有価証券報告書-第18期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策による影響が一部製造業を中心にみられたものの、緩やかに回復しました。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により回復することが期待される一方、米国の通商政策をめぐる動向や金融資本市場の変動の影響等に加え、特に中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰等のリスクに十分注意する必要があります。当社グループの属する情報サービス産業においては、期中に公表された日銀短観におけるソフトウェア投資計画(金融機関を含む全産業)がいずれも前年度比増加を示す等、AIが急速に進化及び普及し、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革がグローバルで進展する中で、IT投資需要の更なる増加が期待されています。
このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2032」の達成に向けて、現在遂行中の中期経営計画(2024-2026)の基本方針に沿って、付加価値を伴った持続的成長を目指すとともに、未来志向で市場開拓と事業領域の拡大を起点としたバリューチェーン全般の質的向上により、社会と顧客の変革の実現を目指してまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,544百万円減少の551,507百万円(前連結会計年度末558,051百万円)となりました。これは主に建物及び構築物・土地がシステム運用業務における長期安定的な事業継続性の確保を目的とした不動産信託受益権の分割取得等により9,572百万円増加、前払費用が6,848百万円増加、運用資産の時価評価等により退職給付に係る資産が5,927百万円増加した一方、有価証券が償還等により28,487百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,793百万円増加の213,780百万円(前連結会計年度末201,986百万円)となりました。これは主に未払費用等の減少により流動負債その他が7,939百万円減少した一方、前受金等の増加により契約負債が9,897百万円増加、訴訟の和解成立により訴訟損失引当金を7,434百万円計上したこと等によるものであります。
なお、有利子負債合計としては、前連結会計年度末に比べ2,187百万円減少の34,824百万円(前連結会計年度末37,012百万円)となり、有利子負債比率も6.3%(前連結会計年度末比0.3ポイント減)となりました。
(注)有利子負債にはリース債務を含めておりません。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ18,337百万円減少の337,726百万円(前連結会計年度末356,064百万円)となりました。これは主に株主資本が、親会社株主に帰属する当期純利益により46,624百万円増加した一方、自己株式の取得等により54,266百万円減少、剰余金の配当により17,096百万円減少したこと等によるものであります。
セグメント別の財政状態は以下のとおりです。
イ.オファリングサービス
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて9,413百万円増加し、218,290百万円となりました。
ロ.BPM
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて3,469百万円増加し、17,254百万円となりました。
ハ.金融IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて20,057百万円減少し、70,579百万円となりました。
ニ.産業IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて12,775百万円減少し、74,479百万円となりました。
ホ.広域ITソリューション
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて3,721百万円増加し、130,829百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高596,479百万円(前期比4.3%増)、営業利益76,229百万円(同10.4%増)、経常利益76,511百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益46,624百万円(同6.8%減)となりました。
売上高については、顧客のデジタル変革をはじめとするIT投資需要への的確な対応やサービス提供の推進による事業拡大等が貢献し、前期を上回りました。営業利益については、増収に伴う増益分に加え、最重要の経営資本である人材への投資をはじめとする成長投資を積極的に実行する一方で、高付加価値ビジネスの提供や生産性向上施策の推進、不採算案件の減少影響により前期比で増益となりました。収益性については、売上総利益率は28.2%(前期比0.2ポイント増)、営業利益率は12.8%(同0.7ポイント増)となりました。経常利益は営業利益の増加により前期比増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損益(純額)の悪化により前期比減益となりました。
なお、当連結会計年度において、特別利益5,118百万円及び特別損失12,677百万円を計上しましたが、この主な内容は、特別利益については政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益4,374百万円であり、特別損失については係争中だった訴訟の和解成立に伴う訴訟損失引当金繰入額7,434百万円や、減損損失2,827百万円です。
セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の売上高を含んでいます。
イ.オファリングサービス
当社グループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供しています。
当連結会計年度の売上高は160,574百万円(前期比10.3%増)、営業利益は10,442百万円(同5.1%増)となりました。決済分野、基盤系、エンタープライズ系をはじめとするIT投資需要の拡大や海外事業の寄与、不採算案件が減少した一方、税理士事務所向けに提供する財務・税務・給与計算システムの更新サイクルに伴う需要が一巡したことや、決済分野における先行投資の増加等により、前期比増収増益となりました。営業利益率は6.5%(同0.3ポイント減)となりました。
ロ.BPM
ビジネスプロセスに関する課題解決に向けてIT技術、業務ノウハウ、人材等で高度化・効率化・アウトソーシングを実現・提供しています。
当連結会計年度の売上高は44,092百万円(前期比3.4%増)、営業利益は6,397百万円(同20.1%増)となりました。DX事業をはじめとする案件獲得や、引き続き効率化施策の推進によるコスト削減を実施したこと等により、前期比増収増益となり、営業利益率は14.5%(同2.0ポイント増)となりました。
ハ.金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当連結会計年度の売上高は98,730百万円(前期比1.5%減)、営業利益は12,729百万円(同3.3%増)となりました。前期から継続しているクレジットカード系の根幹先顧客の大型開発案件のピークアウトに加え一部顧客の運用業務が終了したことが影響したものの、モダナイゼーション関連等の高付加価値ビジネスの推進により前期比減収増益となり、営業利益率は12.9%(同0.6ポイント増)となりました。
ニ.産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当連結会計年度の売上高は133,396百万円(前期比4.1%増)、営業利益は22,507百万円(同16.4%増)となりました。サービス業、製造業、流通業をはじめとした幅広い業種におけるIT投資拡大の動きが全体を牽引したことや、不採算案件が減少したことにより、前期比増収増益となり、営業利益率は16.9%(同1.8ポイント増)となりました。
ホ.広域ITソリューション
ITのプロフェッショナルサービスを地域や顧客サイトを含み、広範に提供し、そのノウハウをソリューションとして蓄積・展開して、課題解決や事業推進を支援しています。
当連結会計年度の売上高は184,238百万円(前期比3.8%増)、営業利益は23,328百万円(同8.1%増)となりました。公共系案件の状況変化に伴う対応による収益性悪化の影響を受けたものの、医療、その他産業系を中心とした幅広いIT投資需要の拡大や、前期に発生した一過性費用の減少もあり、前期比増収増益となり、営業利益率は12.7%(同0.5ポイント増)となりました。
ヘ.その他
各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成されています。
当連結会計年度の売上高は10,397百万円(前期比2.7%増)、営業利益は940百万円(同7.1%増)となり、営業利益率は9.0%(同0.3ポイント増)となりました。
前述の通り、当社グループは、前連結会計年度から「グループビジョン2032」の達成に向けたファーストステージとなる中期経営計画(2024-2026)を遂行しており、引き続き持続的な成長を目指してまいります。詳細は「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」について」をご参照ください。
当連結会計年度における主な取り組み状況等は以下の通りです。
当社は2025年7月30日付公表の「当社子会社(株式会社インテック)との合併に係る基本方針の決定、商号の変更及び監査等委員会設置会社への移行に関するお知らせ」及び2025年10月31日付公表の「当社子会社(株式会社インテック)の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」のとおり、2025年7月30日開催の取締役会において当社の完全子会社である株式会社インテック(以下「インテック」といいます。)の吸収合併を実施することを基本方針として決議し、その後、予定通り2025年10月31日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日とする本合併の実施を決議した上で吸収合併契約を締結いたしました。2008年4月のITホールディングス株式会社の設立による経営統合及び2016年7月の事業持株会社体制への移行を通じて、当社及びインテックの両社はグループの中核会社としてシナジー効果の創出による顧客への提供価値拡大と企業価値向上に取り組んでまいりました。一方、当社グループを取り巻く経営環境の変化等に鑑みると、長期経営方針「グループビジョン2032」の早期かつ確実な実現は極めて重要であり、そのためには、当社とインテックを合併させ、これまで以上に強固な経営・事業基盤を構築することが不可欠であると判断いたしました。本合併により、顧客や社会との価値交換性を高めるとともに、テクノロジーや先鋭人材への戦略的投資を軸とした経営資本の最適配分や中核拠点の更なる提供価値向上を強力に推進し、更なる企業価値の向上を目指してまいります。なお、本合併に伴い当社の商号を「TISI株式会社」に変更することを予定しています。また、これに合わせて、グローバルの視点から国内外のステークホルダーの期待に応えるコーポレートガバナンスのさらなる高度化を実現するため、監査等委員会設置会社へ移行することを予定しています。
合併の基本方針を決定して以降、両社社長を中心として構成するステアリングコミッティでは、総和拡大を念頭に置き、顧客・パートナーとの共創の加速を通じた事業シナジー創出等の重要テーマに関する検討及び協議を鋭意重ねるとともに、分野別に組成されたタスクフォースでは、両社社員があるべき姿を協議した上で施策推進につなげています。また、両社社長が合併の意義や目的等を両社社員向けに説明するタウンホールミーティングや両社社員による対話会の開催等を通じて、両社の融合や一体感の醸成を図っています。
事業ポートフォリオの見直しの観点として、2025年9月に連結子会社である澪標アナリティクス株式会社のAI・データ分析事業(特定顧客を除く。)を当社が吸収分割により2026年4月1日付で承継することを決定するとともに、2026年1月には非連結子会社であるFixel株式会社を2026年4月1日付で吸収合併することを決定しました。 なお、 2026年5月には、当社の完全子会社であるTISソリューションリンク株式会社と株式会社インテック ソリューション パワーの合併に関する基本方針を決定しました。本合併は、グループ全体のバリューチェーン強化による顧客提供価値向上を目指す一環 として、顧客と最も近い価値創出の伴走者としてオンサイトを中心に事業を展開する両社を統合し、経営資源・知的財産の集約とより強固な事業基盤の構築を図るものです。引き続き当社グループのリソースの最適化を図り、事業展開の更なる加速に取り組んでまいります。
また、当社は経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図るため、2025年5月に株主還元を目的とした70億円相当及び資本構成の適正化を図ることを目的とした350億円相当の総額420億円の自己株式の取得を決定しました。これに基づき、2025年5月から12月にかけて、総額約420億円(総数8,656,200株)の自己株式の取得を完了しています。上記の取得分のうち、資本構成の適正化を図ることを目的として取得した自己株式の350億円相当(総数7,833,411株)については、原則として発行済株式総数の5%を上限として自己株式を保有し、これを超過する保有分については消却する当社方針及び将来の株式の希薄化懸念を払拭すること等を勘案し、2026年2月に当初予定どおり消却いたしました。さらに2026年3月には、AIの浸透を踏まえた成長戦略を推進していくことで、今後も持続的な成長及び企業価値向上が実現可能であるとの前提のもと、当社が考える本源的価値に照らせば、当時の株価水準は必ずしも当社の価値が十分に評価されているとは言えないとの認識を踏まえ、中期経営計画の重要経営指標である「ROE16%超」及び「EPS年平均成長率10%超」の達成に資するものとして、総額500億円の自己株式の取得を追加施策として決定しました。取得期間は2026年3月から9月にかけてであり、2026年3月末時点では、139億円(総数4,122,600株)の自己株式を取得しています。なお、 今回の取得には株主還元方針である総還元性向50%に基づく2027年3月期の自己株式取得予定分82億円相当を含んでいます。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて27,554百万円減少し、当連結会計年度末には93,733百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は81,447百万円(前期比17,698百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益68,953百万円(同5,194百万円減)に、資金の増加として、減価償却費17,871百万円(同877百万円減)、減損損失2,827百万円(同1,415百万円減)などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額21,463百万円(同5,629百万円増)などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は30,920百万円(前期比13,178百万円増)となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入5,381百万円(同12,294百万円減)などがあった一方で、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出20,135百万円(同1,315百万円増)、投資有価証券の取得による支出4,806百万円(同4,227百万円減)、無形固定資産の取得による支出7,882百万円(同1,289百万円増)などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は78,362百万円(前期比50,571百万円増)となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入10,700百万円(同3,500百万円増)などがあった一方で、資金の減少として、配当金の支払額17,096百万円(同73百万円減)、自己株式の取得による支出55,929百万円(同48,064百万円増)、長期借入金の返済による支出13,072百万円(同6,029百万円増)などがあったことによるものです。
なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは50,527百万円(前期比4,520百万円増)の黒字となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当社は経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図るため、2025年5月に、株主還元の基本方針である「総還元性向50%」に基づく70億円相当及び資本構成の適正化を図ることを目的とした350億円相当の総額420億円の自己株式の取得を決定しました。これに基づき、2025年5月から12月にかけて、総額約420億円(総数8,656,200株)の自己株式の取得を完了しています。上記の取得分のうち、資本構成の適正化を図る一環として取得した自己株式の350億円相当(総数7,833,411株)については、原則として発行済株式総数の5%を上限として自己株式を保有し、これを超過する保有分については消却する当社方針及び将来の株式の希薄化懸念を払拭すること等を勘案し、2026年2月に当初予定どおり消却いたしました。さらに2026年3月には、AIの浸透を踏まえた成長戦略を推進していくことで、今後も持続的な成長及び企業価値向上が実現可能であるとの前提のもと、当社が考える本源的価値に照らせば、当時の株価水準は必ずしも当社の価値が十分に評価されているとは言えないとの認識を踏まえ、中期経営計画の重要経営指標である「ROE16%超」及び「EPS年平均成長率10%超」の達成に資するものとして、総額500億円の自己株式の取得を追加施策として決定しました。取得期間は2026年3月から9月にかけてであり、2026年3月末時点では、139億円(総数4,122,600株)の自己株式を取得しています。なお、今回の取得には株主還元方針である総還元性向50%に基づく2027年3月期の自己株式取得予定分82億円相当を含んでいます。
自己株式の取得を通じて資本構成の適正化を進め、自己資本比率は58.9%となっています。引き続き積極的な成長投資を可能とする財務健全性を堅持してまいります。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1.8ヶ月となっており、概ね保有方針である月商の2ヶ月程度に沿った水準にあります。キャッシュアロケーションに関しては、構造転換の着実な進展による利益成長及び政策保有株式の縮減等により創出されたキャッシュを、投資・株主還元の強化に加え、資本構成適正化や財務健全性の維持・向上も踏まえた上で財務施策へ積極的に活用することができています。今後もこうした善循環を推進することで経営の質の転換を進めてまいりたいと考えています。
b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績の状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載したとおりであります。
当社グループは、中期経営計画(2024-2026)の基本方針「フロンティア開拓」のもと、付加価値を伴った持続的成長を目指しており、当連結会計年度においても一部に課題はありながら全体としては積極的な事業拡大を通じて業績伸長を果たしました。また、引き続き将来の成長に資する投資を実行しながらも、収益性を向上させる取り組みを推進することができたと考えています。具体的には、成長投資(ソフトウェア投資、人材投資、研究開発投資)の継続的な実施(118億円、前期比4.5億円減)、最重要の経営資本である人材に対する処遇改善による影響(前期比25億円増)等がある中においても、高付加価値ビジネスの提供や生産性向上施策等を推進しました。加えて、不採算案件が前期比で12億円減少したことも寄与し、売上総利益率は前期比0.2ポイント増の28.2%となりました。また、営業利益率は販管費率の低下を受けて同0.7ポイント増の12.8%となりました。
c.経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
当社グループは、利益成長に基づくキャッシュ創出力の向上により、積極的な成長投資と株主還元の充実化を推進することを中期経営計画(2024-2026)における財務投資戦略及びキャッシュアロケーションの基本方針としています。当連結会計年度においては上記方針に基づいて、事業利益の成長等に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増加に加え、政策保有株式の縮減等によりキャッシュを創出し、内部強化を目的とした成長投資(人材、R&D及びソフトウエア)やM&A等に充当するとともに、株主還元総額(配当及び自己株式の取得の合計)を増加させました。当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは505億円の黒字であり、利益成長及び安定的なキャッシュ創出力は高い水準を維持していると考えています。なお、前連結会計年度比45億円の増加は、付加価値を伴った持続的成長で、積極的な事業拡大を通じて業績伸長を果たしたことによるものと考えています。
b.資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要
当社グループの資金需要について、営業活動においては、人件費・外注費及び材料費などの支払いに充当する運転資金が主な内容になり、事業規模の拡大に応じて運転資金は増加傾向にあります。なお、当社グループにとって最重要の経営資本である人材との価値交換性の向上を追求する一環として、継続的な処遇改善を実施しております。投資活動においては、中期経営計画(2024-2026)において、3年間で約1,000億円を想定する投資戦略に基づき、内部強化を目的とした成長投資(人材、R&D及びソフトウエア)のほか、ペイメント領域やバリューチェーン拡大等に向けたオファリングサービスの確立を軸とした差別化・集中化のためのM&Aや新技術獲得のための出資といった成長投資を実施しております。また、設備投資として、働く環境の整備、改善を推進することを目的とした経常的な設備の更新、増設等に加えて、システム運用業務における長期安定的な事業継続性の確保を目的とした不動産信託受益権の分割取得を実施しております。
ロ.財務政策
自己資本当期純利益率(ROE)については、引き続き資本効率性を意識した経営を推進していく中、一過性要因を除いて前連結会計年度を上回る水準を実現するという考えから最低ラインとして16.0%超を中期経営計画(2024-2026)における目標とし、長期視点では20.0%超を実現できる企業への成長を目指しています。
当連結会計年度のROEは、主に訴訟損失引当金繰入額7,434百万円および減損損失2,827百万円等の一過性の費用を計上したことにより、14.0%と前期比で1.3ポイント低下していますが、経常利益までは前期比で増益を確保しており、事業活動に基づく収益力は着実に成長しています。加えて、資本構成の適正化を目的とした自己株式の取得を実施するなど、バランスシートマネジメントの強化を通じた資本効率向上施策も継続して推進しています。これらの取り組みにより、翌連結会計年度のROEは目標とする16.0%超を上回る17.5%を予想し、中長期的にも資本収益性の向上を図っていく考えであることから、当期におけるROEの低下は一過性のものと認識しています。
なお、当社グループは、現金及び預金はコミットメントライン契約を含めて月商の2ヶ月程度を保有する方針としております。必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することが基本的な考えです。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮して実施する前提としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策による影響が一部製造業を中心にみられたものの、緩やかに回復しました。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により回復することが期待される一方、米国の通商政策をめぐる動向や金融資本市場の変動の影響等に加え、特に中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰等のリスクに十分注意する必要があります。当社グループの属する情報サービス産業においては、期中に公表された日銀短観におけるソフトウェア投資計画(金融機関を含む全産業)がいずれも前年度比増加を示す等、AIが急速に進化及び普及し、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革がグローバルで進展する中で、IT投資需要の更なる増加が期待されています。
このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2032」の達成に向けて、現在遂行中の中期経営計画(2024-2026)の基本方針に沿って、付加価値を伴った持続的成長を目指すとともに、未来志向で市場開拓と事業領域の拡大を起点としたバリューチェーン全般の質的向上により、社会と顧客の変革の実現を目指してまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 増減額 | |
| 流動資産 | 319,080 | 295,295 | △23,785 |
| 固定資産 | 238,970 | 256,211 | +17,241 |
| 資産合計 | 558,051 | 551,507 | △6,544 |
| 流動負債 | 153,210 | 164,190 | +10,980 |
| 固定負債 | 48,775 | 49,589 | +813 |
| 負債合計 | 201,986 | 213,780 | +11,793 |
| 純資産合計 | 356,064 | 337,726 | △18,337 |
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,544百万円減少の551,507百万円(前連結会計年度末558,051百万円)となりました。これは主に建物及び構築物・土地がシステム運用業務における長期安定的な事業継続性の確保を目的とした不動産信託受益権の分割取得等により9,572百万円増加、前払費用が6,848百万円増加、運用資産の時価評価等により退職給付に係る資産が5,927百万円増加した一方、有価証券が償還等により28,487百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,793百万円増加の213,780百万円(前連結会計年度末201,986百万円)となりました。これは主に未払費用等の減少により流動負債その他が7,939百万円減少した一方、前受金等の増加により契約負債が9,897百万円増加、訴訟の和解成立により訴訟損失引当金を7,434百万円計上したこと等によるものであります。
なお、有利子負債合計としては、前連結会計年度末に比べ2,187百万円減少の34,824百万円(前連結会計年度末37,012百万円)となり、有利子負債比率も6.3%(前連結会計年度末比0.3ポイント減)となりました。
(注)有利子負債にはリース債務を含めておりません。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ18,337百万円減少の337,726百万円(前連結会計年度末356,064百万円)となりました。これは主に株主資本が、親会社株主に帰属する当期純利益により46,624百万円増加した一方、自己株式の取得等により54,266百万円減少、剰余金の配当により17,096百万円減少したこと等によるものであります。
セグメント別の財政状態は以下のとおりです。
イ.オファリングサービス
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて9,413百万円増加し、218,290百万円となりました。
ロ.BPM
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて3,469百万円増加し、17,254百万円となりました。
ハ.金融IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて20,057百万円減少し、70,579百万円となりました。
ニ.産業IT
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて12,775百万円減少し、74,479百万円となりました。
ホ.広域ITソリューション
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べて3,721百万円増加し、130,829百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高596,479百万円(前期比4.3%増)、営業利益76,229百万円(同10.4%増)、経常利益76,511百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益46,624百万円(同6.8%減)となりました。
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | |
| 売上高 | 571,687 | 596,479 | +4.3% |
| 売上原価 | 411,480 | 428,145 | +4.0% |
| 売上総利益 | 160,206 | 168,334 | +5.1% |
| 売上総利益率 | 28.0% | 28.2% | +0.2P |
| 販売費及び一般管理費 | 91,158 | 92,105 | +1.0% |
| 営業利益 | 69,047 | 76,229 | +10.4% |
| 営業利益率 | 12.1% | 12.8% | +0.7P |
| 経常利益 | 70,503 | 76,511 | +8.5% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 50,012 | 46,624 | △6.8% |
売上高については、顧客のデジタル変革をはじめとするIT投資需要への的確な対応やサービス提供の推進による事業拡大等が貢献し、前期を上回りました。営業利益については、増収に伴う増益分に加え、最重要の経営資本である人材への投資をはじめとする成長投資を積極的に実行する一方で、高付加価値ビジネスの提供や生産性向上施策の推進、不採算案件の減少影響により前期比で増益となりました。収益性については、売上総利益率は28.2%(前期比0.2ポイント増)、営業利益率は12.8%(同0.7ポイント増)となりました。経常利益は営業利益の増加により前期比増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損益(純額)の悪化により前期比減益となりました。
なお、当連結会計年度において、特別利益5,118百万円及び特別損失12,677百万円を計上しましたが、この主な内容は、特別利益については政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益4,374百万円であり、特別損失については係争中だった訴訟の和解成立に伴う訴訟損失引当金繰入額7,434百万円や、減損損失2,827百万円です。
セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の売上高を含んでいます。
| (単位:百万円) | ||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | ||
| オファリング サービス | 売上高 | 145,515 | 160,574 | +10.3% |
| 営業利益 | 9,937 | 10,442 | +5.1% | |
| 営業利益率 | 6.8% | 6.5% | △0.3P | |
| BPM | 売上高 | 42,646 | 44,092 | +3.4% |
| 営業利益 | 5,326 | 6,397 | +20.1% | |
| 営業利益率 | 12.5% | 14.5% | +2.0P | |
| 金融IT | 売上高 | 100,252 | 98,730 | △1.5% |
| 営業利益 | 12,321 | 12,729 | +3.3% | |
| 営業利益率 | 12.3% | 12.9% | +0.6P | |
| 産業IT | 売上高 | 128,120 | 133,396 | +4.1% |
| 営業利益 | 19,330 | 22,507 | +16.4% | |
| 営業利益率 | 15.1% | 16.9% | +1.8P | |
| 広域IT ソリューション | 売上高 | 177,425 | 184,238 | +3.8% |
| 営業利益 | 21,576 | 23,328 | +8.1% | |
| 営業利益率 | 12.2% | 12.7% | +0.5P | |
| その他 | 売上高 | 10,123 | 10,397 | +2.7% |
| 営業利益 | 877 | 940 | +7.1% | |
| 営業利益率 | 8.7% | 9.0% | +0.3P | |
イ.オファリングサービス
当社グループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供しています。
当連結会計年度の売上高は160,574百万円(前期比10.3%増)、営業利益は10,442百万円(同5.1%増)となりました。決済分野、基盤系、エンタープライズ系をはじめとするIT投資需要の拡大や海外事業の寄与、不採算案件が減少した一方、税理士事務所向けに提供する財務・税務・給与計算システムの更新サイクルに伴う需要が一巡したことや、決済分野における先行投資の増加等により、前期比増収増益となりました。営業利益率は6.5%(同0.3ポイント減)となりました。
ロ.BPM
ビジネスプロセスに関する課題解決に向けてIT技術、業務ノウハウ、人材等で高度化・効率化・アウトソーシングを実現・提供しています。
当連結会計年度の売上高は44,092百万円(前期比3.4%増)、営業利益は6,397百万円(同20.1%増)となりました。DX事業をはじめとする案件獲得や、引き続き効率化施策の推進によるコスト削減を実施したこと等により、前期比増収増益となり、営業利益率は14.5%(同2.0ポイント増)となりました。
ハ.金融IT
金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当連結会計年度の売上高は98,730百万円(前期比1.5%減)、営業利益は12,729百万円(同3.3%増)となりました。前期から継続しているクレジットカード系の根幹先顧客の大型開発案件のピークアウトに加え一部顧客の運用業務が終了したことが影響したものの、モダナイゼーション関連等の高付加価値ビジネスの推進により前期比減収増益となり、営業利益率は12.9%(同0.6ポイント増)となりました。
ニ.産業IT
金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。
当連結会計年度の売上高は133,396百万円(前期比4.1%増)、営業利益は22,507百万円(同16.4%増)となりました。サービス業、製造業、流通業をはじめとした幅広い業種におけるIT投資拡大の動きが全体を牽引したことや、不採算案件が減少したことにより、前期比増収増益となり、営業利益率は16.9%(同1.8ポイント増)となりました。
ホ.広域ITソリューション
ITのプロフェッショナルサービスを地域や顧客サイトを含み、広範に提供し、そのノウハウをソリューションとして蓄積・展開して、課題解決や事業推進を支援しています。
当連結会計年度の売上高は184,238百万円(前期比3.8%増)、営業利益は23,328百万円(同8.1%増)となりました。公共系案件の状況変化に伴う対応による収益性悪化の影響を受けたものの、医療、その他産業系を中心とした幅広いIT投資需要の拡大や、前期に発生した一過性費用の減少もあり、前期比増収増益となり、営業利益率は12.7%(同0.5ポイント増)となりました。
ヘ.その他
各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成されています。
当連結会計年度の売上高は10,397百万円(前期比2.7%増)、営業利益は940百万円(同7.1%増)となり、営業利益率は9.0%(同0.3ポイント増)となりました。
前述の通り、当社グループは、前連結会計年度から「グループビジョン2032」の達成に向けたファーストステージとなる中期経営計画(2024-2026)を遂行しており、引き続き持続的な成長を目指してまいります。詳細は「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」について」をご参照ください。
当連結会計年度における主な取り組み状況等は以下の通りです。
当社は2025年7月30日付公表の「当社子会社(株式会社インテック)との合併に係る基本方針の決定、商号の変更及び監査等委員会設置会社への移行に関するお知らせ」及び2025年10月31日付公表の「当社子会社(株式会社インテック)の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」のとおり、2025年7月30日開催の取締役会において当社の完全子会社である株式会社インテック(以下「インテック」といいます。)の吸収合併を実施することを基本方針として決議し、その後、予定通り2025年10月31日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日とする本合併の実施を決議した上で吸収合併契約を締結いたしました。2008年4月のITホールディングス株式会社の設立による経営統合及び2016年7月の事業持株会社体制への移行を通じて、当社及びインテックの両社はグループの中核会社としてシナジー効果の創出による顧客への提供価値拡大と企業価値向上に取り組んでまいりました。一方、当社グループを取り巻く経営環境の変化等に鑑みると、長期経営方針「グループビジョン2032」の早期かつ確実な実現は極めて重要であり、そのためには、当社とインテックを合併させ、これまで以上に強固な経営・事業基盤を構築することが不可欠であると判断いたしました。本合併により、顧客や社会との価値交換性を高めるとともに、テクノロジーや先鋭人材への戦略的投資を軸とした経営資本の最適配分や中核拠点の更なる提供価値向上を強力に推進し、更なる企業価値の向上を目指してまいります。なお、本合併に伴い当社の商号を「TISI株式会社」に変更することを予定しています。また、これに合わせて、グローバルの視点から国内外のステークホルダーの期待に応えるコーポレートガバナンスのさらなる高度化を実現するため、監査等委員会設置会社へ移行することを予定しています。
合併の基本方針を決定して以降、両社社長を中心として構成するステアリングコミッティでは、総和拡大を念頭に置き、顧客・パートナーとの共創の加速を通じた事業シナジー創出等の重要テーマに関する検討及び協議を鋭意重ねるとともに、分野別に組成されたタスクフォースでは、両社社員があるべき姿を協議した上で施策推進につなげています。また、両社社長が合併の意義や目的等を両社社員向けに説明するタウンホールミーティングや両社社員による対話会の開催等を通じて、両社の融合や一体感の醸成を図っています。
事業ポートフォリオの見直しの観点として、2025年9月に連結子会社である澪標アナリティクス株式会社のAI・データ分析事業(特定顧客を除く。)を当社が吸収分割により2026年4月1日付で承継することを決定するとともに、2026年1月には非連結子会社であるFixel株式会社を2026年4月1日付で吸収合併することを決定しました。 なお、 2026年5月には、当社の完全子会社であるTISソリューションリンク株式会社と株式会社インテック ソリューション パワーの合併に関する基本方針を決定しました。本合併は、グループ全体のバリューチェーン強化による顧客提供価値向上を目指す一環 として、顧客と最も近い価値創出の伴走者としてオンサイトを中心に事業を展開する両社を統合し、経営資源・知的財産の集約とより強固な事業基盤の構築を図るものです。引き続き当社グループのリソースの最適化を図り、事業展開の更なる加速に取り組んでまいります。
また、当社は経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図るため、2025年5月に株主還元を目的とした70億円相当及び資本構成の適正化を図ることを目的とした350億円相当の総額420億円の自己株式の取得を決定しました。これに基づき、2025年5月から12月にかけて、総額約420億円(総数8,656,200株)の自己株式の取得を完了しています。上記の取得分のうち、資本構成の適正化を図ることを目的として取得した自己株式の350億円相当(総数7,833,411株)については、原則として発行済株式総数の5%を上限として自己株式を保有し、これを超過する保有分については消却する当社方針及び将来の株式の希薄化懸念を払拭すること等を勘案し、2026年2月に当初予定どおり消却いたしました。さらに2026年3月には、AIの浸透を踏まえた成長戦略を推進していくことで、今後も持続的な成長及び企業価値向上が実現可能であるとの前提のもと、当社が考える本源的価値に照らせば、当時の株価水準は必ずしも当社の価値が十分に評価されているとは言えないとの認識を踏まえ、中期経営計画の重要経営指標である「ROE16%超」及び「EPS年平均成長率10%超」の達成に資するものとして、総額500億円の自己株式の取得を追加施策として決定しました。取得期間は2026年3月から9月にかけてであり、2026年3月末時点では、139億円(総数4,122,600株)の自己株式を取得しています。なお、 今回の取得には株主還元方針である総還元性向50%に基づく2027年3月期の自己株式取得予定分82億円相当を含んでいます。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて27,554百万円減少し、当連結会計年度末には93,733百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は81,447百万円(前期比17,698百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益68,953百万円(同5,194百万円減)に、資金の増加として、減価償却費17,871百万円(同877百万円減)、減損損失2,827百万円(同1,415百万円減)などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額21,463百万円(同5,629百万円増)などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は30,920百万円(前期比13,178百万円増)となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入5,381百万円(同12,294百万円減)などがあった一方で、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出20,135百万円(同1,315百万円増)、投資有価証券の取得による支出4,806百万円(同4,227百万円減)、無形固定資産の取得による支出7,882百万円(同1,289百万円増)などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は78,362百万円(前期比50,571百万円増)となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入10,700百万円(同3,500百万円増)などがあった一方で、資金の減少として、配当金の支払額17,096百万円(同73百万円減)、自己株式の取得による支出55,929百万円(同48,064百万円増)、長期借入金の返済による支出13,072百万円(同6,029百万円増)などがあったことによるものです。
なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは50,527百万円(前期比4,520百万円増)の黒字となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| オファリングサービス(百万円) | 42,763 | 105.7 |
| BPM(百万円) | 134,427 | 108.7 |
| 金融IT(百万円) | 96,937 | 99,6 |
| 産業IT(百万円) | 133,202 | 102.6 |
| 広域ITソリューション(百万円) | 179,417 | 103.9 |
| 報告セグメント計(百万円) | 586,749 | 104.0 |
| その他(百万円) | - | - |
| 合計(百万円) | 586,749 | 104.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| オファリングサービス | 144,181 | 105.4 | 50,000 | 102.1 |
| BPM | 43,454 | 106.2 | 8,594 | 108.2 |
| 金融IT | 100,593 | 107.3 | 44,474 | 108.9 |
| 産業IT | 135,186 | 101.1 | 45,428 | 105.6 |
| 広域ITソリューション | 182,390 | 106.1 | 62,272 | 109.6 |
| 報告セグメント計 | 605,805 | 105.0 | 210,769 | 106.7 |
| その他 | - | - | - | - |
| 合計 | 605,805 | 105.0 | 210,769 | 106.7 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| オファリングサービス(百万円) | 144,593 | 109.8 |
| BPM(百万円) | 42,803 | 105.6 |
| 金融IT(百万円) | 96,941 | 98.0 |
| 産業IT(百万円) | 132,791 | 104.0 |
| 広域ITソリューション(百万円) | 176,953 | 103.8 |
| 報告セグメント計(百万円) | 594,083 | 104.4 |
| その他(百万円) | 2,396 | 95.6 |
| 合計(百万円) | 596,479 | 104.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当社は経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図るため、2025年5月に、株主還元の基本方針である「総還元性向50%」に基づく70億円相当及び資本構成の適正化を図ることを目的とした350億円相当の総額420億円の自己株式の取得を決定しました。これに基づき、2025年5月から12月にかけて、総額約420億円(総数8,656,200株)の自己株式の取得を完了しています。上記の取得分のうち、資本構成の適正化を図る一環として取得した自己株式の350億円相当(総数7,833,411株)については、原則として発行済株式総数の5%を上限として自己株式を保有し、これを超過する保有分については消却する当社方針及び将来の株式の希薄化懸念を払拭すること等を勘案し、2026年2月に当初予定どおり消却いたしました。さらに2026年3月には、AIの浸透を踏まえた成長戦略を推進していくことで、今後も持続的な成長及び企業価値向上が実現可能であるとの前提のもと、当社が考える本源的価値に照らせば、当時の株価水準は必ずしも当社の価値が十分に評価されているとは言えないとの認識を踏まえ、中期経営計画の重要経営指標である「ROE16%超」及び「EPS年平均成長率10%超」の達成に資するものとして、総額500億円の自己株式の取得を追加施策として決定しました。取得期間は2026年3月から9月にかけてであり、2026年3月末時点では、139億円(総数4,122,600株)の自己株式を取得しています。なお、今回の取得には株主還元方針である総還元性向50%に基づく2027年3月期の自己株式取得予定分82億円相当を含んでいます。
自己株式の取得を通じて資本構成の適正化を進め、自己資本比率は58.9%となっています。引き続き積極的な成長投資を可能とする財務健全性を堅持してまいります。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1.8ヶ月となっており、概ね保有方針である月商の2ヶ月程度に沿った水準にあります。キャッシュアロケーションに関しては、構造転換の着実な進展による利益成長及び政策保有株式の縮減等により創出されたキャッシュを、投資・株主還元の強化に加え、資本構成適正化や財務健全性の維持・向上も踏まえた上で財務施策へ積極的に活用することができています。今後もこうした善循環を推進することで経営の質の転換を進めてまいりたいと考えています。
b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績の状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載したとおりであります。
当社グループは、中期経営計画(2024-2026)の基本方針「フロンティア開拓」のもと、付加価値を伴った持続的成長を目指しており、当連結会計年度においても一部に課題はありながら全体としては積極的な事業拡大を通じて業績伸長を果たしました。また、引き続き将来の成長に資する投資を実行しながらも、収益性を向上させる取り組みを推進することができたと考えています。具体的には、成長投資(ソフトウェア投資、人材投資、研究開発投資)の継続的な実施(118億円、前期比4.5億円減)、最重要の経営資本である人材に対する処遇改善による影響(前期比25億円増)等がある中においても、高付加価値ビジネスの提供や生産性向上施策等を推進しました。加えて、不採算案件が前期比で12億円減少したことも寄与し、売上総利益率は前期比0.2ポイント増の28.2%となりました。また、営業利益率は販管費率の低下を受けて同0.7ポイント増の12.8%となりました。
c.経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
当社グループは、利益成長に基づくキャッシュ創出力の向上により、積極的な成長投資と株主還元の充実化を推進することを中期経営計画(2024-2026)における財務投資戦略及びキャッシュアロケーションの基本方針としています。当連結会計年度においては上記方針に基づいて、事業利益の成長等に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増加に加え、政策保有株式の縮減等によりキャッシュを創出し、内部強化を目的とした成長投資(人材、R&D及びソフトウエア)やM&A等に充当するとともに、株主還元総額(配当及び自己株式の取得の合計)を増加させました。当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは505億円の黒字であり、利益成長及び安定的なキャッシュ創出力は高い水準を維持していると考えています。なお、前連結会計年度比45億円の増加は、付加価値を伴った持続的成長で、積極的な事業拡大を通じて業績伸長を果たしたことによるものと考えています。
b.資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要
当社グループの資金需要について、営業活動においては、人件費・外注費及び材料費などの支払いに充当する運転資金が主な内容になり、事業規模の拡大に応じて運転資金は増加傾向にあります。なお、当社グループにとって最重要の経営資本である人材との価値交換性の向上を追求する一環として、継続的な処遇改善を実施しております。投資活動においては、中期経営計画(2024-2026)において、3年間で約1,000億円を想定する投資戦略に基づき、内部強化を目的とした成長投資(人材、R&D及びソフトウエア)のほか、ペイメント領域やバリューチェーン拡大等に向けたオファリングサービスの確立を軸とした差別化・集中化のためのM&Aや新技術獲得のための出資といった成長投資を実施しております。また、設備投資として、働く環境の整備、改善を推進することを目的とした経常的な設備の更新、増設等に加えて、システム運用業務における長期安定的な事業継続性の確保を目的とした不動産信託受益権の分割取得を実施しております。
ロ.財務政策
自己資本当期純利益率(ROE)については、引き続き資本効率性を意識した経営を推進していく中、一過性要因を除いて前連結会計年度を上回る水準を実現するという考えから最低ラインとして16.0%超を中期経営計画(2024-2026)における目標とし、長期視点では20.0%超を実現できる企業への成長を目指しています。
当連結会計年度のROEは、主に訴訟損失引当金繰入額7,434百万円および減損損失2,827百万円等の一過性の費用を計上したことにより、14.0%と前期比で1.3ポイント低下していますが、経常利益までは前期比で増益を確保しており、事業活動に基づく収益力は着実に成長しています。加えて、資本構成の適正化を目的とした自己株式の取得を実施するなど、バランスシートマネジメントの強化を通じた資本効率向上施策も継続して推進しています。これらの取り組みにより、翌連結会計年度のROEは目標とする16.0%超を上回る17.5%を予想し、中長期的にも資本収益性の向上を図っていく考えであることから、当期におけるROEの低下は一過性のものと認識しています。
なお、当社グループは、現金及び預金はコミットメントライン契約を含めて月商の2ヶ月程度を保有する方針としております。必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することが基本的な考えです。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮して実施する前提としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。