有価証券報告書-第14期(平成28年11月1日-平成29年10月31日)

【提出】
2018/01/30 15:05
【資料】
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【項目】
98項目
(重要な後発事象)
(資本提携及び新株の発行)
当社は、平成29年11月15日開催の取締役会において、みらかホールディングス株式会社(以下、「みらかホールディングス」)と資本提携を行うこと、及びみらかホールディングスに対する第三者割当による新株式の発行(以下、「本第三者割当増資」)を行うことを決議いたしました。
Ⅰ.資本提携の概要
1.本資本提携の目的及び理由
当社は、『新たなイメージング・テクノロジーを創造する集団として、革新的な技術を最適な「かたち」で実用化させ、技術の発展と豊かな文化の実現に貢献する』という経営理念のもと、手ブレ補正技術をはじめとする画像処理関連技術の研究開発・ライセンシングを業としております。現在まで、当社はスマートフォン市場を戦略的事業ドメインとして、国内市場・グローバル市場に画像処理ソフトウェアを展開し、シェアを伸ばしてまいりました。
画像処理が大きく関わる技術分野においては、昨今のカメラデバイスの小型化・高性能化に加え、今後はネットワークの高速化・クラウド化等の進展に応じた画像処理技術や認識サービスが出現してくることが想定されます。このような事業環境において当社は、当社の技術の強みが画像処理に関連する幅広い分野に応用可能である点にあると思料し、『全てのカメラに知能を持たせる』ことを中期経営ビジョンに掲げています。具体的には、ディープラーニングを用いた画像認識技術の開発を推進する等、スマートフォン市場以外でも、顧客ニーズに適応した新たな技術開発及び製品・サービス開発に取り組み、ネットワークサービス分野及び車載や監視カメラといったスマートフォン以外の組込分野、その他医療分野等を重要なターゲットと位置付けて、営業活動、及びマーケティング活動を推進してまいりました。
一方で、割当予定先であるみらかホールディングスは、株式会社エスアールエル(以下、「エスアールエル」)、及び富士レビオ株式会社を子会社にもつ“みらかグループ”として、国内外において、①医療機関より患者様から採取した検体をお預かりし、病気の有無や健康状態の検査を行う「受託臨床検査事業」、②検査に使用される検査試薬や機器を開発・製造し、国内外へ販売する「臨床検査薬事業」、③滅菌支援や治験支援等様々な医療関連サービスを行う「ヘルスケア関連事業」を中心とした事業を推進している企業です。上述のとおり、これまで当社及びみらかグループは其々の事業分野において、世の中に対し利便性や安全性を提供してきたものと考えております。当社は、ディープラーニングをベースとした画像処理技術の検体検査領域への応用と、特許による権利化も視野に入れた新規技術の創出を目的として、平成29年4月よりみらかホールディングスの子会社であるエスアールエルと当該領域における独占的な共同開発に関する業務提携(以下、「本業務提携」)を開始し、現在、共同研究開発プロジェクトを実施しております。本業務提携の開始に際して、当社とエスアールエルとは資本業務提携の可能性を協議しておりましたが、開始時点におきましては、当社の持つ人工知能型の認識技術(学習・推論を含む)及びディープラーニングをベースとした画像処理技術の、検体検査領域における適用の可能性が定かではなかったため、本業務提携を先行して実施し、共同開発プロジェクトに一定の進捗を確認した上で、みらかグループとの資本提携の可能性について協議することを想定しておりました。
この度、当社とエスアールエルとの間の共同開発の初期開発フェーズにおいて、一定の進捗が確認できたことから、みらかグループとの資本提携の協議を再開し、当該協議の過程において、みらかホールディングスより、当社の持つ人工知能型の認識技術(学習・推論を含む)及びディープラーニングをベースとした画像処理技術の適用範囲を、エスアールエルの事業領域である検体検査領域にとどまらず、みらかグループの事業領域である臨床検査領域へ拡大する可能性を鑑み、引受先をみらかホールディングスとしたい旨の申し入れがありました。
当社といたしましては、第三者割当増資により当社株式の希薄化が生じることになっても、みらかグループとの間で中長期的かつ強固な資本関係を構築することで、当社の画像処理技術の臨床検査領域への応用を推進し、当社の将来的な経営基盤を整備し将来の企業価値向上に寄与することによる利点は大きく、中長期的な観点から当社の既存株主の皆様の利益の拡大に貢献できるものとの判断に至り、第三者割当増資による資本提携を行うことといたしました。
2.資本提携の内容
当社は、第三者割当増資により、みらかホールディングスに当社の普通株式100,800株(第三者割当後の所有議決権割合1.91%、発行済株式総数に対する割合1.91%)を割当てます。第三者割当増資の詳細につきましては、下記「Ⅱ.第三者割当による新株式の発行」をご参照ください。
3.本資本業務提携の相手先の概要(平成29年3月31日現在)
(1)名称みらかホールディングス株式会社
(2)所在地東京都新宿区西新宿二丁目1番1号
(3)代表者の役職・氏名代表執行役社長 竹内 成和
(4)事業内容純粋持株会社としてのグループ全体の戦略立案、IR・広報、経営執行の監督等
(5)資本金8,962百万円

4.日程
(1)本資本提携及び本第三者割当増資に関する取締役会決議日平成29年11月15日
(2)本資本提携及び本第三者割当増資に関する契約締結日平成29年11月15日
(3)本第三者割当増資の払込期日平成29年12月7日

Ⅱ.第三者割当による新株式の発行
1.募集の概要
(1)払込期日平成29年12月7日
(2)発行新株式数普通株式 100,800株
(3)発行価額1株につき4,957円
(4)調達資金の額499,665,600円
(5)募集又は割当方法
(割当予定先)
みらかホールディングス株式会社に対する第三者割当方式。
(6)その他上記各項については、金融商品取引法に基づく有価証券届出書の効力発生を条件とします。

2.募集の目的及び理由
上記「Ⅰ.資本提携の概要 1.資本提携の目的及び理由」に記載のとおり、当社とみらかグループとの間における長期的かつ強固な資本関係の構築は、当社の画像処理技術の臨床検査領域への応用を推進するのみならず、将来的な経営基盤の整備につながることとなり、中長期的な観点からも、当社の将来の企業価値向上を導き、ひいては既存株主への利益の拡大に貢献できるものと判断いたしました。また、方法として、第三者割当が最善であると結論いたしました。
3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1)調達する資金の額
払込金額の総額499,665,600円
発行諸費用の概算額4,000,000円
差引手取概算額495,665,600円

(注)1.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
2.発行諸費用の概算額の内訳は、弁護士報酬、登記関連費用及び有価証券届出書作成費用等です。
(2)調達する資金の具体的な使途
本第三者割当増資は、前記「Ⅱ.第三者割当による新株式の発行 2.募集の目的及び理由」に記載のとおり、みらかグループとの関係性の強化を目的とし、そのために割当予定先であるみらかホールディングスとの資本関係を構築することで、当社の将来的な経営基盤を整備し、当社の将来の企業価値向上を図るものです。これを踏まえ、上記差引手取概算額の使途は次のとおり予定しております。なお、実際の支出予定時期までは安全性の高い決済性預金等にて運用していく予定であります。
具体的な使途金額(円)支出予定時期
①臨床検査領域向け応用技術の研究開発投資410,000,000平成30年1月から平成34年12月
②市場調査その他の運転資金85,665,600平成30年1月から平成34年12月

①臨床検査領域向け応用技術の研究開発投資
割当予定先の子会社であるエスアールエルと実施中である検体検査領域向け応用技術、及び将来的なみらかグループとの臨床検査領域向け応用技術の共同研究開発のための体制構築を予定しております。当該応用技術の適用領域を拡大させるための期間として本共同研究開発の規模を鑑み、当該研究開発の期間を5年間と見込んでおります。支出予定総額は、5年間累計410,000,000円であり、その内訳は、研究者の増員による人件費303,000,000円、研究者の増員に伴う開発用備品調達費用等25,000,000円、増員に伴う事業施設拡張費用82,000,000円(追加賃料62,000,000円、設備工事等初期費用20,000,000円)であります。
②市場調査その他の運転資金
当社とエスアールエルとの間の検体検査領域における独占的な共同開発を中長期的に進めることで、将来的にはみらかグループとの臨床検査領域向けに応用技術の適用領域を拡大させる予定です。このため、当社がこれまで独自に創出した画像処理技術に関する知的財産を、検体検査領域を含む臨床検査領域にて活用させていくための市場調査や技術調査が必要となります。また、研究開発の推進とともに、新技術の権利化や取得した特許の維持管理に係る各種費用も増加する見通しです。支出予定総額は、5年間累計85,665,600円であり、その内訳は、外部委託費63,000,000円、特許関連費用22,665,600円であります。