有価証券報告書-第58期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較に当たっては、当該確定後の数値を反映しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、景気は緩やかな回復が見られたものの、アメリカの関税政策による景気の下振れリスクに加え、中東情勢などの地政学リスク等、依然として先行き不透明な状況が続きました。
日本国内の建設業界においては、建設投資は堅調に推移し、北海道新幹線延伸工事等の大型現場は動き始めましたが、人手不足や物価高に起因する建築費用の増加により、工事の着工遅れの傾向が見られました。
このような環境の中で、当社は、建設業界の持続的な成長と現場の進化への貢献を、社会課題の解決に資する社会インフラの担い手としての責務と位置づけています。建設業界の人手不足やアナログ脱却といった業界の構造的課題に対応し、建設業界の業務効率化、生産性向上に寄与すべく、2025年11月にDX推進イベント「TAKAMIYA FAIR 2025~全員で進めるDX」を開催するなど、設計・施工・管理などの現場支援機能を結び合わせたソリューションを提供するプラットフォーム事業への転換に取り組んでまいりました。あわせて、人事制度改革、DX投資などを進め、付加価値向上、生産性向上の両立に取り組んでまいりました。
a.財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、74,599百万円となり、前連結会計年度末と比べ731百万円減少いたしました。この主な要因は、現金及び預金の増加927百万円、商品及び製品の減少1,485百万円等によるものであります。
負債合計は、50,897百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,850百万円減少いたしました。この主な要因は、短期借入金の減少2,136百万円、その他(流動)の増加797百万円等によるものであります。
純資産合計は、23,701百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,118百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金の増加1,001百万円等によるものであります。
b.経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高45,212百万円(前年同期比3.2%増)となりました。プラットフォーム事業への転換が進展したことによる利益率の改善に加え、人材の相互活用(コイン制度)やDX推進などの社内効率化により販管費を抑制しました。一方で、先行投資による人件費、償却費の増加があったものの、利益率改善と販管費抑制の効果が想定以上に表れた結果、営業利益3,266百万円(前年同期比58.5%増)、経常利益3,038百万円(前年同期比63.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,734百万円(前年同期比40.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プラットフォーム事業)
タカミヤプラットフォームの中心である仮設機材の運用マネジメントサービス「OPE-MANE」のユーザーアカウント数の増加は計画より緩やかながらも前年度末から着実に増加し続けております。また、「OPE-MANE」ユーザーの預入機材量の増加に比例し、機材の追加レンタル及び購入などのリカーリング収益が好調に推移しました。
これらの結果、売上高6,788百万円(前年同期比30.9%増)、営業利益1,655百万円(前年同期比37.4%増)となりました。
(販売事業)
プラットフォーム事業への事業ポートフォリオの転換が着実に進んでおり、仮設機材の調達方法も従来の購入からOPE-MANEへと移行しつつあります。また、人材不足による工事の延期や金融引き締めに伴う景気後退懸念を背景としたレンタルによる対応ニーズが継続しましたが、アグリ事業は大型現場の進捗が売上増加に寄与し、中古機材においても大型販売案件が、売上、利益の双方に寄与しました。
これらの結果、売上高10,126百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益464百万円(前年同期比71.7%増)となりました。
(レンタル事業)
レンタル事業の売上については、材工受注が低調に推移し、労務売上が前年を下回りました。一方、機材の社外出荷額に関しては、北海道新幹線延伸工事等の大型現場への出荷が本格的に開始されたことにより出荷基調が継続し、本来、返納基調にある期末にかけても前期を上回る高い水準で推移した結果、労務売上の減少を補完することができました。
利益面においても、プラットフォーム事業の好調を背景としたレンタル単価の改定が進み、レンタル収支が改善できたことに加え、高い社外出荷額も利益面に寄与しました。
これらの結果、売上高27,185百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益4,234百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
(海外事業)
グループ向け製造部門(セグメント間取引)であるホリーベトナムは、日本国内の賃貸資産投入額の減少や、日本国内の棚卸資産の最適化を推進した結果、日本向けの製品出荷が前年同期比で減少いたしました。
海外営業部門(外部顧客との取引)のあるホリーコリアでは、韓国国内の経済不安や金利上昇などの影響により景気停滞し、建設投資が依然として低調に推移いたしました。結果、販売、レンタルともに厳しい状況で推移しました。
これらの結果、売上高4,741百万円(前年同期比31.0%減)、営業損失98百万円(前年同期は営業利益347百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ877百万円増加し、9,402百万円(前年同期比10.3%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,735百万円の収入(前連結会計年度は585百万円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益2,865百万円、減価償却費5,980百万円、賃貸資産の取得による支出2,448百万円、棚卸資産の増加額1,009百万円等があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、946百万円の支出(前連結会計年度は4,542百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出987百万円等があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,909百万円の支出(前連結会計年度は6,147百万円の収入)となりました。主な要因は、短期借入金の純増減額(減少)2,137百万円、長期借入れによる収入7,220百万円、長期借入金の返済による支出6,983百万円等があったことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は、製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは、製造する製品のほとんどが見込生産であり、レンタルや販売する製品についても、顧客企業と締結している契約に規定されているのは、料金算定の基礎となる単価及び概算の見積金額であり、受注金額の算定に必要なレンタル期間や滅失機材の数量等については、工事の進捗状況や使用状態により変動いたします。従いまして、受注金額を確定することが困難な状況であるため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、売上高45,212百万円(前年同期比3.2%増)となりました。プラットフォーム事業への転換が進展したことによる利益率の改善に加え、人材の相互活用(コイン制度)やDX推進などの社内効率化により販管費を抑制しました。一方で、先行投資による人件費、償却費の増加があったものの、利益率改善と販管費抑制の効果が想定以上に表れた結果、営業利益3,266百万円(前年同期比58.5%増)、経常利益3,038百万円(前年同期比63.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,734百万円(前年同期比40.9%増)となりました。
(プラットフォーム事業)
プラットフォーム事業につきましては、売上高6,788百万円(前年同期比30.9%増)、営業利益1,655百万円(前年同期比37.4%増)となり売上高、営業利益ともに増加いたしました。
2025年11月にはDX推進イベント「TAKAMIYA FAIR 2025 ~全員で進めるDX~」を開催し、「タカミヤプラットフォーム」への関心が高まる中、第4四半期連結会計期間において「OPE-MANE」導入キャンペーンなどを実施した結果、新規アカウント数は増加いたしました。しかし、購入顧客の購入時期の遅れを取り返すには至らず、新規アカウント数の増加に関しては、期初の想定より低調となりました。しかしながら、前年同期比で「OPE-MANE」を中心にタカミヤプラットフォームの活用は拡大しており、追加部材の納入などのリカーリング売上は想定を上回り、順調に増加いたしました。
当社が展開する「タカミヤプラットフォーム」は、建設業界が抱える構造的課題に対するソリューションとして位置づけており、将来的には業界全体の業務効率化や労働力不足の解消に資する成長性の高い事業であると認識しております。主要サービスであるOPE-MANEは、仮設機材の管理業務を当社が一括して担うことにより、顧客における業務の省力化・省人化およびコスト削減を実現するものであり、経営資源の最適配分に寄与するサービスとして提供しております。しかしながら、現時点では業界内での周知および浸透が十分とは言えず、引き続き提案活動や啓発を強化し、導入促進に努めてまいります。
あわせて、OPE-MANEに加え、タカミヤプラットフォーム上で提供可能な新たなサービスコンテンツの企画・開発を推進し、顧客価値の最大化を図るとともに、当社プラットフォームの競争優位性を高めてまいります。
(販売事業)
販売事業につきましては、売上高は10,126百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は464百万円(前年同期比71.7%増)となり、増収増益となりました。
a.仮設関連(足場等の仮設機材)
仮設機材の調達方法が、プラットフォーム事業における主要サービスであるOPE-MANEへ移行する中ではありますが、レンタル価格の上昇が考慮され、仮設機材の管理運用を自社で行う顧客を中心に、仮設機材の主力製品である「Iqシステム」および「Sウォーク」等についての通常販売が増加いたしました。
通常販売は顧客自身による機材管理が前提となることから、仮設機材の調達方法はOPE-MANEおよびレンタルを利用する傾向が強まっております。販売価格の上昇、将来的な人材不足による保守負担の増大、ならびに金利上昇の懸念などの不確実性の高い事業環境が継続すれば、仮設機材の利用において収益性を改善することができるOPE-MANEへのシフトが進行することが想定されます。
b.中古品(足場の下取り販売等)
プラットフォーム事業においてOPE-MANEを通じた販売が伸長する中、顧客の仮設機材入れ替え需要を着実にくみ取ることができた結果、下取りした仮設機材の再販が堅調に推移いたしました。当連結会計年度においては、大型案件等があったことで、前期を上回る販売実績となりました。
c.環境関連(アグリ・太陽光関連製品)
環境関連においては、アグリ事業による大型案件の進捗と、太陽光発電(PV)関連製品が堅調に推移したことで前連結会計年度を上回る実績となりました。PV関連の主力製品である太陽光パネル設置用架台については、将来的な技術革新による市場、次世代太陽電池分野の取り組みなど変化を注視しております。
アグリ事業においては、農業に関する製品・サービスをパートナー企業と共創する施設である「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」を中心とした事業展開を推進しております。農業界をはじめとする各業界のパートナー企業や大学研究機関と提携し、AIやロボティクスを活用した革新的な農業技術の開発や実証実験に取り組み、パイプハウス等の製品販売が全体をけん引しておりましたが、以降は製品であるハードにソリューションを掛け合わせた販売へとシフトしてまいります。
d.建材・構造材(制震材や耐震材などの構造材)
構造材においては、当連結会計年度における新規の引き合いも限定的であったことから、売上は前年を下回る結果となりました。今後も、引き合いの拡大を図るとともに、設計段階からの案件折込みなど上流工程へのアプローチを強化し、受注機会の創出に向けた営業活動を推進してまいります。
(レンタル事業)
当連結会計年度におけるレンタル事業の売上高は27,185百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は4,234百万円(前年同期比31.7%増)となり、増収増益となりました。
建設市場においては、建築・土木分野ともに引き続き堅調な需要環境が継続しております。北海道新幹線延伸工事の大型案件への出荷が想定よりも早く開始されたことで、本格的な出荷基調となり、前連結会計年度と比較して機材稼働のピークを高く形成し、本来では返納基調となる期末にかけても高い水準を維持しました。
加えて、プラットフォーム事業の好調を背景としたレンタル価格の改定および浸透が順調に進捗したことで、レンタル収支が改善しております。材工受注が低調に推移し、労務売上が減少する中でも、社外出荷額の増加およびレンタル価格改定効果により、営業利益においては大幅な増益となりました。
また、プラットフォーム事業の主力サービスである「OPE-MANE」のユーザー数が前年同期比で増加したことに伴い、プラットフォーム経由で提供されるサービス売上が拡大しました。これによりレンタル事業での一部の売上が減少する構造的変化は継続しております。
(海外事業)
当連結会計年度における製造・海外事業の売上高は4,741百万円(前年同期比31.0%減)、営業損失98百万円(前年同期は営業利益347百万円)となり、減収減益となりました。
製造分野では、日本国内の賃貸資産投資の抑制および、販売時期のずれにより増加した棚卸資産の最適化を推進したため、ホリーベトナムおよびホリーコリアにおける日本向けの製品出荷が前年同期比で減少いたしました。
海外営業を担うホリーコリアにおいては、韓国国内の経済不安や金利上昇の影響により、建設投資が引き続き低調に推移し、販売・レンタルの両面で売上および利益は前年を下回る結果となりました。
また、DIMENSION-ALL INC.(フィリピン)では、プロジェクトの計画見直しなどに伴い、当初見込んでいた売上は減少したものの、その他の現場での受注を確保したことにより、前年同水準を維持いたしました。
これらの要因により、売上高が想定を下回り、コスト削減を推進しましたが、営業利益は前年を下回る結果となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、掲げている「タカミヤプラットフォームとDXで新たな価値を創造し、業界初の足場プラットフォーム企業へ」という経営ビジョン達成のための設備投資と、日々の生産及び営業活動に必要な運転資金です。これらの資金需要の当社グループの調達方針は、「安定的・継続的な資金調達」と「財務体質の健全性の維持・強化」を基本方針としております。
安定的・継続的な資金調達を目的に、国内においては、参加金融機関10行とのシンジケートローンによる資金調達をメインとしております。海外の必要資金については、親子ローンを実行する一方で、参加金融機関3行とのグローバル・クレジット・ファシリティー契約に基づく、各海外子会社の自国通貨での調達を行なう事で、調達コスト及び為替変動リスクの低減に努めております。また、当社グループの有利子負債総額の半分程度を、金利スワップ等により固定化する事で金利上昇リスクの低減にも努めております。
金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの運営に必要な資金の安定的・継続的な調達は、今後も可能であると考えております。
今後も、「安定的・継続的な資金調達」と「財務体質の健全性の維持・強化」という二つの方針の両立を目指すべく、間接金融または直接金融の多様な調達手段の中から、当社にとって有利な手段を適宜選択し、資金調達を行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りに関しましては、当社グループにおける過去の実績率等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較に当たっては、当該確定後の数値を反映しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、景気は緩やかな回復が見られたものの、アメリカの関税政策による景気の下振れリスクに加え、中東情勢などの地政学リスク等、依然として先行き不透明な状況が続きました。
日本国内の建設業界においては、建設投資は堅調に推移し、北海道新幹線延伸工事等の大型現場は動き始めましたが、人手不足や物価高に起因する建築費用の増加により、工事の着工遅れの傾向が見られました。
このような環境の中で、当社は、建設業界の持続的な成長と現場の進化への貢献を、社会課題の解決に資する社会インフラの担い手としての責務と位置づけています。建設業界の人手不足やアナログ脱却といった業界の構造的課題に対応し、建設業界の業務効率化、生産性向上に寄与すべく、2025年11月にDX推進イベント「TAKAMIYA FAIR 2025~全員で進めるDX」を開催するなど、設計・施工・管理などの現場支援機能を結び合わせたソリューションを提供するプラットフォーム事業への転換に取り組んでまいりました。あわせて、人事制度改革、DX投資などを進め、付加価値向上、生産性向上の両立に取り組んでまいりました。
a.財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、74,599百万円となり、前連結会計年度末と比べ731百万円減少いたしました。この主な要因は、現金及び預金の増加927百万円、商品及び製品の減少1,485百万円等によるものであります。
負債合計は、50,897百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,850百万円減少いたしました。この主な要因は、短期借入金の減少2,136百万円、その他(流動)の増加797百万円等によるものであります。
純資産合計は、23,701百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,118百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金の増加1,001百万円等によるものであります。
b.経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高45,212百万円(前年同期比3.2%増)となりました。プラットフォーム事業への転換が進展したことによる利益率の改善に加え、人材の相互活用(コイン制度)やDX推進などの社内効率化により販管費を抑制しました。一方で、先行投資による人件費、償却費の増加があったものの、利益率改善と販管費抑制の効果が想定以上に表れた結果、営業利益3,266百万円(前年同期比58.5%増)、経常利益3,038百万円(前年同期比63.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,734百万円(前年同期比40.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プラットフォーム事業)
タカミヤプラットフォームの中心である仮設機材の運用マネジメントサービス「OPE-MANE」のユーザーアカウント数の増加は計画より緩やかながらも前年度末から着実に増加し続けております。また、「OPE-MANE」ユーザーの預入機材量の増加に比例し、機材の追加レンタル及び購入などのリカーリング収益が好調に推移しました。
これらの結果、売上高6,788百万円(前年同期比30.9%増)、営業利益1,655百万円(前年同期比37.4%増)となりました。
(販売事業)
プラットフォーム事業への事業ポートフォリオの転換が着実に進んでおり、仮設機材の調達方法も従来の購入からOPE-MANEへと移行しつつあります。また、人材不足による工事の延期や金融引き締めに伴う景気後退懸念を背景としたレンタルによる対応ニーズが継続しましたが、アグリ事業は大型現場の進捗が売上増加に寄与し、中古機材においても大型販売案件が、売上、利益の双方に寄与しました。
これらの結果、売上高10,126百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益464百万円(前年同期比71.7%増)となりました。
(レンタル事業)
レンタル事業の売上については、材工受注が低調に推移し、労務売上が前年を下回りました。一方、機材の社外出荷額に関しては、北海道新幹線延伸工事等の大型現場への出荷が本格的に開始されたことにより出荷基調が継続し、本来、返納基調にある期末にかけても前期を上回る高い水準で推移した結果、労務売上の減少を補完することができました。
利益面においても、プラットフォーム事業の好調を背景としたレンタル単価の改定が進み、レンタル収支が改善できたことに加え、高い社外出荷額も利益面に寄与しました。
これらの結果、売上高27,185百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益4,234百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
(海外事業)
グループ向け製造部門(セグメント間取引)であるホリーベトナムは、日本国内の賃貸資産投入額の減少や、日本国内の棚卸資産の最適化を推進した結果、日本向けの製品出荷が前年同期比で減少いたしました。
海外営業部門(外部顧客との取引)のあるホリーコリアでは、韓国国内の経済不安や金利上昇などの影響により景気停滞し、建設投資が依然として低調に推移いたしました。結果、販売、レンタルともに厳しい状況で推移しました。
これらの結果、売上高4,741百万円(前年同期比31.0%減)、営業損失98百万円(前年同期は営業利益347百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ877百万円増加し、9,402百万円(前年同期比10.3%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,735百万円の収入(前連結会計年度は585百万円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益2,865百万円、減価償却費5,980百万円、賃貸資産の取得による支出2,448百万円、棚卸資産の増加額1,009百万円等があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、946百万円の支出(前連結会計年度は4,542百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出987百万円等があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,909百万円の支出(前連結会計年度は6,147百万円の収入)となりました。主な要因は、短期借入金の純増減額(減少)2,137百万円、長期借入れによる収入7,220百万円、長期借入金の返済による支出6,983百万円等があったことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| プラットフォーム事業(百万円) | - | - |
| 販売事業(百万円) | 4,262 | 66.8 |
| レンタル事業(百万円) | - | - |
| 海外事業(百万円) | 3,211 | 64.4 |
| 合計(百万円) | 7,474 | 65.8 |
(注)金額は、製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは、製造する製品のほとんどが見込生産であり、レンタルや販売する製品についても、顧客企業と締結している契約に規定されているのは、料金算定の基礎となる単価及び概算の見積金額であり、受注金額の算定に必要なレンタル期間や滅失機材の数量等については、工事の進捗状況や使用状態により変動いたします。従いまして、受注金額を確定することが困難な状況であるため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| プラットフォーム事業(百万円) | 6,788 | 130.9 |
| 販売事業(百万円) | 9,961 | 111.5 |
| レンタル事業(百万円) | 26,826 | 99.9 |
| 海外事業(百万円) | 1,635 | 57.2 |
| 合計(百万円) | 45,212 | 103.2 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、売上高45,212百万円(前年同期比3.2%増)となりました。プラットフォーム事業への転換が進展したことによる利益率の改善に加え、人材の相互活用(コイン制度)やDX推進などの社内効率化により販管費を抑制しました。一方で、先行投資による人件費、償却費の増加があったものの、利益率改善と販管費抑制の効果が想定以上に表れた結果、営業利益3,266百万円(前年同期比58.5%増)、経常利益3,038百万円(前年同期比63.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,734百万円(前年同期比40.9%増)となりました。
(プラットフォーム事業)
プラットフォーム事業につきましては、売上高6,788百万円(前年同期比30.9%増)、営業利益1,655百万円(前年同期比37.4%増)となり売上高、営業利益ともに増加いたしました。
2025年11月にはDX推進イベント「TAKAMIYA FAIR 2025 ~全員で進めるDX~」を開催し、「タカミヤプラットフォーム」への関心が高まる中、第4四半期連結会計期間において「OPE-MANE」導入キャンペーンなどを実施した結果、新規アカウント数は増加いたしました。しかし、購入顧客の購入時期の遅れを取り返すには至らず、新規アカウント数の増加に関しては、期初の想定より低調となりました。しかしながら、前年同期比で「OPE-MANE」を中心にタカミヤプラットフォームの活用は拡大しており、追加部材の納入などのリカーリング売上は想定を上回り、順調に増加いたしました。
当社が展開する「タカミヤプラットフォーム」は、建設業界が抱える構造的課題に対するソリューションとして位置づけており、将来的には業界全体の業務効率化や労働力不足の解消に資する成長性の高い事業であると認識しております。主要サービスであるOPE-MANEは、仮設機材の管理業務を当社が一括して担うことにより、顧客における業務の省力化・省人化およびコスト削減を実現するものであり、経営資源の最適配分に寄与するサービスとして提供しております。しかしながら、現時点では業界内での周知および浸透が十分とは言えず、引き続き提案活動や啓発を強化し、導入促進に努めてまいります。
あわせて、OPE-MANEに加え、タカミヤプラットフォーム上で提供可能な新たなサービスコンテンツの企画・開発を推進し、顧客価値の最大化を図るとともに、当社プラットフォームの競争優位性を高めてまいります。
(販売事業)
販売事業につきましては、売上高は10,126百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は464百万円(前年同期比71.7%増)となり、増収増益となりました。
a.仮設関連(足場等の仮設機材)
仮設機材の調達方法が、プラットフォーム事業における主要サービスであるOPE-MANEへ移行する中ではありますが、レンタル価格の上昇が考慮され、仮設機材の管理運用を自社で行う顧客を中心に、仮設機材の主力製品である「Iqシステム」および「Sウォーク」等についての通常販売が増加いたしました。
通常販売は顧客自身による機材管理が前提となることから、仮設機材の調達方法はOPE-MANEおよびレンタルを利用する傾向が強まっております。販売価格の上昇、将来的な人材不足による保守負担の増大、ならびに金利上昇の懸念などの不確実性の高い事業環境が継続すれば、仮設機材の利用において収益性を改善することができるOPE-MANEへのシフトが進行することが想定されます。
b.中古品(足場の下取り販売等)
プラットフォーム事業においてOPE-MANEを通じた販売が伸長する中、顧客の仮設機材入れ替え需要を着実にくみ取ることができた結果、下取りした仮設機材の再販が堅調に推移いたしました。当連結会計年度においては、大型案件等があったことで、前期を上回る販売実績となりました。
c.環境関連(アグリ・太陽光関連製品)
環境関連においては、アグリ事業による大型案件の進捗と、太陽光発電(PV)関連製品が堅調に推移したことで前連結会計年度を上回る実績となりました。PV関連の主力製品である太陽光パネル設置用架台については、将来的な技術革新による市場、次世代太陽電池分野の取り組みなど変化を注視しております。
アグリ事業においては、農業に関する製品・サービスをパートナー企業と共創する施設である「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」を中心とした事業展開を推進しております。農業界をはじめとする各業界のパートナー企業や大学研究機関と提携し、AIやロボティクスを活用した革新的な農業技術の開発や実証実験に取り組み、パイプハウス等の製品販売が全体をけん引しておりましたが、以降は製品であるハードにソリューションを掛け合わせた販売へとシフトしてまいります。
d.建材・構造材(制震材や耐震材などの構造材)
構造材においては、当連結会計年度における新規の引き合いも限定的であったことから、売上は前年を下回る結果となりました。今後も、引き合いの拡大を図るとともに、設計段階からの案件折込みなど上流工程へのアプローチを強化し、受注機会の創出に向けた営業活動を推進してまいります。
(レンタル事業)
当連結会計年度におけるレンタル事業の売上高は27,185百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は4,234百万円(前年同期比31.7%増)となり、増収増益となりました。
建設市場においては、建築・土木分野ともに引き続き堅調な需要環境が継続しております。北海道新幹線延伸工事の大型案件への出荷が想定よりも早く開始されたことで、本格的な出荷基調となり、前連結会計年度と比較して機材稼働のピークを高く形成し、本来では返納基調となる期末にかけても高い水準を維持しました。
加えて、プラットフォーム事業の好調を背景としたレンタル価格の改定および浸透が順調に進捗したことで、レンタル収支が改善しております。材工受注が低調に推移し、労務売上が減少する中でも、社外出荷額の増加およびレンタル価格改定効果により、営業利益においては大幅な増益となりました。
また、プラットフォーム事業の主力サービスである「OPE-MANE」のユーザー数が前年同期比で増加したことに伴い、プラットフォーム経由で提供されるサービス売上が拡大しました。これによりレンタル事業での一部の売上が減少する構造的変化は継続しております。
(海外事業)
当連結会計年度における製造・海外事業の売上高は4,741百万円(前年同期比31.0%減)、営業損失98百万円(前年同期は営業利益347百万円)となり、減収減益となりました。
製造分野では、日本国内の賃貸資産投資の抑制および、販売時期のずれにより増加した棚卸資産の最適化を推進したため、ホリーベトナムおよびホリーコリアにおける日本向けの製品出荷が前年同期比で減少いたしました。
海外営業を担うホリーコリアにおいては、韓国国内の経済不安や金利上昇の影響により、建設投資が引き続き低調に推移し、販売・レンタルの両面で売上および利益は前年を下回る結果となりました。
また、DIMENSION-ALL INC.(フィリピン)では、プロジェクトの計画見直しなどに伴い、当初見込んでいた売上は減少したものの、その他の現場での受注を確保したことにより、前年同水準を維持いたしました。
これらの要因により、売上高が想定を下回り、コスト削減を推進しましたが、営業利益は前年を下回る結果となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、掲げている「タカミヤプラットフォームとDXで新たな価値を創造し、業界初の足場プラットフォーム企業へ」という経営ビジョン達成のための設備投資と、日々の生産及び営業活動に必要な運転資金です。これらの資金需要の当社グループの調達方針は、「安定的・継続的な資金調達」と「財務体質の健全性の維持・強化」を基本方針としております。
安定的・継続的な資金調達を目的に、国内においては、参加金融機関10行とのシンジケートローンによる資金調達をメインとしております。海外の必要資金については、親子ローンを実行する一方で、参加金融機関3行とのグローバル・クレジット・ファシリティー契約に基づく、各海外子会社の自国通貨での調達を行なう事で、調達コスト及び為替変動リスクの低減に努めております。また、当社グループの有利子負債総額の半分程度を、金利スワップ等により固定化する事で金利上昇リスクの低減にも努めております。
金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの運営に必要な資金の安定的・継続的な調達は、今後も可能であると考えております。
今後も、「安定的・継続的な資金調達」と「財務体質の健全性の維持・強化」という二つの方針の両立を目指すべく、間接金融または直接金融の多様な調達手段の中から、当社にとって有利な手段を適宜選択し、資金調達を行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りに関しましては、当社グループにおける過去の実績率等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。