有価証券報告書-第23期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるアニコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み、景気回復の兆しが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰や世界的なインフレと金融引き締めによる海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなり、景気の先行きについては引き続き注視を要する状況にあります。
このような状況の中、当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社の重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、販売チャネルの営業活動強化などに注力したことに加え、堅調なペット飼育需要が継続していることにより、業績については堅調に推移しています。なお、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は次のとおりです。
保険引受収益50,781百万円(前期比7.3%増)、資産運用収益834百万円(同22.7%増)、新規事業等を含むその他経常収益4,912百万円(同2.1%減)を合計した経常収益は56,528百万円(同6.6%増)となりました。一方、保険引受費用35,664百万円(同6.4%増)、営業費及び一般管理費15,350百万円(同4.7%増)などを合計した経常費用は52,842百万円(同6.0%増)となりました。この結果、経常利益は3,685百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,284百万円(同8.2%増)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表(セグメント情報等)」に記載のとおり、“損害保険事業(ペット保険)”、“ペット向けインターネットサービス事業”、“その他の事業”です。
最近2連結会計年度の経常収益をセグメント別に示すと、次のとおりです。
<損害保険事業>損害保険事業の経常収益は、前年同期比3,594百万円増(同7.5%増)の51,624百万円となりました。
アニコム損保では、コロナ禍における特需的なペット飼育需要が落ち着いたこと等の影響があったものの、重点施策と位置付けているペット保険の販売チャネルの拡大・強化や当社グループ独自のサービスである「どうぶつ健活」を付帯した保険商品の堅調な増加提供等によるお客様への訴求力が高まったこと等により、新規契約件数は218,695件(前年度比4.5%減)、保有契約件数は1,113,144件(前期末から84,313件の増加・同8.2%増)と堅調な伸長を継続しています。
[新規契約件数・保有契約件数の推移] (単位:千件)
(新規契約件数) (保有契約件数)

E/I損害率注1)については、コロナ禍の行動変化の影響による通院頻度の高止まりや保険金単価の上昇もあったことなどから58.9%と前年同期比で0.8pt上昇いたしました。一方、既経過保険料ベース事業費率注2)は、規模拡大に向けた積極投資や「どうぶつ健活」(腸内フローラ測定+健康診断)の申込数の増加などを踏まえても、34.9%と前年同期比で1.8pt改善いたしました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で1.0pt改善し93.8%となりました。
注1) E/I損害率:発生ベースでの損害率。
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出。
注2) 既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの保険料(既経過保険料)に対する発生ベースの事業費率
損保事業費÷既経過保険料にて算出
なお、保険引受業務、資産運用業務及びソルベンシー・マージン比率に関する2連結会計年度の比較は、以下のとおりです。
(ⅰ)保険引受業務
アニコム損保における保険引受の実績は以下のとおりです。
(イ) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注)1.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものです。(積立型保険の積立保険料を含む)
2.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ロ) 正味収入保険料
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ハ) 正味支払保険金
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ⅱ)資産運用業務
アニコム損保の資産運用実績は以下のとおりです。
(イ) 運用資産
(ロ) 有価証券
(注) 「その他の証券」は、証券投資信託の受益証券等です。
(ハ) 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
(注) 平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ニ) 資産運用利回り(実現利回り)
(注) 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ホ) 資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりです。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増加額を加算した金額です。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る期首評価差額(税効果控除前の金額による)を加算した金額です。
(ⅲ)ソルベンシー・マージン比率
(イ)単体ソルベンシー・マージン比率
国内保険会社は、保険業法施行規則第86条及び第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出しています。アニコム損保における2023年3月期末のソルベンシー・マージン比率は、373.1%であり、健全性の基準値となる200%を上回っている状況であることから、十分な保険金等の支払能力を有しているものと認識しています。
アニコム損保の「ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。
(注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条(単体ソルベンシー・マージン)及び第87条(単体リスク)並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しています。
<単体ソルベンシー・マージン比率>・損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。
・この「通常の予測を超える危険」に対して「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたのが「単体ソルベンシー・マージン比率」です。
・「通常の予測を超える危険」保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、資産運用上の危険③、経営管理上の危険④、巨大災害に係る危険⑤の総額をいいます。
・「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(ソルベンシー・マージン総額)とは、損害保険会社の純資産(社外流出予定額等を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、土地の含み益の一部等の総額です。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
(ロ)連結ソルベンシー・マージン比率
アニコム ホールディングス株式会社の「連結ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。
(注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条の2(連結ソルベンシー・マージン)及び第88条(連結リスク)並びに平成23年金融庁告示第23号の規程に基づいて算出しています。
<連結ソルベンシー・マージン比率>・連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一です。
・「通常の予測を超える危険」
保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、最低保証上の危険③、資産運用上の危険④、経営管理上の危険⑤、巨大災害に係る危険⑥の総額をいいます。
・「当社及びその子会社等が保有している資本金・準備金等の支払余力」とは、当社及びその子会社等の純資産(剰余金処分額を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、国内の土地の含み益の一部等の総額です。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
<ペット向けインターネットサービス事業>株式会社シムネットにおいては、犬や猫を販売するブリーダーと飼い主のマッチングサイトや保護された犬や猫の譲渡の機会を提供する里親マッチングサイトの運営等の「ペット向けインターネットサービス事業」を行っており、当連結会計年度における経常収益は、1,750百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。同社が運営する「みんなのブリーダー」は日本最大のブリーダーマッチングサイトであり、このプラットフォームを活用することで、当社グループの中核事業である損害保険事業のペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策につなげるとともに、ブリーダーサポートサービスの拡大につなげています。
<その他の事業>その他の事業の経常収益は、前年同期比86百万円減(同2.6%減)の3,152百万円となりました。
・動物病院支援事業
アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有しているカルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売、保守等を行っており、当連結会計年度における経常収益は303百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
・保険代理店事業
アニコム パフェ株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っており、当連結会計年度における経常収益は20百万円(前連結会計年度比32.5%増)となりました。
・動物医療分野における臨床・研究事業
アニコム先進医療研究所株式会社において、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び、予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行うとともに、地域獣医療のサポートとしての病院承継を行った結果、当連結会計年度における経常収益は1,811百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。アニコム先進医療研究所株式会社では、自ら動物病院を運営し、予防から1次・2次診療を展開しているところ、その過程で得られた医療データ等を活用し、次世代の予防法の確立を目指しています。
・遺伝子検査等事業
アニコム パフェ株式会社において、親と子の遺伝子検査を通じてペットが生まれてくる際の遺伝病を避けるべく、ペットショップ及びブリーダー向けに遺伝子検査の販売を行っております。加えて、どうぶつの健康チェックを目的とした腸内フローラ測定サービス(どうぶつ健活)の販売等を行っておりますが、遺伝子検査の検体受注の減少等により、当連結会計年度における経常収益は405百万円(前連結会計年度比32.0%減)となりました。
・その他事業
アニコム パフェ株式会社において、上記のほかに、オンラインショップ「アニコムパフェオンラインショップ」、各検査をキーにした「きみのごはん」(保険契約者向けが中心)や「みんなのごはん」(保険契約者以外も含む)の販売、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス「アニコム24」の提供、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWEBサイト「アニコム メモリアル」の運営、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」の運営等の新たな収益源確保を図ってきましたが、その他事業全体としての経常収益は611百万円(前連結会計年度比13.4%減)となっています。
②資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、2,772百万円増加して61,407百万円となりました。その主な要因は、現金及び預貯金の増加1,193百万円です。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ1,903百万円増加して33,223百万円となりました。その主な要因は、保険契約の増加に伴う保険契約準備金の増加1,556百万円であります。なお、金融機関等からの借入金はありません。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ、868百万円増加して28,184百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,284百万円の計上によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より143百万円増加し、27,835百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
保有契約の順調な増加により、責任準備金の増加額が1,272百万円となったこと等により4,422百万円の収入となり、前連結会計年度に比べると33百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
4,066百万円の支出となりました。主に有価証券の取得による支出であり、前連結会計年度に比べると1,418百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度では112百万円の支出、当連結会計年度では212百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの業務の性質上、生産、受注及び販売の実績として把握することが困難であるため、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しているとおり、経常収益の実績を記載しています。
(2) 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
①経営数値目標に対する進捗
当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、主要経営数値目標と主要KPI目標を重要な経営上の指標としています。当連結会計年度は「中期経営計画2022-2024」の初年度に当たりますが、各経営目標指標に対する進捗は、次のとおりです。
<主要経営数値目標に対する進捗>主要経営数値目標については、項目毎に進捗の強弱はあるものの、「中期経営計画2022-2024」の初年度としては全体的に計画線上の進捗となりました。

当社グループでは、ROEについて、「中期経営計画2022-2024」の中では、2024年度目標としてROE10%水準を掲げておりますが、当連結会計年度のROEについては、8.2%と前年度の8.0%から改善しました。
当社の直近の株主資本コストである7.2%(※)と比較すると1.0ポイントのエクイティ・スプレッド(「ROE>資本コスト」)の水準となっていますが、ROE水準としては目標の10%水準との間には依然として乖離があり、今後は、ペット保険事業に加え、保険以外の事業の収益性や投資効率の改善を図ることで資本効率の向上を図り、エクイティ・スプレッドの拡大を目指していきたいと考えています。
(※)当社株主資本コストの算出
株主資本コストの算出には資本資産評価モデル(CAPM)を使用しており、国債などの安定資産の期待収益率、株式市場のリスクプレミアムに当社の株価変動率及び株式市場全体の変動率を加味した数値を用いて推計しています。
(株主)資本コスト = Rf(リスクフリーレート) + β(ベータ値) × マーケット・リスクプレミアム
(対TOPIX過去5年週次)
7.2% = 0.32% + 1.051 × 6.5%
<主要KPI目標に対する進捗>保険事業については、損害率の上昇を事業費率の低減でカバーする形となり、コンバインド・レシオとしては順調な進捗となりました。また、シナジー創出事業については、2022年度が販売開始初年度のフード売上を新たに開示しています。

②財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは4,422百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、27,835百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務体質の健全性を維持しつつ、適切な資本配分による資本効率の改善と企業価値向上の実現に向け、営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、再投資として、財務価値・非財務価値の双方に貢献度の高い案件(事業拡大投資+サステナビリティ投資)に優先的に配分すると同時に、段階的な株主還元の改善を図り、投資と還元のバランスに配慮した配分としています。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
a.有価証券の減損
売買目的有価証券以外の有価証券について、時価若しくは実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。
b.支払備金
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告損害に対する支払備金については、主に統計的見積法により算出しております。各事象の将来における状況変化などにより、支払備金の計上額が、将来の保険金支払額と異なる可能性があります。
c.責任準備金
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。
d.固定資産の減損
固定資産については、のれんを含む資産グループに減損の兆候があり、かつ、当該資産グループに係る割引前将来キャッシュ・フローの合計が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合に、減損損失を計上することとしております。
減損の兆候把握及び減損損失の認識判定に当たっては、各資産グループが使用されている事業の将来利益やキャッシュ・フローを予測する必要があり、これらの予測に当たっての主要な仮定は、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴うものであります。したがって、これらの仮定が変化した場合には、当連結会計年度末において減損損失の計上を不要と判断したのれん含む資産グループについて、減損損失を計上する必要が生じる可能性があります。
なお、のれんの評価に関する算出方法等、主要な仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
e.繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき回収可能と認められる額を計上しています。
当連結会計年度におけるアニコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み、景気回復の兆しが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰や世界的なインフレと金融引き締めによる海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなり、景気の先行きについては引き続き注視を要する状況にあります。
このような状況の中、当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社の重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、販売チャネルの営業活動強化などに注力したことに加え、堅調なペット飼育需要が継続していることにより、業績については堅調に推移しています。なお、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は次のとおりです。
保険引受収益50,781百万円(前期比7.3%増)、資産運用収益834百万円(同22.7%増)、新規事業等を含むその他経常収益4,912百万円(同2.1%減)を合計した経常収益は56,528百万円(同6.6%増)となりました。一方、保険引受費用35,664百万円(同6.4%増)、営業費及び一般管理費15,350百万円(同4.7%増)などを合計した経常費用は52,842百万円(同6.0%増)となりました。この結果、経常利益は3,685百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,284百万円(同8.2%増)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表(セグメント情報等)」に記載のとおり、“損害保険事業(ペット保険)”、“ペット向けインターネットサービス事業”、“その他の事業”です。
最近2連結会計年度の経常収益をセグメント別に示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 対前年増減(△)率 | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
| 損害保険事業(ペット保険) | 48,030 | 51,624 | 7.5 | |
| 損害保険(アニコム損害保険㈱) | 48,030 | 51,624 | 7.5 | |
| (うち正味収入保険料) | 47,321 | 50,781 | 7.3 | |
| ペット向けインターネットサービス事業 | 1,753 | 1,750 | △0.1 | |
| その他の事業 | 3,238 | 3,152 | △2.6 | |
| 保険代理店 | 15 | 20 | 32.5 | |
| 動物病院支援 | 278 | 303 | 9.0 | |
| 動物医療分野における臨床・ 研究 | 1,641 | 1,811 | 10.4 | |
| 遺伝子検査等 | 596 | 405 | △32.0 | |
| その他 | 706 | 611 | △13.4 | |
| 合計 | 53,022 | 56,528 | 6.6 | |
<損害保険事業>損害保険事業の経常収益は、前年同期比3,594百万円増(同7.5%増)の51,624百万円となりました。
アニコム損保では、コロナ禍における特需的なペット飼育需要が落ち着いたこと等の影響があったものの、重点施策と位置付けているペット保険の販売チャネルの拡大・強化や当社グループ独自のサービスである「どうぶつ健活」を付帯した保険商品の堅調な増加提供等によるお客様への訴求力が高まったこと等により、新規契約件数は218,695件(前年度比4.5%減)、保有契約件数は1,113,144件(前期末から84,313件の増加・同8.2%増)と堅調な伸長を継続しています。
[新規契約件数・保有契約件数の推移] (単位:千件)
(新規契約件数) (保有契約件数)

E/I損害率注1)については、コロナ禍の行動変化の影響による通院頻度の高止まりや保険金単価の上昇もあったことなどから58.9%と前年同期比で0.8pt上昇いたしました。一方、既経過保険料ベース事業費率注2)は、規模拡大に向けた積極投資や「どうぶつ健活」(腸内フローラ測定+健康診断)の申込数の増加などを踏まえても、34.9%と前年同期比で1.8pt改善いたしました。この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で1.0pt改善し93.8%となりました。
注1) E/I損害率:発生ベースでの損害率。
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出。
注2) 既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの保険料(既経過保険料)に対する発生ベースの事業費率
損保事業費÷既経過保険料にて算出
| [E/I損害率・既経過事業費率の推移] | [コンバインド・レシオの推移] |
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なお、保険引受業務、資産運用業務及びソルベンシー・マージン比率に関する2連結会計年度の比較は、以下のとおりです。
(ⅰ)保険引受業務
アニコム損保における保険引受の実績は以下のとおりです。
(イ) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| ペット保険 | 47,321 | 100.0 | 9.3 | 50,781 | 100.0 | 7.3 |
| 合計 | 47,321 | 100.0 | 9.3 | 50,781 | 100.0 | 7.3 |
| (うち収入積立保険料) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) |
(注)1.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものです。(積立型保険の積立保険料を含む)
2.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ロ) 正味収入保険料
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| ペット保険 | 47,321 | 100.0 | 9.3 | 50,781 | 100.0 | 7.3 |
| 合計 | 47,321 | 100.0 | 9.3 | 50,781 | 100.0 | 7.3 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ハ) 正味支払保険金
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| ペット保険 | 25,559 | 100.0 | 10.0 | 27,934 | 100.0 | 9.3 |
| 合計 | 25,559 | 100.0 | 10.0 | 27,934 | 100.0 | 9.3 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
(ⅱ)資産運用業務
アニコム損保の資産運用実績は以下のとおりです。
(イ) 運用資産
| 区分 | 前連結会計年度 (2022年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2023年3月31日現在) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 預貯金 | 22,308 | 48.1 | 24,223 | 50.1 |
| コールローン | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - |
| 有価証券 | 15,531 | 33.5 | 15,190 | 31.4 |
| 貸付金 | 913 | 2.0 | 39 | 0.1 |
| 土地・建物 | 1,477 | 3.2 | 1,729 | 3.6 |
| 運用資産計 | 40,231 | 86.8 | 41,183 | 85.2 |
| 総資産 | 46,359 | 100.0 | 48,330 | 100.0 |
(ロ) 有価証券
| 区分 | 前連結会計年度 (2022年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2023年3月31日現在) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 国債 | - | - | - | - |
| 地方債 | - | - | - | - |
| 社債 | - | - | - | - |
| 株式 | 379 | 2.4 | 1,098 | 7.2 |
| 外国証券 | - | - | - | - |
| その他の証券 | 15,151 | 97.6 | 14,092 | 92.8 |
| 合計 | 15,531 | 100.0 | 15,190 | 100.0 |
(注) 「その他の証券」は、証券投資信託の受益証券等です。
(ハ) 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 2 | 22,065 | 0.0 | 1 | 21,016 | 0.0 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 272 | 14,048 | 1.9 | 393 | 18,102 | 2.2 |
| 貸付金 | 7 | 978 | 0.8 | 7 | 841 | 0.8 |
| 土地・建物 | 38 | 1,495 | 2.6 | 51 | 1,594 | 3.2 |
| 小計 | 320 | 38,587 | 0.8 | 452 | 41,555 | 1.1 |
| その他 | - | 6,092 | - | - | 6,497 | - |
| 合計 | 320 | 44,679 | 0.7 | 452 | 48,052 | 0.9 |
(注) 平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ニ) 資産運用利回り(実現利回り)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 資産運用損益 (実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益 (実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 2 | 22,065 | 0.0 | 1 | 21,016 | 0.0 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 566 | 14,048 | 4.0 | 788 | 18,102 | 4.4 |
| 貸付金 | 10 | 978 | 1.1 | 7 | 841 | 0.8 |
| 土地・建物 | 38 | 1,495 | 2.6 | 51 | 1,594 | 3.2 |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 618 | 38,587 | 1.6 | 848 | 41,555 | 2.0 |
(注) 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(ホ) 資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりです。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増加額を加算した金額です。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る期首評価差額(税効果控除前の金額による)を加算した金額です。
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 2 | 22,065 | 0.0 | 1 | 21,016 | 0.0 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | △5 | 14,144 | △0.0 | △421 | 17,626 | △2.4 |
| 貸付金 | 10 | 978 | 1.1 | 7 | 841 | 0.8 |
| 土地・建物 | 38 | 1,495 | 2.6 | 51 | 1,594 | 3.2 |
| 合計 | 46 | 38,683 | 0.1 | △361 | 41,079 | △0.9 |
(ⅲ)ソルベンシー・マージン比率
(イ)単体ソルベンシー・マージン比率
国内保険会社は、保険業法施行規則第86条及び第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出しています。アニコム損保における2023年3月期末のソルベンシー・マージン比率は、373.1%であり、健全性の基準値となる200%を上回っている状況であることから、十分な保険金等の支払能力を有しているものと認識しています。
アニコム損保の「ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。
| 前会計年度 (2022年3月31日) (百万円) | 当会計年度 (2023年3月31日) (百万円) | ||
| (A) 単体ソルベンシー・マージン総額 | 25,244 | 25,719 | |
| 資本金又は基金等 | 20,288 | 21,785 | |
| 価格変動準備金 | 98 | 119 | |
| 危険準備金 | - | - | |
| 異常危険準備金 | 1,522 | 1,633 | |
| 一般貸倒引当金 | 1 | 2 | |
| その他有価証券の評価差額(税効果控除前) | △475 | △2,161 | |
| 土地の含み損益 | 30 | 60 | |
| 払戻積立金超過額 | - | - | |
| 負債性資本調達手段等 | - | - | |
| 払戻積立金超過額及び負債性資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額 | - | - | |
| 控除項目 | - | - | |
| その他 | 3,777 | 4,280 | |
| (B) 単体リスクの合計額 √{(R1+R2)²+(R3+R4)²}+R5+R6 | 12,830 | 13,785 | |
| 一般保険リスク(R1) | 12,447 | 13,445 | |
| 第三分野保険の保険リスク(R2) | - | - | |
| 予定利率リスク(R3) | - | - | |
| 資産運用リスク(R4) | 1,596 | 1,142 | |
| 経営管理リスク(R5) | 280 | 291 | |
| 巨大災害リスク(R6) | - | - | |
| (C) 単体ソルベンシー・マージン比率(%) [(A)/{(B)×1/2}]×100 | 393.5 | 373.1 | |
(注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条(単体ソルベンシー・マージン)及び第87条(単体リスク)並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しています。
<単体ソルベンシー・マージン比率>・損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。
・この「通常の予測を超える危険」に対して「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたのが「単体ソルベンシー・マージン比率」です。
・「通常の予測を超える危険」保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、資産運用上の危険③、経営管理上の危険④、巨大災害に係る危険⑤の総額をいいます。
| ① 保険引受上の危険 (一般保険リスク) | : | 保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険 (巨大災害に係る危険を除く) |
| (第三分野保険の保険リスク) | ||
| ② 予定利率上の危険 (予定利率リスク) | : | 積立型保険について、実際の運用利回りが保険料算出時に予定した利回りを下回ることにより発生し得る危険 |
| ③ 資産運用上の危険 (資産運用リスク) | : | 保有する有価証券等の資産の価格が通常の予測を超えて変動することにより発生し得る危険等 |
| ④ 経営管理上の危険 (経営管理リスク) | : | 業務の運営上通常の予測を超えて発生し得る危険で上記①~③及び⑤以外のもの |
| ⑤ 巨大災害に係る危険 (巨大災害リスク) | : | 通常の予測を超える巨大災害(関東大震災や伊勢湾台風相当)により発生し得る危険 |
・「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(ソルベンシー・マージン総額)とは、損害保険会社の純資産(社外流出予定額等を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、土地の含み益の一部等の総額です。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
(ロ)連結ソルベンシー・マージン比率
アニコム ホールディングス株式会社の「連結ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (2022年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (2023年3月31日) (百万円) | ||
| (A)連結ソルベンシー・マージン総額 | 30,181 | 31,312 | |
| 資本金又は基金等 | 25,202 | 27,376 | |
| 価格変動準備金 | 98 | 119 | |
| 危険準備金 | - | - | |
| 異常危険準備金 | 1,522 | 1,633 | |
| 一般貸倒引当金 | 26 | 3 | |
| その他有価証券の評価差額(税効果控除前) | △475 | △2,161 | |
| 土地の含み損益 | 30 | 60 | |
| 未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の合計額(税効果控除前) | - | - | |
| 保険料積立金等余剰部分 | - | - | |
| 負債性資本調達手段等 | - | - | |
| 保険料積立金等余剰部分及び負債性資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額 | - | - | |
| 少額短期保険業者に係るマージン総額 | - | - | |
| 控除項目 | - | - | |
| その他 | 3,777 | 4,280 | |
| (B)連結リスクの合計額 √{(√(R1²+R2²)+R3+R4)²+(R5+R6+R7)²}+R8+R9 | 12,874 | 13,828 | |
| 損害保険契約の一般保険リスク(R1) | 12,447 | 13,445 | |
| 生命保険契約の保険リスク(R2) | - | - | |
| 第三分野保険の保険リスク(R3) | - | - | |
| 少額短期保険業者の保険リスク(R4) | - | - | |
| 予定利率リスク(R5) | - | - | |
| 生命保険契約の最低保証リスク(R6) | - | - | |
| 資産運用リスク(R7) | 1,876 | 1,507 | |
| 経営管理リスク(R8) | 286 | 299 | |
| 損害保険契約の巨大災害リスク(R9) | - | - | |
| (C)連結ソルベンシー・マージン比率(%) [(A)/{(B)×1/2}]×100 | 468.8 | 452.8 | |
(注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条の2(連結ソルベンシー・マージン)及び第88条(連結リスク)並びに平成23年金融庁告示第23号の規程に基づいて算出しています。
<連結ソルベンシー・マージン比率>・連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一です。
・「通常の予測を超える危険」
保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、最低保証上の危険③、資産運用上の危険④、経営管理上の危険⑤、巨大災害に係る危険⑥の総額をいいます。
| ① 保険引受上の危険(損害保険契約の一般保険リスク、生命保険契約の保険リスク、第三分野保険の保険リスク及び少額短期保険業者の保険リスク): | ||
| 保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険(巨大災害に係る危険を除く) | ||
| ② 予定利率上の危険(予定利率リスク): | ||
| 積立型保険や生命保険について、実際の運用利回りが保険料算出時に予定した利回りを下回ることにより発生し得る危険 | ||
| ③ 最低保証上の危険(生命保険契約の最低保証リスク): | ||
| 変額保険、変額年金保険の保険金等の最低保証に関する危険 | ||
| ④ 資産運用上の危険(資産運用リスク): | ||
| 保有する有価証券等の資産の価格が通常の予測を超えて変動することにより発生し得る危険等 | ||
| ⑤ 経営管理上の危険(経営管理リスク): | ||
| 業務の運営上通常の予測を超えて発生し得る危険で上記①から④及び⑥以外のもの | ||
| ⑥ 巨大災害に係る危険(巨大災害リスク): | ||
| 通常の予測を超える損害保険契約の巨大災害(関東大震災、伊勢湾台風相当や外国で発生する巨大災害)により発生し得る危険 |
・「当社及びその子会社等が保有している資本金・準備金等の支払余力」とは、当社及びその子会社等の純資産(剰余金処分額を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、国内の土地の含み益の一部等の総額です。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
<ペット向けインターネットサービス事業>株式会社シムネットにおいては、犬や猫を販売するブリーダーと飼い主のマッチングサイトや保護された犬や猫の譲渡の機会を提供する里親マッチングサイトの運営等の「ペット向けインターネットサービス事業」を行っており、当連結会計年度における経常収益は、1,750百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。同社が運営する「みんなのブリーダー」は日本最大のブリーダーマッチングサイトであり、このプラットフォームを活用することで、当社グループの中核事業である損害保険事業のペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策につなげるとともに、ブリーダーサポートサービスの拡大につなげています。
<その他の事業>その他の事業の経常収益は、前年同期比86百万円減(同2.6%減)の3,152百万円となりました。
・動物病院支援事業
アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有しているカルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売、保守等を行っており、当連結会計年度における経常収益は303百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
・保険代理店事業
アニコム パフェ株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っており、当連結会計年度における経常収益は20百万円(前連結会計年度比32.5%増)となりました。
・動物医療分野における臨床・研究事業
アニコム先進医療研究所株式会社において、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び、予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行うとともに、地域獣医療のサポートとしての病院承継を行った結果、当連結会計年度における経常収益は1,811百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。アニコム先進医療研究所株式会社では、自ら動物病院を運営し、予防から1次・2次診療を展開しているところ、その過程で得られた医療データ等を活用し、次世代の予防法の確立を目指しています。
・遺伝子検査等事業
アニコム パフェ株式会社において、親と子の遺伝子検査を通じてペットが生まれてくる際の遺伝病を避けるべく、ペットショップ及びブリーダー向けに遺伝子検査の販売を行っております。加えて、どうぶつの健康チェックを目的とした腸内フローラ測定サービス(どうぶつ健活)の販売等を行っておりますが、遺伝子検査の検体受注の減少等により、当連結会計年度における経常収益は405百万円(前連結会計年度比32.0%減)となりました。
・その他事業
アニコム パフェ株式会社において、上記のほかに、オンラインショップ「アニコムパフェオンラインショップ」、各検査をキーにした「きみのごはん」(保険契約者向けが中心)や「みんなのごはん」(保険契約者以外も含む)の販売、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス「アニコム24」の提供、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWEBサイト「アニコム メモリアル」の運営、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」の運営等の新たな収益源確保を図ってきましたが、その他事業全体としての経常収益は611百万円(前連結会計年度比13.4%減)となっています。
②資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、2,772百万円増加して61,407百万円となりました。その主な要因は、現金及び預貯金の増加1,193百万円です。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ1,903百万円増加して33,223百万円となりました。その主な要因は、保険契約の増加に伴う保険契約準備金の増加1,556百万円であります。なお、金融機関等からの借入金はありません。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ、868百万円増加して28,184百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,284百万円の計上によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より143百万円増加し、27,835百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
保有契約の順調な増加により、責任準備金の増加額が1,272百万円となったこと等により4,422百万円の収入となり、前連結会計年度に比べると33百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
4,066百万円の支出となりました。主に有価証券の取得による支出であり、前連結会計年度に比べると1,418百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度では112百万円の支出、当連結会計年度では212百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの業務の性質上、生産、受注及び販売の実績として把握することが困難であるため、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しているとおり、経常収益の実績を記載しています。
(2) 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
①経営数値目標に対する進捗
当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、主要経営数値目標と主要KPI目標を重要な経営上の指標としています。当連結会計年度は「中期経営計画2022-2024」の初年度に当たりますが、各経営目標指標に対する進捗は、次のとおりです。
<主要経営数値目標に対する進捗>主要経営数値目標については、項目毎に進捗の強弱はあるものの、「中期経営計画2022-2024」の初年度としては全体的に計画線上の進捗となりました。

当社グループでは、ROEについて、「中期経営計画2022-2024」の中では、2024年度目標としてROE10%水準を掲げておりますが、当連結会計年度のROEについては、8.2%と前年度の8.0%から改善しました。
当社の直近の株主資本コストである7.2%(※)と比較すると1.0ポイントのエクイティ・スプレッド(「ROE>資本コスト」)の水準となっていますが、ROE水準としては目標の10%水準との間には依然として乖離があり、今後は、ペット保険事業に加え、保険以外の事業の収益性や投資効率の改善を図ることで資本効率の向上を図り、エクイティ・スプレッドの拡大を目指していきたいと考えています。
(※)当社株主資本コストの算出
株主資本コストの算出には資本資産評価モデル(CAPM)を使用しており、国債などの安定資産の期待収益率、株式市場のリスクプレミアムに当社の株価変動率及び株式市場全体の変動率を加味した数値を用いて推計しています。
(株主)資本コスト = Rf(リスクフリーレート) + β(ベータ値) × マーケット・リスクプレミアム
(対TOPIX過去5年週次)
7.2% = 0.32% + 1.051 × 6.5%
| [経常収益・経常利益の推移] | [ROEの推移] |
経常収益 経常利益![]() | ![]() |
<主要KPI目標に対する進捗>保険事業については、損害率の上昇を事業費率の低減でカバーする形となり、コンバインド・レシオとしては順調な進捗となりました。また、シナジー創出事業については、2022年度が販売開始初年度のフード売上を新たに開示しています。

②財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは4,422百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、27,835百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務体質の健全性を維持しつつ、適切な資本配分による資本効率の改善と企業価値向上の実現に向け、営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、再投資として、財務価値・非財務価値の双方に貢献度の高い案件(事業拡大投資+サステナビリティ投資)に優先的に配分すると同時に、段階的な株主還元の改善を図り、投資と還元のバランスに配慮した配分としています。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
a.有価証券の減損
売買目的有価証券以外の有価証券について、時価若しくは実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。
b.支払備金
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告損害に対する支払備金については、主に統計的見積法により算出しております。各事象の将来における状況変化などにより、支払備金の計上額が、将来の保険金支払額と異なる可能性があります。
c.責任準備金
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。
d.固定資産の減損
固定資産については、のれんを含む資産グループに減損の兆候があり、かつ、当該資産グループに係る割引前将来キャッシュ・フローの合計が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合に、減損損失を計上することとしております。
減損の兆候把握及び減損損失の認識判定に当たっては、各資産グループが使用されている事業の将来利益やキャッシュ・フローを予測する必要があり、これらの予測に当たっての主要な仮定は、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴うものであります。したがって、これらの仮定が変化した場合には、当連結会計年度末において減損損失の計上を不要と判断したのれん含む資産グループについて、減損損失を計上する必要が生じる可能性があります。
なお、のれんの評価に関する算出方法等、主要な仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
e.繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき回収可能と認められる額を計上しています。



