訂正有価証券報告書-第33期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営ビジョン
「ICTの利活用を通じて、社会変革へ貢献する。」を経営理念として、当社グループは、「すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業(アドマイヤード・カンパニー)になること」を目指しています。お客様、パートナー、株主様、社員への責任を果たし、ICT市場、市民社会、地球環境への貢献を怠らないことによってアドマイヤード・カンパニーになることが実現できると考えています。また、自己の判断ではなく第三者が認めてこそ真のアドマイヤード・カンパニーであると考え、ステークホルダーの皆様からアドマイヤード・カンパニーとして最高の評価を頂けるよう、不断の努力と研鑽を続けてまいります。
(2)経営方針
当社グループでは、経営理念・ビジョンのもと、「継続した成長」と「顧客満足度の向上」を最大の目標としています。その実現のため、当社グループの活動全てを「統合サービス事業」と定義し、顧客のICT基盤を全フェーズで支援します。この事業の加速に向けて、組織体制及び基盤システムの強化、人財育成に取り組みます。
(3)経営環境
当社グループが所属するICT市場は大きな変革期に入りました。多くのお客様は、デジタル化を事業戦略の主軸に置き、ICTの利活用に向けた投資を開始しています。同時に、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、働き方を抜本的に見直す意識も高まっています。
このような環境で当社が継続して成長するためには、お客様が必要とされるICTの利活用を実現し、明確な投資対効果をお届けする、高付加価値の創出が必要です。
そして、これらを支える提案・実装・安定運用の一貫したサービスを実現するために、当社グループの生産性及びサービス品質の向上も必要です。
(4)目標とする経営指標
上記の経営方針による付加価値の提供が継続的な成長を可能にするものと判断して、その経営成果の指標としては「営業利益率の改善」(10~12%)及び「売上高成長率の向上」(5~10%)を掲げております。そして、中期的な目標として、2020年3月期~2022年3月期の3年間を対象期間とした中期事業計画(後述)によって、2022年3月期に、売上高2,200億円、営業利益210億円、営業利益率9.5%、サービス比率50%、ROE16.8%を目指します。
(5)対処すべき課題、事業戦略
「納品実体のない取引」における再発防止
納品実体のない取引について
当社は、2019年12月13日付「特別調査委員会設置に関するお知らせ」に記載のとおり、東京国税局による税務調査の過程で当社の一部取引について納品の事実が確認できない疑義があるとの指摘を受けたため、特別調査委員会を設置し、2020年3月12日付で「納品実体のない取引に関する調査最終報告書」を受領し、調査が終了いたしました。
当社は、特別調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、再発防止策(後述)を定め、取り組みを進めています。
納品実態のない取引は、中央省庁をエンドユーザーとする架空の物品販売を順次繰り返す形で行われていました。当社元社員は、当事会社の担当者らと連絡を取り合い、当該元社員の部下らに対して必要書類の一部の作成を命じ、当該元社員の上長に対して架空の取引である事実を秘して決裁を受け、本不正行為に係る取引を実行していました。本不正行為は、当該元社員が単独で行っていたものであり、当社における組織的な関与は認められておりません。
連結財務諸表への累計影響額は、売上高△321億円、営業利益△36億円、経常利益△36億円、親会社株主に帰属する当期純利益△93億円となりました。また、当連結会計年度への影響額は、売上高△65億円、営業利益△10億円、経常利益△10億円、親会社株主に帰属する当期純利益△21億円となりました。
特別調査委員会による原因分析
「納品実体のない取引に関する調査最終報告書」において、本不正行為の防止及び発見に至らなかった原因について、以下のように分析しています。
特別調査委員会の提言を踏まえた再発防止策
当社は、特別調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、以下の再発防止策を定め、取り組みを進めています。
中期事業計画の推進
継続した成長に向けて、引き続き、以下3つの基本戦略に取り組みます。
1.注力市場・新モデルの拡大:市場カバレッジの拡張
各市場・各モデルにおいて、「カスタマーサクセス」を主軸として、お客様の要望に則したネットワーク基盤、セキュリティ対策、クラウド活用の提案を加速します。
2.統合サービス事業の加速:サービス比率の拡大
継続して「カスタマーサクセス」にフォーカスし、お客様のICT利活用の全体構想段階から支援します。お客様と共同で策定した「あるべき姿」とロードマップに沿って、ネットワーク基盤・セキュリティ対策・クラウド活用等の当社独自の高付加価値ソリューションを段階的かつ継続的に提供することで、サービスビジネスを拡大します。
3.働き方改革2.0/DXの実践:生産性の向上
2021年4月からの新収益認識基準の適用、及び、生産性向上・業務改革・ガバナンス強化へ向けて、新しい業務プロセスに対応したデジタル化を段階的にスタートします。これによって、業務プロセスとデータを連動させ、業務の自動化とお客様へのより有益な情報提供を試行します。
新型コロナウイルスへの対応
新型コロナウイルスの感染拡大によって出勤が困難な状況が広がり、お客様は事業継続の観点から働き方の抜本的な見直しを進めています。当社グループは、以下の取り組みを通じてお客様の事業継続・働き方改革を支援してまいります。
お客様の事業継続を支援するためのテレワーク環境の提供
お客様の事業継続を支援するために、テレワーク環境を実現する各種システムを提供します(例:ビデオ会議/Web会議、仮想デスクトップ、ファイル共有サービス等)。
また、これらシステムの安定稼働のためのネットワーク基盤、及び、社外業務でも情報漏えいを防ぐセキュリティ対策とともに、当社グループが10年来取り組みを進めている働き方改革の知見も提供します。
働き方改革2.0/DXの加速による、当社グループの事業継続性の向上
現在、当社グループは、自宅や外出先でも大部分の業務を進められる環境を整備しています(働き方改革1.0)。さらに、今般の状況を踏まえて中期事業計画における「働き方改革2.0/DX」の取り組みを拡大し、残存している紙帳票・契約書等の電子化や電子商取引(EDI)対象の拡大等で、デジタル化をより強く推進します。また、遠隔地からお客様のシステム運用を支援する仕組みを強化します。これによって、出勤が困難な状況においても、お客様へのサービス提供に影響が無い体制の構築を図ります。
(6)利益配分に関する基本方針
当社は、「企業価値の向上による株主利益の向上を目指すとともに、経営基盤の拡充と成長力の源泉である株主資本の充実を図り、長期にわたり安定的かつ業績を適正に反映した利益還元を行っていく」ことを基本方針としています。これらの観点から当面の配当性向につきましては、『連結配当性向30%以上』を目標といたしております。
「ICTの利活用を通じて、社会変革へ貢献する。」を経営理念として、当社グループは、「すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業(アドマイヤード・カンパニー)になること」を目指しています。お客様、パートナー、株主様、社員への責任を果たし、ICT市場、市民社会、地球環境への貢献を怠らないことによってアドマイヤード・カンパニーになることが実現できると考えています。また、自己の判断ではなく第三者が認めてこそ真のアドマイヤード・カンパニーであると考え、ステークホルダーの皆様からアドマイヤード・カンパニーとして最高の評価を頂けるよう、不断の努力と研鑽を続けてまいります。
(2)経営方針
当社グループでは、経営理念・ビジョンのもと、「継続した成長」と「顧客満足度の向上」を最大の目標としています。その実現のため、当社グループの活動全てを「統合サービス事業」と定義し、顧客のICT基盤を全フェーズで支援します。この事業の加速に向けて、組織体制及び基盤システムの強化、人財育成に取り組みます。
(3)経営環境
当社グループが所属するICT市場は大きな変革期に入りました。多くのお客様は、デジタル化を事業戦略の主軸に置き、ICTの利活用に向けた投資を開始しています。同時に、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、働き方を抜本的に見直す意識も高まっています。
このような環境で当社が継続して成長するためには、お客様が必要とされるICTの利活用を実現し、明確な投資対効果をお届けする、高付加価値の創出が必要です。
そして、これらを支える提案・実装・安定運用の一貫したサービスを実現するために、当社グループの生産性及びサービス品質の向上も必要です。
(4)目標とする経営指標
上記の経営方針による付加価値の提供が継続的な成長を可能にするものと判断して、その経営成果の指標としては「営業利益率の改善」(10~12%)及び「売上高成長率の向上」(5~10%)を掲げております。そして、中期的な目標として、2020年3月期~2022年3月期の3年間を対象期間とした中期事業計画(後述)によって、2022年3月期に、売上高2,200億円、営業利益210億円、営業利益率9.5%、サービス比率50%、ROE16.8%を目指します。
(5)対処すべき課題、事業戦略
「納品実体のない取引」における再発防止
納品実体のない取引について
当社は、2019年12月13日付「特別調査委員会設置に関するお知らせ」に記載のとおり、東京国税局による税務調査の過程で当社の一部取引について納品の事実が確認できない疑義があるとの指摘を受けたため、特別調査委員会を設置し、2020年3月12日付で「納品実体のない取引に関する調査最終報告書」を受領し、調査が終了いたしました。
当社は、特別調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、再発防止策(後述)を定め、取り組みを進めています。
納品実態のない取引は、中央省庁をエンドユーザーとする架空の物品販売を順次繰り返す形で行われていました。当社元社員は、当事会社の担当者らと連絡を取り合い、当該元社員の部下らに対して必要書類の一部の作成を命じ、当該元社員の上長に対して架空の取引である事実を秘して決裁を受け、本不正行為に係る取引を実行していました。本不正行為は、当該元社員が単独で行っていたものであり、当社における組織的な関与は認められておりません。
連結財務諸表への累計影響額は、売上高△321億円、営業利益△36億円、経常利益△36億円、親会社株主に帰属する当期純利益△93億円となりました。また、当連結会計年度への影響額は、売上高△65億円、営業利益△10億円、経常利益△10億円、親会社株主に帰属する当期純利益△21億円となりました。
特別調査委員会による原因分析
「納品実体のない取引に関する調査最終報告書」において、本不正行為の防止及び発見に至らなかった原因について、以下のように分析しています。
| 大項目 | 中項目 |
| 不正リスクの管理に関する問題 | ルール等の形骸化 |
| リスク管理体制上の問題点 | |
| 内部統制に係る問題 | |
| コンプライアンス活動に関する問題 | コンプライアンス活動の空回り |
| 経営層・幹部層の取り組み姿勢の問題 | |
| 2013事案を踏まえた再発防止策の不徹底 | |
| 組織風土の問題 |
特別調査委員会の提言を踏まえた再発防止策
当社は、特別調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、以下の再発防止策を定め、取り組みを進めています。
| 大項目 | 中項目 | 小項目 |
| 営業取引の基本方針 | 架空取引リスクの排除 | 当社グループの付加価値(独自のサービスやソリューション等)が認められる案件のみを対応 |
| 明細の無い「一式」表記の案件を禁止 | ||
| 納入先お客様並びに仕入元ベンダーが明確で、直接取引する案件のみを対応 | ||
| 中央省庁案件のみを担当する「霞が関オフィス」を閉鎖 | ||
| PMS(Process Management System)による案件審査の強化 | ||
| リスク管理体制の強化 | リスク管理活動の抜本的見直し | 最高リスク管理責任者(CRO)の役割を、「リスクの識別、リスク対応、リスク管理活動の有効性評価、継続的改善、その他のリスク管理プロセスを統括」と明確化 |
| 「旧・リスク・コンプライアンス委員会」を刷新し、リスク管理活動の評価と統制を行う「リスク管理委員会」、コンプライアンス活動の評価と統制を行う「コンプライアンス委員会」を組織。CROが両委員会を管掌するとともに、両委員会に社外取締役も参加し、客観的な視点での意見・評価を得る | ||
| 部門ごとの重要リスクの識別・評価 | 実行計画を策定 | |
| 各部門は、期初に自部門のリスクを分析し、「リスク調査シート」をリスク管理室に提出。 リスク管理室は客観的な視点からその検証と判断を行う | ||
| 業務統制の強化 | 営業部門の権限の見直し | 発注権限と検収権限を営業部門から分離 |
| 業務規程を改定(見積承認、受注・売上業務、発注・納品確認・検収業務など) | ||
| 業務規程の改定と連携したシステム改修 | ||
| 購買機能の強化 | 購買機能を「グループ購買部」として独立(旧・グループ購買・物流部) | |
| 仕入・検収に関する購買プロセスや機能の再定義・強化 | ||
| 再発防止策の有効性向上 | 再発防止に関する業務ルール変更の全社的な統轄・管理のために、社長直轄の専任組織として「営業統轄室」を新設 | |
| 属人化の防止 | 部門を横断する人事ローテーションの実行 |
| 大項目 | 中項目 | 小項目 |
| コンプライアンス活動の見直し | 内部通報制度の運用見直し | ハラスメントに関する通報と、不正に関する通報の窓口を分けるなど、有効性を高める運用形式に変更 |
| コンプライアンス意識の強化 | 全社員(役員や幹部層を含む)を対象とした研修を実施 | |
| 各部門は、期初に「コンプライアンスの活動計画」を作成 | ||
| 役員や幹部層は、自身のコンプライアンス活動を宣言し、取締役会や経営委員会等で四半期ごとにレビューを実施 | ||
| 新たな企業風土の形成 | 「ビジョン浸透委員会」を組織。本委員会には社外取締役も参加し、客観的な視点での意見・評価を得る | |
| 「ビジョン浸透委員会」における議論を経て、当社グループのゴール・ミッション・行動指針をまとめた「ビジョンブック」を更新し、社内での浸透を再徹底 |
中期事業計画の推進
継続した成長に向けて、引き続き、以下3つの基本戦略に取り組みます。
1.注力市場・新モデルの拡大:市場カバレッジの拡張
各市場・各モデルにおいて、「カスタマーサクセス」を主軸として、お客様の要望に則したネットワーク基盤、セキュリティ対策、クラウド活用の提案を加速します。
| 項目 | 名称 | お客様の要望 |
| 注力市場 | ヘルスケア | ●医療アプリケーションとICT基盤の分離 ●医療従事者の働き方改革 |
| スクールシステム | ●児童・生徒の教育におけるICTの利活用 ●教育情報システムの基盤統合 | |
| スマートファクトリー | ●生産稼働率の向上に向けた、生産データの収集・可視化・分析・改善 | |
| 新モデル | MSP(マネージド・サービス・プロバイダー)への支援 | ●サービス事業者:新サービスの共創 ●利用企業:ICT人財不足に伴う利用モデルへのシフト |
| リファービッシュメント(再生品)の展開 | ●再生品を活用した投資効率化 ●所有から利用モデルへのシフト |
2.統合サービス事業の加速:サービス比率の拡大
継続して「カスタマーサクセス」にフォーカスし、お客様のICT利活用の全体構想段階から支援します。お客様と共同で策定した「あるべき姿」とロードマップに沿って、ネットワーク基盤・セキュリティ対策・クラウド活用等の当社独自の高付加価値ソリューションを段階的かつ継続的に提供することで、サービスビジネスを拡大します。
3.働き方改革2.0/DXの実践:生産性の向上
2021年4月からの新収益認識基準の適用、及び、生産性向上・業務改革・ガバナンス強化へ向けて、新しい業務プロセスに対応したデジタル化を段階的にスタートします。これによって、業務プロセスとデータを連動させ、業務の自動化とお客様へのより有益な情報提供を試行します。
新型コロナウイルスへの対応
新型コロナウイルスの感染拡大によって出勤が困難な状況が広がり、お客様は事業継続の観点から働き方の抜本的な見直しを進めています。当社グループは、以下の取り組みを通じてお客様の事業継続・働き方改革を支援してまいります。
お客様の事業継続を支援するためのテレワーク環境の提供
お客様の事業継続を支援するために、テレワーク環境を実現する各種システムを提供します(例:ビデオ会議/Web会議、仮想デスクトップ、ファイル共有サービス等)。
また、これらシステムの安定稼働のためのネットワーク基盤、及び、社外業務でも情報漏えいを防ぐセキュリティ対策とともに、当社グループが10年来取り組みを進めている働き方改革の知見も提供します。
働き方改革2.0/DXの加速による、当社グループの事業継続性の向上
現在、当社グループは、自宅や外出先でも大部分の業務を進められる環境を整備しています(働き方改革1.0)。さらに、今般の状況を踏まえて中期事業計画における「働き方改革2.0/DX」の取り組みを拡大し、残存している紙帳票・契約書等の電子化や電子商取引(EDI)対象の拡大等で、デジタル化をより強く推進します。また、遠隔地からお客様のシステム運用を支援する仕組みを強化します。これによって、出勤が困難な状況においても、お客様へのサービス提供に影響が無い体制の構築を図ります。
(6)利益配分に関する基本方針
当社は、「企業価値の向上による株主利益の向上を目指すとともに、経営基盤の拡充と成長力の源泉である株主資本の充実を図り、長期にわたり安定的かつ業績を適正に反映した利益還元を行っていく」ことを基本方針としています。これらの観点から当面の配当性向につきましては、『連結配当性向30%以上』を目標といたしております。