有価証券報告書-第63期(2022/04/01-2023/03/31)
3 重要な会計方針
以下の会計方針は、他に記載がない限り、本連結財務諸表に記載されているすべての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
本連結財務諸表は、当社グループの財務諸表及び関連会社の持分相当額を含んでいます。子会社及び関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社及び関連会社の財務諸表の調整を行っています。当社グループ内の債権債務残高及び取引高並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、且つ投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しています。子会社については、当社グループが支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社グループが支配を喪失する日まで連結しています。決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しています。支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理し、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の株主に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しています。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有しているが、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法を適用して会計処理しています。
(2) 企業結合
当社グループは、取得法を適用して各企業結合を会計処理しています。企業結合で移転された対価は、移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の取得日の公正価値の合計額として測定され、該当する場合は条件付対価を含めています。
企業結合により取得した識別可能な資産及び引き受けた負債を、取得日の公正価値で測定しています。企業結合における取得関連費用は発生時に費用処理しています。取得日時点における移転された対価、すべての非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の資本持分の総額が、識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額を超過した差額を、のれんとして認識しています。
企業結合の当初の会計処理が本連結財務諸表の承認日までに完了しない場合、当社は、完了していない項目については暫定的な金額で報告しています。その後、新たに入手した支配獲得日時点に存在していた事実と状況について、支配獲得日時点に把握していたとしたら企業結合処理の認識金額に影響を与えていたと判断される場合、測定期間の修正として、支配獲得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正します。測定期間は支配獲得日から最長で1年間としています。
(3) 外国為替レート変動の影響
当社の連結財務諸表は、各社の機能通貨に基づく財務諸表を基礎に作成しています。
外貨建取引は、取引日における直物為替レートを適用することにより、当社グループの各機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産及び負債は、決算日の直物為替レートにより機能通貨に換算しています。取得原価で測定している外貨建非貨幣性項目は、当初取引日における為替レートで機能通貨に換算しています。公正価値で測定している外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における直物為替レートで機能通貨に換算しています。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。但し、非貨幣性項目に係る利益又は損失がその他の包括利益に計上される場合は、為替差額もその他の包括利益に計上しています。
在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の直物為替レートにより、収益及び費用は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートで換算しています。その換算差額はその他の包括利益として認識しています。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分時に純損益として認識しています。
(4) 金融商品
① 金融資産
a. 金融資産の認識、分類及び測定
金融資産は、当社グループが金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。当社グループは、すべての金融資産を当初認識時に公正価値で測定し、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)又は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPL金融資産)に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当社グループは、以下の条件を満たす金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収を保有目的とする事業モデルに基づいて、資産を保有していること
- 金融資産の契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが生じること
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で認識しています。また、利息収益及び認識の中止に係る利得又は損失及び減損損失は金融損益として認識しています。
(b) FVTOCI金融資産
ⅰ. FVTOCI負債性金融資産
当社グループは、以下の条件を満たす負債性金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するFVTOCI負債性金融資産に分類しています。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成する事業モデルに基づいて、資産を保有していること
- 金融資産の契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが生じること
FVTOCI負債性金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後の公正価値の変動(減損損失を除く。)をその他の包括利益において認識し、その累計額は認識の中止を行う際に純損益に組替調整額として振替えています。また、利息収益及び認識の中止に係る利得又は損失及び減損損失は金融損益として認識しています。
ⅱ. FVTOCI資本性金融資産
当社グループは、公正価値で測定する金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するFVTOCI資本性金融資産に分類しています。なお、当社グループは、原則としてすべての資本性金融資産をFVTOCI資本性金融資産に指定しています。FVTOCI資本性金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識しています。当初認識後の公正価値の変動及び認識の中止に係る利得又は損失はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振替えています。FVTOCI資本性金融資産に係る受取配当金は、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて、配当受領権が確定した時点で金融収益として認識しています。
(c) FVTPL金融資産
当社グループは、上記の償却原価で測定する金融資産又はFVTOCI負債性金融資産に分類されない負債性金融資産及びデリバティブを、FVTPL金融資産に分類しています。FVTPL金融資産は、公正価値で当初認識し、当初認識後の公正価値の変動及び売却損益は金融損益として認識しています。
b. 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産又はFVTOCI負債性金融資産について、予想信用損失に基づき損失評価引当金を認識しています。当社グループは、報告期間の末日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて測定しています。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの増減にかかわらず、全期間の予想信用損失を簡便的に過去の信用損失の実績等に基づき測定しています。
c. 認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、あるいは、金融資産が譲渡され、その金融資産の所有に係るリスク及び経済価値のほとんどすべてが移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関して当社グループが創出した又は当社グループが引き続き保有する持分については、別個の資産及び負債として認識しています。
② 金融負債
a. 金融負債の認識、分類及び測定
金融負債は、当社グループが金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。当社グループは、すべての金融負債を当初認識時に公正価値で測定し、償却原価で測定する金融負債又は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(FVTPL金融負債)に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融負債
当社グループは、以下のものを除くすべての金融負債を、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
- FVTPL金融負債(デリバティブ負債を含む。)
- 金融保証契約
- 企業結合において認識した条件付対価
償却原価で測定する金融負債は、公正価値に取引費用を減算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価で認識しています。
(b) FVTPL金融負債
FVTPL金融負債は、公正価値で当初認識し、当初認識後の変動はヘッジ会計の要件を満たしている場合を除き、金融損益として認識しています。
b. 認識の中止
当社グループは、金融負債の義務が履行されたか、免除された又は失効した場合に当該金融負債の認識を中止しています。
③ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、且つ純額ベースで決済する又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で認識しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
a. デリバティブ
当社グループは、金利及び為替レートの変動によるリスクに対処する目的で、金利スワップ、通貨スワップ及び先物為替予約等のデリバティブ契約を締結しています。これらのデリバティブは、契約が締結された日の公正価値で資産又は負債として当初認識し、当初認識後は報告期間の末日の公正価値で測定しています。デリバティブの公正価値の変動額(デリバティブ評価損益)は、ヘッジ会計を適用していない場合は、直ちに純損益として認識しています。なお、為替レートの変動によるリスクに対処する目的のデリバティブの公正価値の変動額は、連結損益計算書において外貨建貨幣性項目の為替レートの変動により生じる為替差額(為替差損益)と相殺して表示しています。
b. ヘッジ会計
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たしている場合において一部のデリバティブをキャッシュ・フロー・ヘッジとして会計処理をしています。デリバティブの公正価値の変動額のうちキャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識し、その累計額をその他の資本の構成要素として認識しています。その他の資本の構成要素として認識された金額は、ヘッジ対象が純損益として認識される場合に、その影響を相殺するよう純損益に振替えています。また、キャッシュ・フロー・ヘッジの非有効部分は直ちに純損益で認識しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許預金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、且つ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(6) 有形固定資産
有形固定資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除却及び原状回復費用の見積額を含めています。減価償却費は、償却可能価額を各構成要素の耐用年数にわたり定額法により算定しています。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は各年度末に見直しを行い、変更がある場合には、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した期間及び将来に向かって適用しています。主な耐用年数は以下のとおりです。
- 建物及び構築物: 2年~50年
- 工具、器具及び備品: 2年~20年
(7) 無形資産
無形資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しています。また、のれんとは別に企業結合で取得した識別可能な無形資産は、支配獲得日の公正価値で測定しています。
研究活動から生じた支出は、発生時に費用計上しています。開発活動から生じた支出は、以下のすべてを立証できる場合に限り、資産計上しています。
- 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
- 無形資産を完成させ、更にそれを使用又は売却するという企業の意図
- 無形資産を使用又は売却する能力
- 無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
- 無形資産の開発を完成させ、更にそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
- 開発期間中に無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、償却可能価額を耐用年数にわたり定額法により算定しています。償却方法及び耐用年数は各年度末に見直しを行い、変更がある場合には、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した期間及び将来に向かって適用しています。なお、耐用年数を確定できない無形資産については償却を行っていません。主な耐用年数は以下のとおりです。
- ソフトウエア: 5年
- 顧客関連資産: 2年~15年
(8) リース
当社グループでは、契約開始時に、その契約がリースであるか否か又はその契約にリースが含まれているか否かを契約の実質を基に判断しています。
リース負債はリース開始日より認識し、リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、残存リース料を借手の追加借入利子率を用いて算定した割引現在価値で測定しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減し、リースの条件変更等に伴って必要に応じて再測定しています。また、リース期間については、リースの解約不能期間にリース期間を延長するオプション(当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)及び解約するオプション(当該オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を考慮し決定しています。
使用権資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。取得原価には、リースの開始日におけるリース負債の当初測定額に前払リース料からリース・インセンティブを控除したものを調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを含めています。また、使用権資産に係る減価償却費は、リース期間にわたり定額法により算定しています。リース期間は、リースの延長・解約オプションの行使の可能性に影響を与えるような重大な事象又は状況の重大な変化が生じたとき等に見直しを行い、変更がある場合にはリース負債を再測定し、原則として使用権資産の金額を調整しています。
なお、少額資産のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しています。
(9) 非金融資産の減損
当社グループでは、決算日に資産が減損している可能性を示しているか否かを判定し、減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産は、償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しています。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で測定しています。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しています。
個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を純損益(その他の営業費用)に認識しています。過年度に減損損失を認識した資産については、決算日において、減損の戻入れの兆候の有無を判定しています。減損の戻入れの兆候があり、個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回る場合には、回収可能価額と過年度に減損損失が認識されていなかった場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻入れを認識しています。
(10) のれん
のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しています。のれんは、企業結合によるシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。のれんが配分される資金生成単位又は資金生成単位グループについては、のれんが内部管理目的で監視される最小レベルの単位に基づき決定し、事業セグメントの範囲内となっています。
当社グループは、各年度の一定の時期及び配分された資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。減損テストにおいて資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を、原則として減損損失として認識します。減損損失は、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額し、次に資金生成単位又は資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額の比例割合に応じて各資産の帳簿価額から減額しています。のれんの減損損失は純損益(その他の営業費用)に認識し、その後の期間に戻入れは行っていません。
(11) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、且つ現状のままで直ちに売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類しています。売却目的で保有する非流動資産は減価償却又は償却を行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しています。
(12) 引当金
当社グループは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、且つ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しています。貨幣の時間価値が重要な場合には、決済のために要すると見積もられた支出額の現在価値で測定しています。現在価値の算定には、貨幣の時間価値の現在の市場評価とその負債に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いています。
(13) 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として、確定拠出制度及び確定給付制度を設けています。
① 確定拠出制度
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期間に純損益として認識しています。
② 確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに個別に算定し、費用として認識しています。割引率は、将来の毎年度の給付支払い見込み日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した決算日時点の優良社債の利回りに基づき算定しています。また、確定給付負債の純額に係る利息の純額は、売上原価又は販売費及び一般管理費として計上しています。当期に発生した確定給付負債の純額の再測定額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振替えています。
(14) 資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、その発行に直接起因する取引費用(税効果考慮後)は発行価額の割合に応じて資本金及び資本剰余金から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その取得に直接起因する取引費用(税効果考慮後)を含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しています。
(15) 株式に基づく報酬
当社グループは、以下の持分決済型の株式報酬制度を導入しています。
① 持分決済型のストック・オプション
当社グループは、当社の取締役、執行役員、専門役員(以下執行役員及び専門役員を総称して「執行役員等」)及び上級職員に対するインセンティブプランとして、持分決済型のストック・オプションを付与しています。当社グループは、ストック・オプションの対価として受領したサービスは費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。当該費用は、付与日におけるストック・オプションの公正価値によって見積っています。公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズモデル等を用いて算定しています。
② 持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託
当社グループは、当社及び当社グループ会社の取締役及び執行役員等へのインセンティブプランとして、持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を導入しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
③ 持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託
当社グループは、当社グループ会社の従業員へのインセンティブプランとして、持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託を導入しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。なお、付与日における公正価値は、株式の市場価格に予想配当を考慮に入れた修正を行い、算定しています。
(16) 収益認識
当社グループでは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。なお、各事業の収益認識の詳細は、「21 売上収益」に記載しています。
ステップ1: 顧客との契約を識別します。
ステップ2: 契約における履行義務を識別します。
ステップ3: 取引価格を算定します。
ステップ4: 取引価格を契約における履行義務に配分します。
ステップ5: 履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識します。
契約獲得のための増分コストのうち、回収可能と見込まれる部分について資産(以下「契約獲得コストから認識した資産」)を認識しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
契約獲得コストから認識した資産については、当該資産の償却期間が1年以内である場合を除き、当該資産に関連するサービスの顧客への移転に合わせて規則的に償却しています。当該資産の償却期間が1年以内である場合は、IFRS第15号で規定される実務上の便法を適用し、契約獲得のための増分コストを発生時に費用処理しています。
(17) 法人所得税
法人所得税は、当期税金費用及び繰延税金費用の合計金額です。これらは、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しています。
① 当期税金費用
当期税金費用は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額を、決算日までに制定又は実質的に制定された税率(及び税法)を使用して測定しています。
② 繰延税金費用
繰延税金費用は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び税務上の繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しています。繰延税金負債は、原則として、すべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産を認識していません。
- 企業結合ではなく、且つ取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
- 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関して、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
また、以下の一時差異に対しては、繰延税金負債を認識していません。
- のれんの当初認識から生じる場合
- 企業結合ではなく、且つ取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
- 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関して、一時差異の解消時期をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ当初認識する方法を採用しています。
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税率(及び税法)に基づいて、資産が実現する又は負債が決済されるときに適用されると予想される税率を使用して算定しています。繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、且つ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体、又は、純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税主体に課されている場合に相殺しています。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しています。
以下の会計方針は、他に記載がない限り、本連結財務諸表に記載されているすべての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
本連結財務諸表は、当社グループの財務諸表及び関連会社の持分相当額を含んでいます。子会社及び関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社及び関連会社の財務諸表の調整を行っています。当社グループ内の債権債務残高及び取引高並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、且つ投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しています。子会社については、当社グループが支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社グループが支配を喪失する日まで連結しています。決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しています。支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理し、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の株主に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しています。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有しているが、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法を適用して会計処理しています。
(2) 企業結合
当社グループは、取得法を適用して各企業結合を会計処理しています。企業結合で移転された対価は、移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の取得日の公正価値の合計額として測定され、該当する場合は条件付対価を含めています。
企業結合により取得した識別可能な資産及び引き受けた負債を、取得日の公正価値で測定しています。企業結合における取得関連費用は発生時に費用処理しています。取得日時点における移転された対価、すべての非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の資本持分の総額が、識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額を超過した差額を、のれんとして認識しています。
企業結合の当初の会計処理が本連結財務諸表の承認日までに完了しない場合、当社は、完了していない項目については暫定的な金額で報告しています。その後、新たに入手した支配獲得日時点に存在していた事実と状況について、支配獲得日時点に把握していたとしたら企業結合処理の認識金額に影響を与えていたと判断される場合、測定期間の修正として、支配獲得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正します。測定期間は支配獲得日から最長で1年間としています。
(3) 外国為替レート変動の影響
当社の連結財務諸表は、各社の機能通貨に基づく財務諸表を基礎に作成しています。
外貨建取引は、取引日における直物為替レートを適用することにより、当社グループの各機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産及び負債は、決算日の直物為替レートにより機能通貨に換算しています。取得原価で測定している外貨建非貨幣性項目は、当初取引日における為替レートで機能通貨に換算しています。公正価値で測定している外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における直物為替レートで機能通貨に換算しています。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。但し、非貨幣性項目に係る利益又は損失がその他の包括利益に計上される場合は、為替差額もその他の包括利益に計上しています。
在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の直物為替レートにより、収益及び費用は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートで換算しています。その換算差額はその他の包括利益として認識しています。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分時に純損益として認識しています。
(4) 金融商品
① 金融資産
a. 金融資産の認識、分類及び測定
金融資産は、当社グループが金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。当社グループは、すべての金融資産を当初認識時に公正価値で測定し、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)又は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPL金融資産)に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当社グループは、以下の条件を満たす金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収を保有目的とする事業モデルに基づいて、資産を保有していること
- 金融資産の契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが生じること
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で認識しています。また、利息収益及び認識の中止に係る利得又は損失及び減損損失は金融損益として認識しています。
(b) FVTOCI金融資産
ⅰ. FVTOCI負債性金融資産
当社グループは、以下の条件を満たす負債性金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するFVTOCI負債性金融資産に分類しています。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成する事業モデルに基づいて、資産を保有していること
- 金融資産の契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが生じること
FVTOCI負債性金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後の公正価値の変動(減損損失を除く。)をその他の包括利益において認識し、その累計額は認識の中止を行う際に純損益に組替調整額として振替えています。また、利息収益及び認識の中止に係る利得又は損失及び減損損失は金融損益として認識しています。
ⅱ. FVTOCI資本性金融資産
当社グループは、公正価値で測定する金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するFVTOCI資本性金融資産に分類しています。なお、当社グループは、原則としてすべての資本性金融資産をFVTOCI資本性金融資産に指定しています。FVTOCI資本性金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識しています。当初認識後の公正価値の変動及び認識の中止に係る利得又は損失はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振替えています。FVTOCI資本性金融資産に係る受取配当金は、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて、配当受領権が確定した時点で金融収益として認識しています。
(c) FVTPL金融資産
当社グループは、上記の償却原価で測定する金融資産又はFVTOCI負債性金融資産に分類されない負債性金融資産及びデリバティブを、FVTPL金融資産に分類しています。FVTPL金融資産は、公正価値で当初認識し、当初認識後の公正価値の変動及び売却損益は金融損益として認識しています。
b. 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産又はFVTOCI負債性金融資産について、予想信用損失に基づき損失評価引当金を認識しています。当社グループは、報告期間の末日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて測定しています。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの増減にかかわらず、全期間の予想信用損失を簡便的に過去の信用損失の実績等に基づき測定しています。
c. 認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、あるいは、金融資産が譲渡され、その金融資産の所有に係るリスク及び経済価値のほとんどすべてが移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関して当社グループが創出した又は当社グループが引き続き保有する持分については、別個の資産及び負債として認識しています。
② 金融負債
a. 金融負債の認識、分類及び測定
金融負債は、当社グループが金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。当社グループは、すべての金融負債を当初認識時に公正価値で測定し、償却原価で測定する金融負債又は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(FVTPL金融負債)に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融負債
当社グループは、以下のものを除くすべての金融負債を、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
- FVTPL金融負債(デリバティブ負債を含む。)
- 金融保証契約
- 企業結合において認識した条件付対価
償却原価で測定する金融負債は、公正価値に取引費用を減算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価で認識しています。
(b) FVTPL金融負債
FVTPL金融負債は、公正価値で当初認識し、当初認識後の変動はヘッジ会計の要件を満たしている場合を除き、金融損益として認識しています。
b. 認識の中止
当社グループは、金融負債の義務が履行されたか、免除された又は失効した場合に当該金融負債の認識を中止しています。
③ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、且つ純額ベースで決済する又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で認識しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
a. デリバティブ
当社グループは、金利及び為替レートの変動によるリスクに対処する目的で、金利スワップ、通貨スワップ及び先物為替予約等のデリバティブ契約を締結しています。これらのデリバティブは、契約が締結された日の公正価値で資産又は負債として当初認識し、当初認識後は報告期間の末日の公正価値で測定しています。デリバティブの公正価値の変動額(デリバティブ評価損益)は、ヘッジ会計を適用していない場合は、直ちに純損益として認識しています。なお、為替レートの変動によるリスクに対処する目的のデリバティブの公正価値の変動額は、連結損益計算書において外貨建貨幣性項目の為替レートの変動により生じる為替差額(為替差損益)と相殺して表示しています。
b. ヘッジ会計
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たしている場合において一部のデリバティブをキャッシュ・フロー・ヘッジとして会計処理をしています。デリバティブの公正価値の変動額のうちキャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識し、その累計額をその他の資本の構成要素として認識しています。その他の資本の構成要素として認識された金額は、ヘッジ対象が純損益として認識される場合に、その影響を相殺するよう純損益に振替えています。また、キャッシュ・フロー・ヘッジの非有効部分は直ちに純損益で認識しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許預金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、且つ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(6) 有形固定資産
有形固定資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除却及び原状回復費用の見積額を含めています。減価償却費は、償却可能価額を各構成要素の耐用年数にわたり定額法により算定しています。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は各年度末に見直しを行い、変更がある場合には、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した期間及び将来に向かって適用しています。主な耐用年数は以下のとおりです。
- 建物及び構築物: 2年~50年
- 工具、器具及び備品: 2年~20年
(7) 無形資産
無形資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しています。また、のれんとは別に企業結合で取得した識別可能な無形資産は、支配獲得日の公正価値で測定しています。
研究活動から生じた支出は、発生時に費用計上しています。開発活動から生じた支出は、以下のすべてを立証できる場合に限り、資産計上しています。
- 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
- 無形資産を完成させ、更にそれを使用又は売却するという企業の意図
- 無形資産を使用又は売却する能力
- 無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
- 無形資産の開発を完成させ、更にそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
- 開発期間中に無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、償却可能価額を耐用年数にわたり定額法により算定しています。償却方法及び耐用年数は各年度末に見直しを行い、変更がある場合には、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した期間及び将来に向かって適用しています。なお、耐用年数を確定できない無形資産については償却を行っていません。主な耐用年数は以下のとおりです。
- ソフトウエア: 5年
- 顧客関連資産: 2年~15年
(8) リース
当社グループでは、契約開始時に、その契約がリースであるか否か又はその契約にリースが含まれているか否かを契約の実質を基に判断しています。
リース負債はリース開始日より認識し、リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、残存リース料を借手の追加借入利子率を用いて算定した割引現在価値で測定しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減し、リースの条件変更等に伴って必要に応じて再測定しています。また、リース期間については、リースの解約不能期間にリース期間を延長するオプション(当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)及び解約するオプション(当該オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を考慮し決定しています。
使用権資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。取得原価には、リースの開始日におけるリース負債の当初測定額に前払リース料からリース・インセンティブを控除したものを調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを含めています。また、使用権資産に係る減価償却費は、リース期間にわたり定額法により算定しています。リース期間は、リースの延長・解約オプションの行使の可能性に影響を与えるような重大な事象又は状況の重大な変化が生じたとき等に見直しを行い、変更がある場合にはリース負債を再測定し、原則として使用権資産の金額を調整しています。
なお、少額資産のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しています。
(9) 非金融資産の減損
当社グループでは、決算日に資産が減損している可能性を示しているか否かを判定し、減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産は、償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しています。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で測定しています。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しています。
個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を純損益(その他の営業費用)に認識しています。過年度に減損損失を認識した資産については、決算日において、減損の戻入れの兆候の有無を判定しています。減損の戻入れの兆候があり、個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回る場合には、回収可能価額と過年度に減損損失が認識されていなかった場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻入れを認識しています。
(10) のれん
のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しています。のれんは、企業結合によるシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。のれんが配分される資金生成単位又は資金生成単位グループについては、のれんが内部管理目的で監視される最小レベルの単位に基づき決定し、事業セグメントの範囲内となっています。
当社グループは、各年度の一定の時期及び配分された資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。減損テストにおいて資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を、原則として減損損失として認識します。減損損失は、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額し、次に資金生成単位又は資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額の比例割合に応じて各資産の帳簿価額から減額しています。のれんの減損損失は純損益(その他の営業費用)に認識し、その後の期間に戻入れは行っていません。
(11) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、且つ現状のままで直ちに売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類しています。売却目的で保有する非流動資産は減価償却又は償却を行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しています。
(12) 引当金
当社グループは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、且つ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しています。貨幣の時間価値が重要な場合には、決済のために要すると見積もられた支出額の現在価値で測定しています。現在価値の算定には、貨幣の時間価値の現在の市場評価とその負債に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いています。
(13) 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として、確定拠出制度及び確定給付制度を設けています。
① 確定拠出制度
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期間に純損益として認識しています。
② 確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに個別に算定し、費用として認識しています。割引率は、将来の毎年度の給付支払い見込み日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した決算日時点の優良社債の利回りに基づき算定しています。また、確定給付負債の純額に係る利息の純額は、売上原価又は販売費及び一般管理費として計上しています。当期に発生した確定給付負債の純額の再測定額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振替えています。
(14) 資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、その発行に直接起因する取引費用(税効果考慮後)は発行価額の割合に応じて資本金及び資本剰余金から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その取得に直接起因する取引費用(税効果考慮後)を含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しています。
(15) 株式に基づく報酬
当社グループは、以下の持分決済型の株式報酬制度を導入しています。
① 持分決済型のストック・オプション
当社グループは、当社の取締役、執行役員、専門役員(以下執行役員及び専門役員を総称して「執行役員等」)及び上級職員に対するインセンティブプランとして、持分決済型のストック・オプションを付与しています。当社グループは、ストック・オプションの対価として受領したサービスは費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。当該費用は、付与日におけるストック・オプションの公正価値によって見積っています。公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズモデル等を用いて算定しています。
② 持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託
当社グループは、当社及び当社グループ会社の取締役及び執行役員等へのインセンティブプランとして、持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を導入しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
③ 持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託
当社グループは、当社グループ会社の従業員へのインセンティブプランとして、持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託を導入しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。なお、付与日における公正価値は、株式の市場価格に予想配当を考慮に入れた修正を行い、算定しています。
(16) 収益認識
当社グループでは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。なお、各事業の収益認識の詳細は、「21 売上収益」に記載しています。
ステップ1: 顧客との契約を識別します。
ステップ2: 契約における履行義務を識別します。
ステップ3: 取引価格を算定します。
ステップ4: 取引価格を契約における履行義務に配分します。
ステップ5: 履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識します。
契約獲得のための増分コストのうち、回収可能と見込まれる部分について資産(以下「契約獲得コストから認識した資産」)を認識しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
契約獲得コストから認識した資産については、当該資産の償却期間が1年以内である場合を除き、当該資産に関連するサービスの顧客への移転に合わせて規則的に償却しています。当該資産の償却期間が1年以内である場合は、IFRS第15号で規定される実務上の便法を適用し、契約獲得のための増分コストを発生時に費用処理しています。
(17) 法人所得税
法人所得税は、当期税金費用及び繰延税金費用の合計金額です。これらは、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しています。
① 当期税金費用
当期税金費用は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額を、決算日までに制定又は実質的に制定された税率(及び税法)を使用して測定しています。
② 繰延税金費用
繰延税金費用は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び税務上の繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しています。繰延税金負債は、原則として、すべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産を認識していません。
- 企業結合ではなく、且つ取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
- 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関して、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
また、以下の一時差異に対しては、繰延税金負債を認識していません。
- のれんの当初認識から生じる場合
- 企業結合ではなく、且つ取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
- 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関して、一時差異の解消時期をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ当初認識する方法を採用しています。
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税率(及び税法)に基づいて、資産が実現する又は負債が決済されるときに適用されると予想される税率を使用して算定しています。繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、且つ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体、又は、純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税主体に課されている場合に相殺しています。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しています。