有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/03 15:00
【資料】
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【項目】
143項目

対処すべき課題

当社グループは、展示会やイベントの企画・運営などのマーケティング支援を行う博展を中心に、Webサイト構築やアプリケーション制作・配信・管理プラットフォームやAI・コグニティブ等、最先端のデジタル・テクノロジーを提供するグループ会社にて構成されています。
この度の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、展示会・イベント開催の自粛の影響が現れており、今後も様々な影響が顕在化することが懸念され、将来の不透明感が増しております。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の延期に伴う東京ビッグサイトの一部使用制限の延長による大型展示会開催への影響や、企業の広告宣伝費の抑制継続が予想されるなど、厳しい市場環境が続くものと想定されます。
その一方で、企業のマーケティング活動や人々のコミュニケーションの在り方に大きな変化が生まれようとしており、オンライン上でのプロモーションやブランディング活動への需要が高まっています。今後はグループシナジーをより活かし、リアルとデジタルの垣根を超えた「価値ある体験」を再設計し、新たな生活様式に適応した統合型のコミュニケーションデザインを提供すべく、サービスを進化させてまいります。
このような方針のもと、当社グループの安定した経営基盤を構築すべく、以下の課題に注力し取り組んでまいります。
(1)リアルとデジタルのハイブリッド型のコミュニケーションデザインの確立
近年、顧客より経験や体験による価値創造によるサービスやブランドの認知度や好感度の向上を期待する声が増えてきております。また、新型コロナウイルスをきっかけに、人々の働き方やコミュニケーションの在り方に大きな変動が起きようとしています。こうした中、当社グループは、リアルとデジタルの垣根を超えた「価値ある体験」を再設計し、新たな生活様式に適応した統合型のコミュニケーションデザインの提供を通じて、顧客の永続的なマーケティング・パートナーとしてのポジションを確立してまいります。
具体的な活動としては、オンライン上でのイベントプロモーションサービスの開発、自社ライブ配信スタジオの開設、体験価値に関連する各種調査・研究等を実施するExperience Marketing Labの設立、顧客のエンドユーザーの体験活動の設計と最適なソリューション提供、及び感染症予防観点でのリアルイベント開催の規格の策定・実施運営等を推進してまいります。
(2)業務プロセス改善と戦略的IT活用による新たな働き方の推進
当社のビジネスは、複雑且つ多様な業務オペレーションを数多くの人々が関与し、顧客の要望に柔軟に対応しながら進めており、効率的なオペレーションが課題となっております。
時間と場所に捉われない新たな働き方の機運が社会的に高まっており、顧客や取引先と連携してリモートワークによる業務遂行を引き続き推進してまいります。また、業務プロセスを見直し最適なオペレーションに組み直すと共に、戦略的IT活用により労働生産性を向上させてまいります。
(3)コスト管理の徹底と財務基盤の強化
現在の状況が長期化した場合に備え、販売費及び一般管理費など固定費の見直しを一段と行うとともに、各プロジェクトのコスト管理の徹底を行ってまいります。
また、財務面では複数の金融機関との間で手元流動性を高める調達を交渉中であり、これまで拡大してきた当座貸越契約枠と併せ、当面の資金繰りについては十分に担保されております。また、運転資本の改善にも取り組んでまいります。
(4)コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社は、株主、顧客、従業員、取引先、社会等のステークホルダーに対する社会的責任を果たすとともに、企業価値の最大化を図るためには、各ステークホルダーの立場を踏まえた上で、透明性が高く、公正かつ迅速で、果断な意思決定を行うための仕組みとしてのコーポレート・ガバナンス体制の構築と改善、強化が重要であると認識しております。業容拡大に伴う業務の増大に対応して、常に見直しを図り、内部統制の仕組みを改善し、全社への教育や啓蒙を行うことで、より強固なコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。