有価証券報告書-第22期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/25 15:02
【資料】
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【項目】
76項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当事業年度におきましては、好調な企業収益を背景に設備投資や雇用環境・所得環境の改善が進み、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、米国の政策運営やアジアの地政学的リスク等、依然として世界経済は先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境のもと、当社は主要パイプラインの開発推進、新規パイプラインの探索、提携先の開拓などに積極的に取り組んでまいりました。
(主要パイプラインの進捗状況)
主要パイプラインの進捗状況は下記の通りです。
シスプラチンミセル(NC-6004)につきましては、自社開発製品第一号として自社及びライセンス先との共同開発によりグローバルに開発を推進しております。ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.(台湾、以下「OEP」といいます。)とともに、日本を含むアジア地域において膵がんを対象に第Ⅲ相臨床試験を実施しております。頭頸部がんについては、台湾においてOEPが第Ⅰ相臨床試験を、欧米において自社で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を各々行っておりましたが、平成30年5月、アジア及び欧米の地域を統合して、OEPとともに改めて第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を実施することで合意いたしました。また、米国において第Ⅱ相臨床試験(バスケットデザイン試験)として非小細胞肺がん、膀胱がん、胆道がんの3適応症を対象に実施中で、胆道がんについては患者登録を終了しております。複数の適応症を対象にした試験を複数の地域で併行して進めることにより、有効性・安全性について幅広い成績を取得し、本剤の有用性が高いがん種を見出し、早期承認申請の実現を目指しております。なお、平成29年7月、胆道がん適応については、米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定※を受けております。
エピルビシンミセル(NC-6300)につきましては、米国で軟部肉腫を対象に第I/Ⅱ相臨床試験を実施中です。NC-6300についても、FDAより本適応に対するオーファンドラッグの指定を受けております。
平成29年11月にVascular Biogenics Ltd.(イスラエル、以下「VBL」といいます。)からライセンスを受けた遺伝子治療薬「VB-111」につきましては、平成30年3月、同社より、米国を中心に行われている第Ⅲ相臨床試験である再発悪性神経膠芽腫(rGBM)患者に対する本製剤のアバスチン(一般名:ベバシズマブ)との併用とアバスチン単独群との比較試験において、あらかじめ設定された主要評価項目である全生存期間(OS)について差が見られなかったことが速報されました。当社は、同試験の詳細な解析データを考察し、VBLの今後の欧米における開発方針を踏まえ、後続の卵巣がん、甲状腺がん、肺がん等の適応症を含め、日本国内における開発方針を検討してまいります。
ダハプラチンミセル(NC-4016)につきましては、プラチナ製剤第二弾として、自社開発により米国で固形がんを対象にした第Ⅰ相臨床試験を実施しており、患者登録を完了し主要目標である推奨用量を決定いたしました。現在、詳細なデータ解析をもとに次段階の試験デザイン等の検討を進めております。
パクリタキセルミセル(NK105)につきましては、平成28年7月、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社より、乳がんを適用対象にした第Ⅲ相臨床試験(国際共同試験)において、主要評価項目が達成されなかったと発表されましたが、平成30年2月、乳がんを対象に第Ⅱ相臨床試験を開始した旨発表されております。
※ オーファンドラッグ指定(希少疾病用医薬品指定)
米国における患者数20万人以下の希少疾病に対する新薬開発を促進するために米国FDAが与えるもので、オーファンドラッグの指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられます。また、米国政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置が受けられます。
(新規開発パイプラインの進捗状況)
新規開発パイプラインにつきましては、当社独自の先進基盤技術である抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」を次世代型医薬品パイプラインとして開発を推進しています。当社は、エーザイ株式会社より導入したがん抑制作用の強いE7974を含む抗がん剤とセンサーである抗体を結合したActive型ミセル化ナノ粒子を開発することにより、がん細胞へのターゲティング性能を高め、抗腫瘍作用をさらに高めることで治療域を拡大する新規医薬品の研究開発を進めております。また、国内の大手企業数社との共同研究等により、さらなる提携を探索・推進しつつ、開発パイプラインの拡充に精力的に取り組んでおります。
低分子医薬品に加え、より副作用が少ないとされているsiRNAなどの核酸や、タンパク質医薬品などの高分子医薬品に対するミセル化ナノ粒子技術の応用にも取り組んでおります。独自の核酸デリバリー技術「NanoFect®」を確立し、さらに抗体を付加したActive型NanoFect®とすることでターゲティング機能を向上させた次世代型DDS医薬品の開発を進めております。平成29年10月、JCRファーマ株式会社と核酸等を含む脳内デリバリー創薬に関する共同研究契約を締結しております。
(事業開発の状況)
事業開発活動につきましては、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のため、有力な企業との資本・事業提携、M&A等並びに国内外の製薬・バイオ企業や大学・研究機関等との共同研究開発プロジェクトについても積極的に取り組んでおり、当事業年度において以下のような活動を行っております。
平成29年3月、TPG Biologics, Inc.(台湾)と共同研究開発契約を締結し、平成29年4月に同社へ出資いたしました。共同研究においては、同社が所有する抗体などバイオ医薬品に関する研究基盤と当社のADCMを融合した新しい技術基盤の確立を目指します。
平成29年4月、Tocagen Inc.(米国)に出資いたしました。同社技術の将来における可能性に注目し、出資を決定いたしました。
平成29年8月、米国での事業開発拠点として、マサチューセッツ州ボストン郊外に米国子会社NanoCarrier USのオフィスを開設いたしました。
平成29年11月、Vascular Biogenics Ltd.との間で遺伝子治療薬「VB-111」の日本国における開発及び商業化に関するライセンス契約を締結いたしました。
平成30年1月、セオリアファーマ株式会社との間で、業務提携に向けた検討を開始し、平成30年6月、共同開発契約を締結いたしました。同社は、耳鼻咽喉科領域に特化したスペシャリティファーマとして、抗菌剤、抗アレルギー剤、めまい治療剤などを製造販売しており、既に医薬品の販売網を有していることや、耳鼻咽喉科領域に加え、その重点領域を頭頸部領域に拡大し新薬開発を行っていることなどから、それぞれの経営資源や両社の強みを相互補完できるものと判断しております。本契約では、同社が有する耳鼻科領域及びがん領域の医療用医薬品候補を対象に共同で研究開発することにより、短期間で製造販売承認を取得し、製造から販売までの一貫体制の下、患者様のQOL向上に役立つ医薬品を早期にお届けすることを目指します。
また、平成30年4月、当社は、ノーリツ鋼機株式会社及び株式会社ジーンテクノサイエンスとの間で事業化ノウハウを組み合わせたバイオ事業の創出を目的とした業務提携契約を締結いたしました。さらに、当社はノーリツ鋼機株式会社が間接的に100%の持分を保有するノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社が所有する株式会社ジーンテクノサイエンスの普通株式500,000株を取得し同社に資本参加するとともに、ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社が当社の普通株式1,500,000株を取得する資本提携を行いました。
(化粧品事業の状況)
化粧品事業につきましては、株式会社アルビオンとの共同開発製品である男性用スカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」のインターネット販売及び美容室でのカウンセリング販売を行っております。顧客から長期的な支持を獲得できるような強いブランドとして育成することを目指した戦略的なマーケティング活動を展開しており、その成果として、大手百貨店や化粧品専門店による取扱いが開始されております。平成29年8月には新規スタイリング用商品(ワックス、スタイリングジェル)を販売開始し、平成29年9月より、女性も販売対象とした「Depth For Share(デプス フォー シェア)」シリーズを新たに展開しております。ラインアップの強化によりお客様のさまざまなニーズに対応可能となり、同ブランドの価値を向上させることを目指しております。
女性用化粧品に関しましては、株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の原材料を供給しております。同社とは、次世代型エクラフチュールの開発に向けた共同研究開発も進めております。このように当社は、医薬品分野のみならず、化粧品分野においても主力成分を封入した高性能ミセル化ナノ粒子技術の研究開発に積極的に取り組んでおります。
以上の結果、当事業年度は、契約収入、化粧品材料供給収入、化粧品売上等により売上高は259,097千円(前事業年度比18.5%増)、営業損失は5,351,438千円(前事業年度営業損失2,712,219千円)、主に定期預金にかかる受取利息26,350千円、主に外貨建て債券にかかる有価証券利息7,627千円、外国為替相場の変動による為替差損11,081千円等により経常損失は5,304,445千円(前事業年度経常損失2,619,075千円)となり、新株予約権戻入益32,707千円、固定資産の減損処理等による減損損失141,381千円等を計上した結果、当期純損失は5,416,808千円(前事業年度当期純損失2,676,049千円)となりました。
財政状態につきましては、当事業年度末における資産は、前事業年度末に比べ5,312,423千円減少し、7,626,996千円となりました。負債は、前事業年度末に比べ93,226千円増加し、2,965,304千円となりました。純資産は、当期純損失の計上等により、前事業年度末に比べ5,405,650千円減少し、4,661,692千円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前事業年度末に比べ4,697,114千円減少し2,688,524千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税引前当期純損失5,413,178千円に、減損損失141,381千円、たな卸資産の減少額124,075千円、前払費用の減少額104,965千円、未払金の減少額113,035千円、未払費用の増加額205,042千円等の調整がされた結果、4,927,585千円の支出(前事業年度は2,525,557千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、214,729千円の収入(前事業年度は597,249千円の支出)となりました。定期預金の預入による支出1,600,762千円、定期預金の払戻による収入2,604,071千円、有価証券の取得による支出9,034,620千円、有価証券の償還による収入8,668,898千円、投資有価証券の取得による支出358,767千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、24,065千円の収入(前事業年度は88,053千円の収入)となりました。新株予約権の行使による株式の発行による収入24,065千円によるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
(2) 受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
(3) 販売実績
当事業年度における販売実績を示すと、次の通りであります。
当事業年度
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
259,09718.5

(注)1.主要な輸出先並びに輸出販売高及び割合は、次の通りであります。
なお、( )内は総販売実績に対する輸出販売高の割合であります
輸出先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
アジア1,020100.0--
合計1,020
(0.5%)
100.0-
(-%)
-

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社アルビオン146,48167.0154,83459.8
アキュルナ株式会社--50,00019.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
第22期事業年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下の通りです。
なお、本項に記載した予想、見込み、見通し、方針などの将来に関する事項は本書提出日(平成30年6月25日)現在において判断したものであり、リスクや不確実性を含んでいます。将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
(1) 財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は6,841,222千円(前事業年度末は12,442,347千円)となり、5,601,124千円減少しました。これは主に現金及び預金の減少5,706,062千円、有価証券の増加344,690千円、たな卸資産の減少124,075千円によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は785,773千円(前事業年度末は497,072千円)となり、288,701千円増加しました。これは主に投資有価証券の増加390,188千円、有形固定資産の減少104,581千円によるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は450,694千円(前事業年度末は369,603千円)となり、81,090千円増加しました。これは主に未払費用の増加205,042千円、未払金の減少111,492千円によるものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は2,514,610千円(前事業年度末は2,502,473千円)となり、12,136千円増加しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は4,661,692千円(前事業年度末は10,067,342千円)となり、5,405,650千円減少しました。これは主に利益剰余金の減少5,416,808千円によるものです。
(2) 経営成績
当事業年度における経営成績については、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(3) キャッシュ・フロー
当事業年度におけるキャッシュ・フローについては、「(業績等の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

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