有価証券報告書-第20期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/29 14:18
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167項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、持続的な成長と企業価値の継続的な向上の実現のため、さまざまなステークホルダーからの信頼と期待に応え、クリエイティビティの力をもとに、マーケティングの進化とイノベーション創出をリードする世界一級の企業集団として、生活者の豊かな未来を創造し、経済を伸長させ、社会を発展させることへの貢献を目指しております。
そのために、当社は、持株会社として傘下の多彩な事業会社の「自立と連携」が促進される環境を整え、各社の連携が単なる総和以上の価値を発揮できるように、グループ全体の経営管理を強化することを経営の重点課題の一つであると認識し、その改善に努め、当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスの強化・充実に取り組んでまいります。
なお、傘下の事業会社のうち上場企業に対しても、その独立性を尊重しつつ、グループとしての連携も図ることとしております。
② コーポレート・ガバナンス体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社として、取締役の職務の執行が有効的かつ効率的に行われるとともに、実効性のある監査が適確に行われる経営体制を構築すべく、以下のとおり、コーポレート・ガバナンス体制を整備し運用しております。

③ コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項
当社では、業務の適正を確保するための体制として、2023年4月26日開催の取締役会において、「内部統制システム構築に係る基本方針」を以下の通り決議し、その運用状況を確認の上、継続的な改善・強化に努めております。
<内部統制システム構築に係る基本方針>1.当社及びその子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1) 当社は、当社及び当社の子会社(以下、「博報堂DYグループ」という。)が共有する「グループ行動規範および遵守事項」に基づき、法令遵守を企業活動の前提とすることを基本とする。
(2) 当社は、「グループコンプライアンス委員会」、「稟議制度」、「契約書類の法務審査制度」、「内部監査」及び「法律顧問による助言」等の諸制度を柱とするコンプライアンス体制を構築し、博報堂DYグループの取締役及び使用人の職務の執行が、法令及び定款に適合することを確保するとともに、社内研修等において、コンプライアンスの精神及びルールの徹底を図る。
(3) 博報堂DYグループ自らが主体的に不正行為の早期発見と是正を図るため、当社並びに主要な以下のグループ会社*にそれぞれ「企業内通報・相談窓口」を設置する。
*株式会社博報堂、株式会社大広、株式会社読売広告社、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社、株式会社アイレップ、株式会社HAKUHODO DY Matrix、株式会社博報堂テクノロジーズ、ソウルドアウト株式会社、株式会社博報堂DYコーポレートイニシアティブ
(4) 当社は、金融商品取引法の定めに基づき、財務報告の信頼性を確保するための内部統制に係る報告体制を整備するとともに、「財務報告に係る内部統制規程」を制定し、有効かつ効率的な運用及び評価を実施する。
(5) 博報堂DYグループは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力との関係を一切遮断し、警察等関連機関と連携して毅然と対応する。
(6) 当社の子会社においても、その規模並びに重要性等に鑑み、当社の規程及びその他の体制に準じた規程等を制定し、取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制を整備する。
2.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1) 当社は、「文書管理規程」等を制定し、会社の重要情報の適正保全等の観点から、法令に準拠した情報管理の基準と手続き等について定め、職務執行に係る情報を文書等に記録し保存する。取締役及び監査役は、随時、これらの文書を閲覧できる。
(2) 当社は、「グループコンプライアンス委員会」の下部組織として「グループ情報セキュリティ委員会」及び「情報セキュリティ委員会」を設置する。「グループ情報セキュリティ委員会」は、博報堂DYグループの情報セキュリティ体制を構築し、「情報セキュリティ委員会」は、「ISO/IEC27001:2013」および「JIS Q 27001:2014」の認証基準における要求事項に適合する当社の情報管理体制の整備・改善を推進する。これらの施策を実行することにより、取締役及び使用人の職務執行の状況を記録した書類等の作成、保存及び管理の体制を確保する。
3.当社及びその子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1) 当社は、情報管理の不備による信用喪失等の危険を防止するため、前項の通り情報管理体制の整備を推進する。
(2) 当社は、経理・財務関連のリスクについては、会計ルールの徹底に基づく各組織の自律的な管理を基本としつつ、グループ企業内LANによる統合的な計数管理体制の構築により、経理の適正を確保する。また、「経理規程」及び「資金管理規程」等を制定し、投融資先の業績及び財務状況等に関する定期的な評価を行うなど、投融資リスクの最小化に努める。
(3) 当社は、重大なリスク事案への不適切な対応による博報堂DYグループの社会的信用の失墜及び企業価値の多大なる毀損を未然に防止すべく、「グループコンプライアンス委員会」の下部組織として「グループリスク対応チーム」を設置するとともに、「危機管理規程」を制定し、対象となるリスク事案及びリスク対応体制を明確化することにより、リスク事案発生時の迅速かつ適切な対応を強化する。
(4) 当社は、博報堂DYグループにおける防災計画の立案及び防災体制の整備等、防災全般に関する諸事項の構築を推進すべく「防災委員会」を設置するとともに、「災害対策規程」を制定し、災害発生時の対応体制等を確立することにより、災害による人的・物的被害を予防、軽減する。
(5) 当社の子会社においても、その規模並びに重要性等に鑑み、当社の規程及びその他の体制に準じた規程等を制定し、損失の危険の管理に係る体制を整備する。
4.当社及びその子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 当社は、定期的(原則月1回)又は必要に応じて臨時の取締役会を開催することにより、経営上の重要事項の意思決定を行うとともに、当社及び前記10社の業務執行に関する報告を受け、取締役及び執行役員の職務執行の状況の監督を行う。
(2) 当社は、取締役会の意思決定を補佐するため、当社の取締役(社外取締役を除く)を中心に構成する「経営会議」及び「グループ経営会議」を設置し、予算、中期計画、組織及び投融資案件等について事前審議を行い、その結果を踏まえ取締役会に議案の上程を行う。
(3) 当社は、当社及び前記10社の取締役(社外取締役を除く)を中心に構成する「統合会議」を設置し、グループ連結業績及び前記10社の業績等に係る報告・意見交換を行うことにより、随時、利益計画等の進捗状況を把握・管理する。
(4) 当社は、取締役会決議により、職務の執行を行う役員を執行役員に任用して、その地位及び担当職務を明確化するとともに、「組織規程」及び「職務権限規程」を制定し、取締役・使用人の役割分担、業務分掌、指揮命令関係等を明確化し、取締役の効率的な職務執行を図る。
(5) 当社の子会社においても、その規模並びに重要性等に鑑み、当社の規程及びその他の体制に準じた規程等を制定し、取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備する。
5.当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1) 博報堂DYグループの経営課題に対する共通認識を持ち、グループ企業価値の最大化に向けた経営を行うため、当社及び前記10社は、相互に一部の取締役・執行役員を兼務する体制をとる。
(2) 当社は、「事業会社管理規程」において、当社の子会社に対し、一定の経営上の重要事項の意思決定については、その重要性に鑑み、当社における取締役会による決議、または社長による承認、または当社への事前報告を求めるものとする。
(3) 当社の子会社においても、その規模並びに重要性等に鑑み、当社の規程及びその他の体制に準じた子会社管理に関する規程等を制定し、企業集団における業務の適正を確保するための体制を整備する。
6.当社の監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項
(1) 当社は、「監査役補助体制規程」を制定し、監査役の職務を補助する組織として「監査役業務部」を設置し、同部所属員をもって、監査役が行う監査業務の補佐及び監査役会事務局業務を行わせる。
(2) 「監査役業務部」の所属員は、監査役の指揮命令により職務を遂行し、その人事については、監査役会の同意に基づき実施する。また、「監査役業務部」の所属員は、他部門を兼務しない。
7.当社及びその子会社の取締役及び使用人が当社の監査役に報告をするための体制その他の当社の監査役への報告に関する体制
(1) 当社は、当社の監査役に対する報告に係る博報堂DYグループの取締役及び使用人の義務および仕組み等について定めるため、「監査役に対する報告体制規程」を制定する。
(2) 当社は、取締役会の他、その他重要会議体への監査役の出席を求めるとともに、業績等会社の業務の状況を取締役又は使用人より当社の監査役へ定期的に報告する。
(3) 博報堂DYグループにおいて、違法行為や多額の損失等の重大事態が発生した場合は、当該案件を担当する博報堂DYグループの取締役又は使用人より速やかに当社の監査役に報告を行う。
(4) 当社は、内部監査部門が実施した監査結果を定期的に当社の監査役に報告する。
8.当社の監査役に報告を行った者が当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、当社の監査役に対して報告を行った博報堂DYグループの取締役及び使用人に対し、当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを行なってはならない旨を、「監査役に対する報告体制規程」に定める。
9.当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社の監査役がその職務の執行について当社に対して会社法第388条に基づく費用の前払等の請求をしたときは、担当部門において審議の上、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかにこれに応じるものとする。
10.その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1) 代表取締役は、監査役と定期的に情報交換を行うものとし、博報堂DYグループの経営の状況に関する情報の共有化を図る。
(2) 監査役より稟議書その他の重要文書の閲覧の要請がある場合、博報堂DYグループの取締役及び使用人は、当該要請に基づき、担当部門が直接対応し、その詳細につき報告を行う。
④ 取締役会、報酬委員会、指名委員会等の活動状況
ⅰ 取締役会の役割・責務
当社の取締役会は、株主に対する受託者責任、説明責任を踏まえ当社グループの基本的な理念に従い、生活者の豊かな未来の創造、経済の伸長、社会の発展に資するよう、当社グループ全体の経営の大きな方向づけを行います。その上で、会社の業績等の適切な評価や個々の重要な業務執行の意思決定、取締役や執行役員に対する実効性の高い監督、正確で適切な情報開示、内部統制やリスク管理体制の整備とその運用の監督を行います。
ⅱ 取締役の選任に関する方針
当社は社員一人ひとりの「クリエイティビティ」と、それをぶつけ合い、尊重し、高め合うチームの「統合力」によって、生活者にとっての「新しい価値」をクリエイトすることで、世の中に良い変化をもたらし、「生活者一人ひとりが、自分らしくいきいきと生きていける社会の実現」を目指しています。そのため、当社グループは世界に類をみないほど、多様なクリエイティビティを有する人材を擁しています。取締役会も同様に、全体としての知識・経験・能力等のバランスを考慮しながら、当社グループに精通した社内取締役と豊富な経験と幅広い見識を有する社外取締役を複数名選任し、個性豊かでクリエイティビティに富んだチームとして取締役会を構成することで、当社グループの企業価値向上のための取締役会の実効性を確保しています。
ⅲ 取締役及び監査役のスキル・マトリックス
取締役及び監査役の専門知識や経験等のバックグラウンドは以下の〇印の通りです。
氏名役位経営ファイナンスHRコーポレート
ガバナンス
CSRデジタルグローバル企業文化の
発展・継承
●事業会社
経営経験
●財務
●会計
●人事・人材開発
●ダイバーシティ&インクルージョン
●法務
●コンプライアンス
●サステナビリティ
●SDGs
●テクノロジー
●データ/システム
●国際ビジネス●「生活者発想」(※1)
●「パートナー主義」(※2)
●「人が資産」(※3)


戸田 裕一取締役会長
水島 正幸代表取締役
社長
矢嶋 弘毅取締役副社長
西岡 正紀代表取締役
専務執行役員
江花 昭彦取締役専務
執行役員
安藤 元博取締役常務
執行役員
松田 昇社外取締役
服部 暢達社外取締役
山下 徹社外取締役
有松 育子社外取締役


西村 治常勤監査役
今泉 智幸常勤監査役
友田 和彦社外監査役
菊地 伸社外監査役
矢吹 公敏社外監査役

(注)本表は各取締役・監査役が有する全てのスキルを表すものではありません。
※1 博報堂DYグループの発想の原点。人々を単に「消費者」として捉えるのではなく、多様化した社会の中で主体性を持って生きる「生活者」として捉え、深く洞察することから新しい価値を創造していこうという考え方。生活者を誰よりも深く知っているからこそ、広告主と生活者、さらにはメディアとの架け橋をつくれるのだと考えます。
※2 博報堂DYグループのビジネスの原点。常に生活者視点に立ち、広告主・媒体社のビジネスを共に見つめ、語り合い、行動することからソリューションを提供していこうという考え方。パートナーとして広告主・媒体社と長期的な関係を築き、継続性のある一貫したソリューションを提供していくことを常に目指しています。
※3 従業員を極めて大切なステークホルダーと考える「人が資産」というポリシー。アイデアの生産手段は、従業員の頭の中にあります。私たちは、「従業員満足」を大切にし、個の尊重、「人のクリエイティビティ」の開発、「チーム力」の向上に、特別に力を入れています。そして、それを「顧客満足」につなげていきます。
ⅳ 開催回数及び出席状況等
取締役会は、原則として月1回以上開催するほか、必要に応じて臨時に開催しており、当事業年度では計20回開催いたしました。各取締役の出席状況については、以下の通りです。
氏 名役職名出席状況(出席率)
戸田 裕一取締役20回/20回(100%)
水島 正幸取締役18回/20回( 90%)
矢嶋 弘毅取締役20回/20回(100%)
西岡 正紀取締役20回/20回(100%)
江花 昭彦取締役20回/20回(100%)
安藤 元博取締役13回/15回( 86%)
松田 昇独立社外取締役20回/20回(100%)
服部 暢達独立社外取締役20回/20回(100%)
山下 徹独立社外取締役20回/20回(100%)
有松 育子独立社外取締役15回/15回(100%)

(注)安藤元博取締役及び有松育子取締役の出席状況は、2022年6月に取締役に就任した後に開催された取締役会を記載しております。
ⅴ 具体的な上程事項
取締役会における具体的な上程事項は、以下の通りです。
決議事項株主総会関連、取締役会の実効性評価、役員人事・報酬、株主還元(自己株式取得、配当)、経営戦略、(四半期毎の)当社グループ予算・決算、事業会社における出資・M&A・会社設立等の重要な事項 等
報告事項株主総会の議決権行使結果、株主構成の状況、有価証券報告書・内部統制報告書の提出、報酬委員会及び指名委員会の審議内容、政策保有株式のモニタリング実施、資金運用の状況、財務報告に係る内部統制評価、監査役会監査計画、会計監査人の監査報酬、(四半期毎の)当社グループ業績 等
審議事項取締役会の実効性の自己評価、グループ予算編成方針 等

ⅵ 取締役会の諮問機関及び取締役会の意思決定を補佐する会議体
当社は、取締役会の諮問機関及び取締役会の意思決定を補佐する会議体として以下の会議体を設置しております。
<報酬委員会>取締役会の諮問機関として設置しており、当社の取締役・執行役員の報酬の決定に係る審議を行い、取締役会にて決議を行うことにより、報酬の決定のプロセスにおける透明性及び合理性を確保しています。当事業年度では計3回開催しており、各取締役の出席状況や具体的な審議内容は以下の通りです。なお、取締役会は、事業年度期間に開催された報酬委員会の審議内容の概要について、報酬委員会の委員長である社外取締役より報告を受けております。
役割氏 名役職名出席状況(出席率)
委員長松田 昇独立社外取締役3回/3回(100%)
委員服部 暢達独立社外取締役3回/3回(100%)
委員山下 徹独立社外取締役3回/3回(100%)
委員有松 育子独立社外取締役1回/1回(100%)
委員戸田 裕一取締役3回/3回(100%)
委員水島 正幸取締役3回/3回(100%)
委員西岡 正紀取締役1回/1回(100%)

(注)有松育子取締役及び西岡正紀取締役の両氏の出席状況は、2022年7月の委員就任後に開催された報酬委員会を記載しております。
具体的な審議内容:当社役員の年額報酬及び総報酬水準の妥当性検証、年次賞与枠(総額)、個別の年額報酬額・年次賞与額・株式型報酬、当委員会の委員長選定 等
<指名委員会>取締役会の諮問機関として設置しており、当社の取締役・執行役員の選解任等の決定に係る審議を行い、取締役会にて決議を行うことにより、選解任等の決定のプロセスにおける透明性及び合理性を確保しています。当事業年度では計1回開催しており、各取締役の出席状況や具体的な審議内容は以下の通りです。
役割氏 名役職名出席状況(出席率)
委員長松田 昇独立社外取締役1回/1回(100%)
委員服部 暢達独立社外取締役1回/1回(100%)
委員山下 徹独立社外取締役1回/1回(100%)
委員有松 育子独立社外取締役1回/1回(100%)
委員戸田 裕一取締役1回/1回(100%)
委員水島 正幸取締役1回/1回(100%)
委員西岡 正紀取締役1回/1回(100%)

(注)上記の開催回数のほか、委員会審議があったものとみなす書面審議を1回行っております。
具体的な審議内容:取締役及び執行役員の任免ならびに担当職務の変更、後継者計画の策定、取締役及び監査役のスキル・マトリックスの策定、当委員会の委員長選定 等
<経営会議>取締役会の意思決定を補佐することを目的に設置しており、主に予算、中期計画、組織及び投融資案件等、経営上の重要事項について事前審議を行うこととしております。
議長 :水島正幸代表取締役社長
構成員:戸田裕一取締役会長、矢嶋弘毅取締役副社長、西岡正紀代表取締役専務執行役員、江花昭彦取締役専務執行役員、安藤元博取締役常務執行役員、その他議長の指名する者
<グループ経営会議>取締役会の意思決定を補佐することを目的に設置しており、当社グループ全体に係る予算、中期計画、組織及び投融資案件等、経営上の重要事項について事前審議を行うこととしております。
議長 :水島正幸代表取締役社長
構成員:戸田裕一取締役会長、矢嶋弘毅取締役副社長、西岡正紀代表取締役専務執行役員、江花昭彦取締役専務執行役員、安藤元博取締役常務執行役員、泉恭雄執行役員、菊地英之執行役員、その他議長の指名する者
<統合会議>グループ連結業績及び広告事業会社・総合メディア事業会社の業績等に係る報告、意見交換を行うことにより、定期的に利益計画の進捗状況を把握・管理することを目的に設置しており、当社及び広告事業会社・総合メディア事業会社等の取締役(社外取締役を除く)を中心に構成しております。
議長 :水島正幸代表取締役社長
構成員:戸田裕一取締役会長、西岡正紀代表取締役専務執行役員、江花昭彦取締役専務執行役員、安藤元博取締役常務執行役員、多田英孝常務執行役員、徳久昭彦執行役員、禿河毅執行役員、青木雅人執行役員、平塚泰俊執行役員、議長の指名する主要なグループ会社の各代表者、その他議長の指名する者
<博報堂DYグループサステナビリティ委員会>当社グループにふさわしいサステナビリティや環境に関する基本方針、テーマ及び施策案の検討・策定を行うことを目的に設置しております。また、当該委員会より取締役会に対し、気候関連課題の評価や状況、目標管理について報告を行うとともに、気候関連の課題を考慮し、経営戦略の策定などについて総合的な意思決定を行っております。
委員長:水島正幸代表取締役社長
構成員:戸田裕一取締役会長、矢嶋弘毅取締役副社長、西岡正紀代表取締役専務執行役員、江花昭彦取締役専務執行役員、安藤元博取締役常務執行役員
ⅶ 取締役会の実効性評価
取締役会の特長や強み、課題の把握によるコーポレート・ガバナンスの更なる強化を目的に、外部機関を活用し、2022年度を対象とした取締役会の実効性評価を実施いたしました。
<具体的なプロセス・評価方法>(1) 2023年2月に「取締役会評価に関する質問票」をすべての取締役および監査役に配布
(2) 回答を外部機関が客観的な立場から取りまとめ、その集計・分析結果に基づき、2023年5月に取締役会における分析・評価を実施
<質問項目>(1) 取締役会の役割・機能
(2) 取締役会の構成・規模
(3) 取締役会の運営
(4) 監査機関との連携
(5) 社外取締役への機会の提供
(6) 株主・投資家との関係
(7) 総括
<調査結果及び2023年度調査における主な課題と改善策>(1) 調査結果
2022年度の取締役会の構成、運営、審議内容等は、概ね適切であり、持株会社の取締役会としてあるべき姿が共有され、適切にモニタリングを実施するなど、必要かつ十分な議論が実施されていること、社外役員を含めた取締役会全体として多様なスキル・専門性、多彩なバックグラウンドを有しており、活発な議論を経て、適切な意思決定が担保される仕組みとされていることが強みとして確認されました。
(2) 2023年度調査における主な課題と改善策
今回の調査・分析の結果より、主な課題を3点抽出し、各課題に対して改善策を予定しております。
2023年度調査における主な課題と改善策(予定)
主な課題主な改善策(予定)
取締役会における更なる議論の活性化や中長期課題に関する議論の充実化議案及び中長期課題に関する議論の時間の確保を目的に、よりコンパクトな説明とするよう説明者等へガイドし、引き続き関連部門に働きかけて中長期的な課題及び経営戦略に関する審議や報告等の機会を充実させる。
株主との対話の体制及び実施状況等に関する情報提供決算説明会における資料及びアナリストとの質疑の共有を継続するとともに、機関投資家等との対話状況について当社取締役会にて報告を実施する。
対話・情報開示の方法・資料等の改善の検討広報・IR担当部門と課題を共有し、改善に向けた検討を行う。

その他、後継者計画についての適切な議論の為の指名委員会の活用、ガバナンス体制の更なる拡充、取締役会におけるさらなる多様性の確保等を、取締役会の実効性をさらに高めていくために中期的に取り組むべき課題として認識しております。
当社取締役会は、評価の結果を踏まえ、取締役会の更なる実効性の向上のために継続的な取り組みを行ってまいります。
(ご参考:2022年3月期調査における主な課題と実施した改善策)
2022年3月期調査では、下表の通り主な課題を2点抽出し、各議題に対してそれぞれ改善策を実施しました。その結果、今回(2023年3月期)調査において、評価の向上が認められました。一方で、さらなる改善を求める意見もあったため、今後も継続的な取り組みを行い、改善に努めてまいります。
主な課題主な改善策
社外取締役・社外監査役の理解促進のための機会提供社外取締役・社外監査役を対象者として、当社グループの事業や課題に関する理解促進のため、社内施策等のオブザーブ参加の機会提供や、研修を実施。
取締役会における議論の活性化や中長期課題に関する議論の充実化議案および中長期課題に関する議論の時間の確保を目的に、要点を絞ったコンパクトな説明とするよう事務局から説明者に対して事前にガイドを行った。また、関連部門に働きかけ、中長期的な課題に関する審議や報告等の機会を増やした。

ⅷ 社外役員向けトレーニングの実施
社外役員が当社グループの事業や課題についてより深い理解を得ることを目的に、テーマ別の研修動画の提供、当社グループ各社が社内外に向けて行うセミナーへの参加機会の提供、当社グループが提供するマーケティングサービスに関する研修等を実施いたしました。今後も、取締役会における議論の充実、監督機能の発揮に繋がるような施策を検討・実施してまいります。
(注)
1. 当社は、定款において取締役の員数を14名以内と定めております。取締役は提出日現在10名で、定期的(原則月1回)又は必要に応じて臨時の取締役会を開催することにより、経営上の重要事項の意思決定を行うとともに、当社及び広告事業会社・総合メディア事業会社の業務執行に関する報告を受け、取締役及び執行役員の職務執行の状況の監督を行っております。当社は、取締役選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨定款に定めております。また、当社は、株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項として、以下の事項を定款に定めております。
(自己の株式の取得)
当社は、資本政策の機動性を確保するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
(中間配当)
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨定款に定めております。
なお、当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
2. 当社は、業務執行機能の強化・拡大を企図し、経営体制をより強固なものとするため、2014年4月より執行役員制度を導入しております。
3. 当社は、取締役会決議により、職務の執行を行う役員を執行役員に任用して、その地位及び担当職務を明確化するとともに、「組織規程」及び「職務権限規程」を制定し、取締役・使用人の役割分担、業務分掌、指揮命令関係等を明確化しております。
4. 当社グループの経営課題に対する共通認識を持ち、グループ企業価値の最大化に向けた経営を行うため、当社、主要なグループ会社及び戦略事業組織は、相互に一部の取締役を兼務する体制をとっております。
5. 当社は、事業会社の経営管理に関する方針及び方法等の基本的な事項を「事業会社管理規程」に定めることにより、当社グループの総合的な事業の発展及び業績の向上を図っております。
6. 当社は、主要なグループ会社及び戦略事業組織の役員の任免及び役員の報酬について、当該事業会社各社社長と当社社長による協議を行った上で、事業会社管理規程に従い当社取締役会決議あるいは当社社長決裁を受けて決定することとしております。
7. 当社の子会社においても、その規模並びに重要性等に鑑み、当社の規程及びその他の体制に準じた規程等を制定し、取締役の職務執行に係る有効性及び効率性の確保に係る体制を整備しております。
⑤ 監査の実効性の確保に係る体制
・当社は、定期的(原則月1回)又は必要に応じて臨時の監査役会を開催しております。監査役は、取締役会の他、重要な会議体へ出席するとともに、取締役及び重要な使用人との意見交換、広告事業会社・総合メディア事業会社等の業務状況の報告を受けること等により、持株会社の監査役としてのグループの視点で取締役の職務執行につき監査を行っております。
・当社は、取締役会等において、常勤監査役(2名)及び東京証券取引所の定めにより独立役員として指定している社外監査役(3名)に積極的な意見を求め、客観的かつ中立的な評価・監視の下、経営上の重要事項の意思決定の審議・決議を行っております。
・当社は、「監査役に対する報告体制規程」を制定し、当社の監査役に対する報告に係る当社グループの取締役及び使用人の義務並びに仕組み等を定めております。
・当社及び広告事業会社・総合メディア事業会社等は内部監査部門を設置し、その監査結果を定期的に監査役に報告する体制をとっております。また、広告事業会社・総合メディア事業会社等における監査の実施状況等の共有化を通じ、当社グループ全体における内部監査機能の充実、向上を図っております。
⑥ リスク管理体制の整備状況
・取締役会の委嘱を受け、当社及び広告事業会社・総合メディア事業会社等の社長を中心に構成される「グループコンプライアンス委員会」を設置し、グループ全体のコンプライアンスに関わる指導、啓発を図っております。「グループコンプライアンス委員会」は、グループ役職員のコンプライアンスマインドの向上、コンプライアンス・企業倫理等の重要事項に関する方針の策定、運営体制の整備、グループ各社におけるコンプライアンス活動の進捗管理、助言、指示、指導等を主な役割としております。
・グループ全体を対象としたグループ企業及び役職員の具体的な行動指針となる「博報堂DYグループ行動規範および遵守事項」を制定しております。
・当社は、グループ法務室を設置し、当社グループにおける具体的なコンプライアンスに関する諸施策の立案、実施、指導、啓発及びモニタリングを行っております。さらに、広告事業会社・総合メディア事業会社等の法務部門や外部機関との連携を図り、各事業会社における事案の検証を行うことにより、一定の牽制機能を確保し、企業の社会的責任やリスクに対する助言を行っております。
・当社は、情報管理の不備による信用喪失等の危険を防止するため、「グループコンプライアンス委員会」の下部組織として「グループ情報セキュリティ委員会」及び「情報セキュリティ委員会」を設置しております。「グループ情報セキュリティ委員会」は、当社グループの情報セキュリティ体制を構築し、「情報セキュリティ委員会」は、「ISO/IEC27001:2013」及び「JIS Q 27001:2014」の認証基準における要求事項に適合する当社の情報管理体制の整備・改善を推進しております。また、経理・財務関連のリスクを回避するために、関連する諸規程を制定し、経理の適正を確保するとともに、投融資リスクの最小化に努めております。
・当社並びに当社グループ各社は、コンプライアンス意識の充実、強化を推進する最高責任者として、CCO(Chief Compliance Officer)の担務を設けております。
・当社は、重大なリスク事案への不適切な対応による当社グループの社会的信用の失墜及び企業価値の多大なる毀損を未然に防止すべく、「グループコンプライアンス委員会」の下部組織として「グループリスク対応チーム」を設置するとともに、「危機管理規程」を制定し、対象となるリスク事案及びリスク対応体制を明確化することにより、リスク事案発生時の迅速かつ適切な対応を徹底しております。また、当該体制の強化を目的に、当社グループをとりまくリスク全般を一元的に管理する最高リスク管理責任者としてCRO(Chief Risk Officer)の担務を設けております。
・当社は、当社グループにおける防災計画の立案及び防災体制の整備等、防災全般に関する諸事項の構築を推進すべく「防災委員会」を設置するとともに、「災害対策規程」を制定し、災害発生時の対応体制等を確立することにより、災害による人的・物的被害を予防・軽減しております。
・当社の子会社においても、その規模並びに重要性等に鑑み、当社の規程及びその他の体制に準じた規程等を制定し、損失の危険の管理に係る体制を整備しております。
⑦ 情報開示体制の整備状況
・当社は、事業会社の経営管理に関する基本的な事項を定めた「事業会社管理規程」の中で、情報開示の体制等に係る基本方針を規定しております。併せて、当社及び連結対象子会社において、法定・適時開示情報に係る当社への集約、開示体制等に関する詳細を明文化した情報開示に係る規定を制定しております。
・当社グループに係る法定・適時開示情報をはじめとするIR情報については、グループ各社の関連部門を横断する「グループIR委員会」を設置し、情報の共有及びグループとしてのIR方針の決定並びにそれに係る重要事項の協議を行い、円滑なグループIR活動の実現を図っております。
・主要な連結対象子会社においては、総務・広報部門にIR担当者を置き、各社に関連する法定・適時開示情報を一旦集約する仕組み・体制をとっております。IR担当者は、集約された法定・適時開示情報をはじめとするIR情報を速やかに当社のIR部へ書面を以って連絡することとしており、IR部では当該情報について開示の要否を検討の上、情報取扱責任者に上程しております。
・また、投融資事項や経営管理に係る重要事項等のうち、事前に当社に対して協議を要する事項についても、主要な連結対象子会社に関する重要情報として、当社において一元管理をしております。
・当社において、取締役又はそれに準ずる役職者のうちから選任する情報取扱責任者が当社グループを一元的に代表し、情報開示事項の社内管理、情報の更新及び訂正の必要性を判断し、適時開示を担当するとともに、非開示情報の取扱いについて社長へ適宜相談・提言を行っております。
・一方、主要な連結対象子会社においては、取締役又はそれに準ずる者のうちから、情報管理責任者を選任しております。各社の情報管理責任者は、重要情報の社内管理に関する統括責任を負い、重要情報の管理・報告体制の構築、維持のために、適宜・適切な措置を講ずるものとしております。
⑧ 社外役員との責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく賠償責任限度額は、法令が定める額としております。
⑨ 取締役及び監査役の責任免除
当社は、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役及び監査役(取締役及び監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。
⑩ 取締役等を被保険者とする役員等賠償責任保険契約
ⅰ 被保険者の範囲
当社及び当社の全ての子会社の取締役、監査役及び執行役員等、マネジメント職務を行っている者
ⅱ 保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約(マネジメントリスクプロテクション保険契約)を締結しております。
当該保険契約では、被保険者が会社の役員等の地位に基づき行った行為(不作為も含みます。)に起因して、株主や第三者等から損害賠償請求がなされた場合において、被保険者が負担することになる損害賠償金や訴訟費用等が填補されることとされています。但し、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して被保険者が負担することになる損害賠償金や訴訟費用等は填補されないなど、一定の免責事由があります。このような仕組みにより、被保険者による職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。保険料は全て当社が負担しており、被保険者の保険料負担はありません。