有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/15 16:00
【資料】
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【項目】
186項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念である「首都圏における中小企業と個人のお客さまのための金融グループとして、総合金融サービスを通じて、地域社会の発展に貢献します。」を実現するため、パーパス「TOKYOに、つくそう。」のもと、お客さまや地域のために、グループの総合力を最大限に活用しながら、金融の常識を超えてお客さまのあらゆるライフステージにおける課題解決にコミットし、地域社会・地域経済の持続的な発展につくしてまいります。また、お客さまの資産運用に関するニーズに対しては、「お客さま本位の業務運営に関する取組方針」に基づいた対応を実践しています。
<パーパス>0102010_001.png
※「TOKYO」とは、東京を中心とした首都圏を地盤とし、きらぼしグループがさまざまな価値を提供する全ての人々・地域・課題などを象徴的に表したものです。
(2)経営環境
わが国経済は、雇用環境の改善と賃金上昇を背景に、内需を中心として緩やかな回復基調にあります。個人消費は物価上昇の影響を受けつつも概ね底堅く推移しており、企業部門では主に大企業を中心として人手不足を背景に省力化・デジタル関連投資が堅調で、景気の下支え要因になっています。一方でエネルギー・資源価格の変動や為替の影響を背景とした物価上昇圧力が続いており、実質所得の伸び悩みが景気の下押し要因になっています。また、中東・イラン情勢の緊迫化に伴うさらなるエネルギー・資源価格の上昇は、輸入物価や家計負担を押し上げ、消費者マインドの低下や交易条件の悪化といった景気の下落リスクをもたらす可能性がある点に留意が必要です。金融面では、日本銀行による金融政策の正常化に向けた動きが進展しており、これに伴い短期・長期金利には上昇圧力が見られ、企業・家計の資金調達コスト環境に変化が見られる状況です。急激な金融引き締めは景気下押しリスクを伴うことから、日本銀行による金融政策運営は引き続き慎重に行われるものと見られております。
先行きについては、賃金上昇の継続や経済対策の効果により、所得から消費へとつながる好循環が進み、景気は緩やかな成長が続くことが期待されます。一方、イラン情勢などの地政学的リスクが長期化すると、エネルギー・資源価格の高止まりを通じて物価上昇圧力が強まり、個人消費や企業収益の下振れを招くおそれがあります。さらに、各国の通商政策や世界的な金融・為替市場の変動も景気の不確実性を高める要因となり得ます。総じて、内需を中心とした回復基調は続くと見られるものの、外的要因による下振れリスクが残るため、内外の動向を慎重に見極めることが重要です。
(3)中期的な経営戦略
当社グループでは、2024年度から新たにスタートした中期経営計画(計画期間3年)に基づき、グループ各社の収益力向上や質の高いコンサルティング機能の提供によるフィービジネスの拡大などの「収益力の強化と収益構造の見直し」、店舗戦略の抜本的な見直し・生産性向上のための「更なる効率化」、経営の健全性を確保し、ステークホルダーの皆さまのご期待に適切に応えていくための「自己資本の充実」に重点的に取り組み、グループの経営体力の強化と競争力の向上を実現してまいります。
また、グループ力を活かしサステナビリティへの取組みを更に強化することで、地域経済および地域社会の持続的成長に貢献するとともに、企業価値の向上を図ってまいります。
<中期経営計画期間(2024~2026年度)における取組み項目>① コスト:更なる効率化
法人店舗の集約および専門性の高い人材による生産性の向上
② 収益 :収益力の強化・収益構造の見直し
サービス拡充に向けて整備を続けてきたグループ各社事業の収益化、メイン化取引推進等による収益力の強化、エクイティ投資の収益化、デジタル戦略の収益化など
③ 資本 :自己資本の充実
優先株式償還完了を踏まえた柔軟な資本政策、ROE向上に向けたRORAを意識したリスク・アセットコントロールなど
上記に加え、メイン化取引推進で取引先の決済口座を確保、様々なグループ機能を連携しメイン取引先の職域・オーナー取引を深耕、取引先にUI銀行のBaaS機能やAtoA決済機能などを提供し、粘着性ある低コストの普通預金を確保し、グループ資金利益の向上を図ります。運用面では、低採算アセットの入替えを図り、アセットの回転(実行・ディストリビューション)でアセットを増やさず手数料収益を確保するとともに、リスク・アセットコントロールで自己資本比率を向上(グループ価値向上)、健全な資本水準の確保を図ります。
当社グループでは、役職員全員が共通して持つべき意識・価値観・考え方として、「社会貢献、組織の発展、自己実現、自らの幸せを実現させること」を「きらぼしフィロソフィー」として策定しております。そして、その実現に向け、「きらぼしフィロソフィー」を実践する役職員を「きらぼしびと」(※)と定義し、3つの行動指針(①“高い志”を持つひと、②どうしたら出来るのかを常に考えるひと、③結果にコミットし、果敢に挑戦し続けるひと)を掲げております。きらぼしグループの役職員一人ひとりが3つの行動指針を体現する「きらぼしびと」として問題解決に力をつくし、お客さまとの価値共創に取り組んでまいります。
※きらぼしびと:きらぼしフィロソフィーを実現する人です。
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当社は中期経営計画に基づき、グループの中核企業であるきらぼし銀行、デジタルバンク「UI銀行」等、全グループ会社における総合ソリューションの提供を通じて、東京圏の社会課題の解決に取り組んでまいります。その結果として、収益の安定化、事業収益の多様化に伴う収益の増加並びにOHRやROE等経営指標の改善を図ることで、すべてのステークホルダーの皆さまとの互恵関係を築くとともに、地域経済と地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。
(4)目標とする経営指標及び進捗状況
2025年度におけるKGI(財務目標)につきましては、当社連結業績の大宗を占めるきらぼし銀行において、適切なリスク・アセットのコントロールを実施し、引き続き、メイン取引化の推進やお客さまとのリレーション強化に取り組み、政策金利の引き上げの影響などもあり、貸出金利息は堅調に推移しました。加えて、グループ一体でお客さまの課題解決に向けた総合ソリューションを提供したことで、グループ会社利益は、計画どおりに進捗しました。これらの結果、当期純利益およびROEも計画を上回る実績となりました。
<中期経営計画のKGI(財務目標)>
2023年度2024年度2025年度
実 績実 績実 績
当期純利益
(FG連結)
256億円313億円423億円
グループ会社利益
(FG連結)
※きらぼし銀行を除く
△3億円14億円34億円
ROE
(FG連結)
7.4%8.5%10.6%
コアOHR
(きらぼし銀行単体)
57.8%
(60.1%)
57.9%55.2%
自己資本比率
(FG連結)
8.25%8.71%9.54%

※コアOHRの( )内は特殊要因を除く数値
(5)対処すべき課題等
「金融にも強い総合サービス業」を将来像に掲げる当社グループはこれまで、ビジネス構造の改革とグループ連携の深化により、持続可能な成長モデルの構築と経営の効率化に取り組んでまいりました。
近時の経営環境は、国内においては賃上げの継続と物価動向の変化を背景に内需は底堅さを維持する一方、金融政策の正常化進展に伴う金利・為替・資産価格の変動、海外においては各国における通商政策や、ウクライナ・中東情勢等に起因する資源価格の変動、サプライチェーン再構築の進展など、先行き不確実性の高い局面が続いております。さらに、デジタル化・生成AIの急速な普及、気候変動対応、わが国の構造的な人手不足・事業承継問題等は、当社グループにとって収益機会であると同時に新たなリスクとなり得ます。
当社グループは、パーパス「TOKYOに、つくそう。」のもと、金融の常識を超えてお客さまや地域の課題解決にコミットし、新たな価値提供を通じて、お客さまや地域とともに成長し続ける金融グループを目指しております。これらの課題に対処するため、以下の項目について取り組んでまいります。
(デジタル戦略)
デジタルバンク「UI銀行」、フィンテックサービスを展開する「きらぼしテック」をデジタル戦略の中核に、グループ各社との連携によるグループ内サービスの相互利用によるデジタルプラットフォームの機能・サービスを強化するとともに、デジタルを起点とした対面・非対面サービスを融合し、外部連携パートナーと連携した金融サービス提供(BaaS)による金融・非金融サービスが一体となった総合サービスの提供を実現してまいります。直近では、武蔵小山商店街振興会様と連携し、国内初の決済方式である口座即時決済スキーム「パルムUI Pay」をリリース、商店街様側のシステム導入負担や各店舗の運用負担のない、新たな決済サービスを導入いたしました。
また、デジタル関連の商品・サービスの企画開発や業務効率化など当社グループのDX推進についても、デジタル人材の獲得・育成を図りながら取り組んでまいります。
(個人戦略)
高齢化が進展する中、きらぼし銀行の預金取引の大半を占めるシニア層との信頼関係を次世代につなげるため、外部機関との連携等により、金融と非金融双方でシニア層のニーズへお応えしてまいります。また、富裕層のお客さまが抱える課題に対し、長期目線でお客さまに寄り添い、長期的な時間軸の中でお客さまと信頼関係を築き、真にお客さまのニーズに合ったサービスを提供してまいります。
また、当社グループは、きらぼし銀行の営業店・本部、きらぼしライフデザイン証券等グループ各社が一体となった営業体制を構築し、お客さまのニーズに多様なチャネルで柔軟に対応し、コンサルティングを起点としたサービスの充実を図ってまいります。
(法人戦略)
創業から成長期、衰退期までのお客さまの多様な課題にお応えするため、きらぼし銀行の従来型の融資取引にとどまらないストラクチャードファイナンスやメザニンファイナンス、きらぼしキャピタルのファンドを通じたエクイティ投資、投資先へのハンズオン支援、海外展開支援など、多様なかたちでご支援できるよう、グループ全体でソリューション機能の強化に取り組むとともに、適切なアセットコントロールと仲介機能を発揮し、アセットの回転による収益獲得を目指しております。また、お客さまとのリレーションを深め、取引メイン化の促進、外部連携ファンドとのハブ機能の発揮に向け、きらぼし銀行がコーディネータとなり案件の実行を実現するとともに、迅速な対応を図るため、案件検討体制や審査・リスク管理態勢をさらに強化してまいります。
社会的な課題の一つとなっている中小企業の事業承継に対しては、グループ各社の機能を活用し、オーナーさまの意向に沿った解決策の提案を行ってまいります。
(自己資本の充実)
金融機関における競争環境が変化する中で、経営の健全性を確保し、ステークホルダーの皆さまのご期待に適切に応えていくため、自己資本の充実と財務基盤の拡充に取り組むことが重要になっております。
当社グループでは、リスク・アセットのコントロールにより健全な自己資本比率を確保し、収益力の強化と、株主への利益還元のバランスを図ることにより、企業価値の向上を目指しております。なお、当社は2026年5月8日開催の取締役会で、第1回第一種優先株式については三井住友信託銀行株式会社から当社普通株式を対価とする取得請求を行う意向である旨の連絡を受け、当該取得を前提とした当該普通株式の売出し及び普通株式を対価として取得した第1回第一種優先株式の消却、第二種優先株式については金銭を対価とする取得条項に基づく当該優先株式の取得及び消却を決議しております。従来は優先株式償還原資確保に向けた内部留保の蓄積を行ってきました。今般、第二種優先株式400億円の取得により自己資本が減少いたしますが、今後は優先株式償還を踏まえた柔軟な資本政策が選択肢として増えると共に、適切な経営資源の配分とグループ最適事業ポートフォリオの構築、ベース経費削減と必要なDX投資による強固な経営基盤、リスクカテゴリーごとのアセットコントロールによるRORA向上を進めてまいります。
(経営基盤の強化とグループ経営資源配分の最適化)
お客さまの利便性向上、高付加価値を提供するために支社体制への移行や店舗再編を行うことでコスト削減を進めるとともに、お客さまのニーズに合わせた拠点の設置、各種合理化・高度化のための前向きな投資を行い、戦略分野への人員配置と人材育成、DX化等で効率化による生産性の向上を進めてまいります。
(サステナビリティへの取組み)
サステナブルファイナンスをはじめ、カーボンニュートラル支援パッケージ等複合的なサービスの提供により、サステナビリティ分野に掲げられるさまざまな社会的課題の解決に向けて、ESG地域金融の観点から積極的に支援を行ってまいります。また、多様化するお客さまの問題解決に向け、引き続きグループの総合力強化を図るとともに、外部機関との更なる連携強化を進め、付加価値の高い金融サービスを通じて、お客さまの幅広いニーズにお応えしてまいります。
(ウェルビーイングと人的資本経営)
「きらぼしフィロソフィー」を実践する「きらぼしびと」の育成に向け、3つの行動指針のもと、希望するキャリアデザインに基づく外部派遣制度等による「自発性」の喚起、高度な専門人材を育成する「研修制度」の充実、気づきと学びの場の提供による「自己研鑽」の支援などを行ってまいります。
当社グループでは、お客さまへの高い価値提供を実現するにあたり、「人材」が最も重要な経営資本と捉えており、職員一人ひとりが自らの価値を高め、企業価値向上に貢献することを目指しております。全職員が「きらぼしびと」を体現し、お客さまの課題解決につながる、より専門性の高いプロフェッショナリティを磨き、成果を出していくための投資や制度づくりに積極的に取り組んでまいります。
(グループリスク管理)
「グループ事業戦略」・「経営ビジョン」の堅確な達成と「金融にも強い総合サービス業」の具現化を下支えすべく、当社が定める「グループリスク管理基本方針」に基づき、信用リスク・市場リスク・オペレーショナルリスク等を的確に管理し、適切なリスクテイクを可能とするリスクマネジメント手法の高度化を図ってまいります。オペレーショナルリスクでは、事務リスク等に加え、利便性と安全性の高いサービスを提供するため、サイバーセキュリティ対応の向上に取り組んでまいります。
また、昨今のマネー・ローンダリングや預金口座不正利用等の防止の重要性に鑑み、当社グループのマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策等を統括する部署として、「金融犯罪対策室」を設置いたしました。今後ともマネー・ローンダリングや預金口座不正利用等の金融犯罪の防止に努めてまいります。
(コンプライアンス)
コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと捉え、コンプライアンス重視の企業風土の醸成を進めることで、業務の健全性と適切性の確保に努めております。
株主の皆さまに信認され、お客さまや社会から信頼される地域金融グループとしての社会的責任を果たしていくため、当社が定める「コンプライアンス・プログラム」に基づき、徹底したコンプライアンス管理態勢の構築に努め、リスクオーナーシップの確立など企業倫理が徹底・浸透できる態勢の構築を更に進めてまいります。
(コーポレート・ガバナンス)
コーポレート・ガバナンスを経営の最重要課題の一つと捉え、社外役員・外部有識者の知見も活用したうえでグループ経営管理態勢や監督機能の強化を進めるとともに、業務運営に際し透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うためコーポレート・ガバナンス機能の充実を図り、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

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