有価証券報告書-第24期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 9:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
146項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」ことを企業理念として、人類の大きな財産であるインターネットというツールが本来持っている有益な側面をポジティブに使いこなすためのソフトウェアを提供していくことを目指しております。
(2)経営戦略等
当社グループは、上述の経営理念に基づき、まずは国内において総合セキュリティ対策メーカーとしてのプレゼンスを高めることに注力し、成長を加速させてまいります。
創業以来主力事業としてまいりました企業・組織「内部」からの情報漏洩対策に加え、標的型攻撃に代表される「外部」からの脅威に対するソリューションを2017年9月にリリース致しました。リリース以来、販売実績のみならず、製品の有効性が確かめられる事例等が多数報告されており、標的型攻撃対策として高く評価頂いております。引き続き、当該領域にリソースを集中し、ユーザーや販売店様の信頼を確保しながら、フィルタリングメーカーから総合セキュリティ対策メーカーへブランドチェンジを図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するため、契約高成長率、売上高成長率、営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)を客観的な指標としております。弊社グループの主要な契約体系は、最短契約年数1年となっており、各製品ごとに定められた価格表に基づき、契約年数に応じた金額を契約時に受領する事になっておりますが、会計上の売上計上方法は製品ごとに異なっております。従来は、契約時に契約額の大部分を会計上の売上として計上するタイプの製品の構成比率が高く、契約高成長率と売上高成長率は近似しておりましたが、昨今、弊社の契約高に占める各製品の構成比率に変化が見られ、契約金額の多くを繰延会計処理するタイプの製品が相対的に成長しており、契約高成長率と売上高成長率に乖離が発生しております。弊社グループも販売パートナー様も、契約高の成長を目的に販売活動、事業活動を実施しておりますため、一般的な経営指標に加え、契約高成長率を重視しております。
(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループが属するセキュリティ業界におきましては、特定の企業・組織・国家機関を狙った標的型攻撃等が相次ぐ一方で、仮想通貨・クラウドコンピューティング・IoT・AI等、ITの活用領域はますます拡大しており、企業・組織等が直面するリスクは高まるだけでなく、多様化かつ巧妙化しております。
また、わが国においては労働力人口の減少を背景として、従業員一人あたりの生産性向上等を目的とした働き方改革が政府主導の下促進されており、効率改善の一環としてクラウド導入ニーズが高まっております。加えて、2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピック等世界的なイベントを控えて、標的型攻撃の対象となる事が懸念されており、セキュリティ強化が急務な状況となっております。
こうした中、当社グループはインターネットセキュリティメーカーの使命として、創業以来主力事業としてまいりました「企業・組織内からの情報漏洩対策」に加え、標的型攻撃に代表される外部からの脅威に対するソリューションの提供を開始し、総合セキュリティ対策メーカーへと飛躍する第一歩を踏み出しました。
当社グループは誰もが安心してインターネットを活用できる社会を創るため、目まぐるしく変化する世の中の課題を的確かつ迅速に捉え、“Made in Japan”ならではの品質を追求しながらソリューションを提供していくことを使命として、加速するインターネット社会に貢献してまいります。
① 既存事業の安定的・継続的成長
当社グループは、ユーザー様や販売パートナー様のご要望に真摯に向き合い、お応えすることで、長期継続的な関係を維持し、安定的・継続的な成長を果たしてまいりました。引き続き、ユーザー様、販売パートナー様との関係を第一優先に、製品強化・サービスの向上を図り、安定的・継続的な成長を目指してまいります。
② 新しいニーズの発掘
仮想通貨・クラウドコンピューティング・IoT・AI等、ITの活用領域の拡大に合わせて、インターネットの利用に伴う新たな脅威が日々発生しております。このような環境の中、当社グループでは、将来の潜在的なニーズを予測し、“Only One”となる新しいソリューションを提供する事が重要であると考えており、市場調査・研究開発に尽力してまいります。
③ 人材の確保と育成
当社グループが中長期にわたって成長していくためには、優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しております。このため、当社グループでは、新卒及び中途採用の両面から積極的に優秀な人材の確保を進めておりますが、外部からの優秀人材の確保が困難となっている状況を踏まえ、報酬や評価を中心とした人事制度の見直しを継続し、優秀人材のリテンションに努めております。また、既存社員の生産性向上と知識・経験の習得を重点課題として、資格取得支援や社内研修等を通じて、人材の育成を進めてまいります。
④ 啓発活動
スマートフォンが急速に普及し、社会的な問題が急増する一方で、青少年を指導・育成する立場の大人たちの多くは時代の流れの速さに戸惑い、子どもたちがスマートフォンを利活用することで生じている危険性や問題点を理解できずにいます。このような問題意識に対処するため、当社グループでは全国各地からのご要望をもとに講演活動を行い、スマートフォンをはじめとしたモバイル端末の正しい知識の習得に役立つ情報提供を行うと共にフィルタリングの重要性を訴求してまいります。