有価証券報告書-第75期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
有報資料
日本経済は政府の景気刺激政策や日銀の金融緩和政策の効果による、円高是正、株価上昇、消費者マインドの改善など緩やかに景気回復しています。しかしながら、消費税増税後の消費低迷などや、世界経済の下振れによる影響など、依然先行きは不透明で、厳しい状況が続くものと見られます。一方、米国や欧州は緩やかに景気回復が進み、また、中国やインド等、アジアの新興諸国の経済発展は今後も持続しますが、先進国の財政問題など下振れリスクは依然として残っています。
日本市場では、少子高齢化に伴い食生活や消費構造の変化が進み、海外市場では、特にアジア地域で所得の向上により消費市場が拡大するなど、市場環境は日々変化しています。多様化する環境の中で、将来にわたり持続的に成長するためには、これらの市場変化を素早く読み取り、事業を推進することが不可欠であると考えています。
このような環境のもと、日本市場ではニーズの変化と多様化に伴い、新たな用途や市場創造が収益拡大には必要であると判断しています。一方、海外市場では、アジアに事業基盤を有する当社としては、アジア市場の経済成長と人口増加に伴い、増加する需要を取り込むための販売拡大とこれに見合う供給力増強が必要であると判断しています。
以上のことから、当社の創業100年を迎える平成30年に向けた長期経営ビジョン「創業100年ビジョン」を策定し、平成28年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しました。
当社グループは、「新田ゼラチングループはゼラチンのトップ企業として独自の用途開発と新製品開発により、お客様に感動を与える製品・サービスをいち早くグローバルに提供します。私たちは安心・安全・信頼をもとに人と環境に優しい事業を推進します。」をビジョンとして掲げ、①お客様第一主義 ②グローバル&イノベーション ③選択と集中 を基本方針としています。
「Amaze the World!-世界をあっと驚かせる会社-」のスローガンのもと、「Win out!! in growing Asian market-成長するアジアで勝ち抜く-」を基本戦略として、お客様の期待の一歩先を行く製品・サービスの提供、新製品開発や新市場開拓を実現することにより、収益を拡大し企業価値を高め、永続的に社会貢献することを目指しています。
1.当社グループにおける基本方針
① お客様第一主義
当社グループを取り巻く市場は日々進化し、多様化しています。この市場の変化を読みとり、常に「前向き」の姿勢で、お客様の声に耳を傾け、そのニーズにマッチした製品・サービスをいち早く提供してまいります。
② グローバル&イノベーション
日本市場の成熟化が進行する反面、中国、インド、東南アジアなど、新興国では、経済発展が進み、市場が拡大しています。私たちが挑戦する市場は、日本から海外へ、「内」から「外」に移っています。すなわち、製造・開発・販売すべてにおいてグローバルな視点から、事業を推進してまいります。
また、市場開発、研究開発の強化と新たな発想で、事業にイノベーションを興すとともに、CO2削減等、環境負荷の低減、資源不足への対応のため、製造技術革新に取り組んでまいります。
③ 選択と集中
当社グループの事業体質強化のため、既存事業領域の再構築、今後の成長のための事業開発領域の厳選、経営資源の配分により、より一層の選択と集中を図ってまいります。
2.コラーゲン素材事業
① ゼラチン事業のグローバル競争力強化と供給力増強
ゼラチンの市場は、新興国の経済発展に伴い需要の増加が見込まれます。特に人口増加、経済発展が進む中国、インドを中心とするアジア市場での需要増加が見込まれることから、グループ各社の生産性向上による供給力増強と、新しい供給拠点の開発に取り組みます。一方、ジェネリック医薬品の拡大により価格競争は激しくなるものと判断しております。そのため、当社グループの各製造工場のコストダウンと原料の継続的安定調達に取り組むと共に、さらなる品質向上を達成し、お客様に満足いただけるコストと品質をお届けできるよう取り組んでまいります。また、新機能ゼラチンの開発と用途提案を進め、新市場開拓によりさらなる販売拡大を図ってまいります。
また、ゼラチン製造は環境負荷が大きい活動であると認識しております。そのため、当社グループでは、より一層の省エネ・省資源、効率化を進め、CO2削減などの社会的要請に応えるとともに、国際競争力のある製品コストを実現します。
② ペプチド事業のグローバル事業拡大
コラーゲンペプチドは健康食品素材として、消費者の健康増進意識と、効果が実感できる健康食品素材としての認知度の高まりにより、急速に成長してきましたが、日本市場では成熟化により今後の需要伸張は鈍化するものと判断しております。このため、当社グループは、日本市場では、ペプチドの機能性研究をさらに強化し、その成果に基づく新製品によって、新しい用途開発、市場開拓に取り組みます。海外市場では新規需要が見込まれる中国・アジア市場と北米市場をターゲットとし、当社ペプチドのグローバルブランドである「Wellnex:ウエルネックス」を普及し、販売拡大を目指します。中国での製造販売の拡大、米国での製造開始に伴い日本での販売拡大と北米での新規市場創造により、グローバルに事業を拡大します。
③ ケーシング事業の拡大
新興国の経済発展に伴い、ソーセージの需要の増加が見込まれ、また天然ケーシングからの切替えが今後進むことが見込まれます。このような中、北米工場の生産イノベーションにより、設備更新とプロセス改革を進め、生産性を向上し供給力の増強とコスト競争力を強化します。さらに、ソーセージなどの食肉加工品市場が急拡大する中国では、ケーシング生産・販売体制を早期に整備し事業を拡大します。
④ ライフサイエンス事業育成
当社グループの将来の新たな収益源として、ライフサイエンス事業の育成に積極的に取り組んでまいります。
研究が急速に進展する再生医療分野で必要とされている、高度な安全性が担保された医療用ゼラチン・コラーゲンの安定供給能力を確立し、医療研究機関や医療機器メーカーでの商品開発に貢献し、将来の事業として育成します。
また、化粧品市場ではコラーゲンは保湿成分として認知度が高く幅広く使用されていますが、市場の急激な伸張は期待できず、競争も激しくなっております。この中で、当社グループでは、コラーゲンの機能性研究に取り組み、機能性データによる差別化により、競争力を高め市場シェアの拡大を図ります。
3.フォーミュラソリューション事業
① 食品材料事業のフードソリューションによる事業拡大
少子高齢化、食にかかわるニーズの多様化に伴い、主力の製菓・デザート市場の伸長は見込めませんが、総菜市場、医療食等のシニア食市場は今後拡大することが見込まれ、この市場開拓が今後重要な課題であると認識しています。当社グループでは、長年蓄積したアプリケーション技術を活用した提案を積極的に行い、既存市場でのシェア拡大と共に、新規市場開拓に取り組んでまいります。また、大阪・東京・北米・中国・インドのアプリケーションラボを積極的に活用し、現地法人や代理店網を通じて、顧客密着型の製品開発・用途提案によって販売拡大を目指します。また、新たにベトナムにもアプリケーションラボを平成27年3月期に設置し、東南アジア地域での食品材料事業拡大に取り組みます。
② 接着剤事業の高収益事業への転換
新規開発製品である紫外線硬化型シーリング材を、日本発の差別化製品としてグローバルに展開し、高収益事業としての育成を図ります。また、コア製品であるホットメルト形接着剤の生産性向上、新製品開発、販売市場の選択と集中により収益性の向上を図ります。これらにより、接着剤事業を高収益事業へと転換します。