有価証券報告書-第21期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 11:34
【資料】
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【項目】
130項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、「バイオで価値を創造するエンジニアリングカンパニー」を目標に掲げ、これまでの事業活動で得てきたバイオ技術に関するノウハウ及び知見を最大限活用し、従来より手掛けてきた希少疾患、難病に加えて、小児疾患を重点的なターゲットと定め、これらの疾患に悩む患者様、そのご家族や介護者の方を含めた包括的なケアを目指して、新薬のみならず新たな医療の開発・提供に取り組んでおります。具体的には、バイオ後続品事業で安定的な収益基盤を確立させつつ、バイオ新薬事業及び再生医療における細胞治療分野を軸とした新規バイオ事業で成長性を追求しております。
このような状況の中、当社は2021年2月15日に5か年中期経営計画を公表し、上述の各事業における今後の具体的な戦略方針と成果目標をコミットし、さらなる成長に向けて活動を強化しております。
当連結会計年度における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。
イ バイオ後続品事業
富士製薬工業㈱と持田製薬㈱による好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」の原薬販売及び2019年11月27日より販売が開始された㈱三和化学研究所と共同開発を行っていたダルベポエチンアルファバイオ後続品の売上高に応じたロイヤリティによる収益を安定的に計上しております。加えて、2020年9月18日に千寿製薬㈱と共同で開発している眼科治療領域のバイオ後続品について、同社より国内での医薬品製造販売承認に関する申請が行われ、将来の同社に対する製品供給による収益確保は大きく前進いたしました。その他、開発中のパイプラインについても着実に開発活動を推進しております。
ロ バイオ新薬事業
次世代型抗体医薬品等の研究開発を進めた結果、2020年1月にがん細胞内侵入能力を有する抗体を用いた抗がん剤の開発を目的として札幌医科大学との共同研究契約、同じくがん細胞殺傷効果を有する新たな抗体の取得を目的としてMabGenesis㈱との共同研究契約をそれぞれ締結し、その他の開発中のパイプラインと合わせて研究開発活動を継続しております。
ハ 新規バイオ事業
当社は、再生医療事業の研究開発において、重要な研究ソースとなる歯髄幹細胞及び心臓内幹細胞を活用したプロジェクトの推進、アカデミア及び企業との共同研究または提携を推進しております。
歯髄幹細胞については、歯髄幹細胞の疾患に対する適性を見極め、骨及び神経疾患といった分野で新たな治療法を提供できる可能性を複数のアカデミア及び企業に評価いただき、それぞれ研究開発活動を推進しております。
心臓内幹細胞については、小児の重篤な心臓疾患である機能的単心室症を主な対象とした再生医療等製品の開発(開発番号JRM-001)を推進しております。2020年10月に当該開発品の第3相臨床試験において、患者様自身の組織に由来する自家細胞を用いた自家再生医療等製品の実用化で豊富な実績を有する㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングを製造パートナーとして加え、同社の製造技術を活用した当該開発品の安定製造体制の構築によって、自家細胞を活用する本臨床試験の更なる加速が見込めます。
そのほか、再生医療分野での事業を進展させていくための重要なステップとして、歯髄幹細胞を再生医療等製品として製品化するための基となるマスターセルバンク(MCB)の製造及びワーキングセルバンクの確立と安定供給体制の構築を㈱ニコン・セル・イノベーションと進めつつ、一方で東京大学医学部附属病院との連携による歯髄幹細胞製造の原料となる乳歯を提供頂くための臨床研究を開始いたしました。今後、当該臨床研究を確立する事により安定した乳歯提供体制を確立し、上述のMCBにおいて安定的な歯髄幹細胞製造体制構築を目指します。これにより当社における再生医療等製品の研究・開発活動を加速すると共に、アカデミアや企業との連携による研究・開発パイプラインの強化を進めてまいります。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は996,543千円(前連結会計年度比7.5%減)、営業損失は969,687千円(前連結会計年度は1,161,396千円の営業損失)、経常損失は991,166千円(前連結会計年度は1,187,254千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,001,461千円(前連結会計年度は7,316,396千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う当連結会計年度における業績への影響はありませんでした。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末比9.5%増の3,933,952千円となりました。これは主に、現金及び預金が571,417千円減少したものの、売掛金が165,050千円、前渡金が156,763千円、投資有価証券が313,997千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末比10.4%増の2,323,566千円となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が100,000千円減少したものの、買掛金が100,975千円、未払金が159,446千円、繰延税金負債が89,491千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比8.3%増の1,610,385千円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失を1,001,461千円を計上したものの、資本金及び資本剰余金がそれぞれ420,468千円、その他有価証券評価差額金が224,505千円、新株予約権が59,014千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,461,158千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は1,267,471千円となりました。これは主に、未払金の増加158,630千円があったものの、税金等調整前当期純損失を999,680千円計上したほか、たな卸資産の増加196,491千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は22,290千円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出14,291千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は718,345千円となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入599,710千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入138,860千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
バイオ後続品事業150,32257.0
原薬等販売収益150,32257.0
合計150,32257.0

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
フィルグラスチムバイオ後続品につきましては、ロット単位での受注であり、各ロットの生産高に応じて売上高が変動し、受注金額を確定できないことから、記載を行っておりません。
なお、上記以外の品目につきましては、研究開発段階での売上であり、その不確実性に鑑み、記載を行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
バイオ後続品事業944,632109.3
原薬等販売収益787,435105.4
知的財産権等収益157,124134.9
役務収益7211.8
バイオ新薬事業--
新規バイオ事業51,91124.3
知的財産権等収益22,36816.0
役務収益9,18548.5
その他20,35737.1
合計996,54392.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
富士製薬工業㈱683,06263.4787,43579.0
A社164,20815.2100,00010.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.A社との契約において秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせていただきます。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における売上高は、フィルグラスチムバイオ後続品の原薬販売が順調に推移したことに加え、ダルベポエチンアルファの上市に伴うロイヤリティ収益、開発マイルストン収益等の発生もあり、996,543千円となりました。一方、主にバイオ後続品事業におけるGBS-007の承認申請前の商用製造に向けた最終的な開発等、及び新規バイオ事業におけるJRM-001第3相臨床試験等に係る開発等に取り組んだ結果、研究開発費を963,868千円計上したため、969,687千円の営業損失となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1,001,461千円となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う当連結会計年度における業績への影響はありませんでした。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社が業を営む医薬品業界の特質として、研究開発投資がリターンを生み出すまでの期間が長く、これに伴うリスクも高いと考えられております。当社は、そのリスクを分散させるために、複数の開発品を保有し、パイプラインの充実を図ることが最重要課題であると考えておりますが、そのためには多額の研究開発資金が必要となります。一方で、特にバイオ後続品については、既存バイオ医薬品の特許期間の満了時期から逆算して研究開発を開始する必要があるため、機を逸することのない意思決定と経営資源の投入を行う必要があります。2019年10月及び2020年4月には第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債並びに新株予約権(行使価額修正条項付)を発行し、加えて2019年12月にみずほ銀行より借入れを実行し、未行使である新株予約権を除いて総額約18億円規模の資金を調達いたしました。今後は、依然として間接金融による資金調達は難しく、直接金融による資金調達が基本になりますが、開発品の優先順位を考慮しつつ財務会計面及び管理会計面からも検討を加えた上で意思決定を行っていくことで、パイプラインの充実と安定的な収益基盤の確立につながるものと考えております。
なお、今後1年の資金繰りの状況は研究開発費として1,800,000千円を計上する予定であります。これら研究開発費は、GBS-007の商用製造に向けた開発費用及び原価低減のための施策による一時的かつ最終的な支出が主な内訳であります。その他JRM-001の開発費用も含まれており、これも大きな投資となりますが、当社グループは、当連結会計年度末で現金及び預金並びに売掛金を合わせて2,277,895千円の残高を有しており、今後中長期的には上述のとおり原価低減施策の結果、高い利益率を持ったバイオ後続品の販売による売掛債権の回収及びロイヤリティ収益、並びに新株予約権行使による増資で必要十分な資金調達がされることが見込まれるため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していないものと評価しております。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化も想定し、資金調達も含め、手許流動性の維持・向上に努めてまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産及び負債、連結会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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