四半期報告書-第16期第3四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/05 16:39
【資料】
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【項目】
22項目
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期累計期間(2019年1月1日~2019年9月30日)におけるわが国経済は、米中貿易摩擦は激化の一途をたどり海外経済も減速傾向にあるなど、原油価格の乱高下や急速な円高などの外部要因もあり、株価や為替の不安定な動向など景気の先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社は経営の効率化を図り、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。当社活動の詳細に関しては、「(4) 研究開発活動」をご確認ください。
以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高640,111千円(前年同四半期は売上高118,422千円)、営業損失586,988千円(前年同四半期は営業損失915,408千円)となりました。また、営業外収益として、受取利息17,648千円等を、営業外費用として譲渡制限付株式報酬償却10,005千円、為替差損5,860千円等を計上した結果、経常損失587,805千円(前年同四半期は経常損失899,150千円)、四半期純損失590,619千円(前年同四半期は四半期純損失901,951千円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 医薬品事業
医薬品事業におきましては、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)に関する中外製薬株式会社(以下「中外製薬」)からの契約一時金収入やMedigen Biotechnology Corp.(台湾 以下「メディジェン社」)からの開発協力金収入などを計上した結果、売上高635,629千円(前年同四半期は113,988千円)、営業利益74,010千円(前年同四半期は営業損失340,123千円)となりました。
② 検査事業
検査事業におきましては、血中浮遊がん細胞(CTC)検査薬テロメスキャンの販売が生じた結果、売上高4,481千円(前年同四半期は売上高4,434千円)、営業損失147,079千円(前年同四半期は営業損失126,824千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期会計期間末における資産は、現金及び預金の増加等により4,309,304千円(前事業年度末比25.6%増)となりました。負債は、借入の実行等により645,939千円(前事業年度末比22.1%増)となりました。純資産は、増資や四半期純損失の発生等の理由により3,663,365千円(前事業年度末比26.3%増)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、新たな事業上及び財務上の対処すべき課題の発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当社の当第3四半期累計期間における研究開発費は、医薬品事業258,193千円、検査事業122,035千円、両セグメント共通28,956千円、合計409,185千円となりました。なお、当第3四半期累計期間における研究開発活動の状況は以下の通りです。
1) 研究開発体制について
2019年9月30日現在、研究開発部門は15名在籍しており、これは総従業員数の42.9%に当たります。
2) 研究開発並びにビジネス活動について
当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発並びにビジネス活動を進めました。
① 医薬品事業
1)がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)に関する活動
当社はビジネス面において、2019年4月8日に中外製薬とテロメライシンに関する独占的ライセンス契約及び資本提携契約を締結しました。本契約により、日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンスを中外製薬に付与しました。また、中国・香港・マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外製薬へ付与しました。本契約の契約一時金は5.5億円ですが、テロメライシンの臨床試験において一定の効果が確認され、中外製薬が独占的オプション権を行使した場合には、本ライセンス総額は500億円以上になります。さらに、テロメライシンの上市後は、売上額に応じた販売ロイヤリティを、ライセンス契約総額とは別に受領します。本契約の締結により、テロメライシンの開発・製造・販売に関する独占的な権利は、オプション契約を含めると全世界で導出が完了しています。
またビジネス活動に加え、現在、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)は、i)放射線併用食道がんPhase1企業治験、ii)抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の固形がんPhase1医師主導治験、iii)抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験、iv)肝細胞がんPhase1/2の4つの臨床試験が同時に進行しています。また、新たに米国で抗PD-1抗体と放射線療法を併用した頭頸部がんPhase2臨床試験を開始する準備を進めています。
上記i)の「放射線併用食道がんPhase1企業治験」に先行して岡山大学で実施された「放射線併用医師主導臨床研究」は、外科手術による切除や根治的化学放射線療法が困難な食道がん患者を対象に、テロメライシンの放射線治療併用における安全性及び有効性の評価を既に完了し、2018年7月に神戸で開催された日本臨床腫瘍学会で、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学の藤原俊義教授グループによりテロメライシンを投与した部位での治療効果は13例中8例でCR (Complete Response:完全奏効)であり、重篤な有害事象は認められなかったと発表されました。また、2019年4月に米国アトランタで開催されたアメリカ癌学会(AACR:American Association for Cancer Research)でも、同内容についてプレナリーセッションで討議がなされました。
一方、上記i)の「放射線併用食道がんPhase1企業治験」は、効果安全性評価委員会により2019年9月にPhase1企業治験での安全性の評価が完了しました。今後、食道がんに対するPhase2臨床試験以降の国内での開発は中外製薬が主導で実施されます。
また、2019年4月には、厚生労働省の定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。これにより、PMDAへの承認申請前相談が可能となり優先的な取り扱いを受けることができるようになりました。
上記ii)の食道がんを中心とする各種固形がんに対して免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用する「各種固形がん抗PD-1抗体併用Phase1医師主導治験」は2017年12月に投与が開始され、既にPhase1aの投与が完了し、Phase1bに移行しています。本試験は、テロメライシンと抗PD-1抗体が臨床で初めて併用されるため、その安全性を評価して、副次的に有効性を観察します。
2019年3月に米国アトランタで開催されたAACRで本治験の中間成績が発表されました。本発表では、進行性でステージ4の固形がん症例に投与した結果、投与を制限するような問題となる副作用は発生せず、テロメライシンに起因すると考えられた主な副作用は軽度から中等度の発熱であり、二次評価としての予備的な有効性評価では、9例中3例で全身での部分寛解(PR)が得られたと報告されました。
上記iii)の米国コーネル大学での「抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験」においては、2019年5月に第1例目の投与が開始されました。最大37例に投与が行われる予定で、テロメライシンと抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用した際の有効性及び安全性の評価を行います。また、本治験の実施計画は、2019年6月に米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of Clinical Oncology)で発表されました。
上記iv)の肝細胞がんPhase1/2臨床試験においては、国立釜山大学(韓国)と国立台湾大学(台湾)を治験実施施設として単回・反復投与を含めPhase1の最終段階が進行しています。
また、米国で抗PD-1抗体と放射線療法を併用した頭頸部がんPhase2臨床試験を開始するため、プロトコル作成など医師主導治験の開始に向けた準備を進めています。
当社が中国・香港・マカオでのテロメライシンの研究・開発・製造・販売権を付与したハンルイ社(江蘇恒瑞医薬股份有限公司、中国)は、テロメライシンのGMP製造を確立し、中国政府(NMPA: National Medical Products Administration)への治験申請に向けた準備を行っています。
2)その他の医薬品事業に関する活動
2009年にアステラス製薬株式会社から導入したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤OBP-801は、2015年5月に他の治療法に抵抗性を示す進行性固形がん患者を対象としたPhase1臨床試験の投与を米国で開始しました。しかし、コホート3の段階で用量制限毒性(DLT:Dose Limiting Toxicity)が発生し、現在新規患者の組入れを一時中断し、他の薬剤との併用など別プロトコルでの再スタートの可能性について検討しています。なお、OBP-801の新規適応領域である眼科領域への適応については、2018年7月に京都府立医科大学眼科の研究グループと特許出願を行っており、共同研究を進めていく方針です。
新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)は、現在の抗HIV薬市場の状況に鑑み開発優先順位を下げて開発パートナーを模索していますが、依然としてHIVマーケットが過飽和状態であり新規ライセンスの可能性は非常に低下しています。今後、新規ライセンス契約の締結が不可能と判断した場合には、Yale大学へOBP-601の権利を返還し、当社経営資源を有効に活用するために、パイプラインの選択と集中を進めていきます。


医薬品事業における臨床試験の状況は、以下の通りです。
開発コード商標又は名称適応疾患開発地域開発ステージ
OBP-301テロメライシン
(がんのウイルス療法)
食道がん
放射線併用
日本Phase1
各種固形がん
抗PD-1抗体併用
日本Phase1
胃がん・
胃食道接合部がん
抗PD-1抗体併用
米国Phase2
頭頸部がん
抗PD-1抗体
並びに放射線併用
米国Phase2
(準備中)
肝細胞がん韓国・台湾Phase1
食道がん
放射線併用
日本臨床研究(終了)
OBP-801HDAC阻害剤各種固形がん米国Phase1
OBP-601センサブジン(抗HIV剤)HIV感染症欧米他Phase2b(終了)


② 検査事業
がん検査薬テロメスキャンは、順天堂大学と血中循環がん細胞(CTC: Circulating Tumor Cells)の肺がん領域での臨床応用の検討を継続していきます。北米エリアの権利を許諾したLiquid Biotech USA, Inc.(米国)では、米国の大学や研究機関との共同研究を開始するための準備を進めています。
今後もがん細胞を検出する液体生検(Liquid Biopsy)へのテロメスキャンの活用を事業会社や大学・研究機関へ積極的に提案し、日本・中国・欧州での新規ライセンス契約やがん検査薬テロメスキャン販売の拡大を目指していきます。

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