有価証券報告書-第17期(2025/04/01-2026/03/31)
(2) 戦略
当社グループは、「社会課題の解決にとことん向き合い、地域の発展と企業価値向上を実現する」ことを当社グループにおけるサステナブル経営であるとし、徹底したソリューション営業の深化を通じ、地域の発展と企業価値向上の実現を目指しております。
① 気候変動にかかるリスクと機会
気候変動の影響は不確実性が高く、また、分析対象となる期間も長期まで考慮したものとすべきとされています。当社では、気候変動に伴うリスクと機会について「短期(5年未満)」「中期(15年程度)」「長期(30年程度)」の時間軸で定性的な分析を行いました。
a.リスクと機会
b.炭素関連資産
2021年のTCFD提言改定付属書にもとづく炭素関連資産(※)が当社貸出金等に占める割合は、「29.2%」(2025年12月末時点)となっております。
※炭素関連資産は、「電力を含むエネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食糧・林業製品」セクターと定 義しております。
c.シナリオ分析
ⅰ.移行リスク
「TCFD」「SASB(サステナビリティ会計基準審議会)」など各種専門機関等の分析をもとに、セクター別の潜在的なリスクの大きさを調査するとともに、当社のエクスポージャーも加味したうえで、影響が大きなセクターを検討しました。検討の結果、「電力」及び「石油・ガス・消耗燃料(石油小売・卸売含む)」を重点セクターに選定し、当該セクターの事業者にどのようなリスクと機会があるかを洗い出した上、将来の事業に対する影響を分析しました。なお、重点セクターについては、今後の専門的分析や市場動向等を踏まえて追加・変更の可能性があります。
移行リスクに関する分析結果は以下の通りです。
ⅱ.物理的リスク
物理的リスクについては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)等を参考にし、ハザードマップを用いて事業性融資取引先の不動産担保の損壊による担保価値毀損額、および事業の停滞等による業績悪化の影響が、与信関連費用の増加に及ぼす影響を分析しました。
物理的リスクに関する分析結果は以下の通りです。
上記分析により試算した与信関連費用の増加については、中長期的な取り組みにより低減することが可能であることから、気候変動リスクが当社戦略へ与える影響は限定的であることを確認しております。なお、一定の前提を置いた試算であることから引き続きシナリオ分析等の向上および精緻化に取り組みます。
② 生物多様性・自然資本への取組み
a.融資セクター毎の自然資本への依存と影響
当社グループの営業エリアは、大阪湾及び大阪平野を取り囲むように山地が存在し、 海、山、河川、農地等、多様な自然環境が見られるとともに、幅広い分野の産業が集積しており、都市と自然が隣接しているという特徴があります。
当社グループでは、事業活動と自然資本との関係性を把握するため、TNFD提言金融機関向け追加ガイダンスを参照し、池田泉州銀行の融資セクター毎の自然資本への「依存と影響」の分析を実施しました。
実施方法:TNFD提言において推奨されているLEAPアプローチに沿って実施
活用ツール:ENCORE(自然資本への依存度や影響度を可視化するツール)


分析の結果、自然への依存度及び影響度が比較的高いセクターとして、「食品・飲料」「素材」「エネルギー」が確認されました。
当社における融資残高割合や、地域特性の観点より「素材」セクターについてのさらなる分析を実施しました。
b.バリューチェーンにおける依存・影響経路の分析
「素材」セクターのバリューチェーンにおいて、関連する可能性のある環境資産、インパクトドライバー、生態系サービスを特定し、依存経路、影響経路を下記のとおり整理しました。

c.自然関連リスク・機会の整理
「素材」セクターの自然関連リスク及び機会について以下の通り整理しました。
当社グループは、引き続き、TNFD提言で推奨されている情報開示に取り組んでまいります。
③ 戦略への反映
子会社である池田泉州銀行では、サステナブル投融資方針を制定し、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮し、持続可能な地域社会の実現を踏まえた投融資を行うこととしております。ESGに対してポジティブ・インパクトの拡大に資する投融資については積極的に支援するほか、ネガティブ・インパクトを与えるおそれがある投融資については、十分に注意しながら取組み可否を検討し、その影響を低減・回避することに努めております。
(サステナブル投融資方針の概要)
投融資方針の全文は当社ホームページをご参照ください。
https://www.senshuikeda-hd.co.jp/news/pdf/20260303.pdf
モニタリングの結果、2025年度の事業活動において、 上記のネガティブ・インパクトを包含する可能性のある投融資への取組みはありませんでした。なお、サステナブル投融資方針の運用状況については、取締役会に報告することで、適切に監督が図られる体制を整えております。
当社グループは、「社会課題の解決にとことん向き合い、地域の発展と企業価値向上を実現する」ことを当社グループにおけるサステナブル経営であるとし、徹底したソリューション営業の深化を通じ、地域の発展と企業価値向上の実現を目指しております。
① 気候変動にかかるリスクと機会
気候変動の影響は不確実性が高く、また、分析対象となる期間も長期まで考慮したものとすべきとされています。当社では、気候変動に伴うリスクと機会について「短期(5年未満)」「中期(15年程度)」「長期(30年程度)」の時間軸で定性的な分析を行いました。
a.リスクと機会
| 主なリスクと当社への影響 | 時間軸 | ||
| リスク | 移行リスク | ● 低炭素商品・サービスなどへの消費者志向のシフトに伴う取引先企業の事業環境悪化と当該企業向け貸出資産毀損 ● 気候変動対応が不十分なことによる当社レピュテーションの悪化 | 短期~長期 |
| ● 政策変更・規制強化に伴う取引先企業の事業環境悪化と当該企業向け貸出資産毀損 | 中期~長期 | ||
| 物理的リスク | ● 災害による担保不動産の毀損 ● 災害、生産性低下に伴う取引先の事業、就業への影響 ● 当社拠点の毀損による影響 | 中期~長期 | |
| 機会 | ● 低炭素社会に対応する企業の設備資金需要の増加 ● 脱炭素化を支援する商品・サービス関連事業者、再生エネルギー事業者の事業機会と資金需要の増加 ● エネルギー消費削減に伴う事業コスト減少 | 短期~長期 | |
b.炭素関連資産
2021年のTCFD提言改定付属書にもとづく炭素関連資産(※)が当社貸出金等に占める割合は、「29.2%」(2025年12月末時点)となっております。
| 電力を含むエネルギー | 運輸 | 素材・建築物 | 農業・食糧・林業製品 |
| 0.9% | 2.6% | 24.3% | 1.4% |
※炭素関連資産は、「電力を含むエネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食糧・林業製品」セクターと定 義しております。
c.シナリオ分析
ⅰ.移行リスク
「TCFD」「SASB(サステナビリティ会計基準審議会)」など各種専門機関等の分析をもとに、セクター別の潜在的なリスクの大きさを調査するとともに、当社のエクスポージャーも加味したうえで、影響が大きなセクターを検討しました。検討の結果、「電力」及び「石油・ガス・消耗燃料(石油小売・卸売含む)」を重点セクターに選定し、当該セクターの事業者にどのようなリスクと機会があるかを洗い出した上、将来の事業に対する影響を分析しました。なお、重点セクターについては、今後の専門的分析や市場動向等を踏まえて追加・変更の可能性があります。
移行リスクに関する分析結果は以下の通りです。
| 使用シナリオ | IEAのNZEシナリオ等 |
| 使用データ | ・資源需要 ・発電における電源別構成に関する将来予測データ ・炭素税の予測データ 等 |
| 分析内容 | 融資先の財政状態や経営成績の予想を行い、当社における与信関連費用の変化を推定 |
| 分析対象 | 「電力」および「石油・ガス・消耗燃料(石油小売・卸売含む)」 |
| 分析期間 | 2050年まで |
| 分析結果 | 最大で40億円程度の与信関連費用増加 |
ⅱ.物理的リスク
物理的リスクについては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)等を参考にし、ハザードマップを用いて事業性融資取引先の不動産担保の損壊による担保価値毀損額、および事業の停滞等による業績悪化の影響が、与信関連費用の増加に及ぼす影響を分析しました。
物理的リスクに関する分析結果は以下の通りです。
| 使用シナリオ | 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)等 |
| 使用データ | 融資先の本店所在地および担保物件所在地のハザードマップ |
| 分析内容 | 気候変動に起因する大規模水害が発生した場合の業績悪化および担保等の毀損の影響を推定 |
| 分析対象 | 事業性融資取引先(大企業を除く) |
| 分析期間 | 2050年まで |
| リスク量 | 最大で30億円程度の与信関連費用増加 |
上記分析により試算した与信関連費用の増加については、中長期的な取り組みにより低減することが可能であることから、気候変動リスクが当社戦略へ与える影響は限定的であることを確認しております。なお、一定の前提を置いた試算であることから引き続きシナリオ分析等の向上および精緻化に取り組みます。
② 生物多様性・自然資本への取組み
a.融資セクター毎の自然資本への依存と影響
当社グループの営業エリアは、大阪湾及び大阪平野を取り囲むように山地が存在し、 海、山、河川、農地等、多様な自然環境が見られるとともに、幅広い分野の産業が集積しており、都市と自然が隣接しているという特徴があります。
当社グループでは、事業活動と自然資本との関係性を把握するため、TNFD提言金融機関向け追加ガイダンスを参照し、池田泉州銀行の融資セクター毎の自然資本への「依存と影響」の分析を実施しました。
実施方法:TNFD提言において推奨されているLEAPアプローチに沿って実施
活用ツール:ENCORE(自然資本への依存度や影響度を可視化するツール)


分析の結果、自然への依存度及び影響度が比較的高いセクターとして、「食品・飲料」「素材」「エネルギー」が確認されました。
当社における融資残高割合や、地域特性の観点より「素材」セクターについてのさらなる分析を実施しました。
b.バリューチェーンにおける依存・影響経路の分析
「素材」セクターのバリューチェーンにおいて、関連する可能性のある環境資産、インパクトドライバー、生態系サービスを特定し、依存経路、影響経路を下記のとおり整理しました。

c.自然関連リスク・機会の整理
「素材」セクターの自然関連リスク及び機会について以下の通り整理しました。
| リスク/機会 | 当該セクターにおけるリスク・機会 | 当社におけるリスク・機会 |
| 物理リスク | ・水不足や水質悪化による操業制約や原材料調達不安定化、およびそれらに伴う収益悪化 | ・貸出資産の毀損 ・収益機会の逸失 |
| ・豪雨・洪水・土砂災害等による事業拠点や物流網への影響による事業停滞、およびそれらに伴う収益悪化 | ||
| 移行リスク | ・生態系への悪影響に対する社会的批判や、操業制限による企業価値の低下 | ・社会的評価・企業価値の低下 ・貸出資産の毀損 |
| ・排出規制強化や環境事故、訴訟等による対応コスト・賠償負担の増加 | ||
| 機会 | ・水処理設備、水再利用設備への投資、水源涵養活動等を通した競争力向上 | ・新たな投融資機会の増加 ・社会的評価・企業価値の向上 ・貸出資産の信用リスク低下 |
| ・防災・減災やインフラ強靭化投資による競争力向上 | ||
| ・省エネ設備、再エネ、排ガス処理設備等への転換による競争力向上 | ||
| ・リサイクル、資源循環、環境配慮型製品の開発による競争力向上 |
当社グループは、引き続き、TNFD提言で推奨されている情報開示に取り組んでまいります。
③ 戦略への反映
子会社である池田泉州銀行では、サステナブル投融資方針を制定し、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮し、持続可能な地域社会の実現を踏まえた投融資を行うこととしております。ESGに対してポジティブ・インパクトの拡大に資する投融資については積極的に支援するほか、ネガティブ・インパクトを与えるおそれがある投融資については、十分に注意しながら取組み可否を検討し、その影響を低減・回避することに努めております。
(サステナブル投融資方針の概要)
| ポジティブ・インパクトの拡大に資する投融資への取組み方針 |
| ・資金使途が環境、社会分野の課題解決に繋がる投融資 ・SDGsへの取組みを支援・促進する投融資 |
| ネガティブ・インパクトを包含する可能性のある投融資への取組み方針 | ||
| セクター横断的な 取組み方針 | 禁止 | ・ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業 ・ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業 ・ワシントン条約に違反する事業 ・強制労働、児童労働等の人権侵害を行っている事業 ・公序良俗に反する事業、法令等に違反する事業 |
| 特定セクターに 対する取組み方針 | 禁止 | ・兵器 |
| 原則禁止 | ・石炭火力発電 | |
| 慎重検討 | ・森林伐採、パーム油農園開発 ・炭鉱採掘、石油・ガス採掘 ・大規模水力発電 | |
投融資方針の全文は当社ホームページをご参照ください。
https://www.senshuikeda-hd.co.jp/news/pdf/20260303.pdf
モニタリングの結果、2025年度の事業活動において、 上記のネガティブ・インパクトを包含する可能性のある投融資への取組みはありませんでした。なお、サステナブル投融資方針の運用状況については、取締役会に報告することで、適切に監督が図られる体制を整えております。