半期報告書-第21期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/14 15:34
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、社会が直面する様々な課題を解決するため、「人」+「サイバー・フィジカル空間」(HCPS:Human-Cyber-Physical Space)を融合する「サイバニクス(人・AIロボット・情報系の融合複合)技術」を駆使して、「テクノピアサポート社会」の実現、ロボット産業・IT産業につづく新産業「サイバニクス産業」の創出による未来開拓を推進しています。
当社が目指す「テクノピアサポート社会」とは、人とテクノロジーが共生・協調し相互に支援し合うことにより、世代を超えた人々の自立度・自由度を高め、生活・心身等の諸問題を解決できる安心安全な社会です。当社グループは、人間の機能改善・再生・拡張・支援が可能なサイバニクス技術の社会実装を事業として推進することにより、「テクノピアサポート社会」の実現と「サイバニクス産業」の創出を進めています。
事業推進の状況
《医療:サイバニクス治療》
当社グループは、世界初の装着型サイボーグHAL®を利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療を、グローバルな標準治療として普及させる取り組みを進めています。
(日本)
医療用HAL®「下肢タイプ」(両脚モデル)については、有効な治療法が確立されていない緩徐進行性の神経筋難病疾患を対象として、サイバニクス治療の普及に取り組んでいます。使用成績調査で極めて高い有効性と安全性を示す結果が得られたことを踏まえ、「他に有効な治療方法が確立していない緩徐進行性の神経・筋難病疾患の患者に対して、既承認薬も含め前例のない顕著な機能改善効果が確認された」(日本神経治療学会提案の医療技術評価提案書より抜粋) として令和4年度診療報酬改定において診療報酬点数が増点されています。
脊髄疾患に関しては、ウィルス性のHTLV-1関連脊髄症(HAM)および遺伝性の痙性対麻痺の2疾患について、2022年10月に適応拡大の承認を取得し、2023年10月に厚生労働省より保険適用の通知が発出されました。また、外傷性の脊髄疾患である脊髄損傷については、当局と適応拡大の承認申請について協議しています。
脳卒中に関しては、医療用HAL®「下肢タイプ」(単脚モデル)の医師主導治験(HIT2016試験)の結果を踏まえて、最新の患者像や臨床ニーズを捉えた追加試験(治験)の実施について、当局と相談しながら準備を進めています。
更に小児脳性麻痺等に伴う運動姿勢障害を呈する患児の粗大運動能力の向上を目的とする医師主導治験が、2022年1月より筑波大学附属病院を中心に行われています。また、小柄な患者様向けに治験機器と同等品を医療用HAL®の小型モデルとして開発し、2023年6月に既承認の対象疾患に対する医療機器としてPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に製造販売承認申請を提出しています。
(米国)
個人向けの医療サービス事業のプラットフォームとして、子会社のRISEヘルスケアグループ(RHG)社はカリフォルニア州南部を中心に事業を展開しています。当社のHAL®によるサイバニクス治療は現在4拠点で展開しています。
2024年5月には、米国食品医薬品局(FDA)より、世界に先駆けて医療用HAL®の小型モデルの市販承認と脳性麻痺(対象年齢は12歳以上)への適応拡大の承認を取得しました。小型モデルが医療機器承認されたことにより、従来モデル(目安身長150cm以上を対象)の使用が困難であった身長100cm~150cmの患者に対しても医療用HAL®による治療が可能となります。また、日本で承認済みのHTLV-1関連脊髄症(HAM)、遺伝性痙性対麻痺への適応疾患の拡大についても併せて承認を取得しました。
米国でのサイバニクス治療の実績蓄積と、医療用HAL®の小型モデルの承認及び対象疾患の拡大を踏まえ、今後更なる事業拡大を推進してまいります。
(EMEA:欧州や中東)
主要各国でのサイバニクス治療の普及が進んでおり、2023年5月にはイタリアの医療介護サービスを専門とする大手社会協同組合Coopselios社にHAL®シリーズ25台を導入後、2024年7月に追加導入(10台)が完了し、今後更に増台を計画しています。2024年10月には、サイバニクス分野の国際的な連携強化を目的としたイベント「Cybernicx Future」がトルコ・イスタンブールにて開催されました。トルコでは、医療ツーリズムの発展とともに、サイバニクス技術に対する関心が急速に高まっており、現在国内4施設で40台のHAL®が稼働しています。
ドイツにおいては、公的医療保険の当局であるG-BA(ドイツ連邦共同委員会)が、脊髄損傷に対する公的医療保険適用を前提とした臨床試験の実施を決定しており、CROの選定等の準備が進行しています。
(APAC:アジア太平洋)
当社グループのマレーシア法人CYBERDYNE MALAYSIA社を拠点として、東南アジア及びインド・オーストラリア・台湾においてサイバニクス治療の普及を進めています。
マレーシアにおいては、政府系の従業員社会保障機構(SOCSO)との事業連携が更に強化され、SOCSOの被保険者に対してHAL®によるサイバニクス治療が普及しています。2024年5月にはマレーシア人的資源省大臣をはじめとするマレーシア政府関係者と、サイバニクス技術のマレーシア展開に向けたトップレベル会談を当社本社にて開催し、大臣より、2024年末に運用開始予定の東南アジア最大級の医療複合施設である「国立神経ロボット・サイバニクス・リハビリテーションセンター」に、HAL®50セット(65台)をはじめとするサイバニクス製品の大型導入の意向が表明され、現在契約の最終調整を行なっています。
《介護・自立支援》
当社グループは、主に高齢者の自立度の改善や重度化防止及び加齢により身体機能が低下するフレイル予防や自立維持に向けて、歩行運動に対応した「下肢タイプ」、肘・膝・足首の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹運動に対応した「腰タイプ」など様々な種類のHAL®自立支援用を展開しています。
(施設型サービスの展開)
HAL®を使用した脳・神経・筋系の機能改善を促すプログラム「Neuro HALFIT®」を提供するロボケア事業は、個人向けの医療ヘルスケアサービス事業のハブ拠点として、当社グループ並びに各地域の事業パートナーとの協働により全国18箇所で展開しており、今後、更なる拠点拡大を計画しています。
(個人向け在宅サービス)
「自宅でNeuro HALFIT®」は、個人のお客様にHAL®をレンタルし、自宅で「Neuro HALFIT®」に取り組んでいただく在宅型プログラムです。サイバーダインのクラウドとデータ連動し、身体動作を指令する生体電位信号や姿勢情報等を可視化するHALモニターによって、装着者自身が視覚的にもフィードバックを得ることができます。セラピストやトレーナーなどの専門スタッフによるオンラインサポートを提供する他、訪問型のサービス事業者とも連携して、自宅での機器のセットアップからプログラム実施までの対面サポートも推進しています。
≪予防・早期発見≫
心活動、脳活動、体温、SpO2、活動量など様々なヘルスケアデータを日常的に集積・解析・AI処理することで、不整脈や心房細動などのリスクを管理し、心筋梗塞や脳梗塞などを予防することを目的とした超小型バイタルセンサー「Cyvis(サイビス)」シリーズの製品化を進めています。また、「Cyvis」は、睡眠時の呼吸状態の計測というオプション機能も備えており、SAS(睡眠時無呼吸症候群)のリスクを簡便に高精度スクリーニングすることが可能となります。また、当社グループのC2社が開発・運営する睡眠を見える化するヘルスケア・アプリ「熟睡アラーム」とともに、当社グループとしてヘルスケア事業の強化を進めています。なお、Cyvisシリーズの次モデル「Cyvis-2」は2023年4月に医療機器認証の申請を行っています。
《生活・職場分野》
(介護支援用途)
2021年以降の英国ハンプシャー州における介護施設等での「HAL®腰タイプ介護・自立支援用」の運用をモデルケースとして、英国の他のエリアや欧州各国への展開を進めてまいります。
(作業支援、除菌・清掃用途)
世界最高水準のSLAM技術による高速自律走行を実現した次世代型清掃ロボット「CL02」は、エレベーター自動昇降やクラウド連携等によるビルのスマート化と管理コスト削減を実現すべく、ゼネコン等と協力してオフィスビルを中心に導入を進めています。また、モビリティ用途を拡張して、工場内での搬送ロボットとしても稼働しています。
研究・製品開発の状況
造影剤不要・非侵襲で末梢の血管や血液の高解像度3Dイメージングをリアルタイムに実現するLED光源方式(当社保有特許)の光音響イメージング装置「Acoustic X」は、次世代の医療用画像診断装置としての医療機器化を進めています。また、海外の著名な医療機関や研究施設においても、様々な適用に向けて研究が進められています。
また、当社は、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」において、テーマ6「超高齢社会における世代を超えた人々が直面する社会課題の解決に向けたHCPS融合人協調ロボティクスの社会実装技術開発」に採択されており、1)住宅、施設、職場等様々な生活空間への適用、2)人情報(生理・身体・行動認知・ 心理等)と統合されたHCPS融合マスター・リモート制御技術(サイバニック化マスター・リモート技術)の活用、3) HCPS融合人協調ロボティクスを通じた人情報の非侵襲での取得・活用、4)高齢者や交通弱者の自立度・自由度を向上させる当課題の他の関連技術との連動等、社会実装へ向けた取り組みを進めています。
川崎市の殿町国際戦略拠点(キングスカイフロント)においては、HAL®と再生医療や薬剤との複合によるサイバニクス治療の体系化や、医療・バイオ系技術とAI・ロボット・情報系の融合技術などの展開を推進するサイバニクス・メディカル・イノベーションベースA棟が稼働しており、今後の事業シナジーを想定したライフサイエンス企業の入居や、再生医療・創薬のC-Startupパートナー等との連携を進めています。
製品稼働状況について
医療用HAL®下肢タイプは、主にAPAC向けレンタルの増加により、2024年9月末時点で臨床試験用も含め国内外あわせて494台(内、国内レンタル契約98台)が稼働中です。HAL®単関節タイプは、医療用の増加に伴い、 2024年9月末時点で633台が稼働中です。HAL®福祉用等の下肢タイプは、2024年9月末時点の稼働台数は363台となっています。また、HAL®腰タイプ介護・自立支援用は、2024年9月末時点で1,006台が稼働中です。HAL®腰タイプ作業支援用は、2024年9月末時点の稼働台数は403台となっています。また、清掃ロボット及び搬送ロボットは、2024年9月末時点において175台が稼働中です。
以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、米国での医療サービス売上等が増加したため、売上収益2,143百万円(前年同期比1.9%増加)を計上し、売上総利益は1,062百万円(同7.2%減少)となりました。
研究開発費は前年度に引き続き新製品開発、臨床研究及び受託研究事業の実施により408百万円(同15.3%増加)、その他の販売費及び一般管理費は広告宣伝及び消耗品の購入の削減などにより1,365百万円(同10.3%減少)を計上しました。さらに、その他の収益は受託研究事業収入などにより220百万円(同109.4%増加)を計上した結果、営業損失は497百万円(同62.2%減少)となりました。
また、金融収益は投資有価証券評価益などにより340百万円、金融費用は為替差損などにより173百万円、CEJファンドに係る損益127百万円、法人所得税費用は繰延税金費用171百万円などを計上した結果、親会社の所有者に帰属する中間損失は305百万円(同49.3%減少)となりました。
なお、当社は独自技術をもったスタートアップ企業との業務提携や資本提携を行っており、当該非上場株式についてIFRS第9号「金融商品」に基づき公正価値を算定しています。当中間連結会計期間において、公正価値を算定した結果、投資有価証券評価益507百万円を「金融収益」及び「CEJファンドに係る損益」として計上しました。また、当該評価に関する繰延税金費用174百万円を「法人所得税費用」として計上、CEJファンドの外部投資家持分への振替額83百万円を計上した結果、「中間利益(△は損失)」に与える影響額は250百万円となります。
(2)財政状態の分析
① 資産
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度比で324百万円減少し、49,675百万円となりました。これは主として、その他の金融資産(非流動)が1,175百万円増加したものの、現金及び現金同等物が1,032百万円、営業債権及びその他の債権が159百万円減少したことによるものです。
② 負債
当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末比で85百万円増加し、9,608百万円となりました。これは主として、リース負債(非流動)が83百万円減少したものの、繰延税金負債が179百万円増加したことによるものです。
③ 資本
当中間連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末比で410百万円減少し、40,067百万円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する中間損失の計上に伴う利益剰余金の減少等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,032百万円減少し4,123百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、72百万円の資金流出(前年同中間期は496百万円の資金流出)となりました。これは主に、減価償却費及び償却費298百万円、営業債権及びその他の債権の増減額159百万円の資金流入があった一方で、金融収益340百万円、CEJファンドに係る損益127百万円の資金流出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、791百万円の資金流出(前年同中間期は918百万円の資金流入)となりました。これは主に、投資の償還による収入11,500百万円の資金流入があった一方で、投資の取得による支出11,500百万円、投資有価証券の取得による支出615百万円の資金流出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、95百万円の資金流出(前年同中間期は266百万円の資金流入)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出89百万円の資金流出があったことによるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は408百万円です。
なお、当中間連結会計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

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