有価証券報告書-第118期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/23 9:01
【資料】
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【項目】
169項目
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
a.監査活動の基本方針
監査等委員会は、グループの監督機能の一翼を担い、株主の負託を受けて取締役の職務執行を監査する法定の独立の機関として、株主をはじめとする様々なステークホルダーの利害等に配慮の上、その職務を適正に遂行することにより、社会的な信頼に応えるための企業統治体制の確立に寄与、グループの健全で持続的な成長及び中長期的な企業価値創造を実現することへの貢献を目指しております。
b.組織・人員
当社の監査等委員会は取締役5名で構成されており、このうち過半数の3名が社外取締役であります。監査等委員である取締役には、その役割・責務を実効的に果たすために適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する十分な知見を有する者を選任しております。また、現在監査等委員会の委員長は、互選により上席常勤監査等委員長濱守信が務めております。個々の監査等委員の経歴等は次のとおりであります。
役職名氏名経歴等
上席常勤監査等委員長濱 守信当社グループの一員として、主にコンプライアンス、内部監査、法務、秘書及び総務業務等に従事し、生命保険事業に関する豊富な業務知識・経験を有しております。
常勤監査等委員近藤 総一当社グループの一員として、主に収益管理及び財務関連業務等に従事し、生命保険事業に関する豊富な業務知識・経験を有しております。
監査等委員佐藤 りえ子主に弁護士としての豊富な経験や高度かつ専門的な知識及び他の会社の社外取締役・社外監査役としての豊富な経験を有しております。
監査等委員朱 殷卿主に金融機関における企業経営者としての豊富な経験や高い見識及び他の会社の社外取締役としての豊富な経験を有しております。
監査等委員増田 宏一主に公認会計士としての豊富な経験や高度かつ専門的な知識及び他の会社の社外取締役・社外監査役としての豊富な経験を有しております。

また、監査等委員の職務を遂行する組織として監査等委員会室を設置し、2020年3月末時点で適正な知識、能力、経験を有する専任スタッフを11名配置し、監査等委員の職務遂行のサポートを行っております。当該監査等委員スタッフの人事異動、業績評価等に関しては監査等委員と協議を行う等、取締役からの独立性及び監査等委員の指示の実効性を確保しております。
c.監査等委員会の活動状況
監査等委員会は、原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時に開催することとしております。当事業年度は合計21回開催し、1回あたりの所要時間は約1時間30分であります。監査等委員の出席率は99%であります。(増田宏一氏は21回中20回出席。その他4名の監査等委員は全て出席)
監査等委員会では、年間を通じ次のような決議、報告、協議がなされました。
決議24件監査等基本方針・監査等計画、役員の選任・報酬に関する意見形成
内部監査計画の同意
会計監査人の解任または不再任、会計監査人の報酬に関する同意
監査実施結果、監査報告書等
報告86件業務執行取締役へのヒアリング、グループ会社社長へのヒアリング
重要会議等の報告(経営会議等)
会計監査人による監査およびレビュー報告
会計監査の実施状況、内部監査結果、重要なリスクに係る取組み、コンプライアンス推進の状況、内部通報等
協議1件監査等委員の報酬

また、監査等委員会を補完し、グループの監査活動その他の情報共有を図るため国内グループ会社の常勤監査等委員及び常任監査役等が参加する監査役連絡会を開催しております。
d.監査等委員の主な活動
監査等委員は、取締役会(当事業年度は合計11回開催)に出席し、取締役の職務執行を監査しております。当事業年度における監査等委員の出席率は98%であります(社外監査等委員97%、社内常勤監査等委員100%)。加えて、常勤監査等委員は、経営会議(当事業年度は合計21回開催)等の重要会議に出席し、報告事項・審議状況等を確認しております。また、監査等委員会において、代表取締役社長を含む業務執行取締役等11名を個別に招致し、業務執行に係る課題認識や取組方針のヒアリングを実施するとともに、課題が認められた場合には必要に応じ、意見、提言を行っております。
その他、常勤監査等委員は、各ユニットからの定例報告及び重要な決裁書等の閲覧による各ユニットの業務遂行状況の確認、海外子会社(地域統括会社を含む)への往査等の実施並びに内部監査部門及び内部統制部門との緊密な連携を通じ、効率的な監査を実施しており、必要に応じて、各部門の執行役員およびユニット長から報告を受け、意見交換をしております。
監査等委員会は、当事業年度は主として(a)国内事業構造の進化、(b)海外生命保険事業・アセットマネジメント事業の基盤拡大、(c)イノベーションの創出、(d)成長リソースの確保と経営態勢の強化、(e)会計監査、に係る取組みを重点監査項目として取り組みました。
また、監査等委員佐藤りえ子は、取締役会の任意の諮問機関である指名諮問委員会の委員に就任し、当事業年度は3回出席いたしました。
同じく、監査等委員朱殷卿、監査等委員増田宏一は、取締役会の任意の諮問機関である報酬諮問委員会の委員に就任し、当事業年度は監査等委員朱殷卿が3回、監査等委員増田宏一が2回出席いたしました。加えて、上席常勤監査等委員長濱守信は、両委員会にオブザーバーとして、指名諮問委員会に1回、報酬諮問委員会に3回出席いたしました。
(a)国内事業構造の進化
業務執行取締役へのヒアリング及び重要会議への参加等を通じて、グループ戦略の実効性並びに第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社及びネオファースト生命保険株式会社それぞれの事業計画・施策の遂行状況を確認いたしました。
(b)海外生命保険事業・アセットマネジメント事業の基盤拡大
業務執行取締役へのヒアリングや日常監査を通じ、海外生命保険事業及び国内外アセットマネジメント事業における戦略の取組状況や各社の事業計画・施策の遂行状況を確認いたしました。また、海外グループ会社を対象とした往査を実施し、各社経営陣とのコミュニケーションを通じて、海外グループ各社の経営環境認識、事業戦略、及びそれを支える経営管理・内部統制状況等を確認いたしました。なお、海外往査には社外監査等委員も適宜同行しております。
(c)イノベーションの創出
テクノロジーを活用した新規顧客展開や新たな事業モデルの創出に向けた検討・取組状況や、海外往査時に当該グループ事業会社のInsTech(Insurance Technology)の取組状況を確認いたしました。
(d)成長リソースの確保と経営態勢の強化
成長リソースの確保の観点から、資本・資源配賦の基本的な考え方及び枠組の妥当性並びにリスク管理状況を確認いたしました。また、生産性向上・効率化推進に係る取組みについて、働き方改革の各種取組状況及び人財育成面等の課題への対応状況を把握し、監査等委員会においてグループ各社への展開状況を共有・確認いたしました。
経営態勢の強化の観点からは、国内グループ会社については内部統制システム全般の構築・運用状況、顧客本位の業務運営の取組状況等を確認するとともに、海外グループ会社についても、グループコンプライアンス推進取組方針に基づく各種取組み、特に米国、豪州については顧客保護や情報資産保護、アジア各社はマネー・ローンダリング防止・贈収賄防止態勢強化の状況を確認しております。
(e)会計監査
監査法人、内部監査部門及び執行部門とコミュニケーションを行い、適切な会計監査を実施するとともに、監査法人については当社及び当社グループを取り巻く環境に基づくリスク認識を踏まえた適切な監査計画であること、及び監査の方法が相当であることを確認いたしました。
また、「監査上の主要な検討事項(KAM,Key Audit Matter)」について、2020年3月期決算に係る財務諸表監査からの導入に向け監査法人と協議するとともに、関連する情報開示の適切性・整合性等について確認いたしました。
② 内部監査、監査等委員会監査及び会計監査の相互連携等
監査等委員会は、会計監査人との定期及び随時の会合において、会計監査人の監査計画や、会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制、監査結果、会計監査人が把握した内部統制の状況及びその他重要な事項について報告を受けるとともに、意見交換を行う等、緊密に連携しております。また、内部監査部門である監査ユニットが作成する内部監査計画は監査等委員会の同意を必要とし、また定期及び随時に内部監査結果の報告を受け、内部統制システムの整備及びその運用状況等について確認を行うとともに、内部統制担当所管等からも、定期及び随時に報告を受け、確認を行っております。
監査ユニットは、会計監査人との定期及び随時の会合において、会計監査人より監査の状況や監査結果等について報告を受けるとともに、会計監査人の求めに応じて内部監査の規程、実施状況及び内部監査結果等を報告する等、緊密に連携しております。
常勤の監査等委員、監査ユニット及び会計監査人が一堂に会する三様監査会議も行っており、緊密に連携しております。
③ 会計監査の状況
a 会計監査人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b 継続監査期間
3年間
c 業務を執行した公認会計士
業務執行社員 寺澤 豊
同 三輪 登信
同 関 賢二
d 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士11名、その他27名であります。
e 会計監査人の選定方針と理由
当社の監査等委員会は、会計監査人を選定する場合、同委員会が定める「会計監査人の選解任等の決定に関する方針」に基づき、監査法人の概要(品質管理体制、適格性、専門性、独立性)、監査の実施体制等(監査の体制・方法)、公認会計士・監査審査会検査結果及び日本公認会計士協会による品質管理レビュー結果及び監査報酬見積額、等の事項を確認しております。また、会社法第340条第1項各号に掲げる事由が発生し、監査等委員の全員が認めたときは、会計監査人を解任できます。監査等委員会は、同委員会が定める「会計監査人の選解任等の決定に関する方針」に従い、会計監査人の適格性、監査計画や監査実施状況の相当性等を確認しており、会計監査人がその職務を適正かつ適切に遂行することが困難であると認めたとき、又はその他適当であると判断したときは、株主総会に提出される会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決議いたします。
f 監査等委員会による会計監査人の評価
当社の監査等委員会は、会計監査人に対して評価を行っております。この評価については、「会計監査人の選解任等の決定に関する方針」に基づき、監査法人の品質管理(ガバナンス・マネジメント、品質管理等)、監査チーム(会計監査の相当性、独立性、職業的懐疑心の保持・発揮等)、監査報酬等、監査等委員とのコミュニケーション、経営者や内部監査部門とのコミュニケーション、グループ監査及び不正リスクへの対応、等の確認事項に基づき評価を行っております。2021年3月期の会計監査人については、上記確認事項の確認結果を踏まえ2020年3月期の会計監査人の監査の方法及び結果は相当であり、解任又は不再任の必要はないものとしております。
④ 監査報酬の内容等
a 監査公認会計士等に対する報酬の内容
区分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
提出会社1411871
連結子会社2092221222
3502329923

(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、「会計基準に関するアドバイザリー業務」等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、「企業年金受託業務に係るシステムに対して保証を提供する業務」等であります。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、「会計基準に関するアドバイザリー業務」等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、「企業年金受託業務に係るシステムに対して保証を提供する業務」等であります。
b 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGメンバーファーム)に対する報酬(aを除く)
区分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
提出会社-41-11
連結子会社15729795113
15771795124

(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に関するコンサルティング業務委託」等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、「保険数理アドバイザリー業務」等であります。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、「税務基準に関するアドバイザリー業務」等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、「保険数理アドバイザリー業務」等であります。
c その他重要な報酬の内容
(前連結会計年度)
当社の連結子会社であるProtective Lifeは、PricewaterhouseCoopers LLPに対して支払っている監査証明業務に基づく報酬が833百万円あります。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
d 監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、当社の規模及び特性並びに監査日数等を勘案した上で決定しております。
e 監査等委員会による監査報酬の同意理由
取締役会が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、当社の監査等委員会が会社法第399条第1項の同意をした理由は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠等について必要な検証を行った上で、適切であると判断したためであります。