有価証券報告書-第72期(2023/04/01-2024/03/31)
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、「人と向き合い、街をつくる。」をミッションとした企業理念のもと、時代の変化とお客様のさまざまなニーズに寄り添い、「信頼と誠実」をモットーに、いつの時代でも"選ばれ続けるデベロッパー"を目指し、グループ一丸となって事業活動を推進しております。
日鉄興和不動産企業理念

第3次中期経営計画「Connect to the Future 2021-2025」では、「目指すべき方向性」として、①「社会や顧客ニーズの変化に機動的に対応し、いつの時代でも”選ばれ続ける”デベロッパーを目指す。」、②「オープンに社会・顧客・ビジネスパートナーとつながり、多様性を受け入れ、既存事業の更なる強化・新規領域の拡大にグループ一丸となってチャレンジする。」、③「マーケット動向に即応した戦略的資産回転により、更なるビジネス機会獲得と財務規律堅持の両立を実現し、持続的成長を可能にする。」の3点を、また、各取組施策の策定及び推進にあたって共通する視点として、①「マーケットイン」、②「日鉄興和不動産グループの有機的連携」、③「ダイバーシティ&インクルージョン」、④「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の4点を掲げました。これらの目指すべき方向性、取り組み施策の視点のもと重点施策を策定しグループ一丸となって取組んでおります。

(2)目標とする経営指標
当社グループは、第3次中期経営計画(2021~2025年度)において、連結経常利益を利益目標として採用し、2024年度については連結経常利益332億円を見込んでおります。
また、財務規律維持の観点から、第3次中期経営計画期間中の財務指針として、自己資本比率20%以上、ネットD/Eレシオ3倍以内を目標として掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
今後のわが国経済は、所得の改善、企業収益の回復、株価上昇などによる景気の持続的な回復が期待されるものの、人件費の持続的な上昇による基調的インフレの継続、国内金利の上昇、世界経済の下振れリスク等による先行き不透明・不確実な状況が継続するものと想定しております。また、少子高齢化や生産年齢人口の減少等の社会構造の変化、異常気象や地震等による自然災害やサイバーアタック等のリスクの高まり、一方で、劇的に進化しつつある生成AIをはじめとするデジタル技術等の動向についても経営戦略上の留意、対応が必要であると認識しております。
不動産業界をとりまく環境については、オフィスビル賃貸市場において東京都心部の空室率はオフィス回帰の動きの中で頭打ちの見方が高まり、下落傾向が続いていた平均賃料も底打ちの兆しを見せている一方で、コロナ禍を契機とした企業のオフィス戦略やワークスタイルの変化、更に都心部を中心に計画されている大型オフィスビルの大量供給等、今後の市場動向を注視していく必要があります。マンション分譲市場においては、低金利政策を背景に都心部を中心として堅調なマーケットが継続してきましたが、住宅ローン金利の上昇懸念、用地獲得競争の更なる激化や原材料価格の高止まり、お客様のライフスタイルの変化等も考慮いたしますと、今後の市場動向には一層注視していく必要があると考えております。
このような事業環境認識のもと、2021年度よりスタートした第3次中期経営計画「Connect to the Future 2021-2025」を着実に推進し、変化の激しい時代であればこそ、社会やお客様、ビジネスパートナーとのつながりを大切にし、豊かな街づくりの思いを未来に繋げていきたいと考えております。
不動産賃貸事業においては、大規模開発の「虎ノ門アルセアタワー(東京都港区)」、中規模ハイグレードオフィスビル「BIZCORE」シリーズの各プロジェクトについて、お客様のニーズを的確に捉えテナントリーシングを進めることが重要であると考えます。また主力賃貸物件である「品川インターシティ(東京都港区)」の競争力を引き続き強化いたします。更には、品川エリア及び赤坂・虎ノ門エリアにおけるエリアマネジメントについても引き続き取組を強化してまいります。
不動産販売事業においては、「リビオタワー品川(東京都港区)」「リビオシティ文京小石川(東京都文京区)」等の大規模開発事業、高額系分譲マンションを含めたリビオシリーズの更なる拡充、学生マンションや都心高級賃貸マンション、シニア向けマンションを含む賃貸マンション事業の強化を推進してまいります。またマンションの販売体制について2024年度を「自社販売」に本格的に取り組む年と位置付け、従来以上にお客様とのタッチポイントを拡充し満足度の向上と商品の更なる品質向上を進めてまいります。
オフィス賃貸事業、マンション分譲事業に続く第三の事業の柱として推進しております物流施設事業においては、「LOGIFRONT」シリーズとして竣工・稼働済10プロジェクト、都内最大の延床面積25万㎡超となる「MFLP・LOGIFRONT東京板橋(東京都板橋区)」を含む着工済3プロジェクトと順調に事業拡大が進んでおります。興和不動産投資顧問株式会社を設立企画人として非上場オープンエンド型不動産投資法人「日鉄興和不動産プライベート投資法人(以下「私募REIT」)」を設立し、2023年8月に運用を開始いたしました。今後も物流アセットを中心に私募REITへの売却を進め、物流施設事業の事業規模拡大と財務規律堅持の両立を進めてまいります。
新たな成長分野への事業展開としては、当社グループとして初めて開発・運営を手掛ける長期滞在対応型ホテルの第1号として「&Here TOKYO UENO」を開業いたしました。インバウンド観光需要を見据えたホテルブランドとして積極的に取組んでまいります。
国際事業について、北米は中長期的に不動産市場の成長が期待できるエリアと位置付け、今後とも投資機会の拡大を検討してまいります。また、東南アジアでは、安定した経済成長が続き人口増加や中間所得層の拡大による住宅需要の増加が期待されるタイ・バンコクにおいて分譲コンドミニアム事業に参画いたしました。なお、ミャンマーでのサービスアパートメント事業は、2021年のクーデター発生以降、建築工事を中断しており、引き続き同国内の政治情勢・経済情勢を注視しつつ、今後のプロジェクトの進め方を慎重に判断していく方針です。
組織面では当社のマンションブランド「LIVIO」のコンセプト「人生を豊かにするマンション」を体現し暮らしのさまざまなシーンを生活者視点で研究、具体化する機能として「リビオライフデザイン総研室」を設けてまいりましたが、同室の機能を全社に拡張するため、住宅事業本部より独立した組織「ライフデザイン総研室」といたしました。
また、新規事業や事業領域拡大への取組を強化するため、「イノベーション・DX推進室」を「イノベーション創出部」として機能を拡張の上改組いたしました。従来から進めておりますICTを活用した社内コミュニケーションの活性化やオペレーションの合理化・最適化、顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革等のデジタル・トランスフォーメーションの取組みに加え、インキュベーション施設「SPROUND」の運営や出資等を通じた次世代を担うスタートアップ企業の成長サポートや、他業種との協業による新たな技術やアイデアの取込みなどと合わせて全社でオープンイノベーションを推進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、「人と向き合い、街をつくる。」をミッションとした企業理念のもと、時代の変化とお客様のさまざまなニーズに寄り添い、「信頼と誠実」をモットーに、いつの時代でも"選ばれ続けるデベロッパー"を目指し、グループ一丸となって事業活動を推進しております。
日鉄興和不動産企業理念

第3次中期経営計画「Connect to the Future 2021-2025」では、「目指すべき方向性」として、①「社会や顧客ニーズの変化に機動的に対応し、いつの時代でも”選ばれ続ける”デベロッパーを目指す。」、②「オープンに社会・顧客・ビジネスパートナーとつながり、多様性を受け入れ、既存事業の更なる強化・新規領域の拡大にグループ一丸となってチャレンジする。」、③「マーケット動向に即応した戦略的資産回転により、更なるビジネス機会獲得と財務規律堅持の両立を実現し、持続的成長を可能にする。」の3点を、また、各取組施策の策定及び推進にあたって共通する視点として、①「マーケットイン」、②「日鉄興和不動産グループの有機的連携」、③「ダイバーシティ&インクルージョン」、④「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の4点を掲げました。これらの目指すべき方向性、取り組み施策の視点のもと重点施策を策定しグループ一丸となって取組んでおります。

(2)目標とする経営指標
当社グループは、第3次中期経営計画(2021~2025年度)において、連結経常利益を利益目標として採用し、2024年度については連結経常利益332億円を見込んでおります。
また、財務規律維持の観点から、第3次中期経営計画期間中の財務指針として、自己資本比率20%以上、ネットD/Eレシオ3倍以内を目標として掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
今後のわが国経済は、所得の改善、企業収益の回復、株価上昇などによる景気の持続的な回復が期待されるものの、人件費の持続的な上昇による基調的インフレの継続、国内金利の上昇、世界経済の下振れリスク等による先行き不透明・不確実な状況が継続するものと想定しております。また、少子高齢化や生産年齢人口の減少等の社会構造の変化、異常気象や地震等による自然災害やサイバーアタック等のリスクの高まり、一方で、劇的に進化しつつある生成AIをはじめとするデジタル技術等の動向についても経営戦略上の留意、対応が必要であると認識しております。
不動産業界をとりまく環境については、オフィスビル賃貸市場において東京都心部の空室率はオフィス回帰の動きの中で頭打ちの見方が高まり、下落傾向が続いていた平均賃料も底打ちの兆しを見せている一方で、コロナ禍を契機とした企業のオフィス戦略やワークスタイルの変化、更に都心部を中心に計画されている大型オフィスビルの大量供給等、今後の市場動向を注視していく必要があります。マンション分譲市場においては、低金利政策を背景に都心部を中心として堅調なマーケットが継続してきましたが、住宅ローン金利の上昇懸念、用地獲得競争の更なる激化や原材料価格の高止まり、お客様のライフスタイルの変化等も考慮いたしますと、今後の市場動向には一層注視していく必要があると考えております。
このような事業環境認識のもと、2021年度よりスタートした第3次中期経営計画「Connect to the Future 2021-2025」を着実に推進し、変化の激しい時代であればこそ、社会やお客様、ビジネスパートナーとのつながりを大切にし、豊かな街づくりの思いを未来に繋げていきたいと考えております。
不動産賃貸事業においては、大規模開発の「虎ノ門アルセアタワー(東京都港区)」、中規模ハイグレードオフィスビル「BIZCORE」シリーズの各プロジェクトについて、お客様のニーズを的確に捉えテナントリーシングを進めることが重要であると考えます。また主力賃貸物件である「品川インターシティ(東京都港区)」の競争力を引き続き強化いたします。更には、品川エリア及び赤坂・虎ノ門エリアにおけるエリアマネジメントについても引き続き取組を強化してまいります。
不動産販売事業においては、「リビオタワー品川(東京都港区)」「リビオシティ文京小石川(東京都文京区)」等の大規模開発事業、高額系分譲マンションを含めたリビオシリーズの更なる拡充、学生マンションや都心高級賃貸マンション、シニア向けマンションを含む賃貸マンション事業の強化を推進してまいります。またマンションの販売体制について2024年度を「自社販売」に本格的に取り組む年と位置付け、従来以上にお客様とのタッチポイントを拡充し満足度の向上と商品の更なる品質向上を進めてまいります。
オフィス賃貸事業、マンション分譲事業に続く第三の事業の柱として推進しております物流施設事業においては、「LOGIFRONT」シリーズとして竣工・稼働済10プロジェクト、都内最大の延床面積25万㎡超となる「MFLP・LOGIFRONT東京板橋(東京都板橋区)」を含む着工済3プロジェクトと順調に事業拡大が進んでおります。興和不動産投資顧問株式会社を設立企画人として非上場オープンエンド型不動産投資法人「日鉄興和不動産プライベート投資法人(以下「私募REIT」)」を設立し、2023年8月に運用を開始いたしました。今後も物流アセットを中心に私募REITへの売却を進め、物流施設事業の事業規模拡大と財務規律堅持の両立を進めてまいります。
新たな成長分野への事業展開としては、当社グループとして初めて開発・運営を手掛ける長期滞在対応型ホテルの第1号として「&Here TOKYO UENO」を開業いたしました。インバウンド観光需要を見据えたホテルブランドとして積極的に取組んでまいります。
国際事業について、北米は中長期的に不動産市場の成長が期待できるエリアと位置付け、今後とも投資機会の拡大を検討してまいります。また、東南アジアでは、安定した経済成長が続き人口増加や中間所得層の拡大による住宅需要の増加が期待されるタイ・バンコクにおいて分譲コンドミニアム事業に参画いたしました。なお、ミャンマーでのサービスアパートメント事業は、2021年のクーデター発生以降、建築工事を中断しており、引き続き同国内の政治情勢・経済情勢を注視しつつ、今後のプロジェクトの進め方を慎重に判断していく方針です。
組織面では当社のマンションブランド「LIVIO」のコンセプト「人生を豊かにするマンション」を体現し暮らしのさまざまなシーンを生活者視点で研究、具体化する機能として「リビオライフデザイン総研室」を設けてまいりましたが、同室の機能を全社に拡張するため、住宅事業本部より独立した組織「ライフデザイン総研室」といたしました。
また、新規事業や事業領域拡大への取組を強化するため、「イノベーション・DX推進室」を「イノベーション創出部」として機能を拡張の上改組いたしました。従来から進めておりますICTを活用した社内コミュニケーションの活性化やオペレーションの合理化・最適化、顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革等のデジタル・トランスフォーメーションの取組みに加え、インキュベーション施設「SPROUND」の運営や出資等を通じた次世代を担うスタートアップ企業の成長サポートや、他業種との協業による新たな技術やアイデアの取込みなどと合わせて全社でオープンイノベーションを推進してまいります。