有価証券報告書-第22期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 15:00
【資料】
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【項目】
129項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、輸出や生産を中心に弱さがみられるものの、景気は緩やかな回復傾向となりました。一方で、通商問題の動向や海外経済の不確実性等により、先行き不透明な状況が続いております。
国内医薬品業界におきましては、医薬品使用量は増加傾向にあるものの、薬価引下げや後発医薬品への切り替えの加速等が進み、国内の事業環境は厳しさを増しております。各社はパイプライン拡充や他社との協業等、競争力強化に向けた取り組みを進めております。
このような状況の下、当社グループは新薬の継続的な創出と開発パイプラインの拡充を目指し、研究開発活動を推進いたしました。
自社創製品につきましては、「グラナテック®点眼液0.4%(一般名:リパスジル塩酸塩水和物、開発コード:K-115、ライセンスアウト先:興和株式会社(以下、「興和」))(以下、「グラナテック」)」が緑内障・高眼圧症を適応症として国内上市されており、販売状況は順調に推移しております。海外については、2月に韓国における輸入薬許可(日本における製造販売承認に相当)を取得され、アジア4ヶ国へも順次承認申請されました。さらに、8月に同剤の有効成分であるリパスジル塩酸塩水和物について、角膜内皮障害(フックス角膜内皮変性症)を適応症とした米国第Ⅱ相臨床試験が開始されました(開発コード:K-321)。2020年2月には、緑内障・高眼圧症を適応症とした配合点眼剤(リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩)の国内第Ⅲ相臨床試験が開始されております(開発コード:K-232)。また、「H-1129(WP-1303)(ライセンスアウト先:わかもと製薬株式会社(以下、「わかもと製薬」))」の緑内障・高眼圧症を適応症とした国内第Ⅲ相臨床試験が1月に開始されておりましたが、長期投与時の安全性が懸念されたことから、9月に開発中止が決定されました。これにより、当社も「H-1129」の海外におけるライセンスアウト活動を終了いたしました。なお、緑内障治療剤「H-1337」については、継続してライセンスアウト活動を進めております。
導入品につきましては、「DW-1002」の欧州等で上市済みの製品(製品名:ILM-Blue®、MembraneBlue-Dual®、適応症:内境界膜剥離、ライセンスアウト先:Dutch Ophthalmic Research Center International B.V.(以下、「DORC」))の販売状況は順調に推移しております。同剤の米国及びカナダ(製品名:TissueBlue™、適応症:内境界膜剥離)については、DORCによって承認申請が行われ、米国については12月に承認取得されました。同剤の日本(適応症:白内障手術)については、2月にわかもと製薬にライセンスアウトしております。また、眼科用治療剤「DW-1001」については、12月にロート製薬株式会社(以下、「ロート製薬」)にライセンスアウトいたしました。今後は、ロート製薬において開発が進められる予定です。
研究開発プロジェクトにつきましては、シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトにおいて、眼科関連疾患を中心に新薬候補化合物の探索のための研究開発活動を行い、また、他社との共同研究を推進いたしました。
以上の結果、売上高につきましては、各種ロイヤリティ収入、「H-1129(WP-1303)」のマイルストーン収入、「DW-1002(白内障手術)」及び「DW-1001」のライセンスアウトによる契約一時金の受領等により、合計580百万円(前期比98.2%増)を計上し、売上原価に25百万円(前期比90.2%増)を計上しました。
販売費及び一般管理費につきましては、437百万円(前期比59.0%減)となりました。その内訳は、研究開発費が249百万円(前期比68.6%減、前期は「H-1337」の米国臨床試験を実施)、その他販売費及び一般管理費がコスト削減施策の効果等により、187百万円(前期比30.5%減)となりました。
これらにより、営業利益は117百万円(前期営業損失786百万円)となりました。また、営業外費用に支払利息5百万円及び為替相場の変動による為替差損1百万円を計上したこと等の結果、経常利益は109百万円(前期経常損失796百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は133百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失748百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における新薬候補化合物開発状況は以下の通りです。
(イ)自社創製品
開発コード等対象疾患開発段階地域ライセンスアウト先
/開発コード
リパスジル
塩酸塩水和物
グラナテック緑内障・高眼圧症上市日本興和/K-115
承認韓国
申請アジア4ヶ国(注1)
K-321角膜内皮障害
(フックス角膜内皮変性症)
第Ⅱ相臨床試験米国興和/K-321

開発コード等対象疾患開発段階地域ライセンスアウト先
/開発コード
リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩K-232緑内障・高眼圧症第Ⅲ相臨床試験
(注2)
日本興和/K-232
H-1337緑内障・高眼圧症第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験米国自社開発
K-134(注3)日本興和/K-134

(注1)シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイの4ヶ国になります。
(注2)2020年2月に、第Ⅲ相臨床試験が開始されました。
(注3)ライセンスアウト先の興和により、閉塞性動脈硬化症以外の適応症への応用を検討されているため、対象疾患と開発段階は記載しておりません。
(ロ)導入品
開発コード等対象疾患開発段階地域ライセンスアウト先
/開発コード
起源
DW-1002内境界膜剥離上市欧州DORC国立大学法人
九州大学
承認米国
申請カナダ
内境界膜染色第Ⅲ相臨床試験日本わかもと製薬
/WP-1108
白内障手術第Ⅲ相臨床試験日本
DW-1001眼科用治療剤(非開示)非臨床試験日本ロート製薬英国企業
未熟児網膜症治療薬未熟児網膜症臨床試験準備中日本JIT開発国立大学法人
東京農工大学

(ハ)研究開発プロジェクト
開発コード等対象とする疾患等開発段階
シグナル伝達阻害剤開発プロジェクト眼科関連疾患、神経、循環器、呼吸器系疾患基礎研究

② 財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末から92百万円減少し、1,981百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末から48百万円減少し、1,715百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末から43百万円減少し、265百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末から200百万円減少し、573百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末から79百万円減少し、189百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末から121百万円減少し、384百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末から107百万円増加し、1,408百万円となりました。この結果、自己資本比率は70.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ43百万円減少し、1,540百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は175百万円(前期は540百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が109百万円及び減価償却費44百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は100百万円(前期は7百万円の支出)となりました。これはDW-1002(白内障手術)のライセンスアウトにより、事業譲受による支出(マイルストーンの支払い)100百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は120百万円(前期はありません)となりました。これは長期借入金の返済による支出120百万円があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
該当事項はありません。
(ロ)受注実績
該当事項はありません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
創薬事業580,527198.2
合計580,527198.2

(注)1 当連結会計年度の主な販売実績は、ロイヤリティ収入です。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りです。
相手先前連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
わかもと製薬株式会社--209,18736.0
興和株式会社138,69247.3157,90327.2
Dutch Ophthalmic Research Center International B.V.96,92133.188,31715.2
Glaukos Corporation38,05513.062,90610.8

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。なお、当社グループは、創薬事業の単一事業であるため、セグメント別の業績に関する記載を省略しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、下記に記載の項目のうち、将来に関する事項は、入手可能な情報及び将来の業績に与える不確定要素についての仮定をもとに、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
② 財政状態の分析
(イ)資産
総資産は、前連結会計年度末から92百万円減少し、1,981百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末から48百万円減少し、1,715百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が43百万円減少したこと等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末から43百万円減少し、265百万円となりました。主な要因は、契約関連無形資産が41百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における現金及び預金は1,540百万円であり、今後の現金及び預金の残高推移については十分に注視しつつ、研究開発活動を推進してまいります。
(ロ)負債
負債は、前連結会計年度末から200百万円減少し、573百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末から79百万円減少し、189百万円となりました。主な要因は、期首に未払計上されていたマイルストーン100百万円を支払ったこと等の結果、未払金が104百万円減少した一方で、流動負債のその他が25百万円増加したこと等によるものです。流動負債のその他の増加は、売上高増加に伴い未払消費税等が増加したこと等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末から121百万円減少し、384百万円となりました。主な要因は、長期借入金が120百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における借入金の残高は480百万円であり、2023年まで返済が継続する予定です。引き続き効率的な研究開発活動を推進してまいります。
(ハ)純資産
純資産は、前連結会計年度末から107百万円増加し、1,408百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が133百万円増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は70.3%となりました。
③ 経営成績の分析
(イ)売上高、売上原価
売上高は、「グラナテック」、「DW-1002」のロイヤリティ収入、「H-1129(WP-1303)」の国内第Ⅲ相臨床試験開始によるマイルストーン収入並びに「DW-1002(日本の白内障手術)」及び「DW-1001」のライセンスアウトによる契約一時金の受領等により、合計580百万円(前期比98.2%増)を計上し、売上原価に25百万円(前期比90.2%増)を計上しました。グラナテックのロイヤリティ収入は順調に増加しており、DW-1002のロイヤリティ収入は安定推移していると認識しております。
(ロ)販売費及び一般管理費、営業利益
(a)研究開発費
当社グループの研究開発費は、自社創製品を発明している基礎研究と保有する全ての開発品の開発を進める臨床開発で使われているものに大別されますが、臨床開発をどのステージまで行うか、どの程度の規模で行うかによって費用が大きく増減します。当連結会計年度における研究開発費は、自社創製品の発明のための基礎研究並びに他社との共同研究を推進したこと等により、249百万円(前期比68.6%減、前期は海外で臨床試験を行ったことにより、例年に比べて大幅に増加していたもの)となりました。
なお、当社グループのライセンスアウト済みパイプラインの研究開発費は、「DW-1002(日本)」の一部を除いてライセンスアウト先の資金により賄われており、当社グループにおいて研究開発費負担は発生しておりません。
(b)その他販売費及び一般管理費
その他販売費及び一般管理費は、主に研究開発費以外の本社費用等となります。当連結会計年度においては、コスト削減施策の効果等により187百万円(前期比30.5%減)となりました。
これらにより、営業利益は117百万円(前期営業損失786百万円)となりました。
(ハ)経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益
営業外費用に支払利息5百万円及び為替相場の変動による為替差損1百万円を計上したこと等の結果、経常利益は109百万円(前期経常損失796百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は133百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失748百万円)となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、保有する開発パイプラインの変動であると考えております。この変動とは、保有する開発パイプラインの新規のライセンスアウト、新規開発パイプラインの導入、開発パイプラインの臨床開発の中止・失敗・期間延長及びライセンス契約の解約等が想定されます。これらの状況により当社グループの経営成績は大きく変動いたします。
なお、事業展開上のリスクについては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
現在、当社は上市品である「グラナテック」、「DW-1002」を中心として保有する開発パイプラインの開発が順調に進んでおります。「グラナテック」は海外へ順次承認申請を行い、また、適応拡大の取り組みとして、フックス角膜内皮変性症を適応症とする米国第Ⅱ相臨床試験を開始しております。「DW-1002」は海外の承認申請を進め、米国は12月に承認取得いたしました。開発が順調であることは、当社の企業価値に影響するだけでなく、当社の保有する基盤技術の証明になるものと考えております。
このような中、経営者の問題認識としては、今後当業界において有益な開発パイプラインの創製もしくは保有することがより一層重要になると考えております。このため、当社グループは「開発パイプラインの拡充」と「事業領域の拡大」をテーマとして、魅力ある開発パイプラインの創製、他社からの開発パイプラインの導入と自社による臨床開発を進めております。
今後の方針としては、これまでの取り組みを継続して、当社グループの開発パイプラインの充実を図っていくと共に、保有する開発パイプラインが上市され、患者の皆様への満足度の高い治療の提供と当社収益額の安定的な向上を図ってまいります。
なお、経営環境及び対処すべき課題等については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業活動の結果得られた資金(ライセンス契約に基づくフロントマネー収入、マイルストーン収入及びロイヤリティ収入等)、並びに金融機関からの借入、金融・資本市場からの資金調達により得た資金を主な財源とし、医薬品の研究開発を進めております。新薬開発に関わる研究開発活動は長期間を要するため、資金需要の発生時に機動的に対応できるよう資金の流動性を確保しております。当社グル―プの現在の財政状態及びキャッシュ・フローの展望を勘案し、自社研究施設は引き続き所有しない方針を継続します。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は480百万円、現金及び現金同等物の残高は1,540百万円となっております。

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