有価証券報告書-第11期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 15:30
【資料】
PDFをみる
【項目】
88項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国の経済は、各種政策の効果が発現し、企業収益や雇用情勢、所得環境に改善傾向が見られ、個人消費にも底堅さが戻るなど、緩やかな回復基調が続いております。一方で、海外経済の下振れや、地政学的リスク、原油価格の動向など景気を下押しする要因も依然として残っており、先行きはなお不透明な状況にあります。
当社を取り巻くインターネット関連市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の利用定着と、高速モバイル通信の普及等に伴い、インターネットの利用環境の整備が進み、今後も安定的な成長が期待されております。
平成26年12月における携帯電話端末全体の契約数は1億2,511万件(前年同期比4.4%増)となり、人口普及率は98.5%に達しております。また、スマートフォンの契約数は、6,544万件(前年同期比22.8%増)と、全体の52.3%を占め、フィーチャーフォンの契約数を上回りました(出所:MM総研)。
モバイルコンテンツの市場規模は、平成25年には全体で1兆783億円(前年同期比26.7%増)となり、拡大のペースを加速させております。その中でも、スマートフォン向けコンテンツ市場は、端末の普及と利用者の増加に伴い、8,336億円(前年同期比124.3%増)と前年の2倍を超える市場規模へと急成長しており、モバイルコンテンツ配信市場におけるスマートフォンの位置付けはより重要性を高め、市場は活性化しております(出所:一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム)。
音楽やアーティスト関連の市場動向といたしましては、平成26年における音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は、254,176百万円(前年同期比6.0%減)と減少傾向が続いております。その一方で、コンサート市場につきましては、市場規模が274,944百万円(前年同期比18.6%増)と、音楽ソフトの減少を上回る拡大となり、アーティストや音楽や対する底堅い需要が見られます。(出所:一般社団法人日本レコード協会及び一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)
このような外部環境の中、当社は、アーティストやタレント、キャラクターまでの様々なコンテンツを幅広く取り扱い、それらをファンクラブサイトやしゃべってキャラ、音楽、電子書籍といった多岐にわたるデジタルコンテンツの配信から、音楽映像商品、グッズ、アパレル商品等を取り扱うeコマースに至るまで、複合的に展開することにより、サイトや事業間でのシナジー効果を発揮させ、収益の拡大と多様化に努めてまいりました。
事業の基盤となる有料会員につきましては、流行が予想されるコンテンツのいち早い発掘と獲得、スマートフォンを中心とした新規サイトの開設を進め、会員数を着実に増加させることができました。加えて、よりスマートフォンに適したサイト展開とコンテンツの高付加価値化によって、会員単価の上昇にも取り組んでまいりました。
また、平成26年11月には、「ゆるキャラグランプリ 2014 in あいち セントレア」を開催、1,699キャラクターがエントリー、投票数は2,267万票に達するなど、いずれも過去最多を記録いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,712百万円、営業利益は554百万円、経常利益は605百万円、当期純利益は359百万円となりました。
なお、当連結会計年度から連結財務諸表を作成しておりますので、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。(以下、「(2)キャッシュ・フローの状況」、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
①携帯コンテンツ配信事業
携帯コンテンツ配信事業につきましては、アーティストやタレントの新規ファンクラブサイトの開設に、引き続き注力してまいりました。加えて、アニメやキャラクターの積極的な獲得とコンテンツ制作を行い、しゃべってコンシェルなどスマートフォン向けコンテンツサービスを中心に配信することで、事業の基盤となる有料会員の獲得も進めてまいりました。
また、キャリアの提供するスマートフォン向け月額使い放題サービスである、「スゴ得コンテンツ」や「スマートパス」についても、人気キャラクターを中心に積極的なコンテンツの投入を継続し、利用者の年間ランキン1位を獲得するなど、収益拡大に貢献いたしました。
この他、インターネットとリアルイベントの連動や、アニメキャラクターを起用した写真集など、新たな取り組みも推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における携帯コンテンツ配信事業の売上高は3,158百万円、セグメント利益は846百万円となりました。
②PCコンテンツ配信事業
PCコンテンツ配信事業につきましては、アーティスト及びタレント等の有料ファンクラブサイトにおいて、パッケージ商品やコンサートチケットの先行販売などを実施し、会員の維持、拡大を推進してまいりました。また、アーティストやスポーツ選手、歌舞伎俳優のオフィシャルサイトの受託制作など、他の事業セグメントも含め、将来の新たな収益の獲得と拡大に繋がることを見据えた事業展開を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるPCコンテンツ配信事業の売上高は224百万円、セグメント利益は13百万円となりました。
③eコマース事業
eコマース事業につきましては、CD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品と関連するアーティストグッズを事業の中核に据え、当社がファンクラブサイトを運営するアーティスト等の商品の直販と、大手レコード会社との提携によるレコード会社の公式販売サイトの運営管理の両面から、事業を展開してまいりました。サイト限定やオリジナル商品の取り扱い、購入特典の付与、コンサートチケットの予約抽選といった施策によって、その利用促進を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるeコマース事業の売上高は278百万円、セグメント利益は51百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は702百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは△0百万円となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益605百万円であり、支出の主な内訳は仕入債務の減少による483百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△108百万円であり、支出の主な内訳は敷金の支払額87百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△64百万円であり、収入の内訳は新株予約権の行使に伴う新株発行収入70百万円、配当金の支払額135百万円であります。