有価証券報告書-第32期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 11:51
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、円安の進行で自動車や電機産業などの輸出企業を中心として業績を大きく伸ばすところとなっております。一方で年初の消費増税の導入によって個人消費の落ち込みが続いております。再度の引き上げを1年半延期することになっておりますが、個人消費の回復は弱く、先行きは不透明なところとなっております。また、サービス産業を中心として労働力不足が顕在化し、関連業界にとっては懸念材料となっております。
当業界におきましては、市場規模は横ばい状況で推移しております。近年著しく台頭してきた個別指導型学習塾の市場増加も鈍化し、集団授業型との比率も安定化するところとなっております。また、個別型、集団型を問わず、教場新設が一層活発化し、かつてない過当競争の様相を呈しております。
このような情勢のもと当社グループにおきましては、
① 市場の構造的変化に対応した教育サービスを提供できる体制を早急に整えること
② 小中学部・個別指導の校舎を機動的に展開すること
③ 業態変更した校舎、市場規模の縮小等により生徒数が減少した校舎においてはテナント校舎への移転を進め、健全な企業体質を構築し、利益が出る体制にすること
④ 多様化した顧客ニーズのそれぞれに対応した教育サービスを開発・提供し、顧客満足と結果としての利益増を図ること
を経営の柱として取り組んでまいりました。授業だけではなく、保護者会・三者面談などの授業以外のサービス、環境の整備など教育サービス全般の質の向上も図ってまいりました。
また、小中学部、高校部、その他の教育事業の部門におきまして、市場規模の縮小等により生徒数が著しく減少している校舎を閉鎖し、成長が期待できる部門に経営資源を集中する方策を取ってまいりました。
こうした取り組みによって、それぞれの部門、地域において一定の業績回復を実現させておりますが、全社的な売上高の回復には至っておりません。来期以降の業績の回復を図っていく計画であります。
営業費用におきましては、iD予備校への転換を推し進めたことによる人員の効率化、年金資産の運用が好調であったことによる退職給付費用の減少、一部校舎の閉鎖・統合による賃借料の減少、校舎管理・維持費用の削減等により費用の削減に努めてまいりました。
特別損益におきましては、3月在籍生徒数の状況を検討した結果、6校舎の減損損失処理を追加し、計40校舎の減損処理を行うことといたしました。また、コスト構造改善を目的に、不採算校舎については将来の収益の見通し等を検討し、一部校舎の移転・撤退を決定するとともに、店舗閉鎖損失及び店舗閉鎖損失引当金繰入額を特別損失に計上しております。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は11,259百万円(対前年同期比4.3%減)、営業利益は78百万円(対前年同期比49.3%減)、経常利益は27百万円(対前年同期比74.7%減)、当期純損失は3,257百万円(前年同期は当期純損失1,518百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より「その他の教育事業」に含めておりましたiD予備校の実績につき、地域別の営業管理体制をより強固にするため組織変更を行い、それに伴い報告セグメントの区分を「小中学部」または「高校部」に変更しております。そのため、前期比較は前期実績を変更し比較しております。
(小中学部)
小中学部におきましては、生徒数増加のため小学生の単科コース、中学生の英数コースなどを設け、また、入学促進策として各種入学インセンティブ等も取り入れております。また、高学歴志向の層に対しては、中3受験生対象の夏の勉強合宿、本部校特訓なども開催し、大好評を得ておりますが、過当競争により生徒数が減少しております。
その結果、小中学部の売上高は8,380百万円(対前年同期比4.6%減)、セグメント利益は898百万円(対前年同期比15.3%減)となりました。
(高校部)
高校部におきましては、高1・2生の年度途中での退学防止活動に力を入れ大きな成果をあげることができました。また、講義による理解と同時に、理解したことを定着させるための演習講座の充実も図ってまいりました。新しい学習メソッドも年度途中から取り入れ、今後の展開が期待できるところとなっておりますが、受講単価の高い高3生数は過年度から減少しております。
その結果、高校部の売上高は1,799百万円(対前年同期比5.0%減)、セグメント損失は211百万円(前年同期はセグメント損失166百万円)となりました。
(その他の教育事業)
その他の教育事業における個別指導部門、on lineによる映像事業部門におきましては、業務の標準化を進めてまいりました。また、小中学部、高校部と同様に各種講習会等の企画を検討・実行してまいりました。
その結果、その他の教育事業の売上高は1,079百万円(対前年同期比1.3%減)、セグメント利益は122百万円(対前年同期比176.0%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ21百万円増加し、当連結会計年度末には1,189百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは161百万円の支出(前年同期259百万円の収入)となりました。これは主として、コスト構造改善を目的に不採算校舎の移転及び撤退に伴う店舗閉鎖による解約違約金等の支払が発生したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは596百万円の収入(前年同期412百万円の収入)となりました。これは主として、定期預金の一部を解約したこと、自社物件として所有していた校舎及び社宅を売却したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは412百万円の支出(前年同期1,217百万円の支出)となりました。これは主として、校舎の移転・閉鎖に伴う解約金支払のための資金調達があったものの、既存債務の約定返済が進んだためであります。