有価証券報告書-第22期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/26 16:01
【資料】
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【項目】
193項目
3.人材育成及び職場環境整備への対応
<人材育成及び社内環境整備への対応について>当社グループでは、「自由と自律を尊重し、多様な個性とチーム力を価値創造の源泉とする」という経営理念を掲げています。いつの時代においても社会の変化をいち早く捉え、高度なクリエイティビティによって価値を提供し続けるための土台は、社員一人ひとりの「自ら成長する」という強い意志だと考えています。誰もがキャリアオーナーシップを持って新しい領域に挑戦し、多様な仲間と成果を生み出すことができるよう、環境整備、風土醸成に取り組んでいます。
グループ経営の実践にあたり、グループ会社間での人材交流や、当社グループの根幹をなす生活者発想に関する研修などをグループ横断で実施しています。また、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)についてはグループカルチャー醸成のための重要事項として、グループ横断での取り組みを推進しています。詳細は「(2)個別テーマへの取り組み 4.ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)への対応」に記載しております。一方で、人事制度や研修制度については、各社の多様な事業特性を踏まえた最適な方法で実施することを重視しており、各社において事業戦略に合わせた人事戦略を設定するとともに、指標及び目標を定めて取り組みを推進しています。
以下より、当社グループの主要子会社である㈱博報堂の事例を記載します。
① 人材育成
<人材育成について>㈱博報堂は、中期経営計画に掲げた「生活者価値・デザイン・カンパニー」を目指し、2023年度より事業ユニット制を導入し事業ポートフォリオ変革を推進しています。この変革を実現するための全社活動方針の柱として「生活者発想と人材への投資」を掲げ様々な施策を展開しました。
ⅰ.全社横断の施策
2024年度より「中期経営計画推進委員会」傘下に「高度デザイン人材分科会」を設置。経営デザインセンター長をリーダーに、人材開発室・人事室・経営企画室が中心となり、高度デザイン人材の要件定義や職能体系の再構築、人材配置の最適化を推進しています。具体的な施策としては、新たに「生活者価値デザイン研修」を導入。事業の多角化とビジネス変革をリードする次世代人材候補を選抜し、外部も交えた実践的かつ濃厚なプログラムで競争力の強化を目指しております。
ⅱ.組織毎の施策
「事業ごとに特色のある専門性のある人材を育て合おう。」をスローガンに、スキル強化にとどまらず、博報堂DYグループのDNAやWAYにも触れて習得するプログラム等も導入し、社員一人ひとりの成長を最大限引き出すための多様な機会を提供しています。当社グループの社員が講師を務めるオリジナル研修が大半を占め、様々な社員が持つ多様なクリエイティビティの形に接することができるのが大きな特徴です。また、ビジネス課題・組織課題が様々に変化するなかでより柔軟な現場主導の人材育成を実現するために、昨年度より「人材育成ファンド」制度を施行しました。会社が組織ごとに支援金を配賦するもので、各組織が主体となり、組織のミッション達成に必要なスキルや経験を身につけるための活動を行うことができる制度です。具体的には女性社員支援やAIスキル向上など幅広く活用されました。
ⅲ.個人支援の施策
年代・役職別の研修のほか、リスキリング専用の運営基盤を構築し、多様なプログラムの選択が可能となっています。受講履歴やアンケートはデータ化され、次年度の戦略策定に活かすなどPDCAサイクルを実現しています。
② 社内環境整備
<ワークスタイル変革について>㈱博報堂では、HR(Human Resources)機能の強化を経営基盤強化の柱として位置づけ、2022年度にワークスタイル変革委員会を発足しました。社員一人ひとりが高いモチベーションを維持し、より高いクリエイティビティを発揮できる労働環境の整備を目標に、以下の取り組みを進めています。ワークスタイル変革委員会は、発足当初より「繁忙改善」「業務プロセスの進化」「クリエイティビティ創出」の3つのアプローチを通じて働き方のアップデートを目指してまいりました。「はたらくと人生を、もっといい関係に。」を全社方針に掲げ、単に労働時間を削減するだけでなく、働く“質”の向上を通じて、社員のパフォーマンスとエンゲージメントを高める本質的な働き方のアップデートを目指しています。
ワークスタイル変革委員会は、各センター長及び事業ユニット長をボーディングメンバーとし、各責任者が変革推進の責任を担い、組織運営に反映させています。今期はCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー:健康経営最高責任者)が委員長を務め、心身ともに健康でモチベーション高く、クリエイティビティを発揮できる環境づくりを推進しています。
また、ワークスタイル変革委員会のもと、博報堂は「新しい働き方」に関する戦略立案及び推進を担うワークスタイルトランスフォーメーション部(以下、ワクスタ部)を設置しています。ワクスタ部は人事室と連携して事務局を構成し、組織と社員の両側面からワークスタイル変革を推進しており、主に今後の博報堂のチーム文化の検討と定着や生成AIなどの先進技術も含めた業務プロセス改善を検討しています。一方、人事室は時間価値向上と心身の健康維持のためのタイムバリューマネジメントを推進しており、両部署が連携し、領域を横断しながら博報堂独自の新しい働き方を構築しています。
具体的な施策として、今年度は以下の3つの全社KPIを掲げ、生産性向上に繋げています。
ⅰ.クリエイティビティをより発揮するために:部門グループ別効率化アクション 全社件数 30件
仕事の質改善を目的とした、「業務効率化/業務プロセス進化のためのアクション」として、組織ごとの特性に応じた目標設定及びその推進をサポートする体制を構築し、クリエイティビティ発揮を最大化します。一方、全社視点ではAI利活用推進に向けた動きを推進します。
ⅱ. 心身ともに健康に働くために:クラスター分類による繁忙の可視化及びオーバーワーク対策の措置
㈱博報堂では、心身ともに健康な状態で高いパフォーマンスを発揮するため、年間労働時間でA~Eのクラスターを設けて繁忙対策を行っています。社内のオーバーワーク基準をもとにした「働きすぎ」の目安であるEランクの撲滅に向け、毎月の労働時間から年間予測労働時間を算出するダッシュボードを設けるなど、マネジメント層及び社員自身が勤務状況を把握できるよう可視化しています。ワークスタイル変革委員会も定期的にモニタリングを行い、業務状況改善を働きかけています。
ⅲ.メリハリをつけた働き方のために:月1休暇(有休/特休)取得+フリーバカンス(注1)2回取得推進
以下の休暇取得推進施策を行い、「働く」「休む」のメリハリをつけた働き方を推進しています。
●有休奨励日・年末年始休暇取得奨励期間「ハクホリ」の設定
年間12日の有休奨励日を社内ポータルほか全社員のスケジュール上に常時掲出することで会議体を避け、休暇取得しやすい環境を整備しています。
また、年末年始の公休日期間前後10日間を有休奨励期間に設定し、通称「ハクホリ」期間として、社員自らが長期休暇をデザインできるよう期間中5日間の有給休暇取得を促進しています。
●年間休暇モニタリング/アラート
上期に年間有休5日取得を全社でモニタリングし、取得状況に応じて対象社員の上長を含めてアラートメールを自動配信します。
(注1)「フリーバカンス」は、社員が任意のタイミングで年2回、連続5営業日の休暇を取得できる博報堂独自の休暇制度で、通常の有給休暇とは別に付与される特別休暇です。
<健康経営について>㈱博報堂では、「生活者発想」を原点に、社員一人ひとりのウェルビーイングが、創造性の源泉であり、持続的な成長の基盤であると考えています。社員が心身ともに健康で、いきいきと活躍できる環境を整備することが、企業価値の向上に不可欠であるという認識のもと、健康経営を重要な経営課題の一つとして捉え、積極的に推進しています。
「生活者発想でウェルビーイングな未来へ」という健康経営ビジョンを掲げ、社員の健康を「個人のウェルビーイングの源泉」「会社の生産性の源泉」「社会へのクリエイティブ創造の源泉」と捉えています。当社グループとして、社員の健康増進を支援することで、社員自身の豊かな生活と成長を促し、ひいては組織全体の活性化と社会への貢献に繋がるという考えに基づき、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。なお、取り組みが評価され、2022年度から3年連続で「健康経営優良法人」(大規模法人部門)に認定されております。
㈱博報堂では、健康経営を経営の重要事項として位置づけ責任者としてCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー:健康経営最高責任者)を任命しています。CHOは、グループ全体の健康経営戦略を策定・推進し、その進捗状況を経営層に報告する責任を担います。経営層は、CHOの主導する健康経営に関する取り組みを全面的に支援し、社員の健康増進に向けた投資を積極的に行ってまいります。
また、健康経営を推進するために、専任組織としての人事室健康推進部をハブとした体制を構築しています。健康推進部は、各部門や、健康保険組合、社内診療所、健康サポートセンターなどと連携し、多角的なアプローチで社員の健康をサポートしています。また、産業医や保健師、臨床心理士などの専門職によるサポート体制も整備し、社員の多様な健康課題に対応できる体制を強化しています。
社員の健康増進に向け、具体的な施策を各種展開しています。社員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう健康経営を推進し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
ⅰ.「健診戦」の実施:健康診断をエンターテインメント化し、社員一人ひとりの昨年度からの健康改善度をスコア化して表彰するプログラム「健診戦」を開発。2019年にグループ内で実証実験を開始し、その後の毎年継続して実施。その結果、健康意識の低い層の巻き込みや参加者のメタボリックシンドロームへの改善効果等を実証するなど、一定の効果を創出することができました。現在はグループ外の企業へもサービス提供しています。
ⅱ. 健康創造プラットフォーム「カラダCHANTO! プロジェクト」の運営: 博報堂では社員が主体的に健康管理に取り組めるよう、健康に関する情報提供、運動機会の創出、食生活改善プログラムなどを主催し、グループ会社含めた社員の健康意識の向上や健康行動を支援しています。
ⅲ. 定期健康診断の事後措置の強化: 健康診断の結果に応じ、リスク者に対しては再検査や精密検査の受診勧奨、産業医面談などを通じて、早期発見・早期治療を促進しています。
ⅳ. メンタルヘルス対策の充実: ストレスチェックの実施、相談窓口の設置、研修プログラムの提供など、各社で社員のメンタルヘルスケアを積極的に行っています。
ⅴ. 感染症予防対策: 健康保険組合と連携し、インフルエンザ予防接種の実施や健保組合による接種の費用補助など、感染症の流行状況に応じた対策を実施し、社員の安全と健康を確保しています。

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