有価証券報告書-第2期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2014/06/26 16:21
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85項目

業績等の概要


(1)業績等
我が国を取り巻く国際経済は、欧州の景気後退の長期化、金融部門に問題を抱えた中国を始めとした主要新興国の成長減速が見られるものの、米国経済は緩やかに回復しつつあります。しかし、米国の金融緩和出口政策の動向や、その新興国市場への影響等により、引き続き、世界経済の下振れリスクが懸念されています。また、我が国経済は緩やかな回復基調が続いている一方、消費税引上げに伴う駆け込み需要の反動や海外景気の下振れが、我が国経済を下押しする可能性については、注視を要する状況となっています。かかる状況下、当行は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、日本にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進、日本の産業の国際競争力の維持及び向上、地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業の促進、国際金融秩序の混乱の防止またはその被害への対処、に資する出融資保証等案件への積極的な対応を行ってまいりました。
当事業年度は、「円高対応緊急ファシリティ」を発展的に改編する形で平成25年4月1日に創設した「海外展開支援融資ファシリティ」の下、平成25年6月14日に閣議決定された「日本再興戦略」等の政府施策も踏まえつつ、資源権益の取得・開発の促進、日本企業による海外M&Aの促進、インフラ案件を始めとする日本企業の海外展開等を積極的に支援しました。具体的には、豪州の鉄鉱山開発やLNGプロジェクト、英領北海油田権益取得・開発事業等、日本企業による資源権益の取得・開発を支援したほか、ブラジルにおける農業・穀物集荷輸出事業やインドの産業ガスメーカーの買収、本邦金融機関向けクレジットラインを通じた米国の鋼板の製造・販売事業会社、ルクセンブルクの水栓金具製造・販売事業会社、スウェーデンの活性炭事業会社の買収等、日本企業による海外企業・事業の買収案件を支援しました。また、インドネシアでの地熱発電プロジェクトやベトナムにおける製油所・石油化学事業等日本企業が事業参画するインフラ案件、ASEAN諸国を中心とする各国における中堅・中小企業の海外事業展開についても、積極的に支援しました。このほか、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成25年1月11日閣議決定)を踏まえて平成25年2月26日に創設した 「海外展開支援出資ファシリティ」の下で米国の穀物・肥料販売事業会社の買収を出資により支援したほか、地球環境保全業務としてブラジルの再生可能エネルギー事業向け支援や、モンゴルの発行体が発行する初めてのサムライ債に対する保証を供与致しました。
こうした取組の結果、当事業年度の当行全体の出融資保証承諾実績は、2兆2,061億円となりました(参考:前事業年度比2兆348億円減少)。
また、損益の状況につきましては、当事業年度は、海外展開支援融資ファシリティによる本邦企業の海外M&Aの促進支援や重要資源の海外における開発・取得支援への取組等により、貸出金利息等の資金運用収益1,811億円等を計上した結果、経常収益は2,261億円となりました(参考:前事業年度比88億円増加)。一方、借用金利息等の資金調達費用1,156億円等を計上した結果、経常費用は1,347億円となりました(参考:前事業年度比189億円減少)。結果、経常利益は913億円(参考:前事業年度比277億円増加)となり、特別損益を含めた当期純利益は913億円となりました(参考:前事業年度比277億円増加)。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローにつきまして、営業活動によるキャッシュ・フローは、海外展開支援融資ファシリティへの取組に伴う借用金の増加等により、前事業年度比1,371億円増加して1,510億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得等により、前事業年度比670億円減少して1,000億円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、国庫納付の支払等により、前事業年度比740億円減少して317億円の支出となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、前事業年度比192億円増加して423億円となりました。
(3)業績
① 財産及び損益等の状況
(前事業年度)
(単位:百万円)
国際協力銀行
業務
駐留軍再編促進金融業務消去合計
経常収益217,040257△5217,291
経常利益63,368214-63,583
当期純利益63,370214-63,585
資本金1,360,000--1,360,000
純資産額2,346,738--2,346,738
総資産14,430,245--14,430,245
貸出金残高10,555,128--10,555,128
支払承諾(注)2.
(支払承諾見返)
2,400,699--2,400,699
備 考(注)3.---

(注)1.上記の各業務別の数値は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)に基づく監査法人の監査は受けておりません。
2.当行の保証債務にかかる貸借対照表計上額であります。
3.上記数値以外に、各業務において重要性が高いと考えられる科目は、以下のとおりであります。
(国際協力銀行業務)
有価証券:当該業務の有価証券の保有残高 122,181百万円
(当事業年度)
(単位:百万円)
経常収益226,100
経常利益91,358
当期純利益91,366
資本金1,360,000
純資産額2,341,312
総資産16,346,047
貸出金残高12,655,401
支払承諾(注)1.
(支払承諾見返)
2,422,658
備 考(注)2.

(注)1.当行の保証債務にかかる貸借対照表計上額であります。
2.上記数値以外に、重要性が高いと考えられる科目は、以下のとおりであります。
有価証券:有価証券の保有残高 227,201百万円
3.駐留軍再編促進金融業務勘定は平成24年11月末に廃止しております。
② 収支の状況
種類期別金額(百万円)
資金運用収支前事業年度48,436
当事業年度65,466
うち資金運用収益前事業年度167,947
当事業年度181,143
うち資金調達費用前事業年度119,510
当事業年度115,677
役務取引等収支前事業年度21,860
当事業年度21,505
うち役務取引等収益前事業年度23,288
当事業年度23,722
うち役務取引等費用前事業年度1,427
当事業年度2,217
その他業務収支前事業年度8,574
当事業年度2,238
うちその他業務収益前事業年度9,171
当事業年度3,615
うちその他業務費用前事業年度597
当事業年度1,377

(注)前事業年度の数値は、国際協力銀行業務のものです。
③ 資金運用/調達の状況
種類期別平均残高利息利回り
金額(百万円)金額(百万円)(%)
資金運用勘定(注2)前事業年度9,908,559167,9471.70
当事業年度13,126,752181,1431.38
うち貸出金前事業年度8,630,420132,4081.53
当事業年度11,864,173149,7691.26
うち有価証券前事業年度99,6104410.44
当事業年度183,0606430.35
うち買現先勘定前事業年度713,4816710.09
当事業年度358,6682620.07
うち預け金前事業年度461,8071,2320.27
当事業年度640,4831,6230.25
資金調達勘定(注3)前事業年度8,384,335119,5101.43
当事業年度10,731,675115,6771.08
うち社債前事業年度2,222,93255,4762.50
当事業年度2,487,55458,4302.35
うち借用金前事業年度5,874,37663,7971.09
当事業年度8,161,46857,1870.70

(注)1.前事業年度の数値は、国際協力銀行業務のものです。
2.資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。また、平均残高は金融商品等差入担保金を含む数値であります。
3.資金調達勘定の平均残高は、金融商品等受入担保金を含む数値であります。
④ 業種別貸出金残高の状況
種類平成25年3月31日現在平成26年3月31日現在
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
国内3,755,81235.564,665,79236.87
製造業
農業
林業
漁業
鉱業
建設業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
各種サービス業
地方公共団体
その他
297,487
-
-
-
280,876
2,628
327,458
1,400
41,636
857,525
1,901,498
-
45,300
-
-
2.82
-
-
-
2.66
0.02
3.10
0.01
0.39
8.12
18.00
-
0.43
-
-
324,494
-
-
-
314,828
1,911
357,931
221,000
32,537
877,287
2,338,289
-
197,512
-
-
2.56
-
-
-
2.49
0.02
2.83
1.75
0.26
6.93
18.48
-
1.56
-
-
海外6,807,54864.447,989,60863.13
海外円借款、国内店名義現地貸6,807,54864.447,989,60863.13
合計10,563,360100.0012,655,401100.00

(注)1.上記数値は、償却実施前の計数であり、前事業年度末における償却額は8,232百万円であり、当事業年度末における償却実施残高はありません。
2. 「国内店名義現地貸」とは非居住者に対して外貨又は円貨で貸付けを行う場合を指しております。
3.平成25年3月31日現在の数値は国際協力銀行業務におけるものです。
⑤ 国別融資残高状況
国名平成25年3月31日現在国名平成26年3月31日現在
金額
(百万円)
残高に占める
割合(%)
金額
(百万円)
残高に占める
割合(%)
チリ768,0157.27オーストラリア1,290,71310.20
インドネシア727,6566.89アメリカ1,147,3249.07
ブラジル668,5236.33チリ842,1596.65
オーストラリア617,2775.84ブラジル745,3515.89
アメリカ572,8625.42アラブ首長国連邦672,5675.31
アラブ首長国連邦557,6275.28インドネシア652,1125.15
ロシア525,5094.97ロシア506,8994.01
サウジアラビア326,5033.09カタール338,4092.67
アイルランド318,9233.02アイルランド328,4172.60
カタール305,5282.89サウジアラビア318,3132.52
その他5,174,93148.99その他5,813,13145.93
合 計10,563,360100.00合 計12,655,401100.00

(注)1.原則としてプロジェクトの所在国(輸出金融の場合は輸入者の所在国、輸入金融の場合は輸出者の所在国、その他の場合はプロジェクトや事業の所在国)により地域別分類を行っております。
2.上記数値は償却実施前の計数であり、前事業年度末における償却額は8,232百万円であり、当事業年度末における償却実施残高はありません。
3.平成25年3月31日現在の数値は国際協力銀行業務におけるものです。
⑥ 有価証券の状況
種類平成25年3月31日現在残高平成26年3月31日現在残高
金額(百万円)金額(百万円)
国債--
地方債--
社債--
株式--
その他の証券122,181227,201
合計122,181227,201

(注)平成25年3月31日現在の数値は国際協力銀行業務におけるものです。
(参考)自己資本比率の状況
当行は、銀行法の適用を受けませんが自己資本比率(国際統一基準/バーゼルⅡ)を算出しております。なお、本自己資本比率の算出に際しては、国際統一基準/バーゼルⅡを適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
項目平成25年3月31日現在平成26年3月31日現在
金額(百万円)金額(百万円)
基本的項目
(Tier1)
資本金、剰余金2,211,6852,271,366
国庫納付金31,68545,683
その他有価証券評価差損△2,221△5,472
計 (A)2,182,2212,231,156
補完的項目
(Tier2)
その他有価証券の貸借対照表計上額の合計額から帳簿価額の合計額を控除した額の45%--
土地の再評価額と再評価の直前の帳簿価額の差額の45%相当額--
一般貸倒引当金
(但、(E)の1.25%が上限)
32,61239,616
負債性資本調達手段等--
うち永久劣後債務--
うち期限付劣後債務及び期限付優先株--
32,61239,616
うち自己資本への算入額 (B)32,61239,616
控除項目控除項目 (C)--
自己資本額(A)+(B)-(C) (D)2,214,8342,270,772
リスク・
アセット等
資産(オン・バランス)項目10,846,71912,449,981
オフ・バランス取引等項目81,95233,356
オペレーショナル・リスク相当額に係る額135,577149,112
計 (E)11,064,24812,632,451
自己資本比率(国際統一基準/バーゼルⅡ)
=(D)/(E)×100(%)
20.0217.98
(参考)Tier1比率=(A)/(E)×100(%)19.7217.66