有価証券報告書-第61期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.中期経営計画の総括
2015年4月より開始いたしました5ヵ年の第6次中期経営計画「Road To Transformation」は当連結会計年度末をもって終えました。
当計画は組織改革、人材育成、技術力強化を図るとともに、海外事業やビルメンテナンス事業領域を超えた新事業への挑戦により、業容拡大を図ることを戦略の骨子として取り組んでまいりました。
取組成果といたしましては、業容面については香港、ベトナム、インドネシア、シンガポールへのグローバル展開、新たな事業領域については新商材及び新サービスとしてTシリーズを投入しました。これらにより当初の定量目標である連結売上高230億円は2018年3月期に達成することができました。
また、「組織力」「人材力」「教育力」による品質向上、収益力向上、営業力強化の側面においては、カンパニー制への移行、ベトナムからの技能実習生受入れ、IT技術活用・清掃ロボット導入による作業の効率化を図り、加えてブランディング戦略による企業価値の向上にも努めました。
引き続き課題として残ったこととしましては、収益力の強化となります。機械化やロボット導入といった作業効率の追求、低収益物件の契約見直しに取り組み、当連結会計年度末での目標達成を目論んでまいりましたが、労務単価の上昇が想定以上に大きかったことに加え、第4四半期連結会計期間にはホテル事業を中心に新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の減少が利益面にも影響しました。この結果、定量目標である連結営業利益4億円が前連結会計年度に一旦は達成したものの維持がかなわず、もう一つの目標であった連結営業利益率2.0%は未達成となりました。
b.経営成績
経営成績につきましては、西日本地区の中堅ホテルを中心として、学校関連、商用店舗など幅広い分野の物件を受託し、既存受託物件においてはお客さまに労務単価上昇による収益圧迫への理解が進み、相応に価格改定が進みました。一方でホテル関連事業(クリーン業務セグメントに含まれる)では、年度の初めから訪日外国人減少によるホテル客室の稼働低下と2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大による急激な稼働悪化の影響を受けました。また海外事業においては、ベトナムの海外子会社Care Vietnam Joint Stock Company(以下、CV社)の業績が順調に伸び、新たに連結子会社化したシンガポール共和国のファシリティマネジメント会社であるC+H Associates Pte Ltd.(以下、CH社)も加わり、連結売上高は264億71百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。
利益面につきましては、働き方改革への対応として労働環境向上を促進するコストが増加しましたが、新規受託及び価格改定などの寄与により第3四半期連結累計期間まで順調に推移しました。しかし新型コロナウイルスによるホテル客室の稼働低下に労務コストの調整が追いつかず、一転して苦戦を強いられる展開となりました。また、ブランディング戦略として「カタい社名で、じゆうな発想。」をキャッチフレーズに掲げ、未来にチャレンジしていく企業イメージの浸透を目的に積極的な広報活動を実施したこと、CH社の株式取得に関わる費用を計上したこと、さらに金融市況の低迷により期末の年金資産残高が減少し、その不足分の退職給付費用を一括計上したことにより、販売費及び一般管理費が増加し、連結営業利益は2億84百万円(同40.6%減)、連結経常利益3億75百万円(同37.7%減)となりました。
また特別損失として投資有価証券評価損及びゴルフ会員権評価損等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は1億12百万円(同55.4%減)となりました。
ビルメンテナンス事業
(クリーン業務)
クリーン業務につきましては、名古屋地区の学校、大型商業店舗、京阪地区のホテルなどの新規物件を受託し、既存物件においても契約改定が順調に進みました。しかしながら新型コロナウイルスの感染者増加が鮮明になった2月以降は、ホテル客室の稼働が急激に低下し、原価対応も追いつかず収益を圧迫しました。以上により、売上高は151億83百万円(前連結会計年度比5.6%増)、営業利益は15億86百万円(同1.4%増)となりました。
(設備管理業務)
設備管理業務につきましては、随時売上の伸び悩みと一部の解約発生により弱含みで推移しておりましたが、第4四半期連結会計期間より連結子会社化したCH社の収益を加えたことにより、売上高は53億54百万円(同7.7%増)となりました。利益面は、国内の管理物件のオーナー変更、採算の低下・欠員により解約・撤退に至った物件の影響及びCH社の株式取得に関わる費用を計上したことにより、営業利益は2億41百万円(同24.9%減)となりました。
(セキュリティ業務)
セキュリティ業務につきましては、大型オフィスビル、駅構内の巡回警備等の新規受託に加え、既存受託物件では価格改定が進み、売上高は32億73百万円(同3.3%増)、営業利益は2億55百万円(同7.4%増)となりました。
従いまして、ビルメンテナンス部門の売上高は238億12百万円(同5.7%増)、営業利益は20億82百万円(同1.9%減)となりました。
リニューアル工事事業
リニューアル工事事業につきましては、主に東京地区での大型工事受注が伸び悩み、売上高は16億41百万円(同9.5%減)となりましたが、営業利益は原価低減と販売費及び一般管理費の抑制に努め1億円(同32.0%増)となりました。
不動産ソリューション事業
不動産ソリューション事業につきましては、前連結会計年度に開始した太陽光発電事業(名古屋市南区)が期初から寄与しましたが、2月に入ると新型コロナウイルスの影響により指定管理者物件の稼働が急激に低下しました。以上により、売上高は10億18百万円(同3.0%増)、営業利益は業容拡大に伴う人件費の増加により19百万円(同68.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は23億50百万円となり、前連結会計年度末より1億29百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は5億62百万円(前年同期は7億46百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益3億33百万円、減価償却費2億91百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額2億54百万円、その他に含まれる社会保険料の支払による未払費用等の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は8億73百万円(前年同期は5億28百万円の減少)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の償還による収入1億43百万円であり、主な減少要因は、技能実習生寮の新規取得等に伴う有形固定資産の取得による支出2億54百万円、CH社株式取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億89百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は4億37百万円(前年同期は1億23百万円の減少)となりました。主な増加要因は、CH社株式取得等に伴う長期借入れによる収入8億60百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出2億40百万円、配当金の支払額1億26百万円であります。
③外注、商品仕入及び販売の実績
当社グループの業務内容は、ビルメンテナンス等の役務提供を主体としているため、受注規模を金額で示すことは行っておりません。
a.外注実績
当連結会計年度の外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
ビルメンテナンス業界は都市部の再開発やインバウンド需要、オリンピックへの期待などから、成長率は高くないものの安定して成長を維持してまいりました。反面、労務コストの増加は恒常的な課題となっており収益環境は依然厳しいまま推移しております。また2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大により、ホテルや商用店舗などを中心に急激に稼働が低下し、売上、利益ともに苦戦を強いられる展開となりました。
(売上)
このような環境下において、ビルメンテナンス事業は、国内においては西日本地区の中堅ホテルを中心として、学校関連、商用店舗など幅広い分野の物件を新たに受託し、既存の受託物件は契約改定が順調に進みました。海外事業においては、ベトナムのビルメンテナンス会社であるCV社が順調に推移し、第4四半期連結会計期間より新たに連結子会社化したCH社が寄与しました。しかしながら2020年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症の影響により、ホテルを中心に急激に稼働が低下し、売上高は238億12百万円(前連結会計年度比5.7%増)にとどまりました。リニューアル工事事業は大型物件の受注が伸び悩み、16億41百万円(同9.5%減)となりました。不動産ソリューション事業は指定管理物件において新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、前連結会計年度に開始した太陽光発電事業(名古屋市南区)が期初から寄与し、10億18百万円(同3.0%増)となりました。結果、当グループの売上高は264億71百万円(同4.5%増)となりました。
(売上原価)
働き方改革への対応として労働環境向上を促進するコストや年度後半の新型コロナウイルスに影響した管理物件の稼働低下に対する労務コスト調整遅れが生じたものの、第3四半期連結累計期間に対応した既存受託物件の契約改定や作業効率の改善により、原価比率は前連結会計年度と同率で着地しました。
(販売費及び一般管理費)
ブランディング戦略として「カタい社名で、じゆうな発想。」をキャッチフレーズに掲げ、未来にチャレンジしていく企業イメージの浸透を目的に積極的な広報活動を実施したこと、CH社の株式取得に関わる費用を計上したこと、さらに金融市況の低迷により期末の年金資産残高が減少し、その不足分の退職給付費用を一括計上したこと等により、販売管理費は3億56百万円の増加(同12.5%増)となりました。結果、営業利益は2億84百万円(同40.6%減)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、前連結会計年度にあった「保険返戻金」が剥落し、営業外費用はCH社の買収に伴う資金調達手数料により「支払手数料」が増加しました。結果、経常利益は3億75百万円(同37.7%減)となりました。
(特別損益、法人税等)
特別利益は「投資有価証券売却益」が減少し、特別損失では「減損損失」が減少しました。結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1億12百万円(同55.4%減)となりました。
b.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、58億43百万円(前連結会計年度末は53億65百万円)となり、4億78百万円の増加となりました。その主な要因につきましては、CH社を連結子会社化したこと等により「現金及び預金」が1億29百万円、「その他」に含まれる未収収益が2億34百万円増加したことなどによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、84億21百万円(同81億59百万円)となり、2億61百万円の増加となりました。その主な要因につきましては、CH社の株式取得等により「のれん」が4億6百万円増加した一方で、「投資有価証券」が2億77百万円減少したことなどによるものであります。
(流動負債)
当連結会期年度末における流動負債の残高は、38億26百万円(同34億75百万円)となり、3億50百万円の増加となりました。その主な要因につきましては、CH社を連結子会社化したことにより、「支払手形及び買掛金」の2億61百万円増加と消費税率の変更に伴い「未払消費税等」が1億75百万円増加したことなどによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、20億61百万円(同15億71百万円)となり、4億90百万円の増加となりました。主な要因は、CH社株式取得に伴う長期借入金により、「長期借入金」が4億96百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の部の残高は、83億76百万円(同84億78百万円)となり、1億1百万円の減少となりました。主な要因は、「その他有価証券評価差額金」が2億11百万円減少したことなどによるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、価格競争、関係法規、雇用状況等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、優秀な人材の採用と組織体制の整備、内部統制システムの強化等により、これらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上と営業利益率を、重要な経営指標と位置付けております。これは売上が事業の成長を計る明確な指標であり、また労働集約型事業を営む当社において、原価コストの増減は営業利益率に大きな影響を与えるため、これらの指標の向上に努めることが中長期的な目標であります。
第6次中期経営計画の目標値は連結売上高230億円、連結営業利益率2.0%であります。当連結会計年度における売上高は、264億71百万円、営業利益1.1%であり、売上高は目標値を達成いたしました。営業利益率は、機械化やロボット導入といった作業効率の追求、低収益物件の契約見直しに取り組み、当連結会計年度末での目標達成を目論んでまいりましたが、労務単価の上昇が想定以上に大きかったことに加え、第4四半期連結会計期間にはホテル事業を中心に新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の減少が利益面にも影響しました。この結果、売上高230億円に対する営業利益率2.0%である連結営業利益4億60百万円を前連結会計年度に一旦は達成したものの維持がかなわず、連結営業利益率2.0%は未達成となりました。
第7次中期経営計画については、新型コロナウイルス感染症の影響で定量面の見直しを行っており策定中となっております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備などの長期資金は、長期借入金で調達しております。なお、当連結会計年度末における長期借入金の残高は18億61百万円であります。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で6億円のシンジケートローン契約を締結しております(借入実行残高40百万円、借入未実行残高5億60百万円)。
当社グループの運転資金需要は、各事業の作業に従事する従業員にかかる人件費、外注委託費と作業用資機材等の作業原価、そして販売費及び一般管理費であります。その販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。 これら翌月分の運転資金需要として、約14億円を毎月末には確保するように努めております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は23億50百万円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要としておりますが、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.中期経営計画の総括
2015年4月より開始いたしました5ヵ年の第6次中期経営計画「Road To Transformation」は当連結会計年度末をもって終えました。
当計画は組織改革、人材育成、技術力強化を図るとともに、海外事業やビルメンテナンス事業領域を超えた新事業への挑戦により、業容拡大を図ることを戦略の骨子として取り組んでまいりました。
取組成果といたしましては、業容面については香港、ベトナム、インドネシア、シンガポールへのグローバル展開、新たな事業領域については新商材及び新サービスとしてTシリーズを投入しました。これらにより当初の定量目標である連結売上高230億円は2018年3月期に達成することができました。
また、「組織力」「人材力」「教育力」による品質向上、収益力向上、営業力強化の側面においては、カンパニー制への移行、ベトナムからの技能実習生受入れ、IT技術活用・清掃ロボット導入による作業の効率化を図り、加えてブランディング戦略による企業価値の向上にも努めました。
引き続き課題として残ったこととしましては、収益力の強化となります。機械化やロボット導入といった作業効率の追求、低収益物件の契約見直しに取り組み、当連結会計年度末での目標達成を目論んでまいりましたが、労務単価の上昇が想定以上に大きかったことに加え、第4四半期連結会計期間にはホテル事業を中心に新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の減少が利益面にも影響しました。この結果、定量目標である連結営業利益4億円が前連結会計年度に一旦は達成したものの維持がかなわず、もう一つの目標であった連結営業利益率2.0%は未達成となりました。
b.経営成績
経営成績につきましては、西日本地区の中堅ホテルを中心として、学校関連、商用店舗など幅広い分野の物件を受託し、既存受託物件においてはお客さまに労務単価上昇による収益圧迫への理解が進み、相応に価格改定が進みました。一方でホテル関連事業(クリーン業務セグメントに含まれる)では、年度の初めから訪日外国人減少によるホテル客室の稼働低下と2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大による急激な稼働悪化の影響を受けました。また海外事業においては、ベトナムの海外子会社Care Vietnam Joint Stock Company(以下、CV社)の業績が順調に伸び、新たに連結子会社化したシンガポール共和国のファシリティマネジメント会社であるC+H Associates Pte Ltd.(以下、CH社)も加わり、連結売上高は264億71百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。
利益面につきましては、働き方改革への対応として労働環境向上を促進するコストが増加しましたが、新規受託及び価格改定などの寄与により第3四半期連結累計期間まで順調に推移しました。しかし新型コロナウイルスによるホテル客室の稼働低下に労務コストの調整が追いつかず、一転して苦戦を強いられる展開となりました。また、ブランディング戦略として「カタい社名で、じゆうな発想。」をキャッチフレーズに掲げ、未来にチャレンジしていく企業イメージの浸透を目的に積極的な広報活動を実施したこと、CH社の株式取得に関わる費用を計上したこと、さらに金融市況の低迷により期末の年金資産残高が減少し、その不足分の退職給付費用を一括計上したことにより、販売費及び一般管理費が増加し、連結営業利益は2億84百万円(同40.6%減)、連結経常利益3億75百万円(同37.7%減)となりました。
また特別損失として投資有価証券評価損及びゴルフ会員権評価損等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は1億12百万円(同55.4%減)となりました。
ビルメンテナンス事業
(クリーン業務)
クリーン業務につきましては、名古屋地区の学校、大型商業店舗、京阪地区のホテルなどの新規物件を受託し、既存物件においても契約改定が順調に進みました。しかしながら新型コロナウイルスの感染者増加が鮮明になった2月以降は、ホテル客室の稼働が急激に低下し、原価対応も追いつかず収益を圧迫しました。以上により、売上高は151億83百万円(前連結会計年度比5.6%増)、営業利益は15億86百万円(同1.4%増)となりました。
(設備管理業務)
設備管理業務につきましては、随時売上の伸び悩みと一部の解約発生により弱含みで推移しておりましたが、第4四半期連結会計期間より連結子会社化したCH社の収益を加えたことにより、売上高は53億54百万円(同7.7%増)となりました。利益面は、国内の管理物件のオーナー変更、採算の低下・欠員により解約・撤退に至った物件の影響及びCH社の株式取得に関わる費用を計上したことにより、営業利益は2億41百万円(同24.9%減)となりました。
(セキュリティ業務)
セキュリティ業務につきましては、大型オフィスビル、駅構内の巡回警備等の新規受託に加え、既存受託物件では価格改定が進み、売上高は32億73百万円(同3.3%増)、営業利益は2億55百万円(同7.4%増)となりました。
従いまして、ビルメンテナンス部門の売上高は238億12百万円(同5.7%増)、営業利益は20億82百万円(同1.9%減)となりました。
リニューアル工事事業
リニューアル工事事業につきましては、主に東京地区での大型工事受注が伸び悩み、売上高は16億41百万円(同9.5%減)となりましたが、営業利益は原価低減と販売費及び一般管理費の抑制に努め1億円(同32.0%増)となりました。
不動産ソリューション事業
不動産ソリューション事業につきましては、前連結会計年度に開始した太陽光発電事業(名古屋市南区)が期初から寄与しましたが、2月に入ると新型コロナウイルスの影響により指定管理者物件の稼働が急激に低下しました。以上により、売上高は10億18百万円(同3.0%増)、営業利益は業容拡大に伴う人件費の増加により19百万円(同68.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は23億50百万円となり、前連結会計年度末より1億29百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は5億62百万円(前年同期は7億46百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益3億33百万円、減価償却費2億91百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額2億54百万円、その他に含まれる社会保険料の支払による未払費用等の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は8億73百万円(前年同期は5億28百万円の減少)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の償還による収入1億43百万円であり、主な減少要因は、技能実習生寮の新規取得等に伴う有形固定資産の取得による支出2億54百万円、CH社株式取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億89百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は4億37百万円(前年同期は1億23百万円の減少)となりました。主な増加要因は、CH社株式取得等に伴う長期借入れによる収入8億60百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出2億40百万円、配当金の支払額1億26百万円であります。
③外注、商品仕入及び販売の実績
当社グループの業務内容は、ビルメンテナンス等の役務提供を主体としているため、受注規模を金額で示すことは行っておりません。
a.外注実績
当連結会計年度の外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クリーン業務(千円) | 3,439,116 | 7.7 |
| 設備管理業務(千円) | 1,839,251 | 7.2 |
| セキュリティ業務(千円) | 240,773 | △1.8 |
| リニューアル工事業務(千円) | 1,353,187 | △11.7 |
| 不動産ソリューション業務(千円) | 263,264 | 13.3 |
| 合計(千円) | 7,135,593 | 3.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クリーン業務(千円) | 154,078 | 15.1 |
| 設備管理業務(千円) | 32,286 | △6.7 |
| セキュリティ業務(千円) | 24,212 | 57.8 |
| リニューアル工事業務(千円) | 2,672 | 106.8 |
| 不動産ソリューション業務(千円) | 62,388 | △25.2 |
| 合計(千円) | 275,638 | 2.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クリーン業務(千円) | 15,183,173 | 5.6 |
| 設備管理業務(千円) | 5,354,977 | 7.7 |
| セキュリティ業務(千円) | 3,273,897 | 3.3 |
| リニューアル工事業務(千円) | 1,641,801 | △9.5 |
| 不動産ソリューション業務(千円) | 1,018,012 | 3.0 |
| 合計(千円) | 26,471,862 | 4.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
ビルメンテナンス業界は都市部の再開発やインバウンド需要、オリンピックへの期待などから、成長率は高くないものの安定して成長を維持してまいりました。反面、労務コストの増加は恒常的な課題となっており収益環境は依然厳しいまま推移しております。また2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大により、ホテルや商用店舗などを中心に急激に稼働が低下し、売上、利益ともに苦戦を強いられる展開となりました。
(売上)
このような環境下において、ビルメンテナンス事業は、国内においては西日本地区の中堅ホテルを中心として、学校関連、商用店舗など幅広い分野の物件を新たに受託し、既存の受託物件は契約改定が順調に進みました。海外事業においては、ベトナムのビルメンテナンス会社であるCV社が順調に推移し、第4四半期連結会計期間より新たに連結子会社化したCH社が寄与しました。しかしながら2020年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症の影響により、ホテルを中心に急激に稼働が低下し、売上高は238億12百万円(前連結会計年度比5.7%増)にとどまりました。リニューアル工事事業は大型物件の受注が伸び悩み、16億41百万円(同9.5%減)となりました。不動産ソリューション事業は指定管理物件において新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、前連結会計年度に開始した太陽光発電事業(名古屋市南区)が期初から寄与し、10億18百万円(同3.0%増)となりました。結果、当グループの売上高は264億71百万円(同4.5%増)となりました。
(売上原価)
働き方改革への対応として労働環境向上を促進するコストや年度後半の新型コロナウイルスに影響した管理物件の稼働低下に対する労務コスト調整遅れが生じたものの、第3四半期連結累計期間に対応した既存受託物件の契約改定や作業効率の改善により、原価比率は前連結会計年度と同率で着地しました。
(販売費及び一般管理費)
ブランディング戦略として「カタい社名で、じゆうな発想。」をキャッチフレーズに掲げ、未来にチャレンジしていく企業イメージの浸透を目的に積極的な広報活動を実施したこと、CH社の株式取得に関わる費用を計上したこと、さらに金融市況の低迷により期末の年金資産残高が減少し、その不足分の退職給付費用を一括計上したこと等により、販売管理費は3億56百万円の増加(同12.5%増)となりました。結果、営業利益は2億84百万円(同40.6%減)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、前連結会計年度にあった「保険返戻金」が剥落し、営業外費用はCH社の買収に伴う資金調達手数料により「支払手数料」が増加しました。結果、経常利益は3億75百万円(同37.7%減)となりました。
(特別損益、法人税等)
特別利益は「投資有価証券売却益」が減少し、特別損失では「減損損失」が減少しました。結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1億12百万円(同55.4%減)となりました。
b.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、58億43百万円(前連結会計年度末は53億65百万円)となり、4億78百万円の増加となりました。その主な要因につきましては、CH社を連結子会社化したこと等により「現金及び預金」が1億29百万円、「その他」に含まれる未収収益が2億34百万円増加したことなどによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、84億21百万円(同81億59百万円)となり、2億61百万円の増加となりました。その主な要因につきましては、CH社の株式取得等により「のれん」が4億6百万円増加した一方で、「投資有価証券」が2億77百万円減少したことなどによるものであります。
(流動負債)
当連結会期年度末における流動負債の残高は、38億26百万円(同34億75百万円)となり、3億50百万円の増加となりました。その主な要因につきましては、CH社を連結子会社化したことにより、「支払手形及び買掛金」の2億61百万円増加と消費税率の変更に伴い「未払消費税等」が1億75百万円増加したことなどによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、20億61百万円(同15億71百万円)となり、4億90百万円の増加となりました。主な要因は、CH社株式取得に伴う長期借入金により、「長期借入金」が4億96百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の部の残高は、83億76百万円(同84億78百万円)となり、1億1百万円の減少となりました。主な要因は、「その他有価証券評価差額金」が2億11百万円減少したことなどによるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、価格競争、関係法規、雇用状況等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、優秀な人材の採用と組織体制の整備、内部統制システムの強化等により、これらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上と営業利益率を、重要な経営指標と位置付けております。これは売上が事業の成長を計る明確な指標であり、また労働集約型事業を営む当社において、原価コストの増減は営業利益率に大きな影響を与えるため、これらの指標の向上に努めることが中長期的な目標であります。
第6次中期経営計画の目標値は連結売上高230億円、連結営業利益率2.0%であります。当連結会計年度における売上高は、264億71百万円、営業利益1.1%であり、売上高は目標値を達成いたしました。営業利益率は、機械化やロボット導入といった作業効率の追求、低収益物件の契約見直しに取り組み、当連結会計年度末での目標達成を目論んでまいりましたが、労務単価の上昇が想定以上に大きかったことに加え、第4四半期連結会計期間にはホテル事業を中心に新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の減少が利益面にも影響しました。この結果、売上高230億円に対する営業利益率2.0%である連結営業利益4億60百万円を前連結会計年度に一旦は達成したものの維持がかなわず、連結営業利益率2.0%は未達成となりました。
第7次中期経営計画については、新型コロナウイルス感染症の影響で定量面の見直しを行っており策定中となっております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備などの長期資金は、長期借入金で調達しております。なお、当連結会計年度末における長期借入金の残高は18億61百万円であります。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で6億円のシンジケートローン契約を締結しております(借入実行残高40百万円、借入未実行残高5億60百万円)。
当社グループの運転資金需要は、各事業の作業に従事する従業員にかかる人件費、外注委託費と作業用資機材等の作業原価、そして販売費及び一般管理費であります。その販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。 これら翌月分の運転資金需要として、約14億円を毎月末には確保するように努めております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は23億50百万円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要としておりますが、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。