有価証券報告書-第24期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 16:02
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(1) 当期の経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の沈静化による行動制限の緩和により経済活動に回復の兆しが見られましたが、ウクライナ問題の激化・長期化による資源・エネルギー価格の高騰、欧米における金融不安など、景気の先行きには依然として不透明感が漂っております。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす建設業界におきましては、公共投資は底堅さを維持し、民間設備投資も持ち直しの傾向が続く一方、建設資材価格の高騰や慢性的な労働者不足等が顕在化しており、引き続き経営環境への影響を注視する状況が続いております。また、不動産業界におきましては、低金利融資の継続や省エネ住宅を対象とした補助金・税制優遇策、在宅勤務の浸透に伴うライフスタイルの多様化による消費者の住宅に対する関心の高まりなどが追い風となり、年度前半における住宅需要は堅調に推移いたしましたが、年度後半におきましては、実質賃金が伸び悩む中、事業用地価格や建材・住設機器価格の上昇による住宅価格の高騰や住宅ローン金利の先高観などにより、いわゆる住宅のコロナ特需が一服するなど、事業環境に変化の兆しが見られました。
このような背景のもと、当社グループは、ESG経営に積極的に取り組むとともに、土壌汚染対策事業におきましては、受注目標の達成、工事品質管理、工事原価管理の徹底、DXの推進による業務効率化などの施策を推進してまいりました。期初で設定した受注目標にはわずかながら未達であるものの、当連結会計年度末におきましては、過去最高の受注残となり、来期に繋がる結果となりました。また、原価率の改善も進んでおります。ブラウンフィールド活用事業におきましては、土壌汚染問題に直面する事業用地等を積極的に取得し、市場のニーズに合わせ、企画開発力を生かして付加価値を高めた形で、お客様に対し再販することに努めてまいりました。一方、前連結会計年度におきましては、大型物件を取り扱う株式会社土地再生投資が1件売却いたしましたが、当連結会計年度におきましては、販売に至らず減収の要因となりました。自然エネルギー事業におきましては、所有・管理している各発電所からは安定した売電収入が得られました。
その結果、当連結会計年度の売上高は8,120,309千円(前年同期比9.7%減)となりました。
経常利益は1,343,329千円(同12.1%増)となりました。これは、ブラウンフィールド活用事業におきまして、物件を仕込んだ時期から販売した当連結会計年度までのリードタイムで、住宅及び一般の事業用地需要の高まりが追い風となり、販売価格が大きく上昇したことにより大幅な増益に繋がりました。
親会社株主に帰属する当期純利益812,059千円(同24.2%増)となりました。
以下に各事業セグメントの状況を報告いたします。
(土壌汚染対策事業)
国内では土壌汚染対策工事の引き合いは不動産市場が活況なため堅調ですが、完全浄化以外の選択肢を求める顧客が増えており、土壌汚染の管理を目的とする経済的な対策(リスク管理型手法)や土壌調査と対策工事をセットにして対策費用を保証して実施する責任施工など差別化された提案に注力しております。
潜在ニーズを掘り起こすべく、リスク管理型手法の有力工法として米社から新たな原位置透過壁工法(プルームストップ工法)を導入し第一号案件を受注しました。また、新規の有害物質であるPFOS/PFOAに対応する水処理技術を展開し、公共事業で採用されました。土壌汚染対策工事で培った水処理設備を中心とした環境設備の設計・製作・設置事業の営業を新たに開始いたしました。土壌汚染対策工事の合理化を目指し、ICT施工を試験的に導入しました。当第4四半期連結会計期間において複数の大型案件の着工が延期となったため、当連結会計年度の売上高は前期比で減収となりました。利益面につきましては、前期に比べ利益率の高い大型案件が少なかったため前期比で減益となりましたが、当初計画の利益率を上回って推移いたしました。当連結会計年度末の受注残は2,854,592千円(前期比60.8%増)となりました。
中国では日系企業の工場移転、事業撤退に伴う土壌汚染対策に注力しておりますが、ゼロコロナ政策の影響で通期にわたって新規営業活動が停滞いたしました。既受注の対策工事案件の生産活動に注力し原価率の改善に努めた結果、利益は確保できました。
その結果、売上高は4,178,685千円(前年同期比9.2%減)となり、セグメント利益は337,740円(同44.4%減)となりました。
(ブラウンフィールド活用事業)
株式会社エンバイオ・リアルエステートでは引き続き仕入れ競争が激化している中、大手だけでなく中小の仲介業者にも相対で進められる案件や入札案件の情報収集を積極的に行い、16物件を仕入れました。当該物件の中には、弊社グループ会社から紹介を受けた静岡市内案件や土壌汚染対策法の形質変更時要届出区域に指定された大田区内工場跡地の案件もあります。また、横浜市内で当社として初の店舗開発を行いました。販売においては13物件の販売を行いました。販売した物件の中には、2年間モニタリングを行い要措置区域の指定を解除した後に売却した目黒区内案件や形質変更時要届出区域の指定を受けた後に売却した大田区内案件もあります。
大規模な土壌汚染地を扱う株式会社土地再生投資では、八千代市内案件を取得し土壌調査を進めております。また、厚木市内案件は解体も完了し来年度に売却すべく対応中です。
その結果、売上高は2,536,020千円(同17.7%減)となり、セグメント利益は845,573千円(同100.1%増)となりました。
(自然エネルギー事業)
当連結会計年度末日における国内外の再生可能エネルギー発電所は開発中含め47か所、総発電量47MW(うち稼働中は約44MW)となり、所有・管理している各発電所からは、ほぼ計画通りの安定した売電収入が得られました。クリーンエネルギー需要の拡大に伴い、海外を含む新規案件の情報収集、セカンダリー発電所やコーポレートPPA案件、再生可能エネルギーを用いた新たなビジネススキームの検討に注力しております。
[国内]
北海道において、新たな太陽光発電所1件(約2,235kW)が、2022年7月より稼働いたしました。
株式会社エンバイオC・エナジーでは、株式会社シーアールイーが開発する物流施設「ロジスクエア」の屋根を活用したグリーン電力供給の準備を開始いたしました。
非連結子会社であるMaF合同会社では、新たに6件のコーポレートPPA契約を締結し、稼働いたしました。
[海外]
ヨルダンにおける第5号案件は予定通り完成し、2023年1月より稼働いたしました。ドバイにおける第1号案件も完成し、2023年4月より稼働いたしました。
その結果、売上高は1,405,603千円(同7.7%増)となり、セグメント利益は264,681千円(同12.1%増)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産につきましては、総資産は17,349,955千円となり、前連結会計年度末に比べ979,672千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が897,667千円及び受取手形、売掛金及び契約資産が802,206千円減少したものの、棚卸資産が1,524,175千円及び長期貸付金が1,089,730千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債につきましては、10,492,714千円と前連結会計年度末に比べ96,426千円増加いたしました。これは主に買掛金が220,220千円及び長期借入金が875,124千円減少したものの、短期借入金が209,416千円及び1年内返済予定の長期借入金が1,016,550千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、6,857,241千円と前連結会計年度末に比べ883,246千円増加いたしました。これは主に利益剰余金が758,900千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フロー状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ457,019千円増加し、2,798,635千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は1,989,080千円(前連結会計年度は2,413,152千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,232,759千円、売上債権の減少額802,206千円、減価償却費392,235千円及び棚卸資産の減少額155,920千円があったものの、利息の支払額125,601千円及び法人税等の支払額517,574千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,770,420千円(前連結会計年度は1,481,400千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,162,712千円、貸付による支出552,456千円及び投資有価証券の取得による支出23,685千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は240,727千円(前連結会計年度は534,925千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,208,477千円、配当金の支払額52,892千円及び社債の償還による支出35,000千円があったものの、長期借入れによる収入1,349,902千円及び短期借入金の純増加額209,416千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(b) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
土壌汚染対策事業5,576,577160.22,911,527192.4

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業につきましては、受注に該当する事項がないため、記載すべき事項はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
土壌汚染対策事業 (千円)4,178,68590.8
ブラウンフィールド活用事業 (千円)2,536,02082.3
自然エネルギー事業 (千円)1,405,603107.7
合計 (千円)8,120,30990.3

(注) 1.セグメント間内部取引振替後の数値によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。当連結会計年度における株式会社シーアールイーについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
相手先前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社シーアールイー1,876,77120.9--

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作られております。
当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、固定資産の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。
当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。
② キャッシュ・フロー状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a) 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
厳格な財務規律のもとで負債の活用を積極的に進めるとともに、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上を図ります。
新規事業投資については、積極的に取り組む方針ですが、企業価値の向上の期待値のみならず、当社グループが当該事業へ投資することの意義を慎重に検討してまいります。
(b) 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手許現預金の水準について常に検証を実施しております。安定的な経営に必要な手許現預金水準を設定し、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
同時に、手許現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローから、株主還元についても検討してまいります。
(c) 資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の購入費用及び、各事業の販売拡大に伴う運転資本の増加であります。また、投資を目的とした資金需要は、自然エネルギー発電所への設備投資及び、新規事業参入のための出資等によるものであります。
(d) 資金調達
短期運転資金は、主に営業活動により得られたキャッシュフローを財源としておりますが、増加運転資本に対応するために必要な資金については、金融機関からのコミットメントライン等の融資枠による短期借入によって流動性を保持しております。
設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は8,933,454千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,798,635千円となっております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、環境保全に役立つサービスや製品の提供を通して、環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献することを経営理念とし、「地盤環境・エネルギーに関わる問題解決を担うグローバルな専門企業集団」となることを目指しております。
第一の経営戦略は、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事といった単品のサービスではなく、それらに付随する顧客の幅広いニーズを掘り起こし、包括的に応える「ワンストップのパッケージ・ソリューション」を提供することによる差別化です。
土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いております。しかしながら浄化工事を伴わない措置の増加や工事単価の低価格化が同時に進行し、市場規模は700~900億円のレンジで推移しております。
当社グループでは、土壌汚染問題の黎明期にいち早く導入した汚染土壌を掘削・場外搬出せずに場内で浄化ができる経済性の高い「原位置浄化・オンサイト浄化」に関する技術力を核心的競争力として他社を圧倒する実績を蓄積することを目指してまいりました。その結果、土壌汚染地の調査から幅広い選択肢での浄化工事を提供できる体制を整えることができました。さらに多数の土壌浄化実績に裏付けられたリスク評価を背景に土壌汚染地を現状有姿で購入し、浄化工事によってバリューアップさせた後に再販するブラウンフィールド活用事業を展開することで、土壌汚染地の調査・対策から有効活用までの一貫した独自のサービスを提供しております。さらに国内で培った「原位置浄化・オンサイト浄化」のノウハウと実績を環境規制が急速に強化されている中国の土壌汚染問題解決に積極展開しております。
第二の経営戦略は、課題解決型の土壌汚染対策事業やブラウンフィールド活用事業が生み出すフロー収益と自然エネルギー事業が生み出す株主還元及び成長投資の原資となるストック収益とのバランスがとれた収益構造を実現する事業ポートフォリオの構築です。
土地の有効活用策としてスタートさせた自然エネルギー事業では、既に国内で41.3MWの太陽光発電所を建設し、総発電量100MWを目指して順調に事業拡大を進めております。安定的な収益を上げ、当社グループの成長戦略を財務的に支える事業として成長いたしました。国内の電力固定買取価格の低下に伴い、固定価格買取制度に依存しない事業スキームでの拡大を目指すと共に、自然エネルギー需要の増加が見込まれる海外での新規案件の発掘と開発にも力を注いでまいります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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