有価証券報告書-第33期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/23 9:10
【資料】
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【項目】
132項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は「食でつなぐ。人を満たす。」とのパーパス(存在意義)を掲げ、経営の基軸としております。このパーパスには、創業からつなぐ「日本の食文化を守り育てる」との想いを礎としつつ、「食」が持つあらゆる可能性を模索し、「食」を通じてあらゆるヒト・モノ・コトをつなぎ合わせることで、世の中に対して新たな価値を提供し続け、より良い社会の実現に貢献していく企業であり続けたいとの想いを込めております。当社はこのパーパスの下、飲食店の経営そのものを支援する企業へと進化すると同時に、外食産業の持続的な発展へと寄与することで、企業価値の拡大を図ってまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社及び外食産業を取り巻く事業環境は、コロナ禍を機とした消費者のライフスタイル変容に加え、今後もグローバル化や少子高齢化の進展、DXの加速等により、社会ニーズの変容・多様化が予測されます。当社がこれらの事業環境変化に対応し、上述の企業価値拡大を実現するために対処すべきと認識している課題は主に以下のとおりです。
① 消費者接点の拡大・強化
当社は創業来『ぐるなび』サイトを通じて消費者に対し飲食店情報やネット予約機能を提供しているところ、消費者ニーズの変容に合わせて、提供する情報・機能の更新や拡充が必要と認識しております。特にGo To Eatキャンペーンを機に活用がより一層進んだネット予約については、席在庫拡充やUI改良等、消費者の利便性・利得性の向上に継続的に取り組んでまいります。また、コロナ禍の衛生対策を機に利用に広がりを見せつつあるモバイルオーダーサービスの推進等により、『ぐるなび』サイト以外においても消費者接点を創出し、幅広い消費者が安心・安全で利便性高く外食を楽しむための価値提供を進めてまいります。
② 飲食店への支援領域の拡大
当社は飲食店の販促支援企業から経営支援企業への進化を中期ビジョンとして掲げ、上述の事業環境変容の中にある飲食店に対し業務代行サービスやデジタル化支援等、人手不足対策や経営効率向上に資するサービスの拡充に取り組んでおります。現在注力しているモバイルオーダーサービスや食材仕入れ支援に加え、今後も飲食店経営者のニーズや課題に即したサービスの構築・提案を進めてまいります。またこれを実現するため、営業活動の効率化にも取り組み、当社の強みである営業力を飲食店経営者とのコミュニケーションにより一層集中してまいります。
上述の①②を通じ、当社サービスを通じた飲食店への送客の拡大、加盟飲食店の満足度向上(ARPU上昇、解約率低減)、加盟店舗数の拡大を実現し、中核事業である飲食店支援事業の拡大へと繋げてまいります。
③ 事業資産を活かした新たな価値提供
さらに当社は、創業来構築・蓄積してきた飲食店とのネットワークやユーザー基盤、外食に関する知見等の事業資産を活用することで、飲食店以外の外食産業の担い手への価値提供にも取り組んでおります。足元においては、食材仕入れ支援や店舗開発事業を通じ食材生産者や卸業者、商業施設等の支援に着手しているところ、今後も外食産業のバリューチェーンのより川上から関与し、効率化や新たな価値創造の支援に取り組むことで、外食産業の持続的発展に貢献してまいります。またこれにより、当社においては飲食店以外の収益源を獲得し中長期的な企業価値の拡大へと繋げてまいります。
なお当社は今後も楽天グループ株式会社や株式会社SHIFTをはじめとした外部企業との連携を強化・推進することにより、上述の課題に対する取り組みの推進力や実行力を高めてまいります。