有価証券報告書-第29期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/30 15:30
【資料】
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【項目】
135項目
(業績等の概要)
(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、雇用や所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方、エネルギー価格や物価の上昇、米国新政権による貿易政策の変更による経済変調など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境のもと、当社は、既存パイプラインの研究開発推進、初期段階パイプラインの推進及び新規課題の探索に加え、顧客からのニーズに応える形でmRNA医薬品の創製に関する受託研究などを進めてまいりました。
当社臨床開発パイプラインであるTUG1 ASOに関しては、膠芽腫を対象とする医師主導第Ⅰ相治験が予想を大きく超えるスピードで症例登録が順調に進み、計画されている4段階の増量コホート中、第3段階の用量まで到達しました。本治験において、これまでのところ重篤な副作用は確認されておらず、2025年度内には症例の登録が完了出来る見込みです。治験の推進と並行して、2025年2月にTIDES ASIA 2025、また4月にThe 4th China Nucleic Acid Drug and Neotype Vaccine Industrial Conferenceにおいて、TUG1 ASOおよびDDSとして使用している当社独自のYBCポリマーについて紹介するなど、製薬企業への導出活動も進めております。引き続き、積極的に国際的なイベントへの参加を予定しており、導出を実現するべく活動を行ってまいります。なお、TUG1 ASOで用いている当社独自のDDS技術YBCポリマーは、先行するPRDM14 siRNAの医師主導治験でも使用しており、これらの成績から本技術の安全性および高い血中滞留性が既に検証されており、プラットフォームDDS技術としての価値が向上しています。
RUNX1 mRNAに関しては、当社子会社の株式会社PrimRNAが医師主導第Ⅰ相治験の国内実施に向けて準備を進めてまいりました。しかしながら、規制当局との交渉が長引いたため、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)と研究開発計画の変更について協議し、企業治験としてオーストラリアで実施することに承認を得ました。これにより2025年6月頃には治験が開始できると見込んでおります。
花王株式会社との共同研究で進めているアレルギー疾患を対象とする免疫寛容ワクチンに関しては、一番手のプロジェクトについて開発候補品の選定に向けた薬理研究を進めております。動物試験施設の変更に伴うスケジュールの遅れを取り戻すべく花王株式会社と協力してプロジェクトの加速を図り、2025年中に、最新の競合状況、花王株式会社が独自開発した免疫制御技術の本疾患領域での優位性などを総合的に評価し、導出候補品としての採否を決定する予定です。
mRNA医薬の研究開発については、RUNX1 mRNAの第Ⅰ相治験開始が視野に入ったなどの状況から、パイプラインの拡充についての取り組みを進めております。この中には、mRNAエンコード抗体、ゲノム編集、in vivo/ex vivo CAR-T療法などmRNAの適応が見込まれるプロジェクトが含まれています。一方で、事業推進の新たなエンジンとして、顧客からのニーズに応える形で、mRNA医薬品の創製に関する受託研究型ビジネスを開始しました。既に、顧客が保有するmRNA医薬品候補の研究開発支援を実施し、収益を計上しております。
また、当社が保有する抗体およびその産生株について、64Cu で標識した本抗体を用いて、膵臓がんを対象とした診断薬および治療薬の開発を推進するリンクメッド株式会社に譲渡することとし、2025年2月、一時金の受領および診断薬の販売に至った場合に、総額数億円程度のロイヤリティの受領が可能となる契約を締結いたしました。
当社の創薬パイプラインの状況については、第一部「企業情報」第1「企業の概況」3「事業の内容」をご参照ください。
(受託研究)
顧客からのニーズに応える形で、mRNA医薬品の創製に関する受託研究型ビジネスを開始しております。Crafton Biotechnology社および神戸MAB組合との協業で進めているSCARDA事業“PureCap 法を基盤とした高純度 mRNA国内生産体制の構築と送達キャリアフリーの安全なmRNAワクチンの臨床開発”に関しては、分担機関として非臨床試験を担当しております。今後も、企業からの受託研究事業およびAMED等の公的資金を活用する事業に参画する形で受託的研究事業を積極的に展開してまいります。
(販売事業の状況)
株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシア ブライトニング イマキュレート セラム用の当社技術を応用した原材料を供給しております。
コムレクス®耳科用液1.5%(開発コードENT103)は、2023年6月からセオリアファーマ株式会社により販売されております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、化粧品材料供給収入及び受託研究収入等により108,516千円(前連結会計年度比19.9%減)、営業損失は755,349千円(前連結会計年度営業損失864,415千円)、経常損失は687,546千円(前連結会計年度経常損失749,847千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は835,380千円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失780,002千円)となりました。
なお、当連結会計年度におきまして、以下の営業外収益及び営業外費用並びに特別損失を計上しております。
・研究開発等に係る補助金収入41,954千円を営業外収益に計上しております。
・外国為替相場の変動による為替差損4,794千円を営業外費用に計上しております。これは主に、当社の保有する外貨建預金の評価替えにより発生したものであります。
・投資有価証券評価損144,000千円を特別損失に計上しております。これは、当社の保有する投資有価証券の時価の著しい下落に伴う減損処理により発生したものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ378,061千円減少し、1,197,201千円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、401,617千円の支出(前連結会計年度は585,081千円の支出)となりました。研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税金等調整前当期純損失832,594千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、587,528千円の収入(前連結会計年度は793,007千円の収入)となりました。有価証券の取得による支出5,200,160千円、有価証券の償還による収入5,800,000千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、568,775千円の支出(前連結会計年度は3,728千円の収入)となりました。転換社債型新株予約権付社債の償還による支出568,675千円等によるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループは研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
(2)受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
108,51680.1

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社アルビオン104,79977.375,70069.7
セオリアファーマ株式会社26,22219.4--
日本電気株式会社--22,81621.0

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態
当連結会計年度末における資産は、主に現金及び預金並びに有価証券の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,074,394千円減少し、3,996,884千円となりました。負債は、主に転換社債型新株予約権付社債の一部償還に伴う減少等により、前連結会計年度末に比べ392,837千円減少し、1,257,054千円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末に比べ681,557千円減少し、2,739,830千円となりました。
(2)経営成績
当連結会計年度における経営成績については、「(業績等の概要) (1)業績」をご参照ください。
(3)キャッシュ・フロー
当社グループは現在、主たる定例的な営業収益がありませんので、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出を、主に株式の発行による収入及び化粧品原材料の供給収入で賄っております。当連結会計年度末日現在の資金残高は1,197,201千円ですが、一時的な余剰資金については預金又は元本維持を原則とした安全かつ流動性の高い金融商品等に限定して運用しており、それら預金や金融商品まで合わせますと3,505,832千円となります。
一方、支出側としましては、当連結会計年度の経常損失は687,546千円、第30期の予想経常損失が856,318千円でありますので、当面のRNA創薬ビジネスに係る研究開発資金の確保やM&A等の支出にも対応できる資金の確保までできていると判断しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであます。

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