有価証券報告書-第61期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/18 15:00
【資料】
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【項目】
122項目
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
① ビジョン・ミッション・バリューズ
当社グループの経営理念として、基本理念、ビジョン(目指す世界観)、ミッション(果たす役割)、バリューズ(大切にする価値観)を掲げています。
基本理念私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。
ビジョン
(目指す世界観)
Follow Your Heart
一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。
ミッション
(果たす役割)
まだ、ここにない、出会い。
より速く、シンプルに、もっと近くに。
私たちは、個人と企業をつなぎ、より多くの選択肢を提供することで、「まだ、ここにない、出会い。」を実現してきました。
いつでもどこでも情報を得られるようになった今だからこそ、より最適な選択肢を提案することで、「まだ、ここにない、出会い。」を、桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近にしていきたいと考えています。
バリューズ
(大切にする価値観)
新しい価値の創造
世界中があっと驚く未来のあたりまえを創りたい。遊び心を忘れずに、常識を疑うことから始めればいい。良質な失敗から学び、徹底的にこだわり、変わり続けることを楽しもう。
個の尊重
すべては好奇心から始まる。一人ひとりの好奇心が、抑えられない情熱を生み、その違いが価値を創る。すべての偉業は、個人の突拍子もないアイデアと、データや事実が結び付いたときに始まるのだ。私たちは、情熱に投資する。
社会への貢献
私たちは、すべての企業活動を通じて、持続可能で豊かな社会に貢献する。
一人ひとりが当事者として、社会の不に向き合い、より良い未来に向けて行動しよう。


これらを実現するため、当社グループが創業より大切にし活用してきたリボンモデルをビジネスモデルの基礎としています。リボンモデルとは、個人ユーザーと、企業クライアントのマッチング・プラットフォームを作り出し、より多くの最適なマッチングソリューションを提供することにより双方の満足を追求するビジネスモデルです。
現在は、テクノロジーとデータを活用することで、マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、個人ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、企業クライアントに対して更なる業務効率化を支援しています。
② 企業活動の重要な基盤
当社は持続的な企業価値の向上を目指してステークホルダーとの共存共栄をする上で重要となる企業活動の基盤を、ステークホルダーとのESGを含む対話や、当社の取締役会・各委員会等における議論を踏まえて特定しています。各テーマについては、取締役会の諮問機関である各委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認をすることで、取組みを推進・強化していきます。
コーポレート・ガバナンス
当社は、取締役 兼 常務執行役員 兼 COOを、ESG推進を含めたコーポレート・ガバナンスの責任者と位置づけてこれを強化していくと共に、指名委員会及び報酬委員会での審議を踏まえて、取締役会にて、中長期での適切なコーポレート・ガバナンス体制や役員報酬のあり方を確認しています。また、監査役を含めた取締役構成員のジェンダーダイバーシティの推進に関しては目標を定めて取り組むとともに、2022年3月期からは、業務執行取締役の報酬にESG要素を反映することを決定しています。
当社のコーポレート・ガバナンス方針及び役員報酬については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を、取締役構成員に関する目標については、本項目「(3)経営戦略、Prosper Together -ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。
人的資本
当社グループは、従業員の意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、人的資本の強化、特にダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)と従業員エンゲージメントに重点的に取組みます。ジェンダーの多様性については、経営戦略の一環として当社グループ全体で目標を定め、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしていきます。詳細は、本項目「(3) 経営戦略、Prosper Together -ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。
企業倫理の徹底
当社グループでは、コンプライアンスを法令遵守の枠を越えて、企業と個人が適正な行動を行うことで社会的な期待や要請に応えていくことと位置づけ、事業活動の大前提としています。企業倫理の徹底のため、従業員教育等の施策、内部通報窓口の設置を行うとともに、コンプライアンス委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②内部統制システム整備の状況」をご参照ください。
データセキュリティ・データプライバシー対応
当社は、データセキュリティ・データプライバシー対応を当社グループのトップリスクとして設定し、保有するデータを重要性に応じて分類の上、事業内容・国や地域ごとの法規制や保護すべき情報資産の特性に応じて必要な体制や施策を整備しています。また、リスクマネジメント委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
人権の尊重
当社は、当社グループの役員と従業員、当社グループ会社の派遣サービスに登録している方々を直接の保護の対象と位置付け「リクルートグループ人権方針」を掲げ、テクノロジーの急速な発達の中で影響を受ける人権の保護も含めて定めています。人権方針の策定にあたっては、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて決議しています。
地球環境の保全
当社は、すべての企業活動はあらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であってはじめて成り立つと考え、様々な活動を行っています。特に気候変動対策については重要テーマと位置づけ、当社グループ全体で温室効果ガス排出量のカーボンニュートラル達成に向けた目標を定め、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗管理と議論をしていきます。詳細は、本項目「(3) 経営戦略、ProsperTogether -ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。
なお、気候変動に伴う当社グループのリスク及び機会については、取締役 兼 常務執行役員 兼 COOを責任者として識別、評価、管理を行うとともに、2022年3月期よりTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく開示に向けて検討を開始します。また気候変動対策を適切に行うため、取締役会が必要な体制を整備し、監督します。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、長期的な利益成長と企業価値及び株主価値の最大化に向け、新規事業投資や開発費用、M&A等の成長投資を機動的且つ積極的に実行していきます。そのための主な経営指標を調整後EBITDA(注1)及び調整後EPS(注1)と設定し、特に調整後EBITDAの達成度を役員の報酬に連動させることにより、株主の皆様との価値共有を促進しています。
(注1) 調整後EBITDA、調整後EPSの注釈は、本報告書の冒頭に記載しています。
(3) 経営戦略
当社グループでは、テクノロジーの進化等により急速に変化する事業環境に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取り組んでいます。具体的には、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業の人材領域及び派遣事業を通して、人材マッチング市場におけるマッチングの圧倒的な質の向上と、メディア&ソリューション事業が提供する、SaaSソリューションによる日本の企業クライアントの業績向上及び生産性改善を目指しています。
加えて、不確実性が高まる中で持続的な企業価値向上を目指すためには、健全なガバナンスの基で、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、全てのステークホルダーとの共存共栄を目指す必要があると考えています。そのためESG(環境・社会・ガバナンス)について具体的な目標を掲げ、取締役会においてその進捗状況を確認し議論するとともに、ステークホルダーとの対話を継続しながら、その実現に向けて取組んでいます。
① 当社グループ全体の経営戦略
当社グループ全体の経営戦略と対処すべき課題は、以下のとおりです。
Simplify Hiring - 人材マッチング市場におけるマッチングの質の圧倒的な向上
当社グループは、グローバルな人材マッチング市場において、テクノロジーとデータを駆使してマッチングの質とスピードを圧倒的に向上させ、採用プロセスを簡単にすることを目指しています。HRテクノロジー事業のIndeedとGlassdoor、メディア&ソリューション事業、人材領域のタウンワークやリクナビといったオンライン求人プラットフォーム、人材紹介サービス、人材派遣事業等、人材マッチング市場の多くの領域で事業を運営しながら、同時に、これまでの伝統的な人材採用手法やプロセスの革新に取り組んでいます。
世界最大規模の求人情報及び企業情報プラットフォームであるIndeedとGlassdoorによって、多様な求職者や、事業規模を問わず多くの企業クライアントが利用するグローバル人材マーケットプレイスを構築してきました。当社グループのテクノロジーは求職者に最適な求人情報を提供し、企業クライアントに最適な採用候補者を紹介することができ、求人広告市場のみならず、その他の人材マッチング市場にも変革をもたらすことが可能です。
長期的には、長年蓄積されたマッチングデータとAIや機械学習を組み合わせることで、ボタンをクリックするだけで求職者と企業クライアントのマッチングができるような、より速く効率的な採用を目指します(注1)。これは人材マッチング市場において当社グループが事業展開しているすべての領域に応用できると考えています。
当社グループは、オンライン求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、人材派遣市場の総称と定義する人材マッチング市場について、2020年におけるグローバル市場規模を1,440億米ドル程度(注2)と推定しています。
HRテクノロジー事業の主な事業展開領域である、オンライン求人広告及び採用ツール市場はグローバルで年間売上金額ベースで160億米ドル程度(注3)と推定しており、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年は市場規模が縮小したものの、長期的には成長すると考えています。一方で、当社グループが年間売上金額ベースで30億米ドル(注4)を超える規模と見積もるオフライン求人広告市場は新型コロナウイルス感染症の影響で2020年は市場規模が縮小しましたが、今後もオンライン求人広告市場に流入を続けながら縮小していくと考えています。当社グループは、Indeed及びGlassdoorを中心とするHRテクノロジー事業を主軸として、オンラインツールを活用したマッチングの効率性向上によって、同市場での持続的な成長を目指します。
前連結会計年度においては、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場を人材マッチング市場の構成要素の1つとしていましたが、当連結会計年度においては、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場の2つに分けて記載しています。
人材紹介市場は、2020年におけるグローバル市場規模を320億米ドル程度(注5)と推定しています。当社グループはメディア&ソリューション事業の人材領域にて事業展開していますが、同市場における多くのサービスは属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しています。当社グループは、Indeed HireやIndeed Hiring Eventsで得た知見や技術を基に、最近リリースしたIndeed Hiring Platform等のツールを用いて、ソーシング、スクリーニング、面接の日程調整、採用後の配置等のプロセスを自動化することで、同市場での長期的な成長を目指します。また、テクノロジーを活用した効率化とコスト削減により、企業クライアントが現在利用している社外のサービスやソフトウェアを代替することを目指します。
加えて、現在は企業クライアントの採用担当者が行っている採用関連業務を、テクノロジーを活用し自動化することで中長期的に事業機会を創出していきます。当社グループは、この事業機会と人材紹介市場を組み合わせたものを採用オートメーション市場と定義しています。採用オートメーションは発展の初期段階にあるため、現時点では市場規模の定量化は行っていません。
また、エグゼクティブサーチ市場はグローバルで年間売上金額ベースで210億米ドル程度(注5)の市場規模であると推定しています。当社グループは、主にメディア&ソリューション事業の人材領域にて同事業を展開しています。同市場における多くのサービスは、人材紹介市場と同様に属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルによるものですが、HRテクノロジー事業にて、テクノロジーを活用した人材マッチングサービスIndeed Hireを導入し、現状の業界水準対比で非常に効率的且つ費用対効果の高いサービスを提供することで、同市場での成長を目指します。
更に、人材派遣市場は、グローバルで年間売上金額ベースで3,930億米ドル程度(注5)の市場規模であると推定しており、売上金額から派遣スタッフの給料や関連する費用を控除した売上総利益金額は720億米ドル程度(注6)と推定しています。当社グループは、同市場において中長期的に、テクノロジーを活用して人材派遣事業の効率化に繋がるサービスを提供し、革新的なソリューションの可能性を模索していきます。
グローバル人材マッチング市場規模(注7)は、経済成長及び労働市場の状況との連関性が高く、各国政府による新型コロナウイルス感染症の拡大防止対応の影響を受けて、2020年は市場規模が縮小しました。当社グループは、2021年に新型コロナウイルス感染症の影響が低減するに伴って人材マッチング市場は再び成長に転じると想定しており、人材マッチング事業で培ってきた事業ノウハウやテクノロジーを活用しながら、求職者及び求人企業をサポートしていきます。
(注1)当社グループは当該領域において法的規制が存在する可能性を認識しており、それらの規制を遵守するよう努めています。
(注2)本項に記載する、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介、及びエグゼクティブサーチ市場における売上金額ベースのそれぞれの市場規模、並びに人材派遣市場における売上総利益ベースの市場規模に関する当社グループによる推計値の単純合計額。当社グループによる推計値の算出方法は(注3)から(注6)をご参照ください。
(注3)2020年における当社グループがHRテクノロジー事業のサービスを提供している国のオンライン求人広告におけるHRテクノロジー事業の売上及び主要な競合他社の売上総額についての外部調査機関のレポートの数値を当社グループの推計に基づき一部保守的に修正した金額にLinkedInのタレントソリューション事業の年間売上金額について同社の公表資料から当社グループの推計に基づき保守的に修正した値を合算した額
(注4)オンライン求人広告及び採用ツール市場の160億米ドル((注3)をご参照ください。)に、2020年における広告市場全体におけるオンライン広告及びオフライン広告(但し、テレビ、映画及びラジオ広告等を除く。)の比率(外部調査機関のレポートに基づく。)を乗じた額
(注5)SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: 21 May 2021に基づく2020年のグローバル人材市場の売上金額である4,450億米ドルに、そのうち「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」が占める割合である12%を適用して市場規模を算定。同資料においては、人材紹介市場を「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部と分類し、「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」をグローバル人材市場の一部と分類しています。人材紹介市場の市場規模は、上記SIAの資料におけるグローバル人材市場規模の数値に対し、当社が第三者機関から入手した非公開の市場データである当該セグメントのグローバル人材市場に対する国別の比率を適用して算定。エグゼクティブサーチ市場は、人材紹介市場を除いた「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部として定義され、これら2つのセグメント間の差分として算定
(注6)SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: 21 May 2021に基づく2020年の人材派遣市場の売上金額3,930億米ドルに、2020年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均18.2%を適用して算出した額
(注7)本項に記載する求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、及び人材派遣市場の市場規模については、(注2)から(注6)に記載のとおり外部の統計資料や公表資料を基礎として当社グループが推計したものであり、その正確性にはかかる統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模はかかる推計値と大きく異なる可能性があります。


Help Businesses Work Smarter - SaaSソリューションによる日本国内企業クライアントの業績及び生産性向上
メディア&ソリューション事業は、日本国内の企業クライアントの業績及び生産性の更なる向上の支援を目指しています。当社が従前より日本国内の販促・人材領域で提供してきたサービスを更に進化させ、テクノロジーやデータを駆使したオンラインプラットフォームや業務・経営支援ツールであるSaaSソリューションの提供を通じて、企業クライアントの集客・顧客管理、採用や人材管理、決済等にわたる、事業運営に係る経済活動全般を支えるエコシステムを構築していきます。
企業クライアントの業績及び生産性の向上のためには、それぞれのお店や企業の事業運営に寄り添うことで課題を特定し、データとテクノロジーを駆使したソリューションの迅速な提供が不可欠です。具体的には、各事業分野における、主に集客支援に特化した既存のオンラインプラットフォームと、それらに付随する業務効率の向上を支援するバーティカルSaaSソリューション及び事業分野を問わず幅広い業界の企業クライアントに共通する事業運営の課題を解決するホリゾンタルSaaSソリューションの開発と提供を進めています。
2021年4月に国内の中核事業会社・機能会社7社の統合と組織改編を実施したことにより、従来から営業担当者が培ってきた企業クライアントとの関係を基盤としながら、エンジニアリングやデータサイエンスが企業クライアントの課題解決に迅速に貢献できる組織構造となりました。
企業クライアントの事業運営を支えるエコシステムへの進化を実現する過程では、SaaSソリューションの登録アカウント数が最重要指標であると考えています。2021年3月末時点のSaaSソリューション登録アカウント数は、当社が有するマッチングプラットフォームの登録アカウント数を上回って伸長しています。
日本国内におけるアカウント数の規模及び今後の成長見通しに関しては、例えばホリゾンタルSaaSソリューションのAir ビジネスツールズの日本における潜在顧客数を約290万程度(注8)と推定しており、アカウント数が成長する余地は依然として大きいと認識しています。新型コロナウイルス感染症拡大による非接触決済手段への需要が高まっていることで、Airペイのアカウント数が特に増加しており、2021年3月末時点では約21.0万(注9)、前年同期比41.7%増となりました。
また、AirペイとAir ビジネスツールズの他のソリューションを併用する企業クライアントも増加しています。2021年3月末時点のAirペイアカウント数約21.0万のうち、他ソリューションを併用しているアカウント数は約13.5万となりました。今後もAirペイのアカウント数の伸長が、SaaSソリューションの利用アカウント数増加に寄与していくと考えています。

(注8)出典:総務省・経済産業省「平成28年経済センサス-活動調査結果」及び中小企業基本法における中小企業者の定義等に基づき、中小企業者の事業所数を業種別に算定した上で、2020年3月末時点のAir ビジネスツールズの利用実績を踏まえて、Air ビジネスツールズの導入可能性があると当社が判断した業種に属する中小企業者の事業所数を合計することにより推計しています。なお、潜在店舗数の推計に当たり、 2020年3月末時点Air ビジネスツールズ登録アカウント数が20アカウント以上存在する業種をAir ビジネスツールズの導入可能性があると判断しています。また、2021年3月末時点のAir ビジネスツールズ登録アカウントは、アクティブでないアカウントを含みます。
(注9)登録アカウント数は、当該サービス登録加盟店舗数及び事業所数を指し、アクティブ及びノンアクティブアカウントを含みます。


Prosper Together -ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長
当社グループは、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、全てのステークホルダーとの共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考え、ESG(環境・社会・ガバナンス)について以下の目標を掲げます。
環境(E)については、気候変動への取組みとして、2031年3月期に自らの事業活動及びバリューチェーン全体を通した温室効果ガス排出量のカーボンニュートラルを目指します。また短期的には、2022年3月期に当社グループの事業活動における温室効果ガス排出量のカーボンニュートラルを目指します(注10)。
社会(S)については、人々にとって欠かせない生活基盤である「仕事」において、当社グループの事業を通じて社会に大きなインパクトを創出することができると考えています。求職者と仕事のマッチングを圧倒的に速くすることで、失業期間の短縮に貢献していきます。具体的には、2031年3月期までに就業までに掛かる時間を、2022年3月期比で半分に短縮することを目指します(注11)。また、マッチングの効率化だけではすぐに解決することが難しい、雇用市場に存在する職に就く障壁をテクノロジーとパートナーシップを活用して低減することで、2031年3月期までに累計3,000万人の障壁を持つ求職者の就業を支援することを目指します(注12)。
また当社グループは、創業以来、従業員一人ひとりの違いを大切にすることで新たな事業やサービスを生み出し、社会に価値を提供してきました。従業員の価値創造に向けた意欲を最大化することを、改めて経営の重要テーマと位置付け、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)に取組みます。特に、ジェンダーについては当社グループ全体で目標を定め、2031年3月期までに上級管理職・管理職・従業員それぞれにおける女性比率を約50%とすることを目指します(注13)。
ガバナンス(G)については、経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるため、2031年3月期までに当社の監査役を含む取締役会構成員の女性比率を約50%にすべく、定時株主総会の選任議案を上程することを目指します(注14)。
(注10)事業活動における温室効果ガス排出量は、スコープ1(オフィスにて直接排出される温室効果ガス)、スコープ2(オフィスにて間接的に排出される温室効果ガス)の合計を示しています。バリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量は、スコープ3(スコープ1, 2を除く間接的に排出される温室効果ガス)を示しています。カーボンニュートラルには、温室効果ガス排出量の削減に加え、残りの排出量のオフセットを含みます。
(注11)求職者がIndeedの求人広告プラットフォームにおいて仕事に応募してから就業するまでの期間。対象データ入手可能先の平均値。
(注12)人種/民族、年齢、心身障がいの有無、学歴等による障壁を想定していますが、今後も雇用市場における課題を見極めた上で、現在の想定に限定せず、様々な障壁の低減を行っていきます。Indeedの求人広告プラットフォーム上の応募を通じた就業、Indeedが支援する国際NPOのGoodwill Industries Internationalや英国の公益財団であるShaw Trust等を通じた就業等を含みます。
(注13)2021年4月1日時点の女性比率は、上級管理職において10.0%、管理職において41.5%、従業員において51.5%。上級管理職は、当社及びメディア&ソリューションSBUにおいては執行役員・専門役員、HRテクノロジーSBUと人材派遣SBUにおいては主要子会社社長・重要機能トップを示します。管理職・従業員の女性比率は、当社、全SBU統括会社及び各SBU配下の主要会社にて集計。管理職は、上級管理職以外の部下を持つ全ての管理職。
(注14)取締役会構成員は、取締役及び監査役の全体を示します。なお、2021年6月18日時点の当社の取締役会構成員(取締役及び監査役)の女性比率は20%。


② SBU事業戦略
当社グループ全体の経営戦略を推進するために取り組んでいる各SBU事業戦略は、以下のとおりです。
HRテクノロジー事業
より効率的な求職活動及び採用活動の需要に応え、テクノロジーと当社が保有する膨大なデータを活用することにより、IndeedとGlassdoorの求人広告事業及び採用ソリューション事業のグローバル市場での更なる売上収益の成長に注力していきます。
メディア&ソリューション事業
販促領域のオンラインプラットフォームを通じた販促支援は、各事業分野の市場における強固なポジションを活かし、継続的な成長を目指します。人材領域における人材マッチングサービスは、サービスの強化及びIndeedとの連携を推進し、企業クライアント数の拡大を目指します。SaaSソリューションの提供においては、企業クライアントのアカウント数の成長に注力していきます。
人材派遣事業
幅広い業界で求職者への就業機会や企業クライアントへの柔軟な労働サービスを提供しながら、安定的な事業運営を目指します。国内派遣領域では調整後EBITDAマージン水準の維持、海外派遣領域では調整後EBITDAマージンの継続的な改善に取組みます。
(4) キャピタルアロケーション方針
当社のキャピタルアロケーションは、以下を優先順位として設定しています。
・既存事業の継続的な成長に資する投資
・安定的な配当の継続的な実施
・人材マッチング市場におけるHRテクノロジー事業を中心とした戦略的M&A
・市場環境及び財務状況の見通しを考慮した上での自己株式取得
資本効率について、ROE15%の水準を目安として設定しています。個別の投資案件の実行の是非を判断する際は、資本コストを上回るハードルレートを適用する等、資本効率の実現に取組んでいます。

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