有価証券報告書-第19期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/25 15:12
【資料】
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【項目】
122項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度では、Exit活動として、当社グループの投資先であるスカイマーク株式の売却(2号ファンドシリーズが保有する株式及び当社グループがプリンシパル投資として保有する株式の売却)、JRC株式の売却(3号ファンドシリーズが保有する株式の売却)、イトキン株式の売却(2号ファンドシリーズが保有する株式の売却)、豆蔵K2TOPホールディングスによる投資先2社の売却(3号ファンドシリーズ及び当社グループが保有する豆蔵K2TOPホールディングス株式は引き続き保有)、T-Garden株式の売却(3号ファンドシリーズが保有する株式及び当社グループがプリンシパル投資として保有する株式の売却)を行いました。
2号ファンドシリーズは、既にハードルレートを超過しているため、上記のスカイマーク株式並びにイトキン株式の売却及び当該売却に基づく分配によりキャリードインタレストが実現し、当社グループが受領した金額を収益として計上しております。
3号ファンドシリーズは、豆蔵K2TOPホールディングスの株式譲渡に係る前受金の受領及びその分配により、ハードルレートを超過致しました。そのため、当該分配及びその後のT-Garden株式売却に伴う分配によりキャリードインタレストが実現し、当社グループが受領した金額及び受領予定の金額を収益として計上しております。
投資先企業の公正価値変動は次の通りです。上場会社の投資先は、複数の投資先の株価下落の影響により、上場投資先全体の公正価値が減少しております。非上場会社の投資先は、主に投資先の業績や財務内容が改善したこと及び投資先が投資後1年を経過して公正価値評価を投資時の投資簿価から他の評価手法へ変更したこと等により、複数の投資先の公正価値が向上し、非上場投資先全体の公正価値が増加致しました。投資先全体としての公正価値変動は前年同期比で増加致しました。
営業費用は、当社グループの従業員数増加に伴う人件費の増加、5号ファンドシリーズのファンドレイズ活動に係るプレースメントエージェント(海外のLP投資家の紹介・関係深耕等を行うアドバイザー)への支払手数料の発生、租税公課の増加等により、対前年同期比で増加致しました。
以上の結果、当連結会計年度の収益は31,230百万円(前年同期比121.8%増)、営業利益は26,017百万円(前年同期比136.6%増)、税引前利益は25,985百万円(前年同期比138.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,106百万円(前年同期比139.0%増)となりました。
なお、上記のイトキン株式の売却については、リキャピタリゼーション取引(発行体の資本負債構成を再構築し株式を換金する取引)を通じて、2号ファンドシリーズが保有するイトキン株式を当社グループが設立した新設株式会社SPCへ譲渡する株式譲渡契約を2024年6月19日に締結し、2024年8月1日に譲渡が完了しております。本書提出日現在、当社グループは引き続きイトキン株式を保有しており、イトキンは当社の子会社となっておりますが、投資先企業であるため、連結の対象とはせず、純損益を通じて公正価値で評価しております。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末比22,753百万円増の79,050百万円となりました。流動資産については、主に現金及び現金同等物が3,214百万円及び営業債権及びその他の債権が10,573百万円増加したことにより前連結会計年度末比13,840百万円増の33,070百万円となりました。非流動資産については、ポートフォリオへの投資が933百万円減少した一方で、公正価値で評価している子会社への投資が7,259百万円増加したことにより前連結会計年度末比8,913百万円増の45,979百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末比4,983百万円増の21,415百万円となりました。流動負債については、公正価値で評価している子会社からの借入金が3,500百万円減少する一方で、主に未払法人所得税が3,135百万円及び前受金が791百万円増加したことにより前連結会計年度末比676百万円増の8,195百万円となりました。非流動負債については、主に繰延税金負債が2,461百万円増加したことにより前連結会計年度末比4,307百万円増の13,220百万円となりました。
(資本)
資本合計は、前連結会計年度末比17,769百万円増の57,634百万円となりました。主に親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加17,707百万円によるものになります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,818百万円のキャッシュ・インフロー(前年同期は5,626百万円のキャッシュ・インフロー)となりました。主に税引前利益25,985百万円を計上する一方で、営業債権及びその他の債権が10,573百万円、公正価値で評価する子会社への投資が7,259百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に敷金及び保証金の差入による支出91百万円により、102百万円のキャッシュ・アウトフロー(前年同期は5百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは2,501百万円のキャッシュ・アウトフロー(前年同期は10,992百万円のキャッシュ・インフロー)となりました。主に公正価値で評価している子会社からの借入金の返済による支出3,500百万円によるものであります。
これらの結果、現金及び現金同等物は3,214百万円増加し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は22,137百万円(前連結会計年度末18,922百万円)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注形式ではないため、記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
収益計上区分当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
投資収益総額(百万円)10,633154.8
受取管理報酬(百万円)3,49493.0
キャリードインタレスト(百万円)16,849517.7
経営支援料(百万円)250127.0
その他の営業収益(百万円)255.1
合計(百万円)31,230221.8

(注)1.当社グループの主たる事業はPE投資ファンド事業であり、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別ではなく、収益計上区分別の収益(IFRS)を記載しております。
2.収益は百万円未満切り捨てにより表示しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
インテグラル2号投資事業有限責任組合3,12422.21,7285.5
インテグラル3号投資事業有限責任組合8476.013,27442.5

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況、② 財政状態の状況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループは当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況に示す資金により、今後さらに経営基盤を強化し、新たな企業への投資機会に対応していきます。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り、予測を必要としています。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り、予測の評価を実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎(3)重要な会計上の見積りと判断」に記載のとおりです。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因、今後の方針等について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。また、経営方針・経営戦略等については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。