有価証券報告書-第25期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(全般)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ、336,174千円増加し、6,607,688千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が313,946千円減少したものの、建物が397,232千円、投資有価証券が294,834千円それぞれ増加したためであります。また、自己資本比率は前事業年度末に比べ0.4ポイント増加し、87.0%となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ、288,723千円減少し、3,121,774千円となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得等により現金及び預金が313,946千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ、624,898千円増加し、3,485,914千円となりました。その主な要因は、建設仮勘定が182,029千円減少した一方で、建物が397,232千円、投資有価証券が294,834千円それぞれ増加したためであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ、18,720千円増加し、849,870千円となりました。その主な要因は、未払法人税等が100,800千円減少した一方で、役員退職慰労引当金が100,000千円増加したためであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ、1,897千円減少し、7,432千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ、319,351千円増加し、5,750,385千円となりました。その主な要因は、利益剰余金が316,387千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善から全体的に緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦の深刻化に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済活動の急速な停滞が生じ、先行きは極めて厳しい状況が続くと見込まれております。
このような環境の中、当社は景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するメモリアルデザインサービス事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するパーソナルパブリッシングサービス事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場を創造し、夢の実現を目指すエアリアルイメージング事業というそれぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。
当事業年度はパーソナルパブリッシングサービス事業の生産スペース拡張を主な目的とした新社屋(本社西館)を建設し、稼働を開始いたしました。また、AIカメラソリューションの開発、製造、販売を行うスタートアップ企業であるAWL株式会社と資本業務提携を行いました。
セグメント別の概況を示すと、次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。
(メモリアルデザインサービス事業)
当事業におきましては、下期に、暖冬の影響で写真加工枚数が伸び悩んだことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大により葬儀の小型化が進み、遺影写真加工収入や葬儀演出ツールの販売が苦戦いたしました。それに連動して額やサプライ品の売上も想定を下回ったため、事業全体の売上は、前期に比べ微増にとどまりました。
取組みとしましては、葬儀市場にITテクノロジーを活用した「葬テック」の一つとしてリリースしております、喪主と会葬者を繋ぐサービス「tsunagoo(つなぐ)」の機能強化と利用促進に努めてまいりました。また、遺影写真の加工品質向上を目的として、最新技術を活用したピント復元ツールを導入いたしました。
利益面につきましては、画像処理部門の人員増に伴い人件費が増加したことに加え、新型コロナウイルス対策としてテレワーク体制を拡大したことで生産効率の低下や一時的な費用が発生したため、セグメント利益は前期を下回る結果となりました。
以上の結果、売上高は2,557,535千円(前期比100.7%)、セグメント利益は660,219千円(前期比92.1%)となりました。
(パーソナルパブリッシングサービス事業)
当事業におきましては、国内プロフェッショナル写真家向け市場は「アスカブック」、国内一般消費者向け市場は「マイブック」ブランドで展開しております。また、スマートフォンで撮影された写真をもとにフォトブックや写真プリントをOEM供給しております。
国内プロフェッショナル写真家向け市場では、自社営業による顧客獲得に加え、全国デジタルフォトセミナーやワークショップの開催、新製品の継続投入が奏功し、堅調に推移しておりましたが、第4四半期後半以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響により多くの婚礼が延期されており、主力のウェディング向け写真集において厳しい状況となっております。写真集以外では、データ納品サービス「グランピック」の拡販及び機能強化開発に取り組んでまいりました。
国内一般消費者向け市場では、効率的なインターネット広告や各種キャンペーンの実施、SNSの活用などの施策が効果的だったうえ、カレンダーや卒業アルバムといった季節商品も順調に増加し、売上は堅調に伸長しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、旅行やイベントの自粛などで撮影機会が減少しており、また、展示会も中止になるなどの逆風も吹いておりますが、写真整理をキーワードに在宅時間を使っての写真集発注を促進し、効果が出ております。また、OEM供給につきましても、サービスの浸透により、売上は順調に伸長いたしました。
利益面につきましては、新社屋の建設や生産設備の拡充、人員の増強により、稼働が超過傾向にあった前期に比べると稼働が落ち着き、その結果利益率は下がりました。また、新工場新設に伴う移転費用の発生や送料値上げなどコスト増加要因もあったため、セグメント利益は微増にとどまりました。
以上の結果、売上高は3,910,014千円(前期比108.0%)、セグメント利益は924,152千円(前期比100.8%)となりました。
(エアリアルイメージング事業)
当事業におきましては、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指し、2011年3月に開始した事業であり、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれ開発、製造、販売しております。
ガラス製ASKA3Dプレートにつきましては、依然として十分なコストダウンは図れていないものの、高品質の空中結像を可能にする大型プレートについて、国内外の展示会へ出展した効果もあり、小ロットではありますが、サイネージ用途を中心に販売を進めてまいりました。また、ガラス製ASKA3Dプレートの設置案件が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となったものもありました。現状の生産体制では十分にニーズに応えきれないことから、量産技術の内製化によりさらなる高品質化と低コスト化の実現を目的として、専門人員の採用や生産設備の手配など、技術開発機能強化のための準備を進めてまいりました。
樹脂製ASKA3Dプレートにつきましては、第1段階の量産体制を前提とした生産規模と価格感にフィットした受注案件の獲得に努めてまいりましたが、当期におきましてはサンプル販売が中心となりました。2019年11月の展示会にて提案しましたPCとつなげるだけで空中操作が可能なサブモニター用途でのパッケージ販売も進めてまいりました。
営業面につきましては、販売単価の低い樹脂製ASKA3Dプレートのサンプル販売の割合が増加したことから、売上は前期実績を下回る結果となりました。新型コロナウイルス感染拡大により、各種案件の進捗の遅れや展示会の中止、新規訪問ができないなど、制約の多い状況ではありますが、一方で、空中結像による非接触操作に対する関心は高まっており、国内外から多くの問い合わせを受けております。
費用面につきましては、展示会の中止などで広告宣伝費が減少したものの、主にガラス製ASKA3Dプレートの量産化研究により研究開発費が増加したほか、特許関連費用も増加しました。また、技術開発機能強化のための人員増加や拠点設立準備のための先行費用も発生しました。
以上の結果、売上高は110,715千円(前期比75.5%)、セグメント損失は236,097千円(前期は241,608千円の損失)となりました。
以上の結果、売上高は6,575,955千円(前期比104.4%)となり、利益面につきましては、メモリアルデザインサービス事業のセグメント利益が減少したことに加え、役員退職慰労引当金繰入額100,000千円を販売費及び一般管理費に計上したことから、経常利益は710,569千円(前期比81.4%)、当期純利益は501,638千円(前期比83.8%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、確実な利益の計上により営業活動からの資金を順調に獲得した一方、本社隣地への建物建設や投資有価証券取得への支出を行った結果、前事業年度末に比べ、113,946千円減少し、1,555,817千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、849,178千円(前事業年度は919,926千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益695,787千円、減価償却費353,806千円を計上した一方、法人税等の支払額として311,490千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、774,047千円(前事業年度は795,405千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得548,308千円、投資有価証券の取得305,394千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、187,583千円(前事業年度は161,639千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払185,501千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 メモリアルデザインサービス事業は、主に役務提供及び仕入商品の販売であり、生産を伴わないため、生産実績を記載しておりません。
b. 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 エアリアルイメージング事業は、主に生産であり、仕入を伴わないため、仕入実績を記載しておりません。
c. 受注実績
メモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業、エアリアルイメージング事業とも受注実績はありますが、受注から売上計上までが、メモリアルデザインサービス事業においては概ね1日以内、パーソナルパブリッシングサービス事業においては概ね20日以内、エアリアルイメージング事業においては概ね1か月以内であるため、記載を省略しております。
d. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
第24期及び第25期において、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありますが、守秘義務を負っているため、顧客の名称、売上高の公表は控えさせていただきます。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
新型コロナウイルス感染拡大による当事業年度における影響は限定的であり、また会計上の見積りに大きな影響を与えるとは認識しておりません。
② 当事業年度における経営成績等の状況に関する認識等
a. 経営成績等の状況
当事業年度の経営成績は、売上高6,575,955千円(前期比104.4%)、経常利益710,569千円(前期比81.4%)、当期純利益501,638千円(前期比83.8%)となりました。
当社は経営指標として、売上高増加率と売上高経常利益率を重要視しております。当事業年度の売上高増加率は4.4%であり、前事業年度に比べ、2.2ポイント下落いたしました。パーソナルパブリッシングサービス事業において、OEM供給部門を中心に伸長したものの、メモリアルデザインサービス事業とエアリアルイメージング事業において売上が全般的に伸び悩んだことが主な要因でありますが、この増加率は満足できるものではなく、既存サービスのシェアアップだけでなく、新製品・サービスの開発や新しい市場開発の必要性を感じております。メモリアルデザインサービス事業におけるtsunagooなどのITサービスは市場の性格上、普及には一定の時間を要するものの、サービス自体の評価は高いため、インサイドセールスなどの方法を活用し、導入を進めていく考えであります。パーソナルパブリッシングサービス事業におきまして、プロフェッショナル写真市場向けは堅実に成長するとともに、コンシューマ向けは特にOEMが継続して成長しており、これまでの戦略が奏功していると認識しております。また、エアリアルイメージング事業につきましては、ガラス製プレートにおいて、ニーズに対応する生産体制が構築できなかったこと、樹脂製プレートにおいては、サンプル供給にとどまったことが大きな要因であり、技術開発センターの設立やある程度まとまったロットの受注の獲得により対応してまいります。
売上高経常利益率は10.8%となり、前事業年度に比べ、3.1ポイント下落いたしました。これは、メモリアルデザインサービス事業において、画像処理オペレータの増員などにより粗利率が低下したこと、パーソナルパブリッシングサービス事業において、稼働率が落ち着き、送料の値上げなどによりセグメント利益率が下落したこと、全社費用として役員退職慰労引当金を計上したことが主な要因であります。特にメモリアルデザインサービス事業における粗利率の低下は真摯に受け止めており、従来収益源としておりました通信費収入がインターネットの普及とともに減少傾向にあることや、新卒採用へシフトしたことにより、従来より画像処理部門の生産効率が下がっていることが要因として考えられます。その対策として、tsunagooなどの新サービスの普及や、ピント復元ツールなど新技術の導入による品質向上と生産性向上に取り組んでおります。また、パーソナルパブリッシングサービス事業の粗利率低下は、前事業年度は稼働が超過の状態にあったことに比べ、当事業年度は新社屋建設や生産設備の導入、人員の増強により正常な稼働に戻ったことによるものであり、特に問題はないものと認識しております。エアリアルイメージング事業につきましては、継続してセグメント損失を計上しており、事業化に想定以上の時間を要していることは重く受け止めております。非接触操作に注目が集まっている現在の事業環境を機に売上の拡大を図るとともに、生産体制の充実を進めてまいります。
b. キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
c. 資本の財源及び資金流動性についての分析
当社は、十分な手元流動性を有しており、運転資金及び投資資金は基本的に自己資金で賄うこととしております。
当社の事業活動における資金需要の主なものは、パーソナルパブリッシングサービス事業における生産設備やエアリアルイメージング事業における研究開発費等になります。
次事業年度においては、パーソナルパブリッシングサービス事業における印刷機等生産設備の購入のほか、エアリアルイメージング事業における技術開発センター設立に伴う内装工事や生産設備購入などの資金需要がありますが、これらは自己資金で賄う予定であります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(全般)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ、336,174千円増加し、6,607,688千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が313,946千円減少したものの、建物が397,232千円、投資有価証券が294,834千円それぞれ増加したためであります。また、自己資本比率は前事業年度末に比べ0.4ポイント増加し、87.0%となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ、288,723千円減少し、3,121,774千円となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得等により現金及び預金が313,946千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ、624,898千円増加し、3,485,914千円となりました。その主な要因は、建設仮勘定が182,029千円減少した一方で、建物が397,232千円、投資有価証券が294,834千円それぞれ増加したためであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ、18,720千円増加し、849,870千円となりました。その主な要因は、未払法人税等が100,800千円減少した一方で、役員退職慰労引当金が100,000千円増加したためであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ、1,897千円減少し、7,432千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ、319,351千円増加し、5,750,385千円となりました。その主な要因は、利益剰余金が316,387千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善から全体的に緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦の深刻化に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済活動の急速な停滞が生じ、先行きは極めて厳しい状況が続くと見込まれております。
このような環境の中、当社は景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するメモリアルデザインサービス事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するパーソナルパブリッシングサービス事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場を創造し、夢の実現を目指すエアリアルイメージング事業というそれぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。
当事業年度はパーソナルパブリッシングサービス事業の生産スペース拡張を主な目的とした新社屋(本社西館)を建設し、稼働を開始いたしました。また、AIカメラソリューションの開発、製造、販売を行うスタートアップ企業であるAWL株式会社と資本業務提携を行いました。
セグメント別の概況を示すと、次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。
(メモリアルデザインサービス事業)
当事業におきましては、下期に、暖冬の影響で写真加工枚数が伸び悩んだことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大により葬儀の小型化が進み、遺影写真加工収入や葬儀演出ツールの販売が苦戦いたしました。それに連動して額やサプライ品の売上も想定を下回ったため、事業全体の売上は、前期に比べ微増にとどまりました。
取組みとしましては、葬儀市場にITテクノロジーを活用した「葬テック」の一つとしてリリースしております、喪主と会葬者を繋ぐサービス「tsunagoo(つなぐ)」の機能強化と利用促進に努めてまいりました。また、遺影写真の加工品質向上を目的として、最新技術を活用したピント復元ツールを導入いたしました。
利益面につきましては、画像処理部門の人員増に伴い人件費が増加したことに加え、新型コロナウイルス対策としてテレワーク体制を拡大したことで生産効率の低下や一時的な費用が発生したため、セグメント利益は前期を下回る結果となりました。
以上の結果、売上高は2,557,535千円(前期比100.7%)、セグメント利益は660,219千円(前期比92.1%)となりました。
(パーソナルパブリッシングサービス事業)
当事業におきましては、国内プロフェッショナル写真家向け市場は「アスカブック」、国内一般消費者向け市場は「マイブック」ブランドで展開しております。また、スマートフォンで撮影された写真をもとにフォトブックや写真プリントをOEM供給しております。
国内プロフェッショナル写真家向け市場では、自社営業による顧客獲得に加え、全国デジタルフォトセミナーやワークショップの開催、新製品の継続投入が奏功し、堅調に推移しておりましたが、第4四半期後半以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響により多くの婚礼が延期されており、主力のウェディング向け写真集において厳しい状況となっております。写真集以外では、データ納品サービス「グランピック」の拡販及び機能強化開発に取り組んでまいりました。
国内一般消費者向け市場では、効率的なインターネット広告や各種キャンペーンの実施、SNSの活用などの施策が効果的だったうえ、カレンダーや卒業アルバムといった季節商品も順調に増加し、売上は堅調に伸長しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、旅行やイベントの自粛などで撮影機会が減少しており、また、展示会も中止になるなどの逆風も吹いておりますが、写真整理をキーワードに在宅時間を使っての写真集発注を促進し、効果が出ております。また、OEM供給につきましても、サービスの浸透により、売上は順調に伸長いたしました。
利益面につきましては、新社屋の建設や生産設備の拡充、人員の増強により、稼働が超過傾向にあった前期に比べると稼働が落ち着き、その結果利益率は下がりました。また、新工場新設に伴う移転費用の発生や送料値上げなどコスト増加要因もあったため、セグメント利益は微増にとどまりました。
以上の結果、売上高は3,910,014千円(前期比108.0%)、セグメント利益は924,152千円(前期比100.8%)となりました。
(エアリアルイメージング事業)
当事業におきましては、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指し、2011年3月に開始した事業であり、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれ開発、製造、販売しております。
ガラス製ASKA3Dプレートにつきましては、依然として十分なコストダウンは図れていないものの、高品質の空中結像を可能にする大型プレートについて、国内外の展示会へ出展した効果もあり、小ロットではありますが、サイネージ用途を中心に販売を進めてまいりました。また、ガラス製ASKA3Dプレートの設置案件が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となったものもありました。現状の生産体制では十分にニーズに応えきれないことから、量産技術の内製化によりさらなる高品質化と低コスト化の実現を目的として、専門人員の採用や生産設備の手配など、技術開発機能強化のための準備を進めてまいりました。
樹脂製ASKA3Dプレートにつきましては、第1段階の量産体制を前提とした生産規模と価格感にフィットした受注案件の獲得に努めてまいりましたが、当期におきましてはサンプル販売が中心となりました。2019年11月の展示会にて提案しましたPCとつなげるだけで空中操作が可能なサブモニター用途でのパッケージ販売も進めてまいりました。
営業面につきましては、販売単価の低い樹脂製ASKA3Dプレートのサンプル販売の割合が増加したことから、売上は前期実績を下回る結果となりました。新型コロナウイルス感染拡大により、各種案件の進捗の遅れや展示会の中止、新規訪問ができないなど、制約の多い状況ではありますが、一方で、空中結像による非接触操作に対する関心は高まっており、国内外から多くの問い合わせを受けております。
費用面につきましては、展示会の中止などで広告宣伝費が減少したものの、主にガラス製ASKA3Dプレートの量産化研究により研究開発費が増加したほか、特許関連費用も増加しました。また、技術開発機能強化のための人員増加や拠点設立準備のための先行費用も発生しました。
以上の結果、売上高は110,715千円(前期比75.5%)、セグメント損失は236,097千円(前期は241,608千円の損失)となりました。
以上の結果、売上高は6,575,955千円(前期比104.4%)となり、利益面につきましては、メモリアルデザインサービス事業のセグメント利益が減少したことに加え、役員退職慰労引当金繰入額100,000千円を販売費及び一般管理費に計上したことから、経常利益は710,569千円(前期比81.4%)、当期純利益は501,638千円(前期比83.8%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、確実な利益の計上により営業活動からの資金を順調に獲得した一方、本社隣地への建物建設や投資有価証券取得への支出を行った結果、前事業年度末に比べ、113,946千円減少し、1,555,817千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、849,178千円(前事業年度は919,926千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益695,787千円、減価償却費353,806千円を計上した一方、法人税等の支払額として311,490千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、774,047千円(前事業年度は795,405千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得548,308千円、投資有価証券の取得305,394千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、187,583千円(前事業年度は161,639千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払185,501千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 第24期 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) | 第25期 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |||
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) | 生産高(千円) | 前期比(%) |
| パーソナルパブリッシングサービス事業 | 1,598,560 | 107.5 | 1,763,395 | 110.3 |
| エアリアルイメージング事業 | 101,886 | 97.3 | 77,327 | 75.9 |
| 合計 | 1,700,446 | 106.8 | 1,840,722 | 108.2 |
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 メモリアルデザインサービス事業は、主に役務提供及び仕入商品の販売であり、生産を伴わないため、生産実績を記載しておりません。
b. 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 第24期 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) | 第25期 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |||
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前期比(%) | 仕入高(千円) | 前期比(%) |
| メモリアルデザインサービス事業 | 562,854 | 100.4 | 599,814 | 106.6 |
| パーソナルパブリッシングサービス事業 | 24 | 1.2 | 276 | 1,117.7 |
| 合計 | 562,879 | 100.0 | 600,091 | 106.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 エアリアルイメージング事業は、主に生産であり、仕入を伴わないため、仕入実績を記載しておりません。
c. 受注実績
メモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業、エアリアルイメージング事業とも受注実績はありますが、受注から売上計上までが、メモリアルデザインサービス事業においては概ね1日以内、パーソナルパブリッシングサービス事業においては概ね20日以内、エアリアルイメージング事業においては概ね1か月以内であるため、記載を省略しております。
d. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 第24期 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) | 第25期 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |||
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| メモリアルデザインサービス事業 | 2,538,699 | 100.6 | 2,557,535 | 100.7 |
| パーソナルパブリッシングサービス事業 | 3,619,794 | 110.6 | 3,910,014 | 108.0 |
| エアリアルイメージング事業 | 137,498 | 127.5 | 108,405 | 78.8 |
| 合計 | 6,295,992 | 106.6 | 6,575,955 | 104.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
第24期及び第25期において、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありますが、守秘義務を負っているため、顧客の名称、売上高の公表は控えさせていただきます。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
新型コロナウイルス感染拡大による当事業年度における影響は限定的であり、また会計上の見積りに大きな影響を与えるとは認識しておりません。
② 当事業年度における経営成績等の状況に関する認識等
a. 経営成績等の状況
当事業年度の経営成績は、売上高6,575,955千円(前期比104.4%)、経常利益710,569千円(前期比81.4%)、当期純利益501,638千円(前期比83.8%)となりました。
当社は経営指標として、売上高増加率と売上高経常利益率を重要視しております。当事業年度の売上高増加率は4.4%であり、前事業年度に比べ、2.2ポイント下落いたしました。パーソナルパブリッシングサービス事業において、OEM供給部門を中心に伸長したものの、メモリアルデザインサービス事業とエアリアルイメージング事業において売上が全般的に伸び悩んだことが主な要因でありますが、この増加率は満足できるものではなく、既存サービスのシェアアップだけでなく、新製品・サービスの開発や新しい市場開発の必要性を感じております。メモリアルデザインサービス事業におけるtsunagooなどのITサービスは市場の性格上、普及には一定の時間を要するものの、サービス自体の評価は高いため、インサイドセールスなどの方法を活用し、導入を進めていく考えであります。パーソナルパブリッシングサービス事業におきまして、プロフェッショナル写真市場向けは堅実に成長するとともに、コンシューマ向けは特にOEMが継続して成長しており、これまでの戦略が奏功していると認識しております。また、エアリアルイメージング事業につきましては、ガラス製プレートにおいて、ニーズに対応する生産体制が構築できなかったこと、樹脂製プレートにおいては、サンプル供給にとどまったことが大きな要因であり、技術開発センターの設立やある程度まとまったロットの受注の獲得により対応してまいります。
売上高経常利益率は10.8%となり、前事業年度に比べ、3.1ポイント下落いたしました。これは、メモリアルデザインサービス事業において、画像処理オペレータの増員などにより粗利率が低下したこと、パーソナルパブリッシングサービス事業において、稼働率が落ち着き、送料の値上げなどによりセグメント利益率が下落したこと、全社費用として役員退職慰労引当金を計上したことが主な要因であります。特にメモリアルデザインサービス事業における粗利率の低下は真摯に受け止めており、従来収益源としておりました通信費収入がインターネットの普及とともに減少傾向にあることや、新卒採用へシフトしたことにより、従来より画像処理部門の生産効率が下がっていることが要因として考えられます。その対策として、tsunagooなどの新サービスの普及や、ピント復元ツールなど新技術の導入による品質向上と生産性向上に取り組んでおります。また、パーソナルパブリッシングサービス事業の粗利率低下は、前事業年度は稼働が超過の状態にあったことに比べ、当事業年度は新社屋建設や生産設備の導入、人員の増強により正常な稼働に戻ったことによるものであり、特に問題はないものと認識しております。エアリアルイメージング事業につきましては、継続してセグメント損失を計上しており、事業化に想定以上の時間を要していることは重く受け止めております。非接触操作に注目が集まっている現在の事業環境を機に売上の拡大を図るとともに、生産体制の充実を進めてまいります。
b. キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
c. 資本の財源及び資金流動性についての分析
当社は、十分な手元流動性を有しており、運転資金及び投資資金は基本的に自己資金で賄うこととしております。
当社の事業活動における資金需要の主なものは、パーソナルパブリッシングサービス事業における生産設備やエアリアルイメージング事業における研究開発費等になります。
次事業年度においては、パーソナルパブリッシングサービス事業における印刷機等生産設備の購入のほか、エアリアルイメージング事業における技術開発センター設立に伴う内装工事や生産設備購入などの資金需要がありますが、これらは自己資金で賄う予定であります。