有価証券報告書-第21期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/28 15:00
【資料】
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【項目】
90項目
(1)業績等の概要
① 業績
当連結会計年度における国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、相次ぐ自然災害の発生や米中貿易摩擦の長期化の影響等、先行きの不透明感は継続しております。
国内医薬品業界におきましては、医薬品需要は増加しているものの、医療費抑制に向けた後発医薬品の促進や薬価改定の影響等により、市場は落ち込んでおります。
このような状況の下、当社グループは新薬の継続的な創出と開発パイプラインの拡充を目指し、研究開発活動を推進いたしました。
自社創製品につきましては、「グラナテック®点眼液0.4%(一般名:リパスジル塩酸塩水和物、開発コード:K-115、ライセンスアウト先:興和株式会社(以下、「興和」))(以下、「グラナテック」)」が緑内障・高眼圧症を適応症として国内上市されており、販売状況は順調に推移しております。海外については、2017年12月に韓国において申請が行われ、2019年2月に承認されました。また、「H-1129(WP-1303)(ライセンスアウト先:わかもと製薬株式会社(以下、「わかもと製薬」))」の緑内障・高眼圧症を適応症とした国内後期第Ⅱ相臨床試験が7月に良好な結果で終了し、2019年1月に国内第Ⅲ相臨床試験が開始されました。なお、同剤の日本を除く全世界の権利については、7月に国内の医薬品事業会社よりオプション権を行使しない旨の連絡を受けたため、その後、ライセンスアウト活動を進めております。当社においては、「H-1337」の緑内障・高眼圧症を適応症とした米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験を進め、9月に終了いたしました。試験結果は良好であったため、今後はライセンスアウト活動を進めてまいります。
導入品につきましては、「DW-1002」の欧州等で上市済みの製品(製品名:ILM-Blue®、MembraneBlue-Dual®、適応症:内境界膜剥離、ライセンスアウト先:Dutch Ophthalmic Research Center International B.V.(以下、「DORC」))の販売状況は順調に推移しております。また、同剤の米国(適応症:内境界膜剥離、ライセンスアウト先:DORC)及び日本(適応症:内境界膜染色、ライセンスアウト先:わかもと製薬)については、申請に向けた準備が進められました。さらに、日本については、白内障手術時の水晶体前嚢染色を対象とした医師主導治験(国内第Ⅲ相臨床試験)が8月に終了しており、当社においてはライセンスアウト活動に取り組みました。なお、同適応症については、2019年2月に、わかもと製薬にライセンスアウトしております。
研究開発プロジェクトにつきましては、シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトにおいて、眼科関連疾患を中心に新薬候補化合物の探索のための研究開発活動を行いました。また、8月にGlaukos Corporation(以下、「Glaukos」)との間で、緑内障領域を対象に新規眼内投与製品の創出を目的とした共同研究契約並びにライセンス契約締結を行いました。
以上の結果、売上高につきましては、「グラナテック」、「DW-1002」のロイヤリティ収入及びGlaukosとの共同研究契約に伴うテクノロジーアクセスフィー及び研究費の受領等により、合計292百万円(前期比15.3%増)を計上し、売上原価に13百万円を計上しました。
販売費及び一般管理費につきましては、1,065百万円(前期比21.0%増)となりました。その内訳は、研究開発費が「H-1337」の米国臨床試験費用の増加等により795百万円(前期比31.8%増)、その他販売費及び一般管理費が資本金減少による法人事業税の減少等により270百万円(前期比2.4%減)となりました。
これらにより、営業損失は786百万円(前期営業損失633百万円)となりました。営業外費用に支払利息6百万円及び為替相場の変動による為替差損3百万円を計上したこと等の結果、経常損失は796百万円(前期経常損失668百万円)となりました。また、特別損失に子会社日本革新創薬株式会社(以下、「JIT」)の固定資産の減損損失6百万円を計上し、非支配株主に帰属する当期純損失54百万円を控除したこと等の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は748百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失1,563百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における新薬候補化合物開発状況は以下の通りです。
(イ)自社創製品
開発コード等対象疾患開発段階地域ライセンスアウト先/開発コード
グラナテック緑内障・高眼圧症上市日本興和/K-115
申請(注1)韓国
H-1129緑内障・高眼圧症後期第Ⅱ相臨床試験(注2)日本わかもと製薬/WP-1303
H-1337緑内障・高眼圧症第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験米国自社開発
K-134(注3)日本興和/K-134

(注1)2019年2月に、承認されました。
(注2)2019年1月に、第Ⅲ相臨床試験が開始されました。
(注3)ライセンスアウト先の興和により、閉塞性動脈硬化症以外の適応症への応用を検討されているため、対象疾患と開発段階は記載しておりません。
(ロ)導入品
開発コード等対象疾患開発段階地域ライセンスアウト先/開発コード起源
DW-1002内境界膜剥離上市欧州DORC国立大学法人
九州大学
内境界膜剥離第Ⅲ相臨床試験米国DORC
内境界膜染色第Ⅲ相臨床試験日本わかもと製薬
/WP-1108
白内障手術第Ⅲ相臨床試験日本未定(注4)
眼科用鎮痛剤眼の手術後疼痛臨床試験準備中日本自社開発英国企業
未熟児網膜症治療薬未熟児網膜症臨床試験準備中日本JIT開発国立大学法人
東京農工大学

(注4)2019年2月に、わかもと製薬にライセンスアウトしております。
(ハ)研究開発プロジェクト
開発コード等対象とする疾患等開発段階
シグナル伝達阻害剤開発プロジェクト眼科関連疾患、神経、循環器、呼吸器系疾患基礎研究

② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ548百万円減少し、1,584百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は540百万円(前期は797百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が802百万円あった一方で、未収消費税等の減少額131百万円及び前渡金の減少額92百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7百万円(前期は763百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローはありません(前期は1,406百万円の収入)。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
該当事項はありません。
(ロ)受注実績
該当事項はありません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
創薬事業292,924115.3
合計292,924115.3

(注)1 当連結会計年度の主な販売実績は、ロイヤリティ収入です。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りです。
相手先前連結会計年度
(自 2017年1月1日
至 2017年12月31日)
当連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
興和株式会社119,83147.2138,69247.3
Dutch Ophthalmic Research Center International B.V.63,96625.296,92133.1
Glaukos Corporation--38,05513.0

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 前連結会計年度のGlaukos Corporationに対する販売実績はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。なお、当社グループは、創薬事業の単一事業であるため、セグメント別の業績に関する記載を省略しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、下記に記載の項目のうち、将来に関する事項は、入手可能な情報及び将来の業績に与える不確定要素についての仮定をもとに、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
② 財政状態の分析
(イ) 資産
総資産は、前連結会計年度末から803百万円減少し、2,073百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末から751百万円減少し、1,764百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が前連結会計年度末に比べ548百万円、流動資産のその他が225百万円減少したこと等によるものです。流動資産のその他の減少は、前期の消費税還付による未収消費税及び前渡金の減少等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末から52百万円減少し、309百万円となりました。主な要因は、償却による契約関連無形資産41百万円の減少及びJITの固定資産の減損損失6百万円を計上したこと等によるものです。
(ロ) 負債、純資産
負債は、前連結会計年度末から7百万円減少し、773百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末から112百万円増加し、268百万円となりました。主な要因は、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金に振替えたことにより120百万円増加した一方で、未払法人税等が16百万円減少したこと等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末から120百万円減少し、505百万円となりました。主な要因は、長期借入金120百万円を1年内返済予定の長期借入金へ振替えたことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末から795百万円減少し、1,300百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が748百万円及び非支配株主持分が54百万円減少したこと等によるものです。なお、第20期定時株主総会の決議に基づき、資本金3,335百万円、資本準備金1,225百万円をそれぞれその他資本剰余金へ振り替え、当該その他資本剰余金4,561百万円を利益剰余金に振り替え欠損填補を行いましたが、これによる純資産合計に変動はありません。この結果、自己資本比率は60.8%となりました。
③ 経営成績の分析
(イ) 売上高、売上原価
売上高は、「グラナテック」、「DW-1002」のロイヤリティ収入及びGlaukosとの共同研究契約に伴うテクノロジーアクセスフィー及び研究費の受領等により、合計292百万円(前期比15.3%増)を計上し、売上原価に13百万円を計上しました。グラナテックのロイヤリティ収入は順調に増加しており、DW-1002のロイヤリティ収入は安定推移していると認識しております。
(ロ) 販売費及び一般管理費、営業損失
(a)研究開発費
当社グループの研究開発費は、自社創製品を発明している基礎研究と保有する全ての開発品の開発を進める臨床開発で使われているものに大別されますが、臨床開発をどのステージまで行うか、どの程度の規模で行うかによって費用が大きく増減します。当連結会計年度における研究開発費は、当社グループ初の海外での臨床試験を行ったこと等により、例年に比べて大幅に増加し、795百万円(前期比31.8%増)となりました。
なお、当社グループのライセンスアウト済みパイプラインの研究開発費は、「DW-1002(日本)」の一部を除いてライセンスアウト先の資金により賄われており、当社グループにおいて研究開発費負担は発生しておりません。
(b)その他販売費及び一般管理費
その他販売費及び一般管理費は、主に研究開発費以外の本社費用等となります。当連結会計年度においては、資本金減少による法人事業税の減少等により270百万円(前期比2.4%減)となりました。
これらにより、営業損失は786百万円(前期営業損失633百万円)となりました。
(ハ) 経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失
営業外費用に支払利息6百万円及び為替相場の変動による為替差損3百万円を計上したこと等の結果、経常損失は796百万円(前期経常損失668百万円)となりました。また、特別損失に子会社日本革新創薬株式会社の固定資産の減損損失6百万円を計上し、非支配株主に帰属する当期純損失54百万円を控除したこと等の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は748百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失1,563百万円)となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)業績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、保有する開発パイプラインの変動であると考えております。この変動とは、保有する開発パイプラインの新規のライセンスアウト、新規開発パイプラインの導入、開発パイプラインの臨床開発の中止・失敗・期間延長及びライセンス契約の解約等が想定されます。これらの状況により当社グループの経営成績は大きく変動いたします。
なお、事業展開上のリスクについては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
現在、当社は上市品である「グラナテック」、国内第Ⅲ相臨床試験を行っている「H-1129(WP-1303)」(2019年1月開始)、米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験が終了したH-1337、欧州の上市品で国内第Ⅲ相臨床試験(医師主導治験)が終了したDW-1002を中心として保有する開発パイプラインの開発が順調に進んでおります。開発が順調であることは、当社の企業価値に影響するだけでなく、当社の保有する基盤技術の証明になるものと考えております。
このような中、経営者の問題認識としては、今後当業界において有益な開発パイプラインの創製もしくは保有することがより一層重要になると考えております。このため、当社グループは「開発パイプラインの拡充」と「事業領域の拡大」をテーマとして、魅力ある開発パイプラインの創製、他社からの開発パイプラインの導入と自社による臨床開発を進めております。
今後の方針としては、これまでの取り組みを継続して、当社グループの開発パイプラインの充実を図っていくと共に、保有する開発パイプラインが上市され、患者の皆様への満足度の高い治療の提供と当社収益額の安定的な向上を図ってまいります。
なお、経営環境及び対処すべき課題等については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、ライセンス契約に基づくフロントマネー収入、マイルストーン収入及びロイヤリティ収入により得た資金、並びに金融機関からの借入、金融・資本市場からの資金調達により得た資金を主な財源とし、医薬品の研究開発を進めております。新薬開発に関わる研究開発活動は長期間を要するため、資金需要の発生時に機動的に対応できるよう資金の流動性を確保しております。当社グル―プの現在の財政状態及びキャッシュ・フローの展望を勘案し、自社研究施設は引き続き所有しない方針を継続します。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は600百万円、現金及び現金同等物の残高は1,584百万円となっております。

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