訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2024/12/16 15:30
【資料】
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【項目】
173項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念、行動指針
当社グループでは以下のとおり、「アルピコグループ経営理念」、「アルピコグループ行動指針」を定めております。
① アルピコグループ経営理念
アルピコグループは、信州に暮らす人々とその素晴らしい自然環境を愛し
「安全・安心」「便利」「快適」「楽しさ・ときめき」
「知識」の提供を通じて豊かな地域社会の実現に貢献します。
② アルピコグループ行動指針
アルピコグループの宝は地域のお客様からの信頼です。
私たちはお客様の満足でNo.1を目指し、誠実に行動します。
0202010_001.pngワードマークは、ALPICOの文字の中に、信州の山々で見ることのできる、山の稜線から昇る日の出の輝きと、それを受けて輝く山肌(残雪)をデザイン開発のイメージとして作成されたもので、しっかりとした全体のフォルムから、ダイナミックに事業展開を行うパワーと、アルピコグループのスケール感を表現しました。
また、ひと塊となったALPICOの文字によって構成されるグループシグネチャーは、グループとしての結束・融合を表現し、その中にある輝きは、グループとしての求心力と希望を表すものとなっています。
ワードマークに展開使用される色は、信州の自然をイメージしたアルピコブルーを採用することによって、安らぎ(安心感・安定感)と雄大なスケール感を表現すると共に、人に優しく、地域に密着したグループであることを、さらに強調します。
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、長期経営方針として「ALPICO VISION 2035」を掲げ、ビジョンの実現に向けた具体的経営計画を「中期経営計画 2024-2026」として策定しております。
長期ビジョンでは、2035年のありたい姿を「『楽しさ・ときめき』を創出し、付加価値を高めることで、持続的な地域の発展に貢献している企業グループ」としております。
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「中期経営計画 2024-2026」では以下の4つの事業戦略を実施してまいります。
①「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」による成長の加速
②柔軟で適応力のある組織を築(つく)るため各種取り組みの展開
③持続的な価値創造の最重要基盤である人材への投資を強化
④地域に根差す企業グループとして、持続可能な社会実現に貢献
以上の事業戦略に基づき、経営環境や対処すべき課題に対して事業毎に以下の具体的取り組みを行ってまいります。
①流通事業
スーパーマーケット事業を取り巻く環境は、物価高により消費者は節約志向を強めており今後も低価格志向が高まるものと想定され、ドラッグストアの出店攻勢等業態を超えた価格競争も激化しております。これらの課題に対処すべく、消費者の節約志向の高まりに備え「価格政策を強化」し来店客数の増加を図る一方で、高付加価値商品の開発を推し進め「独自化」「差別化」を高める戦略を進めてまいります。具体的には、以下の3つ課題に対処してまいります。
「人口構造の変化への対応」として、店舗フォーマットの見直しとチャネル展開によりさまざまな角度で商品提供を行ってまいります。
「ライフスタイルと価値観の変化への対応」では、節約志向に対応する品揃え対応と、豊かさを創造する商品展開を進めてまいります。
「DXを始めとするイノベーションの加速」では、IoTや生成AIなどを用いた業務の省人化、デジタルツールを活用した作業の省力化に取り組んでまいります。
②運輸事業
運輸事業を取り巻く環境は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症(以下「新型感染症」といいます。)が5類感染症へ移行したことに伴い、旅行需要の回復・増進が顕著に見られ長野県内においても観光地を中心に旅客輸送人員が増加しております。一方で、燃料費の高騰や原材料費の値上げが続くなど厳しい経営環境が継続しており、また、2024年4月より新たな時間外労働の上限規制が適用されるなど、労働力確保が一層厳しさを増しております。
これらの課題に対処すべく、バス事業においては、乗務員の不足や季節的繁閑の差を埋めるため、行政と連携した公設民営路線バスの拡大、上高地や白馬などの季節繁閑が大きいエリアにおいては協力会社の活用、また、車両・人員リソースの最適化を図ってまいります。
また、タクシー事業においては、お客様のタクシー需要に迅速・確実にお応えすべく、事業エリア内全てにおいて、ニーズのある時間・場所にて最大稼働するための乗務員の勤務シフトの変動化とエリア間での相互応援勤務を推進してまいります。
③観光事業及び不動産事業
観光事業であるホテル・旅館事業を取り巻く環境は、新型感染症の影響がほぼ解消されたことや、インバウンドの堅調な増加を主な要因に、需要の回復が進んでおります。一方、深刻な人手不足、エネルギー・原材料価格・物流費の上昇等の課題も継続しております。
これらの課題に対処すべく、収益性と効率性の双方を高める事業運営を目指し、既存施設の改装による差別化と高付加価値化、伸長が続くインバウンド需要の戦略的な取込み、バック部門に加えサービス部門におけるITツールの導入、海外人財の採用やエンゲージメント向上施策等に積極的に取組んでまいります。
不動産事業である別荘管理事業を取り巻く環境は、働き方の多様化による二地域居住需要の拡大、新型感染症拡大を契機とするリモートワークの普及、及び蓼科・八ヶ岳地域のエリアとしての魅力向上などにより別荘保有や居住への関心が高まり堅調に推移しました。一方、インフラの老朽化、顧客層の高齢化が進むほか、建築コストの増大など事業上のリスクと課題は引き続き大きいものと認識しております。
これらの課題に対処すべく、維持更新投資の計画的な実行、新たな顧客ニーズの開拓と提案、別荘生活の魅力発信等に取り組んでまいります。
④その他のサービス事業
保険代理店事業においては、営業体制強化のため営業部門の分業化と専門化を図り効率的・効果的な販売体制の実現を目指すと共に、お客様に今まで以上の「安全・安心」な商品・サービスを提供し続けるよう努めてまいります。