有価証券報告書-第24期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 16:10
【資料】
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【項目】
112項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における当社業績は、売上高 2,431,236千円(前期比 12.4%減)、営業損失 1,335,597千円(前期は550,929千円の営業損失)、経常損失 1,389,601千円(前期は624,769千円の経常損失)、当期純損失 1,422,078千円(前期は657,434千円の当期純損失)となりました。バイオシミラー事業において、2023年9月にラニビズマブバイオシミラー(GBS-007)が新たな追加適応症承認を、またペグフィルグラスチムバイオシミラー(GBS-010)が当社第4製品として製造販売承認を取得した一方で、薬価下落、一部製品の納品時期の期ズレ及び支払い条件変更の影響を受けたことに加え、細胞治療事業(再生医療)において前期計上したマスターセルバンク構築完了に伴う売上高の影響がなくなったことから、売上高は減収となりました。また損益につきましては、売上高の減収に加えて、バイオシミラー製品の構成変化や円安及び海外における物価上昇の影響を受けた利益率の低下、順調に研究開発活動が進捗したことによる研究開発費の増加に伴い、営業損失、経常損失、当期純損失は前期比で赤字幅が拡大しました。
前述のとおり、当事業年度においては、3事業に分散していた経営資源をバイオシミラー事業と細胞治療事業に集中的に投下することで、研究開発活動を更に効率的かつ強力に推進してまいります。
当事業年度における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。
イ バイオシミラー事業
当事業年度においては、2023年9月に、当初予定通りGBS-007の追加適応症とGBS-010の製造販売が承認され、今後の更なる収益拡大に向けた事業基盤が確立されました。一方で、上市済みのフィルグラスチムバイオシミラー(GBS-001)、ダルベポエチンアルファバイオシミラー(GBS-011)及びGBS-007は、2021年度以降、毎年薬価改定による薬価下落の影響を受けております。加えて、製造委託先企業における製造スケジュールの調整等の影響で、当期に納品を予定していたバイオシミラーの一部の納品が次期(2025年3月期)にずれ込むこと、バイオシミラーの一部について、パートナー製薬企業から製造委託先企業に対し、製造費用を一時的に直接お支払いいただく等の支払い条件変更の結果、当期売上高は前年対比で減少いたしました。
ロ 細胞治療事業(再生医療)
SQ-SHEDの特徴を活かし、治療効果が期待できる疾患として、脳性麻痺(遠隔期)、骨疾患等を選択し、研究を進めてきた結果、当事業年度において、共同研究先の名古屋大学主導による脳性麻痺(遠隔期)を対象とした臨床研究が開始され、2023年10月には第一症例の患者が登録されました。また、2025年度中の治験計画届出を目指し、MCBを用いた治験製品の製法開発、及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構への相談が順調に進んでおります。加えて、2024年3月には、海外市場への参入に向けた第一歩として米国FDA基準に準拠したMCBの製造を完了いたしました。当該事業は今後、当社100%子会社として設立した株式会社S-Quatreにて遂行、展開してまいります。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度度末比30.6%増の5,085,550千円となりました。これは主に、製品が213,007千円減少したものの、普通預金が1,164,249千円、仕掛品が453,345千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末比59.9%増の4,254,077千円となりました。これは主に、バイオシミラー製品に関する製造費用の一部について、パートナー製薬企業からの契約負債(前受金)として1,117,774千円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が625,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末比32.6%減の831,473千円となりました。これは主に、資本金及び資本剰余金がそれぞれ527,226千円増加したものの、当期純損失を1,422,078千円計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,231,411千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は453,634千円となりました。これは主に、契約負債(前受金)の増加が1,117,774千円あったものの、棚卸資産の増加が240,337千円、税引前当期純損失を1,420,527千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増減はありませんでした。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は1,617,883千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が375,000千円あったものの、長期借入れによる収入が1,000,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が970,083千円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。
区分当事業年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
バイオシミラー事業1,391,852113.8
原薬等販売収益1,391,852113.8
合計1,391,852113.8

(注)金額は、製造原価によっております。
b.受注実績
フィルグラスチムバイオシミラー及びラニビズマブバイオシミラーにつきましては、ロット単位での受注であり、各ロットの生産高に応じて売上高が変動し、受注金額を確定できないことから、記載を行っておりません。
なお、上記以外の品目につきましては、研究開発段階での売上であり、その不確実性に鑑み、記載を行っておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分当事業年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
バイオシミラー事業2,425,81394.3
原薬等販売収益2,140,40591.8
知的財産権等収益285,407118.3
細胞治療事業(再生医療)5,4222.7
知的財産権等収益5,4222.7
合計2,431,23687.6

(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当事業年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
千寿製薬㈱1,369,49449.31,382,36856.9
持田製薬㈱396,07014.3646,77626.6
富士製薬工業㈱665,88024.0211,2608.7

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
当事業年度における売上高は、新たに販売開始となったラニビズマブバイオシミラーを含めて主にバイオシミラーの原薬等の販売が順調に推移したことに加え、ダルベポエチンアルファバイオシミラーの販売に伴うロイヤリティ収益、バイオシミラーの第4製品目の製造プロセス開発に係る原薬販売等により、2,431,236千円となりました。一方、主にバイオシミラー事業におけるラニビズマブバイオシミラーの商用製造に向けた最終段階の開発及び将来の原価低減に向けた開発費用並びに細胞治療事業(再生医療)におけるSHEDマスターセルバンク開発等に取り組んだ結果、研究開発費を1,453,349千円計上したため、営業損失は1,335,597千円、当期純損失は1,422,078千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性につきましては、バイオシミラー事業における上市済製品によって得られる販売収益等の範囲の中で研究開発費以外の事業活動を実施することで、資金の流動性を安定的に確保することを基本方針としております。しかしながら、当期においては、GBS-007及びGBS-010がそれぞれの当初需要想定を大きく上回るペースで成長したことを受けて上方修正されたパートナー製薬企業による需要予想に基づき、原薬等の製造回数の追加等を進めており、原薬を製造する海外での物価上昇及び円安の影響も受けて増加し続ける運転資金に対応すべく、2023年7月には第三者割当による新株予約権(行使価額修正条項付)を発行し、未行使である新株予約権を除いて約10億円、さらに金融機関からの借入による10億円、総額約20億円規模の資金を調達いたしました。また、運転資金の増加を少しでも抑えるために、パートナー製薬企業との間で取引条件の見直し等にも取り組んでいます。なお、当該製品の市場シェア成長が一巡し市場シェアが安定した際には運転資金が安定することから、上述の原価低減策の成果と合わせ、バイオシミラー事業の販売収益等により、研究開発費を含む事業活動資金を全て賄えるようになることを見込んでおります。
安定的な資金の流動性の確保に取り組む一方で、バイオシミラー事業、細胞治療事業共に、継続的な成長のためには、今後も中長期的な戦略に基づいた研究開発投資の維持が必須です。しかし、上述の通り、GBS-007とGBS-010が大きく成長している期間においては運転資金が拡大するため、バイオシミラー事業における販売収益等に加えて外部からの研究開発資金の獲得が重要です。次期以降においては、当社はバイオシミラー事業に、子会社の株式会社S-Quatre(エスカトル)は細胞治療事業に特化し、それぞれの事業特性に合わせた独自の研究開発資金調達に取り組んでまいります。具体的には、開発パートナー企業等との資本業務提携や契約一時金の獲得、各種助成金等の活用を想定しており、必要に応じた直接及び間接金融等からの資金調達と合わせた資金調達手段の多様化と最適化を図ります。また、バイオシミラー事業及び細胞治療事業の双方において、研究開発活動の進捗及び事業性に基づいてパイプラインの優先順位を機動的に見直すとともに、早期のパートナリング等による役割と費用負担の分担等を通じて、メリハリのある研究開発投資の実行と研究開発投資リスクの低減に取り組み、将来の成長性を毀損することなく、安定的な財務基盤の確立を目指します。
なお、当社は、当事業年度末で現金及び預金並びに売掛金を合わせて3,112,818千円の残高を有しております。未行使である新株予約権の行使に加え、当期から継続しているパートナー候補企業との協議の一部が契約締結に至ることで、今後中期的に予定されている研究開発投資の実施に向け十分な資金を確保できる見込みです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りには不確実性が伴うため、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
当社の財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

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