有価証券報告書-第28期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/23 15:02
【資料】
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【項目】
136項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
現在、日本社会において、少子化は若年労働力の低下という非常に深刻な問題を招いております。今後においては、より一層若年層の採用が困難となり、日本経済の成長を抑制する要因になると予想されます。しかしながら、企業が成長するためには優秀な人材の獲得が必要不可欠です。これを解決する方法は、「中途採用による人材の流動化」であり、当社が取り組むべきテーマであると考えております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社は、1993年の創業以来、「いい仕事・いい人生」の企業理念を掲げ、キャリア志向の高いエンジニア・営業・女性を主軸にした事業展開をすることで他社との差別化を図り、「type」ブランドによるひとつ上のキャリア転職マーケットの確立を目指して参ります。具体的には、メディア情報事業・人材紹介事業・新卒マーケット事業・人材派遣事業これら個々の商品・サービスを、メディアミックス展開して、『type』ブランドによるシナジー効果を引き続き高めつつ、取引社数の拡大、商品力・営業力向上による売上高の増加を目指して参ります。今後におきましても、「首都圏」エリアに特化し、「エンジニア」・「女性」・「営業」マーケットの深耕を進めて参ります。また、役員・従業員一丸となって生産性の向上を図り、コスト・コントロールを徹底することで、収益体質の改善を目指して参ります。
なお、当社は目標とする経営指標として、売上高及び売上高経常利益率を特に重視しております。売上高増大のためには営業人員の営業力の強化、生産性の改善が不可欠であります。また、より多くの求職者に当社の商品・サービスの利用者となって頂き、求人企業の商品・サービスに対する満足度の向上を図るためには、広告宣伝活動を行い認知度の向上を図ることが必要となります。
これら、売上高の増大と人件費及び広告宣伝費の投下バランスを考慮しつつ、売上高経常利益率を伸ばしていくことで、投資家の皆様の御期待に応えて参ります。なお、当社グループとして「2021年9月期に売上高150億円・経常利益15億円・売上高経常利益率10%」の達成を目標としております。
(3) 会社の対処すべき課題
①メディア情報事業
メディア情報事業におきましては、登録者獲得及び応募効果の改善を重要課題と捉え、web広告や交通広告などで費用対効果の高い広告宣伝戦略を展開し、登録者獲得の強化を図ります。また、スマートフォンアプリの改修や新規機能開発などで商品力の強化を図ることによって、ユーザーの利便性を高め、応募効果の改善に努めて参ります。2020年9月期につきましては『type』だけでなく『女の転職type』においても広告宣伝、及び商品力の強化を行う予定であります。
また、組織力の強化にあたっては、若手社員の育成、及び管理職のマネジメント力強化が課題になると考えており、個々の社員及び組織の強化を図り、組織全体の生産性向上を目指して参ります。
②人材紹介事業
人材紹介事業におきましては、2019年9月期に入り、外的環境面においては、景気動向の不確実性や求人企業の採用手法が多様化したことにより、一部の求人企業において採用人数および採用基準の見直しの動きなどの求人環境の変化が見られましたが、最も大きな課題としては内的環境面における組織力の低下であります。これまで、業績拡大に伴い新卒及び中途採用を強化したものの、組織が急激に拡大する一方で、管理職や中堅社員の退職が一時的に増加し、管理職の不足、及び組織全体における若手社員の比率が上昇いたしました。その結果、外的環境面の変化への対応が遅れ、求人案件と求職者のマッチング精度が低下し、第4四半期の売上高は前年を下回る厳しい結果となりました。
このような状況に対し、改めて注力求人の見直しを行い、組織的な情報共有の徹底と、転職者のマッチングを強化しております。また、当初より強みとしておりました「エンジニア」「女性」「営業」マーケットの深耕のみならず、高年収帯の「ミドル」層をターゲットとする転職支援の強化を進めて参ります。組織面につきましては、管理職および若手社員に対する教育研修を強化し、組織力の立て直しを図ります。さらに業務システム刷新などにより成約までの工程短縮ならびに業務の効率化を図るなど様々な施策を実施し、業績は回復基調を示しております。2020年9月期に向けて、厳しかった業績を立て直し、再び2桁成長を実現するために尽力して参ります。登録者獲得は競合他社との競争が激化する中、堅調に推移しておりますが、引き続き各種経路からの流入を強化し、より効率的な登録獲得を実現して参ります。
③新卒マーケット事業
新卒マーケット事業におきましては、日本経団連が2021年3月卒の学生より、加盟企業向けに示してきた採用活動に関するガイドラインを廃止することを正式決定しており、これに伴って新卒採用活動のさらなる早期化や流動化の可能性があります。
その中で、新卒紹介事業におきましては、2019年9月期には案件の開拓と学生の登録を強化することで、成約数は大幅に増加し、黒字化を実現いたしました。引き続き、案件の開拓や学生の獲得を強化して参ります。
また、新卒フェア事業におきましては、事業としては小規模ではありますが、高収益型のビジネスモデルで利益を伸ばしております。従来より運営しております大型イベントだけでなく、求人企業のニーズに合わせた個社別のセミナーの強化や、2018年9月期より試験的に開催してまいりました理系学生向けイベント等を強化することで、取引件数の増加に向けて取り組んで参ります。
④IT派遣事業
IT派遣事業につきましては、正社員案件との競争が激化する中、大手企業の案件や高時給の案件、またはスタッフのニーズに合わせた働き方ができる多様な案件の開拓を進めて参ります。また、きめ細かいスタッフフォローを行うことで、離脱減少に向けて取り組んで参ります。
登録獲得についても、各経路からの登録の強化や、過去の面談者、稼働者に対する再アプローチを行うことで登録を促進して参ります。