有価証券報告書-第19期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループが属するインターネットサービス業界を取り巻く環境は急速な変化を続けております。平成30年通信利用動向調査によると、平成30年(2018)9月末時点で、スマートフォンを保有する世帯の割合は79.2%に達し、固定電話、パソコンの保有世帯割合を上回り、スマートフォンは現在の日常生活において最も主要な情報通信機器と位置付けられる状況になっております。また、平成30年(2018)9月末時点で、スマートフォンを使用してインターネットを利用する人の割合は59.5%となり、48.2%のPCと並び、スマートフォンはインターネット利用における主要なデバイスと位置付けられています。このように、スマートフォンの急速な普及とインターネットデバイスとしての重要性が増していることを受け、インターネットサービス業界では、スマートフォン向けの新規サービスが次々と創出され、市場拡大と競争の激化が続いております。
こうした環境の下、当社グループはスマートフォン向けサービスの提供を主な事業と位置付け、既存サービスの拡充および新規サービスの開発に注力しております。主力事業のソーシャルゲーム事業では、IPゲームの開発・運用を当社の強みとして、IPゲームの開発・運用を通じた事業拡大に取り組んでおります。また、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの提供する新ブラウザゲームサービス「enza」(以下、「enza」といいます。)においても、主要な開発・運用パートナーとして、事業拡大に関与してまいりました。広告メディア事業では、広告代理事業の他、次世代の主力事業創出を目的とした新規サービスの開発・運用にも取り組みました。
当連結会計年度におきましては、引き続き運用中のIPゲームタイトルが順調に推移した他、2019年8月と2019年11月に新たなタイトルをリリースいたしました。特に2019年11月から当社が開発運用に関与しているタイトルは垂直的な立ち上がりとなり、想定を上回る寄与となりました。また、2020年3月には人気IPタイトル「ぼくとドラゴン」および「猫とドラゴン」を運営する株式会社イグニスの子会社を、株式譲受により完全子会社化し、当社グループのもとで同タイトルの提供を開始いたしました。しかしながら、前期に比べ当期は開発本数が少なく、開発に伴う売上が減少したことから、売上高は前期比で減少いたしました。費用につきましては、「enza」や新規事業開発に向けた投資を継続したものの、「enza」が拡大フェーズに転じた他、既存ゲーム事業で不採算タイトルへの対応が完了したことや、運用コストが最適化されたことにより、前期比で費用が減少し、営業損益は営業利益に転じました。これを受け、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益は経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益に転じました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は10,150,166千円(前期比5.3%減)、営業利益は617,072千円(前期は577,458千円の営業損失)、経常利益は635,890千円(前期は1,349,364千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は711,468千円(前期は1,712,709千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。当連結会計年度のセグメントごとの状況は次のとおりであります。
エンターテインメントサービス
当事業セグメントはゲームの開発・運営が主要事業となっており、他社IPゲーム及びゲームプラットフォーム並びにオリジナルIPゲームの開発・運営を行っております。
他社IPゲームにつきましては、主力タイトルを中心に引き続き安定的に推移いたしました。2019年5月および2019年11月の周年イベントは引き続きファンの支持に支えられ、経年に抗う推移となりました。また、2019年8月および2019年11月には新規タイトルをリリースし、特に2019年11月から当社が運用に携わっているタイトルは、垂直的な立ち上がりとなり、想定を上回る収益寄与となりました。
オリジナルゲームにつきましても、リリースから10年近く既存ユーザーの満足度維持・向上に焦点を当てたイベント施策の実施により売上水準を維持し、底堅く推移いたしました。
しかしながら、当期は前期と比較して開発本数が少なく、前期において計上されていた開発売上が、減少したことから、売上高は前期比で減少いたしました。利益については、前期に比べ不採算タイトルが減少したこと、過去一年間を通じ運用費の最適化を推進したことから費用が減少し、前期の営業損失から営業利益に転ずることとなりました。以上の結果、セグメント売上高は9,718,041千円(前期比1.6%減)、営業利益は871,070千円(前期は355,810千円の営業損失)となりました。
広告メディアサービス
広告メディアサービスでは、広告代理業務の他、次世代の主力事業創出を目的とした取り組みの一環である『DRIP(Drecom Invention Project)』のもと、2018年8月に発表した位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム『AROW』等、当社の有するインターネットサービスの知見を活かした新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねました。
しかしながら、広告代理業務の売上高の減少、多くの新規サービスが事業開発段階にあることから費用先行が続いた結果、セグメント売上高は432,125千円(前期比48.6%減)、セグメント損失は253,997千円(前期はセグメント損失221,648千円)となりました。
なお、2020年3月末においては、いずれのセグメントにおきましても、新型コロナウイルス感染症の流行の影響と考えられる主要KPIや収益の変化は確認できておらず、当該流行が、当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響は、軽微と考えております。
②キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ
597,463千円減少し、2,258,707千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは691,423千円の収入となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の計上額718,677千円、減損損失の計上額565,017千円、減価償却費の計上額382,147千円、たな卸資産の減少額240,989千円であり、主な減少要因は関係会社株式売却益の計上額692,804千円、売上債権の増加額208,438千円、未払金の減少額182,392千円、前受金の減少額169,009千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは100,638千円の支出となりました。主な増加要因は関係会社株式の売却による収入441,000千円であり、主な減少要因は無形固定資産の取得による支出505,877千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,188,248千円の支出となりました。主な増加要因は短期借入れによる収入1,080,000千円であり、主な減少要因は長期借入金の返済による支出2,098,668千円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社では生産業務は行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部売上高を除いた数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産及び負債、連結会計期間における収益及び費用に影響を及ぼすような仮定や見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性がある重要な会計方針の適用における仮定や見積りには、以下のようなものが考えられます。
(ソフトウエアの会計処理)
当社グループが開発するソフトウエア製品において、開発に要した外注費や労務費等を費用計上せず、投資としてソフトウエア又はソフトウエア仮勘定に計上することがあります。精緻な事業計画に基づき積極的に開発を行っていきますが、ソフトウエア資産の回収可能性については見積り特有の不確実性があるため、減損損失が発生する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、下記の通りとなります。
a. 当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度において計上されていた開発売上がリリースに伴い減少したことから、前期比で570,232千円減少し、10,150,166千円(前期比5.3%減)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、両セグメントとも100.0%となっております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、主に、運用費の最適化やサービスのクローズ等の不採算タイトルの採算性向上を目指した取組みが奏功したことから、売上原価が売上高の減少を上回る水準で減少、前連結会計年度に比べ758,172千円増加し、2,192,259千円(前期比52.9%増)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ8.2%増加し、21.6%となりました。
(営業利益)
費用対効果を重視した効率的な広告宣伝施策の展開や全社的なコスト最適化の取り組みにより、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ436,359千円減少し、1,575,186千円(前年同期比21.7%減)となりました。前述の売上総利益の増加と併せ、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ1,194,531千円増加し、617,072千円(前年同期は営業損失577,458千円)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、2020年3月30日まで、当社の持分法適用会社であった株式会社BXDが展開している新ブラウザゲームサービス「enza」で事業拡大が続いたことから持分法投資利益を計上しており、その結果、前連結会計年度に比べ90,646千円増加し、101,074千円(同869.3%増)となりました。営業外費用につきましては前期で計上していた新ブラウザゲームサービス「enza」に関連する持分法投資損失が減少したことから、前連結会計年度に比べ700,076千円減少し、82,257千円(前年同期比89.5%減)となりました。以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1,985,255千円増加し、635,890千円(前年同期は経常損失1,349,364千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、株式会社BXD全株式の株式会社バンダイナムコエンターテインメントへの譲渡に伴い、関係会社株式売却益を計上したことから、前連結会計年度に比べ563,989千円増加し、692,804千円(前年同期比437.8%増)となりました。特別損失につきましては、主に、開発中であったゲームアプリの開発中止および運用中のゲームアプリの一部を再評価した結果、減損損失を565,017千円計上し、前連結会計年度に比べ159,232千円増加し、610,017千円(前年同期比35.3%増)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は711,468千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,712,709千円)となりました。
b. 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は4,571,875千円となり、前連結会計年度末に比べ618,687千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が597,463千円減少したことによるものであります。固定資産は1,851,883千円となり、前連結会計年度末に比べ96,056千円増加いたしました。これは主にソフトウエアが641,780千円増加した一方で、ソフトウエア仮勘定が508,445千円、敷金が61,257千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は6,423,758千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,255,215千円となり、前連結会計年度末に比べ1,267,872千円減少いたしました。これは主に銀行借入が1,018,668千円、持分法適用に伴う負債が437,983千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,168,542千円となり、前連結会計年度末に比べ745,240千円増加いた
しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益711,468千円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は32.9%(前連結会計年度末は19.6%)となりました。
c. 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりとなります。
e. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、下記のとおりとなります。
ⅰ) 資本の財源
当社グループは現在、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。
ⅱ) キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当連結会計年度における状況につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
f. 経営戦略の現状と見通し
今後につきましては、引き続きスマートフォンの普及が拡大し、スマートフォン向けコンテンツ市場における競争の激化が予想されます。そうした環境下、当社グループは市場の急速な変化に対応し、多様化するユーザニーズを捉えたアプリおよびサービスの開発に努めるとともに、既存サービスの運用、新規事業開発の両面において、各事業領域間の連携を促進し、それぞれの有する強みを融合させることでシナジーを高め、事業の拡大に引き続き注力してまいります。
g. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年1月31日公表の2020年3月期の連結業績予想の達成状況は以下のとおりとなります。売上高は計画比49百万円減(0.5%減)となりました。これは主に、既存運用ゲームの売上高が計画比で下回ったことによるものです。経常利益は計画比35百万円増(5.8%増)となっており、これは主に、2020年3月30日まで当社の持分法適用会社であった株式会社BXDが展開している新ブラウザゲームサービス「enza」が計画比で好調な推移となったことから、持分法投資利益を計上したことによります。親会社株主に帰属する当期純利益は、計画比261百万円増(58%増)となり、これは主に先述の株式会社BXD株式の譲渡に伴い関連会社株式売却益を692,804千円計上したこと、および開発中、運用中のゲームアプリで減損損失を565,017千円計上したことによります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループが属するインターネットサービス業界を取り巻く環境は急速な変化を続けております。平成30年通信利用動向調査によると、平成30年(2018)9月末時点で、スマートフォンを保有する世帯の割合は79.2%に達し、固定電話、パソコンの保有世帯割合を上回り、スマートフォンは現在の日常生活において最も主要な情報通信機器と位置付けられる状況になっております。また、平成30年(2018)9月末時点で、スマートフォンを使用してインターネットを利用する人の割合は59.5%となり、48.2%のPCと並び、スマートフォンはインターネット利用における主要なデバイスと位置付けられています。このように、スマートフォンの急速な普及とインターネットデバイスとしての重要性が増していることを受け、インターネットサービス業界では、スマートフォン向けの新規サービスが次々と創出され、市場拡大と競争の激化が続いております。
こうした環境の下、当社グループはスマートフォン向けサービスの提供を主な事業と位置付け、既存サービスの拡充および新規サービスの開発に注力しております。主力事業のソーシャルゲーム事業では、IPゲームの開発・運用を当社の強みとして、IPゲームの開発・運用を通じた事業拡大に取り組んでおります。また、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの提供する新ブラウザゲームサービス「enza」(以下、「enza」といいます。)においても、主要な開発・運用パートナーとして、事業拡大に関与してまいりました。広告メディア事業では、広告代理事業の他、次世代の主力事業創出を目的とした新規サービスの開発・運用にも取り組みました。
当連結会計年度におきましては、引き続き運用中のIPゲームタイトルが順調に推移した他、2019年8月と2019年11月に新たなタイトルをリリースいたしました。特に2019年11月から当社が開発運用に関与しているタイトルは垂直的な立ち上がりとなり、想定を上回る寄与となりました。また、2020年3月には人気IPタイトル「ぼくとドラゴン」および「猫とドラゴン」を運営する株式会社イグニスの子会社を、株式譲受により完全子会社化し、当社グループのもとで同タイトルの提供を開始いたしました。しかしながら、前期に比べ当期は開発本数が少なく、開発に伴う売上が減少したことから、売上高は前期比で減少いたしました。費用につきましては、「enza」や新規事業開発に向けた投資を継続したものの、「enza」が拡大フェーズに転じた他、既存ゲーム事業で不採算タイトルへの対応が完了したことや、運用コストが最適化されたことにより、前期比で費用が減少し、営業損益は営業利益に転じました。これを受け、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益は経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益に転じました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は10,150,166千円(前期比5.3%減)、営業利益は617,072千円(前期は577,458千円の営業損失)、経常利益は635,890千円(前期は1,349,364千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は711,468千円(前期は1,712,709千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。当連結会計年度のセグメントごとの状況は次のとおりであります。
エンターテインメントサービス
当事業セグメントはゲームの開発・運営が主要事業となっており、他社IPゲーム及びゲームプラットフォーム並びにオリジナルIPゲームの開発・運営を行っております。
他社IPゲームにつきましては、主力タイトルを中心に引き続き安定的に推移いたしました。2019年5月および2019年11月の周年イベントは引き続きファンの支持に支えられ、経年に抗う推移となりました。また、2019年8月および2019年11月には新規タイトルをリリースし、特に2019年11月から当社が運用に携わっているタイトルは、垂直的な立ち上がりとなり、想定を上回る収益寄与となりました。
オリジナルゲームにつきましても、リリースから10年近く既存ユーザーの満足度維持・向上に焦点を当てたイベント施策の実施により売上水準を維持し、底堅く推移いたしました。
しかしながら、当期は前期と比較して開発本数が少なく、前期において計上されていた開発売上が、減少したことから、売上高は前期比で減少いたしました。利益については、前期に比べ不採算タイトルが減少したこと、過去一年間を通じ運用費の最適化を推進したことから費用が減少し、前期の営業損失から営業利益に転ずることとなりました。以上の結果、セグメント売上高は9,718,041千円(前期比1.6%減)、営業利益は871,070千円(前期は355,810千円の営業損失)となりました。
広告メディアサービス
広告メディアサービスでは、広告代理業務の他、次世代の主力事業創出を目的とした取り組みの一環である『DRIP(Drecom Invention Project)』のもと、2018年8月に発表した位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム『AROW』等、当社の有するインターネットサービスの知見を活かした新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねました。
しかしながら、広告代理業務の売上高の減少、多くの新規サービスが事業開発段階にあることから費用先行が続いた結果、セグメント売上高は432,125千円(前期比48.6%減)、セグメント損失は253,997千円(前期はセグメント損失221,648千円)となりました。
なお、2020年3月末においては、いずれのセグメントにおきましても、新型コロナウイルス感染症の流行の影響と考えられる主要KPIや収益の変化は確認できておらず、当該流行が、当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響は、軽微と考えております。
②キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ
597,463千円減少し、2,258,707千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは691,423千円の収入となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の計上額718,677千円、減損損失の計上額565,017千円、減価償却費の計上額382,147千円、たな卸資産の減少額240,989千円であり、主な減少要因は関係会社株式売却益の計上額692,804千円、売上債権の増加額208,438千円、未払金の減少額182,392千円、前受金の減少額169,009千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは100,638千円の支出となりました。主な増加要因は関係会社株式の売却による収入441,000千円であり、主な減少要因は無形固定資産の取得による支出505,877千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,188,248千円の支出となりました。主な増加要因は短期借入れによる収入1,080,000千円であり、主な減少要因は長期借入金の返済による支出2,098,668千円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社では生産業務は行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 仕入高 | 前年同期比(%) | |
| エンターテインメントサービス(千円) | - | - |
| 広告メディアサービス(千円) | 352,933 | △39.0 |
| 合計(千円) | 352,933 | △39.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 受注高 | 前年同期比(%) | 受注残高 | 前年同期比(%) | |
| エンターテインメントサービス(千円) | 9,718,041 | △6.5 | - | - |
| 広告メディアサービス(千円) | 432,125 | △48.5 | - | - |
| 合計(千円) | 10,150,166 | △9.6 | - | - |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部売上高を除いた数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| エンターテインメントサービス(千円) | 9,718,041 | △1.6 |
| 広告メディアサービス(千円) | 432,125 | △48.5 |
| 合計(千円) | 10,150,166 | △5.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱バンダイナムコエンターテインメント | 3,741,743 | 34.9 | 3,890,005 | 38.3 |
| ㈱BXD | 1,797,824 | 16.8 | 2,118,358 | 20.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産及び負債、連結会計期間における収益及び費用に影響を及ぼすような仮定や見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性がある重要な会計方針の適用における仮定や見積りには、以下のようなものが考えられます。
(ソフトウエアの会計処理)
当社グループが開発するソフトウエア製品において、開発に要した外注費や労務費等を費用計上せず、投資としてソフトウエア又はソフトウエア仮勘定に計上することがあります。精緻な事業計画に基づき積極的に開発を行っていきますが、ソフトウエア資産の回収可能性については見積り特有の不確実性があるため、減損損失が発生する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、下記の通りとなります。
a. 当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度において計上されていた開発売上がリリースに伴い減少したことから、前期比で570,232千円減少し、10,150,166千円(前期比5.3%減)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、両セグメントとも100.0%となっております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、主に、運用費の最適化やサービスのクローズ等の不採算タイトルの採算性向上を目指した取組みが奏功したことから、売上原価が売上高の減少を上回る水準で減少、前連結会計年度に比べ758,172千円増加し、2,192,259千円(前期比52.9%増)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ8.2%増加し、21.6%となりました。
(営業利益)
費用対効果を重視した効率的な広告宣伝施策の展開や全社的なコスト最適化の取り組みにより、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ436,359千円減少し、1,575,186千円(前年同期比21.7%減)となりました。前述の売上総利益の増加と併せ、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ1,194,531千円増加し、617,072千円(前年同期は営業損失577,458千円)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、2020年3月30日まで、当社の持分法適用会社であった株式会社BXDが展開している新ブラウザゲームサービス「enza」で事業拡大が続いたことから持分法投資利益を計上しており、その結果、前連結会計年度に比べ90,646千円増加し、101,074千円(同869.3%増)となりました。営業外費用につきましては前期で計上していた新ブラウザゲームサービス「enza」に関連する持分法投資損失が減少したことから、前連結会計年度に比べ700,076千円減少し、82,257千円(前年同期比89.5%減)となりました。以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1,985,255千円増加し、635,890千円(前年同期は経常損失1,349,364千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、株式会社BXD全株式の株式会社バンダイナムコエンターテインメントへの譲渡に伴い、関係会社株式売却益を計上したことから、前連結会計年度に比べ563,989千円増加し、692,804千円(前年同期比437.8%増)となりました。特別損失につきましては、主に、開発中であったゲームアプリの開発中止および運用中のゲームアプリの一部を再評価した結果、減損損失を565,017千円計上し、前連結会計年度に比べ159,232千円増加し、610,017千円(前年同期比35.3%増)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は711,468千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,712,709千円)となりました。
b. 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は4,571,875千円となり、前連結会計年度末に比べ618,687千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が597,463千円減少したことによるものであります。固定資産は1,851,883千円となり、前連結会計年度末に比べ96,056千円増加いたしました。これは主にソフトウエアが641,780千円増加した一方で、ソフトウエア仮勘定が508,445千円、敷金が61,257千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は6,423,758千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,255,215千円となり、前連結会計年度末に比べ1,267,872千円減少いたしました。これは主に銀行借入が1,018,668千円、持分法適用に伴う負債が437,983千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,168,542千円となり、前連結会計年度末に比べ745,240千円増加いた
しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益711,468千円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は32.9%(前連結会計年度末は19.6%)となりました。
c. 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりとなります。
e. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、下記のとおりとなります。
ⅰ) 資本の財源
当社グループは現在、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。
ⅱ) キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当連結会計年度における状況につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
f. 経営戦略の現状と見通し
今後につきましては、引き続きスマートフォンの普及が拡大し、スマートフォン向けコンテンツ市場における競争の激化が予想されます。そうした環境下、当社グループは市場の急速な変化に対応し、多様化するユーザニーズを捉えたアプリおよびサービスの開発に努めるとともに、既存サービスの運用、新規事業開発の両面において、各事業領域間の連携を促進し、それぞれの有する強みを融合させることでシナジーを高め、事業の拡大に引き続き注力してまいります。
g. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年1月31日公表の2020年3月期の連結業績予想の達成状況は以下のとおりとなります。売上高は計画比49百万円減(0.5%減)となりました。これは主に、既存運用ゲームの売上高が計画比で下回ったことによるものです。経常利益は計画比35百万円増(5.8%増)となっており、これは主に、2020年3月30日まで当社の持分法適用会社であった株式会社BXDが展開している新ブラウザゲームサービス「enza」が計画比で好調な推移となったことから、持分法投資利益を計上したことによります。親会社株主に帰属する当期純利益は、計画比261百万円増(58%増)となり、これは主に先述の株式会社BXD株式の譲渡に伴い関連会社株式売却益を692,804千円計上したこと、および開発中、運用中のゲームアプリで減損損失を565,017千円計上したことによります。
| 指標(当初計画) | 2020年3月期 (計画) | 2020年3月期 (実績) | 2020年3月期 (計画比) |
| 売上高 | 10,200百万円 | 10,150百万円 | △49百万円 |
| 経常利益 | 600百万円 | 635百万円 | 35百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 450百万円 | 711百万円 | 261百万円 |