有価証券報告書-第34期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/29 16:07
【資料】
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【項目】
106項目
(11)重要事象等について
当社グループは、総合エンターテインメント事業を中心とした事業から、スマートフォン用のアプリケーションやクラウドサービス開発等のIoTソリューションを中心とする事業への転換を行ってまいりました。当該事業転換に伴い、ゲーム、アニメーション及び出版の事業会社売却、旧来のソフトウェア事業を推進していた海外子会社の清算、非収益部門の廃止や本社移転等、様々な施策を行ってきたこと等により、前連結会計年度まで6期連続となる売上高の著しい減少、営業損失の計上及び営業キャッシュ・フローのマイナスが継続しております。当連結会計年度においても、前連結会計年度において平成29年3月31日付で株式譲渡を実施した出版事業に属する子会社3社の業績が含まれていたことから、前連結会計年度と比較して売上高は336,890千円(前連結会計年度の売上高557,638千円)と39.6%減少し、また営業損失は444,130千円(前連結会計年度の営業損失405,772千円)、経常損失は456,607千円(前連結会計年度の経常損失421,911千円)といずれも前連結会計年度と比較して損失額が増加しております。親会社株主に帰属する当期純損失は458,793千円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失946,405千円)と前連結会計年度と比較して改善したものの、当連結会計年度まで7期連続となる売上高の著しい減少、営業損失の計上及び営業キャッシュ・フローのマイナスが継続していることから、依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当社グループは、こうした状況を解消するため、以下のとおり当該状況の解消又は改善に努めております。
当社では、平成29年11月9日に策定した新事業ビジョンにおいて掲げた「広範な技術分野への対応等」、販売と取り扱いを容易にする「応用分野毎のサービス等のパッケージ化」、及び「販路拡大」の3点の施策を着実に実行することにより、継続的な業績向上及び中長期的な企業価値向上が実現できるものと考えております。引き続き、通信モジュールからスマートフォン用のアプリケーション、クラウドサービスまでIoT製品化に必要なトータルソリューションを提供し、顧客のIoT化ニーズの実現と今後の更なる受注拡大を目指すとともに、当該新事業ビジョンにおける3点の施策の着実な実行に伴う継続的な業績向上及び中長期的な企業価値向上の実現をより確実なものとするため、既存の当社IoTソリューションサービスを更に拡充するための必要資金及び続々と登場する新世代の高度な技術をいち早く取り入れて、広範かつ高い市場訴求力を備える製品・サービス等を開発するための必要資金並びに事業提携及びM&A等の必要資金の調達を目的として、平成30年2月14日開催の取締役会において投資事業有限責任組合インフレクションⅡ号及びフラッグシップアセットマネジメント投資組合70号に対する第M-2回新株予約権及び第M-3回新株予約権(第三者割当)(以下「本新株予約権」)の発行を決議いたしました。本新株予約権の払込による調達資金の総額は2,024,800千円を予定しており、第M-2回新株予約権については平成30年12月31日現在において27,719個(第M-2回新株予約権の発行新株予約権総数45,000個に対する割合は61.6%)が行使され、権利行使に係る資金調達額は同時点において707,824千円(第M-2回新株予約権の行使に係る当初予定調達額1,818,000千円に対する割合は38.9%)となっております。第M-2回新株予約権については行使価額修正条項が付されており、かつ第M-2回新株予約権及び第M-3回新株予約権いずれも行使による払込みの有無と権利行使の時期は割当先である本新株予約権者の判断に依存することから、株式市場の動向等の要因によっては当初想定していた金額が全額調達できない可能性があります。なお、本新株予約権については、当社取締役会の決議を経たうえで平成31年2月4日付で投資事業有限責任組合インフレクションⅡ号よりInfleXion II Cayman, L.P.に一部譲渡(第M-2回新株予約権及び第M-3回新株予約権ともに譲渡割合は43.6%)されましたが、本一部譲渡に伴う保有者の属性及び保有方針に実質的な変更は無いこと等の理由から、当社としては本一部譲渡について、本新株予約権の発行により調達する資金の使途について変更は無いと判断しております。
また、平成30年7月に、経営合理化策の一環として業務執行取締役の役員報酬の減額、一般従業員の給与減額及び平成30 年度賞与の不支給を実施することについて取締役会で決議する等、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況の解消を実現するために様々な施策を行っております。
当社では、これらの対応策を実行していくことにより売上高の増加、収益性の改善及び営業キャッシュ・フローの増加等が可能となり、ひいては当社の財務健全性の向上が実現できるものと考えておりますが、事業計画については今後の経済環境の変化による影響を受ける等により、計画どおりに推移しない可能性があり、この場合当社の財務状況や資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。したがって現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。