会計年度における営業売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
公益社グループ15,471,64387.7
葬仙グループ1,266,94387.4
タルイグループ1,748,43696.2
持株会社グループ4,907,41588.4
合計23,394,43988.4

(注)1.上記の金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ 葬儀請負の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬儀請負事業に係わる葬儀施行件数の、当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
(公益社グループ)
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
式場数(式場)施行件数(件)前年同期比(%)稼働率(%)
大規模会館
千里会館、枚方会館、西宮山手会館
大式場33669.26.6
一般式場111,48395.173.9
支店・営業所付属会館
天神橋、東大阪、堺、吹田、用賀、岸和田、玉出、城東、西田辺、宝塚、豊中、高槻、守口、雪谷、富雄、はびきの、たまプラーザ、なかもず、明大前、田園調布、住吉御影、学園前、森小路、高輪、石橋、高円寺、仙川、江坂、日吉、西大寺、六甲道、くずは、喜多見、甲南山手、武庫之荘、甲子園口、千里山田、東久留米、津久野、上板橋、吉祥寺、香里園、川西多田、枚方出屋敷
一般式場608,414104.777.0
小計749,933103.073.7
その他(自宅、寺院等)-2,115104.2-
合計-12,048103.2-

(葬仙グループ)
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
式場数(式場)施行件数(件)前年同期比(%)稼働率(%)
支店・営業所付属会館
鳥取、吉方、岩美、米子、安倍、福米、安来、境港、余子、松江、比津、東出雲
一般式場141,00395.539.9
その他(自宅、寺院等)-291126.0-
合計-1,294101.0-

(タルイグループ)
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
式場数(式場)施行件数(件)前年同期比(%)稼働率(%)
支店・営業所付属会館
舞子、大蔵谷、新明、大久保、魚住、土山、東加古川、神戸西、長坂寺、西明石、北大久保
一般式場151,324103.848.4
その他(自宅、寺院等)-72288.0-
合計-1,396107.4-

(注)1.稼働率=施行件数÷基準件数×100
なお、式場利用は通常、通夜と葬儀の2日間にわたるため、基準件数は1式場2日間に1件の施行を標準として算出しております。
2.葬儀施行件数は、法事・法要件数を除いた件数を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(以下、当期)の業績は1年を通じて新型コロナウイルス感染症の影響を受け、減収減益となりました。減収の主な要因は、一つは少人数の簡素な葬儀が予想以上に増加し、一般葬儀の単価が低下したこと、もう一つはお別れの会を中心とした大規模葬儀が減少したことです。
「家族葬」という言葉に象徴されるように、葬儀の小型化は従来からの傾向ですが、コロナ禍によってその傾向がより強くなっていると捉えております。
営業費用及び一般管理費につきましては、直接費率の改善、生産性の向上に基づく人件費等の削減、その他管理部門を中心に旅費交通費や求人採用関連費用等を削減しました。葬儀及び葬儀関連収入の減収に伴う減益が大きく、営業利益は前期比17.5%の減益となりましたが、達成すべき経営指標として掲げております「売上高営業利益率13%以上」については、実績値13.5%となり、達成することができました。
当期は、グループ中期経営計画のテーマの中でも特に次の3つに注力しました。
1つ目は「業務効率の改善」です。このために、㈱公益社では2019年に「生産性向上プロジェクト」を発足させました。当プロジェクトにおける各部門の業務内容や役割の見直し、改善策の実行が営業費用の低減に寄与しました。
2つ目は「ライフエンディングサポート事業の拡充」です。新たな取り組みとして2020年7月からライフフォワード株式会社による、シニア層に向けたエンディング(終活)サービスのポータルサイト事業をスタートさせましたが、利益への貢献は今後のことになります。
3つ目は「葬儀事業の積極的な営業エリアの拡大」です。中期経営計画3年間で13会館のオープンを目指しており、1年目は4会館をオープンしましたが、2年目の当期のオープンはゼロでした。しかし3年目の次期には5会館のオープンがすでに決定しており、残り4会館について早期の出店を目指しております。
特別損益に関しては、特別損失として葬儀会館等事業用資産に係る減損損失77百万円を計上(前期比73百万円減少)しました。さらに税金費用を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は前期比15.8%の減益となりました。
(新型コロナウイルス感染症の影響について)
新型コロナウイルス感染症の影響(以下、「コロナ影響」と略記)には、大きく二つがあり、それぞれ次のとおり影響額を推計しております。
一つは、一般葬儀における参列者減少による一般葬儀の小規模化です。グループ葬祭3社について、一定の前提条件(注1・2)をおいて試算した結果、グループ葬祭3社で約11億円、うち㈱公益社で約8億円の葬儀施行収入の減収がコロナ影響によるものと推計されます。
もう一つは、社葬・お別れの会を中心とする大規模葬儀の開催が見合わせや延期となったことです。
当期は期初からコロナ影響を受けていることから、前期のように開催中止や翌期への延期の金額では捉え切れません。そこで、5百万円超の大規模葬儀の施行収入における、過去5年間の実績値と当期実績値との乖離として試算した結果、㈱公益社において約10億円の減収と推計されます。
以上の二つが葬儀の受託・施行に係る主要なコロナ影響ですが、このほか葬儀に付随する料理や返礼品の販売、法事法要の施行も影響を受けて減収となっております。
(注1)一定の前提条件とは、コロナ影響のない2019年4月から2020年1月までの累計実績に基づく葬儀規模別の《件数構成比》と《葬儀施行単価》のもとで2020年度の各月の葬儀施行件数があったと仮定した場合の葬儀施行収入をベンチマークとして、これと実際の葬儀施行収入との差額を影響額とするもの。
(注2)当期の下半期に急増したコロナ関連葬儀(陽性の方及び検査後陰性が判明した方の葬儀)の取り扱いを除いて試算しております。コロナ関連葬儀の受託は、基本的に㈱公益社の受入体制が評価されたものと考えられ、コロナがないと仮定した場合に、そもそも㈱公益社が受託できたとは限らないためであります。
わが国においてもようやくワクチン接種が進みはじめたとはいえ、いまだ感染症の収束時期を見通すことは困難であり、次期においても、グループ業績に対するコロナ影響が残存するものと想定しております。
その一方で、しっかりとした感染防止対策を行い、式運営を工夫するなどすれば、葬儀は安全に行うことができる、ということがお客様に徐々に理解されるようになっています。
当社グループでは、式場(会場)における感染拡大防止策を徹底して行うことはもちろんのこと、参列(参会)時間の分散や料理の個食提供等の提案により、コロナ禍にあっても安全・安心なセレモニーをリアルで開催できるよう、最善のサポートをご提供する体制を整えております。
(財政状態)
総資産は、前期末比5億13百万円増加して323億87百万円となりました。資本の調達源泉からみると、主に利益剰余金の増加により純資産額が12億円32百万円増加する一方、流動負債、固定負債とも減少しました。資本の運用からみると、設備投資額が減価償却費の範囲内に収まり、さらに減損損失を計上したことにより有形固定資産が減少。このため固定資産が減少する一方、主に現金及び預金6億14百万円の増加により流動資産が増加しました。
このように現金及び預金の増加により総資産が増加する一方、営業利益をはじめ各利益はコロナ影響により減益となりました。その結果、達成すべき経営指標(資本効率目標)として掲げております「総資本事業利益率(注)(ROA)」については8.0%と前期より1.9ポイント低下し、中期経営計画2年目の当年度は、最終年度(2021年度)の目標値「ROA8.5%以上」を下回っております。
(注)事業利益=営業利益+営業外収益
一方、財務の状況は、総資産に占める固定資産の比率が高いものの、その固定資産は純資産によってまかなわれており、当期末において自己資本比率は88.1%と高水準です。また、流動資産の約9割を現金及び預金が占め、手元流動性比率4.1ヵ月(コロナ影響を除くため、2018年3月期~2020年3月期の営業収益の平均値に基づいて算出)であることから短期的な支払能力も高いと言えます。これらの点から、今般の新型コロナ感染症クラスの外的ショックが再び発生しても、それに耐えうる財務の健全性を有すると判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資金の最大の源泉である税金等調整前当期純利益が、コロナ影響を受けた業績を反映して前期比減少する一方で、法人税等の支払額が前期比ほぼ倍増したため、営業活動によるキャッシュ・フローが20億93百万円の増加にとどまりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、葬儀会館の新規開設はなかったものの、既存会館のリニューアルを中心とした有形固定資産の取得等により前期を上回る9億83百万円の支出を実施しました。
その一方で、前期末の長期借入金残高が25百万円まで減少し、また、前期実施した自己株式の取得を当期は実施しなかったことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは、4億98百万円の減少にとどまりました。
この結果、現金及び現金同等物が前期末比6億10百万円増加して70億38百万円となりました。
これにより、以下の資金使途及び資金需要に対する原資として、さらに万が一のダウンサイドへの備えとして、資金の流動性は十分に確保できていると判断しております。
当社グループでは、継続的かつ安定的な成長のために、次の3つの目的に資金を活用してまいります。第1に、新規会館建設及び既存会館のリニューアルに係る投資、第2に、IT関連投資、そして第3にM&Aに係る戦略投資です。
葬儀会館への投資は、関西圏及び首都圏を中心に、葬儀事業の営業エリアの拡大やドミナントの維持のために実施するものです。IT関連投資には、ITによる業務支援を通じて効率的な経営を目指すための投資のほか、ライフエンディングサポート事業の拡充の中核を担うライフフォワード㈱のWEBサイト等への投資を含みます。M&Aに係る投資は、オーガニックな成長の制約を超えるための戦略的投資です。
葬儀の小規模化や家族葬ニーズの高まりという外部環境をふまえると、葬儀会館の投資資金は、会館の多店舗展開を継続するとしても、自己資金でまかなうことができる見込みです。IT投資に関しても自己資金でまかなえる範囲と考えております。
なお、会館用地については賃借(事業用定期借地)を原則とする中で、首都圏においては元々候補物件自体が少ないことから、稀少な好物件については土地の取得という判断をすることもあり得ます。その場合、土地を賃借する場合と比べて、一時的に多額の投資資金を要する可能性があります。
また、M&A投資においては、予期せぬ投資案件に対する機会損失を回避することが重要であると考えます。
これらのケースを含む緊急多額の資金需要に対しては、取引銀行3行と締結している総額10億円のコミットメントライン契約に基づく借入れによって資金調達をすることがあります。なお、同契約に基づく当期末の借入実行残高はありません。
中長期的な成長投資のための資金を確保し、かつ万が一の事態にも対処しうる財務健全性を保持した後の資金については、配当あるいは自己株式の取得によって株主の皆さまへの還元を図ります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営者の問題意識と今後の方針について
今後当社グループは、葬儀および周辺事業を基軸としながらも、ライフエンディングサポート企業へとさらなる進化を遂げてまいります。また、事業ポートフォリオのリスクを軽減する観点から、新たな収益の柱となる新規事業創出へのチャレンジを継続していきます。このように事業環境の変化に対応し、守るべきものを守り、変えるべきものを変えながら、持続的に安定成長していく企業を目指してまいります。
当面の個別具体的な問題意識については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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