四半期報告書-第21期第3四半期(平成29年3月1日-平成29年5月31日)

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2017/07/14 16:00
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、アジア新興国等の景気の先行きの不確実性による下振れ懸念はあるものの、政府の経済対策や金融政策等により、雇用・所得環境の改善傾向が継続しており、企業収益も改善していることから、景気は緩やかな回復基調が継続いたしました。
当社グループが属する営業支援系アウトソーシング業界においては、雇用関連の各種指標の持続的な改善により、小売・サービス分野における人手不足は深刻化している一方で、企業の人材採用意欲は依然旺盛であることから、当社グループが提供する各種人材サービスに対するニーズは引き続き堅調に推移いたしました。
このような環境のもと、当社グループは取扱商材分野を家電、ブロードバンド、モバイル、ストアサービス、観光、コールセンター他の6区分(注)1(注)2 に分類しており、従来中心としていた家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野に加え、ストアサービス分野、観光分野、コールセンター他分野の営業強化により、すべての取扱商材分野をバランスよく成長させることでポートフォリオを充実させ、繁閑や商材のライフサイクルによる影響を最小限にとどめて経営基盤の安定を図っております。
家電分野におきましては、理美容家電、健康家電、エアコン等の季節家電、冷蔵庫・洗濯機等の大型家電の販売が総じて堅調に推移したほか、テレビについても4Kテレビ等を中心に高価格帯商品の販売が堅調に推移するなど、消費者との接点を担う販売員に対する需要は底堅く推移しております。
ブロードバンド分野におきましては、平成29年3月末時点の国内のブロードバンドサービスの契約数が1億8,875万件(前年同月比117.7%(注)3)、そのうち平成29年3月末時点のFTTHアクセスサービス(光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス)の契約数は2,931万件(前年同月比105.2%(注)3)となっており、当社グループが主たるマーケットとする光回線市場についても契約数の増加が継続している状況であります。また、通信事業者により光回線の卸売が開始されたことにより、新規参入事業者を中心に当該分野における専門性の高い販売員に対する需要は底堅く推移しております。
モバイル分野におきましては、平成29年3月時点の携帯電話契約数は1億6,272万件(前年同月比104.0%(注)4)、BWAアクセスサービス(2.5GHz帯を使用する広帯域移動無線アクセスシステム(WiMAX等)でネットワークに接続するアクセスサービス)の契約数は2,480万件(前年同月比137.4%(注)4)と前年を上回っており、通信料金支出の低減を求める一般消費者ニーズを背景とした格安SIM・格安スマホ等への契約加入の需要も堅調であることから、当該分野における販売支援に対する需要は引き続き高い状況が続いております。
観光分野におきましては、中近東・欧州の情勢不安等による海外旅行の取扱額の減少、大雪等による北海道方面の需要の落ち込みによる国内旅行の取扱額の減少により、平成29年2月分の主要旅行業者の旅行取扱額総額は4,087億円(前年同月比98.7%(注)5)と前年を下回っております。しかしながら、東南アジア諸国のビザ発給要件の緩和や消費税免税制度の拡充等により外国人旅行の取扱額は引き続き増加しており、また訪日外国人旅行者数は平成29年5月度時点で1,141万人(前年同月比117.3%(注)6)と前年の数値を上回る人数で推移していることから、訪日外国人旅行者に対する通訳ガイド、販売支援、多言語対応等のニーズは引き続き高まっております。
このようなマーケット状況のもと、当社グループは「事業創造企業への脱皮~更なる付加価値企業を目指して~ 」を合言葉に、アウトソーシングサービスを牽引するリーディングカンパニーとして、クライアントのニーズに成果で応える「成果追求型営業支援」の実践を継続いたしました。
その実践として、既存の家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野、ストアサービス分野の業務運営事務局(注)7の新規提案、収益改善に取り組むとともに、当社の全国拠点網を活用したセールスプロモーション提案の強化を継続いたしました。増加する訪日外国人旅行者への対応力強化につきましては、インバウンドビジネスの専門部署を中心に前連結会計年度に引き続き外国人スタッフの登録者数・就業者数の増加に向けた営業強化及び空港関連事業、多言語コールセンター、商業施設等における免税カウンターの一括運営受託の提案営業を重点的に実施いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は22,735,197千円(前年同期比5.8%増)となりました。また、営業費用において、過年度におけるスタッフ等の未払給与計上やスタッフ確保のための募集費投下を積極的に行った結果、営業利益は2,132,800千円(前年同期比8.0%減)、経常利益は2,081,056千円(前年同期比10.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,243,939千円(前年同期比8.7%減)となりました。
(スタッフ等の未払給与計上について)
当社は、平成28年12月に労働当局より給与計算システム設定の誤りによる、時間外労働手当の一部に未払いが生じているとの指摘を受けました。直ちに全社的な実態調査を実施したところ、支払賃金のうち一部の未払いが確認されました。これにより平成29年1月中旬に過去2年分(平成26年11月から平成28年10月)の未払賃金等を該当者へ支給いたしました。併せて、平成29年8月期第1四半期決算において、未払賃金等約96百万円を営業費用に計上いたしました。
なお当該事象については、給与計算システムの改修を実施し、既に適正な状況にて運用しております。
今後このような事態を二度と繰り返さぬよう管理体制を改善し、再発防止に努めてまいります。
セグメント別の業績は、次の通りであります。
(アウトソーシング事業)
アウトソーシング事業におきましては、家電分野、ブロードバンド分野及びモバイル分野を中心とした業務運営事務局の受注に向けた提案及び収益改善を継続するとともに、キャンペーン受注の獲得及びストアサービス分野・コールセンター他分野における営業アウトソーシングの受注強化に取り組みました。
上記取り組みにより、モバイル分野において、前連結会計年度より大手通信事業者から受注した全国の量販店における高速無線通信への加入促進を業務内容とする業務運営事務局の売上高が大幅に増加したほか、家電分野において外資系企業からの受注が増加いたしました。また、インバウンドビジネスの専門部署を中心に、増加する訪日外国人旅行者の取り込みを強化する小売業を中心とする流通各社に対する提案営業活動を強化した結果、首都圏エリアにおいて新規開店商業施設の免税カウンター運営の案件を新規に受注したほか、空港関連事業の受注が好調に推移いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は15,966,757千円(前年同期比5.4%増)、営業利益は1,848,450千円(前年同期比12.7%減)となりました。
(人材派遣事業)
人材派遣事業におきましては、家電分野、ストアサービス分野、コールセンター他分野を中心に、幅広い取引先からの案件の新規受注獲得及び訪日外国人旅行者向けの人材サービスの営業強化に取り組みました。家電分野におきましては、引き続き外資系メーカーを中心に新規案件の受注が増加した他、国内主要メーカーからの常勤稼働の人材派遣案件についても受注が好調に推移いたしました。ストアサービス分野におきましては、大手GMS・食品スーパーにおける人材採用難等に伴う需要拡大に伴い、引き続きレジ業務他幅広い職種での受注が堅調に推移いたしました。また、コールセンター他分野におきましては、訪日外国人旅行者向けの人材サービスの受注が好調に推移いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は6,632,737千円(前年同期比6.8%増)、営業利益は302,771千円(前年同期比40.8%増)となりました。
(その他)
その他におきましては、東日本エリアにおいて販売教育研修の案件を受注したほか、紹介手数料による売上が増加いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は135,702千円(前年同期比1.2%増)、営業損失は4,434千円(前年同期は231千円の営業損失)となりました。
(注) 1 アウトソーシング事業における主要な取扱商材分野とその業務内容は以下のとおりです。
取扱商材分野業務内容
家電・デジタル家電(大型薄型テレビ、デジタルレコーダー、タブレット端末等)の販売
・生活・家事家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機等)の販売
ブロードバンド・固定通信回線(光回線等)への加入促進業務
・インターネットサービスプロバイダーへの加入促進業務
モバイル・携帯電話、高機能携帯端末(スマートフォン等)の販売
・次世代高速無線通信への加入促進業務
ストアサービス・生鮮食料品やコスメティック・ファッションの販売
・カードの加入促進業務等
観光・バスガイド業務
・展示会、コンベンション、スポーツイベント運営業務 他
コールセンター他・各種受付コールセンター業務
・訪日外国人向け多言語コールセンター、免税カウンター
・流通、小売サービスセンター業務 他

2 人材派遣事業における主要な取扱商材分野とその業務内容は以下のとおりです。
取扱商材分野業務内容
家電・デジタル家電(大型薄型テレビ、デジタルレコーダー、タブレット端末等)の販売
・生活・家事家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機等)の販売
ブロードバンド・通信回線獲得アウトバウンド
モバイル・携帯電話、高機能携帯端末(スマートフォン等)の販売
・次世代高速無線通信への加入促進業務
ストアサービス・生鮮食料品やコスメティック・ファッションの販売
・金融、カードビジネス窓口案内、カード会員の獲得
観光・国内旅行・海外旅行添乗業務、バスガイド業務
・展示会、コンベンション、スポーツイベント運営業務 他
コールセンター他・コールセンター業務
・品出し、流通バックヤード業務
・営業事務、貿易事務、経理事務 他

3 (出典):総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成28年度第4四半期(3月末))」より
4 (出典):(一社)電気通信事業者協会「事業者別契約数」(平成29年3月)より
5 (出典):観光庁「主要旅行業者の旅行取扱状況速報」(平成29年2月)より
6 (出典):日本政府観光局「訪日外客数」(平成29年5月推計値)より
7 当社グループは、アウトソーシング事業において販売等のサービス提供を行う際に、クライアントの課題・施策を共有し、解決するために「業務運営事務局(ヒト・コミュニケーションズ事務局)」をクライアントごとに設置しております。当該事務局は、クライアントとの交渉窓口や販売等のサービス提供に関する施策の立案等を行う事務局長の下、各就業現場にてスタッフへの指示命令を行うディレクターを配置し、販売等のサービス提供に精通したスタッフから組成されています。各業務運営事務局は、スタッフの採用、研修制度の構築、販売等のカリキュラムの作成、就業現場のラウンディング(巡回)、クライアントへの販売等のサービス提供状況のフィードバック等、商品の販売、サービス提供に関する一連の業務を行っております。
それによりクライアントは、スタッフの管理負担及び教育負担の軽減が図れ、現場とマーケティング機能を分離することによる効率化等のメリットを享受することができ、クライアントの業績の向上につながっているものと考えております。
なお、当第3四半期連結累計期間における取扱商材分野別の売上高の概況は以下のとおりであります。
(a)家電
家電分野におきましては、国内外の主要メーカーに対し常勤稼働案件及び商戦期のキャンペーン案件の獲得に向けた営業活動を実施した結果、外資系メーカーを中心に新規案件の受注が好調に推移いたしました。また、国内主要メーカーからの常勤稼働の人材派遣案件についても受注が回復いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,807,364千円(前年同期比5.9%増)となりました。
(b)ブロードバンド
ブロードバンド分野におきましては、既存の業務運営事務局において契約条件の改善に向けた交渉を実施し収益改善に取り組むとともに、全国各地において業務運営事務局の新規獲得に向けた提案営業に注力いたしました。
上記取り組みにより、前連結会計年度より大手通信事業者から受注した全国の量販店におけるブロードバンドサービスの加入促進を業務内容とする業務運営事務局の売上高が増加したほか、代理店を中心に光コラボ関係の新規案件受注が増加いたしました。しかしながら、既存のブロードバンドサービス販売の案件の受注規模の縮小がありました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は8,876,022千円(前年同期比4.3%減)となりました。
(c)モバイル
モバイル分野におきましては、業務運営事務局の新規受注に向けた提案、商戦期のキャンペーン案件の受注に向けた営業活動を強化いたしました。
その結果、前連結会計年度より大手通信事業者から受注した全国の量販店における高速無線通信への加入促進を業務内容とする業務運営事務局の売上高が大幅に増加したほか、モバイル端末の販売支援を行うラウンダー業務につき、西日本エリアを中心に受注が増加いたしました。また、格安SIMの販売を業務内容とする業務運営事務局の新規受注が売上高の増加に寄与いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は4,388,342千円(前年同期比23.9%増)となりました。
(d)ストアサービス
ストアサービス分野におきましては、新規顧客に対する営業強化によりサービス取扱商材の拡大を図った結果、大手GMS・食品スーパーにおける人材採用難等に伴う需要拡大に伴い、引き続きレジ業務他幅広い職種での人材派遣案件の受注が堅調に推移いたしました。また、新規領域として大手GMSにおけるレジ・販売スタッフ等の採用代行業務の受注が首都圏を中心に拡大したほか、訪日外国人旅行者向けの販売業務の受注が増加いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,435,734千円(前年同期比8.2%増)となりました。
(e)観光
観光分野におきましては、中近東・欧州の情勢不安等により海外旅行向けの添乗員派遣の伸び悩みが継続したものの、当社グループ拠点網を活用した全国的な営業活動の強化、グループ各社間でのスタッフ共有等の事業シナジーにより、スポーツイベント運営における案件受注が好調に推移いたしました。また、連結子会社の受注も好調に推移しました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,523,015千円(前年同期比6.7%増)となりました。
(f)コールセンター他
コールセンター他分野におきましては、増加する訪日外国人旅行者の取り込みを強化する流通各社に対し、前連結会計年度に引き続き提案営業活動を強化した結果、首都圏エリアにおいて新規開店商業施設の免税カウンター運営の案件を新規に受注したほか、空港関連事業、訪日外国人旅行者向け人材サービスの受注が好調に推移いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,794,718千円(前年同期比15.3%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比較して746,498千円増加して、12,286,268千円(前連結会計年度末比6.5%増)となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比較して618,093千円増加して、9,325,656千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加830,467千円等がありましたが、売掛金の減少243,542千円等があったことによるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比較して128,404千円増加して、2,960,612千円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加202,993千円等がありましたが、のれんの減少34,445千円等があったことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債の残高は、前連結会計年度末に比較して267,591千円減少して、3,183,600千円(前連結会計年度末比7.8%減)となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比較して269,572千円減少して、3,004,722千円となりました。主な要因は、未払法人税等の減少442,412千円、未払金の減少169,628千円等がありましたが、短期借入金の増加350,000千円等があったことによるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比較して1,980千円増加して、178,878千円となりました。主な要因は、退職給付に係る負債の増加3,260千円、役員退職慰労引当金の増加2,519千円等がありましたが、長期前受金の減少4,019千円等があったことによるものであります。なお、長期前受金は、四半期連結貸借対照表上、その他に含め表示しております。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比較して1,014,089千円増加して、9,102,667千円(前連結会計年度末比12.5%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加1,243,939千円がありましたが、剰余金の配当による利益剰余金の減少241,642千円等があったことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。