有価証券報告書-第21期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 当期の経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、高い水準にある企業収益を背景に雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって緩やかな回復基調が続きました。ただし、通商問題を巡る動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向や金融資本市場の変動などに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により景気は足元で大幅に下押しされており、厳しい状況に転じております。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす不動産業については、新型コロナウイルス感染症の影響により急速に景況感が悪化し、予断を許さない状況に転じました。
子会社を展開する中国では、2019年1月1日に土壌汚染防治法が施行され、景気は緩やかに減速しているものの土壌汚染調査・修復の需要が顕在化してまいりました。
このような背景のもと、土壌汚染対策事業を中心にグループの総合力を活かして、ブラウンフィールド活用事業や自然エネルギー事業を積極的に展開いたしました。
当連結会計年度の売上高は7,408,498千円(前年同期比13.5%減)となりました。前連結会計年度に稼働開始した石川県羽咋郡の発電所の売電収入が増加したものの、土壌汚染対策事業において、大型案件の割合が減少したことに加え、採算性の悪い分野を縮小したことにより減収となりました。
経常利益は521,396千円(同19.6%増)となりました。増益の主な要因は、前連結会計年度で発生した土壌汚染対策事業における新工法への先行投資及び新規事業の撤退に伴う一時的な要因がなくなったことに加え、元請けの案件の割合が増加したことによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益555,393千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失150,957千円)となりました。増益の主な要因は、前記経常利益の増益要因に加えて、当社グループで保有した太陽光発電設備(合計9ヵ所)を譲渡し、固定資産売却益606,437千円を計上したことによるものです。なお、当該譲渡額を原資として借入金を期限前返済したため、一時費用としてデリバティブ解約損298,126千円を計上しております。この借入金返済(総額3,687百万円)に伴い、自己資本比率が32.5%(前連結会計年度末23.9%)にまで改善しております。
以下に各事業セグメントの状況を報告いたします。
(土壌汚染対策事業)
改正土壌汚染対策法の施行と主要な自治体条例が改正されたことを受け、コンサルティング業務の引き合いが増えるとともに、新規顧客からの調査案件数が増加しております。また、土壌汚染の対策工事を請けたサイトで建築工事も請けるといった複合的な内容の案件もあり、従来の事業閉鎖に伴う調査・対策だけでなく、土地開発にも絡んだ提案を増やすよう体制を強化しております。鉱研工業株式会社との資本業務提携がスタートし、国内外での販売力の強化、技術・サービスの共同開発を開始いたしました。全体の案件数は増加しておりますが、昨年と比較し大型案件の割合が少ないこと、売上の規模によらず採算性の悪い分野を縮小したことが影響し減収となりました。一方、利益面に関しては、元請け案件の増加、前連結会計年度に発生した新工法への先行投資及び新規事業の立ち上げ遅れなどの一時的な要因がなくなったことに加え、工事進行基準の案件における施工改善等により原価率の見直しが行われ、利益率が改善され増益となりました。
中国では、土壌汚染防治法が施行され日系企業からの問合せと受注が増加してまいりました。現時点ではコンサルティングと調査業務が主体であり、修復業務を受注できなかったことにより、単年度黒字は確保できませんでした。これらを修復業務やエンジニアリングサービスに展開してまいります。
その結果、売上高は4,627,613千円(前年同期比24.9%減)となり、セグメント利益は240,706千円(同80.3%増)となりました。
(ブラウンフィールド活用事業)
株式会社エンバイオ・リアルエステートでは、相対で進められる案件や売主直の案件の情報収集を行い、メッキ工場跡地を含む6物件を仕入れました。購入した物件の中には、形質変更時要届出区域の指定を受けている物件もあります。販売に関しては、浄化等が完了した17物件の販売を行いました。その中には要措置区域から2年間モニタリングの後、指定区域を解除して販売した物件や株式会社エンバイオ・エンジニアリングにて建物の改修工事を行い販売した物件も含まれております。
大規模な土壌汚染地を扱う株式会社土地再生投資では、前連結会計年度に取得した横浜市内の土地は、2021年3月期の売却を目指しております。また、厚木市内の工場の売買契約を締結し、2021年3月期に引き渡しを受ける予定です。
その結果、売上高は1,522,759千円(同4.5%増)となり、セグメント利益は218,663千円(同5.5%減)となりました。
(自然エネルギー事業)
埼玉県上尾市で太陽光発電所の新規稼働を開始し、当連結会計年度末における太陽光発電所は30か所、総発電量36,239kWが稼働しております。2018年11月に稼働した当社グループ最大規模の石川県羽咋郡の発電所の売電収入の増加を主な要因として、大幅な増収増益となりました。2019年10月12日に襲来した台風19号の影響を一部の発電所で受けておりましたが、順次復旧する見通しとなっております。
FIT価格低下に伴い、国内太陽光案件を取り巻く状況が厳しくなっており、海外を含む新規案件の情報収集及びセカンダリー案件の検討に注力してまいりました。現在、ヨルダンで1か所(太陽光発電所)、トルコで2か所(バイオマス発電所)の再生可能エネルギー発電事業参画の準備を進めております。
その結果、売上高は1,258,125千円(同33.6%増)となり、セグメント利益は177,716千円(同36.4%増)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産につきましては、総資産は15,034,071千円となり、前連結会計年度末に比べ3,047,164千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が639,183千円増加したものの、有形固定資産が3,772,694千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債につきましては、10,143,476千円と前連結会計年度末に比べ3,608,942千円減少いたしました。これは主に未払法人税等が284,751千円増加したものの、長期借入金が3,994,057千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、4,890,594千円と前連結会計年度末に比べ561,777千円増加いたしました。これは主に資本金が23,950千円、資本剰余金が23,950千円及び利益剰余金が555,393千円増加したものの、その他有価証券評価差額金が47,066千円減少したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フロー状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ769,180千円増加し、2,951,027千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は951,622千円(前連結会計年度は390,619千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益834,120千円及び減価償却費418,571千円があったものの、利息の支払額132,031千円及び仕入債務の減少額87,653千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、獲得した資金は3,868,314千円(前連結会計年度は638,086千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出357,111千円及び有価証券の取得による支出349,465千円があったものの、有形固定資産の売却による収入4,379,215千円及び定期預金の払戻による収入130,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は4,061,922千円(前連結会計年度は153,806千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入875,967千円があったものの、長期借入金の返済による支出4,397,205千円、短期借入金の純減少額219,700千円及び社債の償還による支出155,000千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(b) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業につきましては、受注に該当する事項がないため、記載すべき事項はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間内部取引振替後の数値によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作られております。
当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、固定資産の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。
当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。
② キャッシュ・フロー状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a) 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
厳格な財務規律のもとで負債の活用を積極的進めるとともに、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上を図ります。
新規事業投資については、積極的に取り組む方針ですが、企業価値の向上の期待値のみならず、当社グループが当該事業へ投資することの意義を慎重に検討してまいります。
(b) 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現金の水準について常に検証を実施しております。安定的な経営に必要な手元現預金水準を設定し、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
同時に、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローから、株主還元についても検討してまいります
(c) 資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の購入費用及び、各事業の販売拡大に伴う運転資本の増加であります。また、投資を目的とした資金需要は、自然エネルギー発電所への設備投資及び、新規事業参入のための出資等によるものであります。
(d) 資金調達
短期運転資金は、主に営業活動により得られたキャッシュフローを財源としておりますが、増加運転資本に対応するために必要な資金については、金融機関からのコミットメントライン等の融資枠による短期借入によって流動性を保持しております。
設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,159,254千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,951,027千円となっております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当当社グループは、環境保全に役立つサービスや製品の提供を通して、環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献することを経営の基本理念とし、「地盤の環境・エネルギーに関わる問題解決を担うグローバルな専門企業集団」となることを目指しております。それに向けた当社グループの経営戦略の基本は、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事といった単品のサービスではなく、それらに付随する顧客の幅広いニーズを掘り起こし、包括的に応える「ワンストップのパッケージ・ソリューション」を提供することしております。
当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いております。しかしながら浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争激化により工事単価の低価格化が進行し、市場規模は減少傾向にあります。また中国では、土壌浄化を事業機会と捉えた大手企業の新規参入が相次いでおります。
当社グループでは、土壌汚染問題の黎明期にいち早く導入した汚染土壌を掘削・場外搬出せずに場内で浄化ができる経済性の高い「原位置浄化・オンサイト浄化」に関する技術力を核心的競争力として他社を圧倒する実績を蓄積することを目指してまいりました。その結果、土壌汚染地の調査から幅広い選択肢での浄化工事を提供できる体制を整えることができました。さらに多数の土壌浄化実績に裏付けられたリスク評価を背景に土壌汚染地を現状有姿で購入し、浄化工事によってバリューアップさせた後に再販する事業を展開することで、土壌汚染地の調査・対策から有効活用までの一貫した独自のサービスを提供しております。また、鉱研工業株式会社との資本業務提携を梃子に土壌汚染対策事業を地盤環境事業の方面に土壌汚染から事業領域を拡大してまいります。
さらに国内で培った「原位置浄化・オンサイト浄化」のノウハウと実績を環境規制が急速に強化されている中国などアジア諸国の土壌汚染問題解決に積極展開し、グローバル企業としての成長を目指します
また、土地の有効活用策としてスタートさせた自然エネルギー事業では、既に国内で36.2MWの太陽光発電所を建設し、順調に事業拡大を進めております。安定的な収益を上げ、当社グループの成長戦略を財務的に支える事業として育ってまいりました。自然エネルギー事業については、国内の電力固定買取価格の低下に伴い新規案件の収益性が悪化することを勘案し、自然エネルギー需要の増加が見込まれる海外での新規案件の発掘と開発にも力を注いでまいります。
これらの事業活動を通して土壌汚染問題に直面した国内の顧客の幅広いニーズに一貫して応えること、ならびに海外への技術提供による継続的な事業の発展、収益の向上を進めてまいり、土壌汚染関連業界内でのリーディングカンパニーを目指します。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑦ 新型コロナウイルス感染症による経営成績等への影響について
新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況2 事業等のリスク」に記載したとおりでありますが、顧客先への訪問規制や在宅勤務などにより、直接訪問ができない中、メールやリモート会議により通常とは異なる営業活動を行ってまいりました結果、当連結会計年度の業績への影響は軽微でありました。
新型コロナウイルス感染症が完全に終息する時期は不明であることから、当社では、事業や地域によってその影響や程度が異なるものの、新型コロナウイルス感染症の影響が翌連結会計年度に概ね回復すると想定し、営業計画を見積もっております。したがって、新型コロナウイルス感染症の影響が想定以降も続く場合や実際の終息時期によって、業績が変動する可能性があります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、高い水準にある企業収益を背景に雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって緩やかな回復基調が続きました。ただし、通商問題を巡る動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向や金融資本市場の変動などに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により景気は足元で大幅に下押しされており、厳しい状況に転じております。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす不動産業については、新型コロナウイルス感染症の影響により急速に景況感が悪化し、予断を許さない状況に転じました。
子会社を展開する中国では、2019年1月1日に土壌汚染防治法が施行され、景気は緩やかに減速しているものの土壌汚染調査・修復の需要が顕在化してまいりました。
このような背景のもと、土壌汚染対策事業を中心にグループの総合力を活かして、ブラウンフィールド活用事業や自然エネルギー事業を積極的に展開いたしました。
当連結会計年度の売上高は7,408,498千円(前年同期比13.5%減)となりました。前連結会計年度に稼働開始した石川県羽咋郡の発電所の売電収入が増加したものの、土壌汚染対策事業において、大型案件の割合が減少したことに加え、採算性の悪い分野を縮小したことにより減収となりました。
経常利益は521,396千円(同19.6%増)となりました。増益の主な要因は、前連結会計年度で発生した土壌汚染対策事業における新工法への先行投資及び新規事業の撤退に伴う一時的な要因がなくなったことに加え、元請けの案件の割合が増加したことによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益555,393千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失150,957千円)となりました。増益の主な要因は、前記経常利益の増益要因に加えて、当社グループで保有した太陽光発電設備(合計9ヵ所)を譲渡し、固定資産売却益606,437千円を計上したことによるものです。なお、当該譲渡額を原資として借入金を期限前返済したため、一時費用としてデリバティブ解約損298,126千円を計上しております。この借入金返済(総額3,687百万円)に伴い、自己資本比率が32.5%(前連結会計年度末23.9%)にまで改善しております。
以下に各事業セグメントの状況を報告いたします。
(土壌汚染対策事業)
改正土壌汚染対策法の施行と主要な自治体条例が改正されたことを受け、コンサルティング業務の引き合いが増えるとともに、新規顧客からの調査案件数が増加しております。また、土壌汚染の対策工事を請けたサイトで建築工事も請けるといった複合的な内容の案件もあり、従来の事業閉鎖に伴う調査・対策だけでなく、土地開発にも絡んだ提案を増やすよう体制を強化しております。鉱研工業株式会社との資本業務提携がスタートし、国内外での販売力の強化、技術・サービスの共同開発を開始いたしました。全体の案件数は増加しておりますが、昨年と比較し大型案件の割合が少ないこと、売上の規模によらず採算性の悪い分野を縮小したことが影響し減収となりました。一方、利益面に関しては、元請け案件の増加、前連結会計年度に発生した新工法への先行投資及び新規事業の立ち上げ遅れなどの一時的な要因がなくなったことに加え、工事進行基準の案件における施工改善等により原価率の見直しが行われ、利益率が改善され増益となりました。
中国では、土壌汚染防治法が施行され日系企業からの問合せと受注が増加してまいりました。現時点ではコンサルティングと調査業務が主体であり、修復業務を受注できなかったことにより、単年度黒字は確保できませんでした。これらを修復業務やエンジニアリングサービスに展開してまいります。
その結果、売上高は4,627,613千円(前年同期比24.9%減)となり、セグメント利益は240,706千円(同80.3%増)となりました。
(ブラウンフィールド活用事業)
株式会社エンバイオ・リアルエステートでは、相対で進められる案件や売主直の案件の情報収集を行い、メッキ工場跡地を含む6物件を仕入れました。購入した物件の中には、形質変更時要届出区域の指定を受けている物件もあります。販売に関しては、浄化等が完了した17物件の販売を行いました。その中には要措置区域から2年間モニタリングの後、指定区域を解除して販売した物件や株式会社エンバイオ・エンジニアリングにて建物の改修工事を行い販売した物件も含まれております。
大規模な土壌汚染地を扱う株式会社土地再生投資では、前連結会計年度に取得した横浜市内の土地は、2021年3月期の売却を目指しております。また、厚木市内の工場の売買契約を締結し、2021年3月期に引き渡しを受ける予定です。
その結果、売上高は1,522,759千円(同4.5%増)となり、セグメント利益は218,663千円(同5.5%減)となりました。
(自然エネルギー事業)
埼玉県上尾市で太陽光発電所の新規稼働を開始し、当連結会計年度末における太陽光発電所は30か所、総発電量36,239kWが稼働しております。2018年11月に稼働した当社グループ最大規模の石川県羽咋郡の発電所の売電収入の増加を主な要因として、大幅な増収増益となりました。2019年10月12日に襲来した台風19号の影響を一部の発電所で受けておりましたが、順次復旧する見通しとなっております。
FIT価格低下に伴い、国内太陽光案件を取り巻く状況が厳しくなっており、海外を含む新規案件の情報収集及びセカンダリー案件の検討に注力してまいりました。現在、ヨルダンで1か所(太陽光発電所)、トルコで2か所(バイオマス発電所)の再生可能エネルギー発電事業参画の準備を進めております。
その結果、売上高は1,258,125千円(同33.6%増)となり、セグメント利益は177,716千円(同36.4%増)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産につきましては、総資産は15,034,071千円となり、前連結会計年度末に比べ3,047,164千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が639,183千円増加したものの、有形固定資産が3,772,694千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債につきましては、10,143,476千円と前連結会計年度末に比べ3,608,942千円減少いたしました。これは主に未払法人税等が284,751千円増加したものの、長期借入金が3,994,057千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、4,890,594千円と前連結会計年度末に比べ561,777千円増加いたしました。これは主に資本金が23,950千円、資本剰余金が23,950千円及び利益剰余金が555,393千円増加したものの、その他有価証券評価差額金が47,066千円減少したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フロー状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ769,180千円増加し、2,951,027千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は951,622千円(前連結会計年度は390,619千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益834,120千円及び減価償却費418,571千円があったものの、利息の支払額132,031千円及び仕入債務の減少額87,653千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、獲得した資金は3,868,314千円(前連結会計年度は638,086千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出357,111千円及び有価証券の取得による支出349,465千円があったものの、有形固定資産の売却による収入4,379,215千円及び定期預金の払戻による収入130,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は4,061,922千円(前連結会計年度は153,806千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入875,967千円があったものの、長期借入金の返済による支出4,397,205千円、短期借入金の純減少額219,700千円及び社債の償還による支出155,000千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(b) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 土壌汚染対策事業 | 4,085,185 | 79.4 | 1,826,905 | 77.1 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業につきましては、受注に該当する事項がないため、記載すべき事項はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 土壌汚染対策事業 (千円) | 4,627,613 | 75.1 |
| ブラウンフィールド活用事業 (千円) | 1,522,759 | 104.5 |
| 自然エネルギー事業 (千円) | 1,258,125 | 133.6 |
| 合計 (千円) | 7,408,498 | 86.5 |
(注) 1.セグメント間内部取引振替後の数値によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作られております。
当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、固定資産の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。
当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。
② キャッシュ・フロー状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a) 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
厳格な財務規律のもとで負債の活用を積極的進めるとともに、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上を図ります。
新規事業投資については、積極的に取り組む方針ですが、企業価値の向上の期待値のみならず、当社グループが当該事業へ投資することの意義を慎重に検討してまいります。
(b) 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現金の水準について常に検証を実施しております。安定的な経営に必要な手元現預金水準を設定し、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
同時に、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローから、株主還元についても検討してまいります
(c) 資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の購入費用及び、各事業の販売拡大に伴う運転資本の増加であります。また、投資を目的とした資金需要は、自然エネルギー発電所への設備投資及び、新規事業参入のための出資等によるものであります。
(d) 資金調達
短期運転資金は、主に営業活動により得られたキャッシュフローを財源としておりますが、増加運転資本に対応するために必要な資金については、金融機関からのコミットメントライン等の融資枠による短期借入によって流動性を保持しております。
設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,159,254千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,951,027千円となっております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当当社グループは、環境保全に役立つサービスや製品の提供を通して、環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献することを経営の基本理念とし、「地盤の環境・エネルギーに関わる問題解決を担うグローバルな専門企業集団」となることを目指しております。それに向けた当社グループの経営戦略の基本は、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事といった単品のサービスではなく、それらに付随する顧客の幅広いニーズを掘り起こし、包括的に応える「ワンストップのパッケージ・ソリューション」を提供することしております。
当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いております。しかしながら浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争激化により工事単価の低価格化が進行し、市場規模は減少傾向にあります。また中国では、土壌浄化を事業機会と捉えた大手企業の新規参入が相次いでおります。
当社グループでは、土壌汚染問題の黎明期にいち早く導入した汚染土壌を掘削・場外搬出せずに場内で浄化ができる経済性の高い「原位置浄化・オンサイト浄化」に関する技術力を核心的競争力として他社を圧倒する実績を蓄積することを目指してまいりました。その結果、土壌汚染地の調査から幅広い選択肢での浄化工事を提供できる体制を整えることができました。さらに多数の土壌浄化実績に裏付けられたリスク評価を背景に土壌汚染地を現状有姿で購入し、浄化工事によってバリューアップさせた後に再販する事業を展開することで、土壌汚染地の調査・対策から有効活用までの一貫した独自のサービスを提供しております。また、鉱研工業株式会社との資本業務提携を梃子に土壌汚染対策事業を地盤環境事業の方面に土壌汚染から事業領域を拡大してまいります。
さらに国内で培った「原位置浄化・オンサイト浄化」のノウハウと実績を環境規制が急速に強化されている中国などアジア諸国の土壌汚染問題解決に積極展開し、グローバル企業としての成長を目指します
また、土地の有効活用策としてスタートさせた自然エネルギー事業では、既に国内で36.2MWの太陽光発電所を建設し、順調に事業拡大を進めております。安定的な収益を上げ、当社グループの成長戦略を財務的に支える事業として育ってまいりました。自然エネルギー事業については、国内の電力固定買取価格の低下に伴い新規案件の収益性が悪化することを勘案し、自然エネルギー需要の増加が見込まれる海外での新規案件の発掘と開発にも力を注いでまいります。
これらの事業活動を通して土壌汚染問題に直面した国内の顧客の幅広いニーズに一貫して応えること、ならびに海外への技術提供による継続的な事業の発展、収益の向上を進めてまいり、土壌汚染関連業界内でのリーディングカンパニーを目指します。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑦ 新型コロナウイルス感染症による経営成績等への影響について
新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況2 事業等のリスク」に記載したとおりでありますが、顧客先への訪問規制や在宅勤務などにより、直接訪問ができない中、メールやリモート会議により通常とは異なる営業活動を行ってまいりました結果、当連結会計年度の業績への影響は軽微でありました。
新型コロナウイルス感染症が完全に終息する時期は不明であることから、当社では、事業や地域によってその影響や程度が異なるものの、新型コロナウイルス感染症の影響が翌連結会計年度に概ね回復すると想定し、営業計画を見積もっております。したがって、新型コロナウイルス感染症の影響が想定以降も続く場合や実際の終息時期によって、業績が変動する可能性があります。