有価証券報告書-第30期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/26 16:01
【資料】
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【項目】
142項目
(業績等の概要)
(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、米国の関税政策による影響が見られたものの、企業収益や雇用・所得環境は堅調に推移し、設備投資や個人消費が回復傾向にあり、景気は緩やかな回復を維持しております。
このような環境のもと、当社グループは、当連結会計年度において、売上高は174,498千円(前連結会計年度比60.8%増)、営業損失は965,988千円(前連結会計年度営業損失755,349千円)、経常損失は866,939千円(前連結会計年度経常損失687,546千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は943,880千円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失835,380千円)となりました。
なお、当連結会計年度におきまして、以下の営業外収益及び営業外費用並びに特別損失を計上しております。
・外国為替相場の変動による為替差益29,798千円を営業外収益に計上しております。これは主に、当社の保有
する外貨建預金の評価替えにより発生したものであります。
・研究開発等に係る補助金収入76,995千円を営業外収益に計上しております。
・雑収入7,954千円を営業外収益に計上しております。これは主に、当社の連結子会社PrimRNA AU Pty Ltdにおいて、豪州における研究開発税制の適用による還付金を受領したことによるものです。
・支払利息23,139千円を営業外費用に計上しております。これは第1回無担保社債(適格機関投資家限定)に
係る支払利息であります。
・社債発行費25,000千円を営業外費用に計上しております。これは第1回無担保社債(適格機関投資家限定)
を発行したことによるものです。
・減損損失19,790千円を特別損失に計上しております。これは主に、湘南研究所の建物附属設備及び機械装置の
減損処理を行ったことによるものです。
・転換社債償還損54,024千円を特別損失に計上しております。これは第6回無担保転換社債型新株予約権付社
債の繰上償還を行ったことによるものです。
当連結会計年度における各事業の状況は以下のとおりです。
(投資事業の状況)
当社は、2025年12月11日に開催した臨時株主総会において商号を「NANOホールディングス株式会社」へ変更し、戦略的投資事業を正式に開始いたしました。同時に、投資事業への転換を進めるとともに、日本の優れた技術・事業資産をグローバル市場へ接続する投資プラットフォームの構築を推進してまいりました。
国内ではSBIグループ等との連携による案件ソーシング体制を整備し、米国ではNano Holdings USを通じた海外VC・投資家ネットワークの構築、中国ではNorwich Capitalとの協業によるライセンス・治験展開支援を進めるなど、海外展開に向けた基盤構築を進めてまいりました。
日本には世界水準の技術力や創薬シーズを有する企業が多数存在する一方で、グローバル資本市場へのアクセスや海外展開機能が十分ではなく、その潜在価値が十分に評価されていないケースも存在しております。また、政府による創薬力強化政策の拡充により、創薬・ヘルスケア分野を取り巻く事業環境も大きく変化しております。
こうした環境変化を背景に、当社は、日・米・中を接続する投資プラットフォームを通じて、創薬ベンチャーやヘルスケア事業の企業価値向上を支援し、IPO・M&A等のグローバルEXIT戦略を推進することで、中長期的な成長につなげてまいります。
当連結会計年度において、投資専門子会社 Nano Bridge Investment株式会社(NBI)を設立しました。また、2026年1月には適格機関投資家に認定され、SBIホールディングス株式会社の連結子会社であるSBI新生企業投資株式会社を親会社とするSBI新生グロースキャピタル株式会社(SGC)と共同でNBI–SBISGC1号投資事業有限責任組合(Bio Bridge I)を組成いたしました。現在、未公開ヘルスケア企業や大企業の事業分割案件を中心に数十社の企業と秘密保持契約を締結し、投資あるいは事業提携に向けた検討を進めております。
(NANO MRNA事業の状況)
NANO MRNA事業においては、TUG1 ASO及びRUNX1 mRNAの臨床開発を優先して進めております。RNA創薬に関しては、PEGフリーのLNP技術を有するLuna RD株式会社を2026月5月に買収しており、このDDS技術を一つのコア技術として、mRNA或いはオリゴ核酸のプラットフォーム主導型の事業展開を今後加速いたします。in vivo CAR Tの研究開発に関しては、世界的な開発競争が展開されており、当社も優先的に取り組んでまいります。なお、2026年4月1日より、NANO MRNA事業は、新設子会社「NANO MRNA株式会社」に移管いたしました。また、今後の開示方針として、研究開発パイプラインに関する情報につきましては、臨床開発段階にあるもの及び業績に重要な影響を与える事項を除き、非開示とする方針としております。
臨床パイプラインの状況につきましては以下のとおりです。
TUG1 ASO(再発膠芽腫):
2026年4月20日に米国がん学会(AACR)にて名古屋大学大学院 医学研究科 脳神経外科学 齋藤竜太教授より本製剤のPhase I試験の投与レベル4までの最終結果が報告されました。本製剤はレベル4では用量制限毒性を認め、至適用量はレベル3以下に決定されました。重篤な安全性の懸念はなく、対象疾患である難治性の再発膠芽腫に対し、1例で腫瘍の縮小を伴う長期SD(Unconfirmed PR)の所見が得られていることが公表されました。本試験結果を踏まえて、投与量およびスケジュールを再検討するPhaseIb試験の試験実施計画を策定中であり、2026年8月を目途に治験届を提出する予定です。
RUNX1 mRNA(変形性膝関節症):
2025年11月にオーストラリアで治験実施施設がオープンし、Phase I試験を開始し、2026年2月に第1例目の投与が実施され、これまでに合計3例の被験者への投与が実施されております。今後も現地の医療機関と強固に連携し、スクリーニング機会拡大などを通じて登録の加速化を進めています。
販売事業につきましては、株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシア ブライトニング イマキュレート セラム用の当社技術を応用した原材料を供給しております。これにより、当連結会計年度において、原材料の販売による売上高89,900千円を計上しております。
コムレクス®耳科用液1.5%(開発コードENT103)は、2023年6月からセオリアファーマ株式会社により販売されております。契約変更による利益分配方法の見直しにより、当連結会計年度において、売上高84,598千円を計上しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,713,153千円増加し、4,910,354千円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、816,672千円の支出(前連結会計年度は401,617千円の支出)となりました。研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税金等調整前当期純損失940,753千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,261,576千円の収入(前連結会計年度は587,528千円の収入)となりました。定期預金の払戻による収入510,264千円、有価証券の取得による支出4,000,000千円、有価証券の償還による収入5,700,000千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,222,415千円の収入(前連結会計年度は568,775千円の支出)となりました。新株予約権の行使による株式の発行1,221,392千円による収入、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出594,265千円、社債の発行による収入2,475,000千円、社債の償還による支出900,000千円等によるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループは研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
(2)受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
174,498160.8%

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社アルビオン75,70069.789,90051.5
セオリアファーマ株式会社--84,59848.5
日本電気株式会社22,81621.0--

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態
当連結会計年度末における資産は、現金及び預金の増加、有価証券の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,909,455千円増加し、5,906,339千円となりました。負債は、転換社債型新株予約権付社債の償還に伴う減少、社債の発行に伴う増加等により、前連結会計年度末に比べ1,083,544千円増加し、2,340,598千円となりました。純資産は、資本金及び資本準備金の増加、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ825,911千円増加し、3,565,741千円となりました。
(2)経営成績
当連結会計年度における経営成績については、「(業績等の概要) (1)業績」をご参照ください。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費の人件費、NANO MRNA事業の研究開発費、投資事業の運用資金及びM&A等による関係会社株式の取得等によるものであります。
これらの資金需要につきましては、自己資金及び社債の発行、新株予約権の行使等のエクイティファイナンスで調達し、適切な手元流動性の確保及び財務の健全性の維持を図っております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであます。

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