有価証券報告書-第19期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 12:03
【資料】
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【項目】
110項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、当事業年度より新たな事業ステージを指すGTS3.0「バイオで価値を創造するエンジニアリングカンパニー」を目標に掲げ、これまでの事業活動で得てきたバイオ技術に関するノウハウ及び知見を最大限活用し、従来より手掛けてきた希少疾患、難病に加えて、小児疾患を重点的なターゲットと定め、これらの疾患に悩む患者様、そのご家族や介護者の方を含めた包括的なケアを目指して、新薬のみならず新たな医療の開発・提供に取り組んでおります。具体的には、バイオ後続品事業で安定的な収益基盤を確立させつつ、バイオ新薬事業及び再生医療における細胞治療分野を軸とした新規バイオ事業で成長性を追求してまいります。
当事業年度における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。
イ バイオ後続品事業
富士製薬工業㈱と持田製薬㈱による好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」の販売が順調に推移しており、当社の経営の安定感は継続しております。これに続く品目として、㈱三和化学研究所と共同開発を行っているダルベポエチンアルファバイオ後続品については、国内における第Ⅲ相臨床試験が終了し、2018年9月に同社より厚生労働省へ医薬品製造販売承認申請を行いました。また、千寿製薬㈱と共同開発を行っているラニビズマブバイオ後続品については、国内における第Ⅲ相臨床試験を順調に進めている一方で、2019年1月にOcumension Therapeuticsと中国及び台湾における当該製品の独占的ライセンス契約を締結し、同地域での事業化の足掛かりとするなど国内外で着実に事業を前進させております。
ロ バイオ新薬事業
次世代型抗体医薬品等の研究開発を進めた結果、新規メカニズムに基づく新生血管形成を阻害する抗RAMP2抗体を創出することに成功し、眼疾患の治療並びにがん領域における抗腫瘍効果を期待できる医薬品候補として、2017年9月に当該抗体に関する特許を出願し、2018年9月には国際特許出願を行いました。今後は、知的財産権の確保を図りながら当該医薬品候補抗体の研究開発を進め、製薬企業へのライセンスアウトを目指していきます。
ハ 新規バイオ事業
2016年10月にノーリツ鋼機グループの一員である㈱日本再生医療と資本業務提携を行い、同社が開発中の心臓内幹細胞を用いた再生医療等製品の事業化を目指し、再生医療分野の事業拡大に取り組んでおります。また、2018年4月にはナノキャリア㈱とノーリツ鋼機㈱と当社との間で資本業務提携契約を締結し、それぞれが所有する技術・知見等を組み合わせて革新的な技術・医薬品を創出するべく、3社協働体制にて創薬活動をスタートさせました。さらに、2019年1月には、歯の内部に存在する歯髄と呼ばれる細胞を用いた幹細胞を利用して新しい医療技術や再生医療等製品の開発を行っている㈱セルテクノロジーを株式交換により完全子会社化することを決議し、2019年3月の当社臨時株主総会での承認を経て、2019年4月より同社を完全子会社化いたしました。今後は、上述の㈱日本再生医療の心臓内幹細胞と㈱セルテクノロジーの歯髄幹細胞を基に当社の再生医療事業における細胞治療プラットフォームを確立することで、新たな製品及び治療法の開発等、様々な事業展開を図ってまいります。
このほか、「バイオで価値を創造するエンジニアリングカンパニー」としてIT、医療サービス、診断や医療機器などにもアプローチしながら新たな治療法の提供に努めてまいります。
これらの結果、売上高は1,021,703千円(前年同期比3.6%減)、営業損失は805,562千円(前年同期は913,499千円の営業損失)、経常損失は816,412千円(前年同期は903,215千円の経常損失)、当期純損失は856,291千円(前年同期は904,557千円の当期純損失)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末比4.8%増の2,821,718千円となりました。これは主に、前渡金が171,924千円減少したものの、現金及び預金が118,102千円、売掛金が154,310千円増加したことによるものであります。現金及び預金の増加については、新株予約権の行使による払込みが主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末比1.0%減の329,640千円となりました。なお、固定資産について、特筆すべき増減はありません。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末比1.2%減の400,155千円となりました。これは主に、未払法人税等が20,629千円増加したものの、買掛金が3,390千円、未払金が23,226千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末比23.5%増の19,933千円となりました。これは主に、退職給付引当金が4,530千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末比4.9%増の2,731,269千円となりました。これは主に、当期純損失を856,291千円計上したものの、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ491,338千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ118,102千円増加し、2,009,373千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は860,316千円(前年同期は438,372千円の減少)となりました。これは主に、前渡金の減少171,924千円はあったものの、税引前当期純損失を854,391千円計上し、売上債権が154,310千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は27千円(前年同期は50,252千円の減少)となりました。これは差入保証金の差入による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は978,446千円(前年同期は増減なし)となりました。これは新株予約権の行使による株式の発行による収入973,093千円及び新株予約権の発行による収入5,352千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。
区分当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
バイオ後続品事業412,38697.6
原薬等販売収益412,38697.6
合計412,38697.6

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
フィルグラスチムバイオ後続品につきましては、ロット単位での受注であり、各ロットの生産高に応じて売上高が変動し、受注金額を確定できないことから、記載を行っておりません。
なお、上記以外の品目につきましては、研究開発段階での売上であり、その不確実性を鑑み、記載を行っておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
バイオ後続品事業1,009,00396.4
原薬等販売収益906,92399.9
役務収益2,08012.2
知的財産権等収益100,00082.1
バイオ新薬事業・新規バイオ事業12,70099.2
知的財産権等収益12,700-
合計1,021,70396.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
富士製薬工業㈱852,60080.5848,10083.0
A社55,5665.2156,82315.3

(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.A社との契約において秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせていただきます。
(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、事業年度末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績及び適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における売上高は、フィルグラスチムバイオ後続品の原薬販売が順調に推移したことに加え、他のバイオ後続品事業における開発マイルストン収入等の発生もあり、ほぼ前年度並みの1,021,703千円となりました。
一方、バイオ後続品事業の複数の品目で順調に開発が進んだことに加えて、バイオ新薬事業及び新規バイオ事業の拡大にも取り組んだ結果、研究開発費を945,228千円計上したため、805,562千円の営業損失、856,291千円の当期純損失となりました。
当社が業を営む医薬品業界の特質として、研究開発投資がリターンを生み出すまでの期間が長く、これに伴うリスクも高いと考えられております。当社は、そのリスクを分散させるために、複数の開発品を保有し、パイプラインの充実を図ることが最重要課題であると考えておりますが、そのためには多額の研究開発資金が必要となります。一方で、特にバイオ後続品については、既存バイオ医薬品の特許期間の満了時期から逆算して研究開発を開始する必要があるため、機を逸することのない意思決定と経営資源の投入を行う必要があります。当面は間接金融による資金調達は難しく、直接金融による資金調達が基本になりますが、開発品の優先順位を考慮しつつ財務会計面及び管理会計面からも検討を加えた上で意思決定を行っていくことで、パイプラインの充実と安定的な収益基盤の確立につながるものと考えております。
(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

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