有価証券報告書-第17期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 14:17
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【項目】
145項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるサイバー・セキュリティ業界は、重要インフラへのサイバー攻撃が増加し、サイバー脅威が安全保障に与える影響が顕在化しています。また、引き続き世界中でランサムウェア被害やサプライチェーン攻撃が増加傾向にあり、サイバー攻撃によって事業活動が停止する事例も増加しているなど、セキュリティリスクが経済活動に与える影響はもはや無視できないものとなっています。日本政府においては、国家安全保障戦略にて、国や重要インフラ等の安全を確保するため、「サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させる」と方針を掲げ、国家安全保障及び経済安全保障の実現に向けた法改正や態勢整備、実証事業やプロジェクトの推進など、多方面から取り組みを加速させています。さらに防衛省においても、令和9年を目処に自衛隊のサイバー関連部隊を現在の890名から4,000名に拡充し、サイバー要員全体で2万人体制とする増員計画や、防衛産業におけるセキュリティ対策の整備事業の予算を確保するなど、サイバー能力を含む防衛力の抜本的強化に大きな進展が見られました。
このような環境の中、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
○サイバー・セキュリティ事業
(ナショナルセキュリティセクター)
ナショナルセキュリティセクターにおきましては、国際情勢の緊張と比例してサイバー攻撃のリスクが高まっており、サイバー領域における安全保障は重要な課題となっています。我が国においては、防衛三文書によって示された防衛力の抜本的強化に向けた取り組みが急速に進んでおり、引き続き需要が拡大しています。当社グループにおいては、防衛産業及び関連組織向けにセキュリティ調査・研究案件を中心に実施した他、高度なスキルを持つ技術者の育成及び採用の強化など、ナショナルセキュリティセクターの中長期に渡る需要増加を取り込める体制構築を進めております。
この結果、当連結会計年度におけるナショナルセキュリティセクターの売上高は445,269千円(前年同期比209.6%増)となりました。
(パブリックセクター)
パブリックセクターにおきましては、経済安全保障の実現に向けた各省庁の取り組みを背景に、セキュリティ調査・研究などの案件が大幅に増加しています。当社グループにおいては、NICTの推進する実証事業のサポートの他、官公庁を中心にセキュリティ調査・研究などサービス案件を実施しました。また、パブリックセクターに特化したチームによる販売活動や、官公庁や地方自治体への販売に強みを持つ販売パートナーとの連携強化による、OEM製品及びマネージドサービスの提供など販売拡大施策を進めております。
この結果、当連結会計年度におけるパブリックセクターの売上高は954,080千円(前年同期比26.2%増)となりました。
(プライベートセクター)
プライベートセクターにおきましては、前連結会計年度におけるFFRI yaraiのライセンス数減少の影響はあるものの、引き続き戦略的販売パートナーとの連携強化を進めた結果、販売パートナーによる個人・小規模事業者向けのOEM製品の販売は好調に推移しております。サービス案件につきましては、「FFRIセキュリティ マネージド・サービス」の販売を進めた他、セキュリティ調査・研究サービス及び車載セキュリティの関連案件等を実施しました。
この結果、当連結会計年度におけるプライベートセクターの売上高は581,202千円(前年同期比8.0%減)となりました。
○ソフトウェア開発・テスト事業
ソフトウェア開発・テスト事業におきましては、品質保証業務を中心に堅調に推移した他、将来的なサイバー・セキュリティ関連業務の提供に向けた人材の育成を進めております。
この結果、当連結会計年度におけるソフトウェア開発・テスト事業の売上高は466,351千円(前年同期比10.7%増)となりました。
その他、NTTコミュニケーションズ株式会社との合弁会社である株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズにおきましては、案件増加に伴い人材の確保・育成を積極的に進めた結果人件費が増大しており、持分法による投資利益34,867千円(前年同期比10.4%減)を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,446,904千円(前年同期比25.3%増)、営業利益497,896千円(前年同期比145.3%増)、経常利益540,929千円(前年同期比118.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益432,173千円(前年同期比130.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ319,822千円増加し、2,078,731千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、390,634千円(同29.2%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上540,929千円、契約負債の増加208,506千円、売上債権及び契約資産の増加による支出356,929千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、20,716千円(前年同期は26,101千円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出18,889千円、無形固定資産の取得による支出1,329千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、50,095千円(前年同期は161,522千円の支出)となりました。これは出資金の払込による支出50,000千円等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(ロ)受注実績
当社グループは概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの種類当連結会計年度
(自 令和5年4月1日
至 令和6年3月31日)
前年同期比(%)
サイバー・セキュリティ事業(千円)1,980,553129.3
ソフトウェア開発・テスト事業(千円)466,351110.7
合計(千円)2,446,904125.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 令和4年4月1日
至 令和5年3月31日)
当連結会計年度
(自 令和5年4月1日
至 令和6年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本電気株式会社--441,19218.0
防衛省--392,10916.0
リコーITソリューションズ
株式会社
257,16913.2259,22810.6

※最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,799,406千円となり、前連結会計年度末に比べ683,426千円増加いたしました。主な増加要因は現金及び預金の増加319,822千円、売掛金の増加372,113千円等であります。固定資産は581,667千円となり、前連結会計年度末に比べ70,009千円増加いたしました。主な増加要因は投資有価証券の増加34,867千円、出資金の増加50,000千円等による投資その他の資産の増加89,158千円、有形固定資産の増加9,409千円、主な減少要因は無形固定資産の減少28,558千円であります。
この結果、総資産は、3,381,074千円となり、前連結会計年度末に比べ753,436千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,186,896千円となり、前連結会計年度末に比べ318,386千円増加いたしました。主な増加要因はセキュリティ・プロダクトにおける契約の増加等による契約負債の増加208,506千円、未払法人税等の増加41,179千円、未払消費税等の増加22,385千円、未払金の増加21,680千円等であります。固定負債は12,947千円となり、前連結会計年度末に比べ2,972千円増加いたしました。主な増加要因は資産除去債務の増加2,972千円であります。
この結果、負債合計は、1,199,843千円となり、前連結会計年度末に比べ321,359千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,181,230千円となり、前連結会計年度末に比べ432,077千円増加いたしました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金の増加432,173千円であります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、2,446,904千円(前年同期比25.3%増)となりました。内訳としましては、ナショナルセキュリティセクターが445,269千円、パブリックセクターが954,080千円、プライベートセクターが581,202千円、ソフトウェア開発・テスト事業が466,351千円であります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、904,310千円(前年同期比15.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,044,697千円(前年同期比8.3%増)となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は、持分法の投資利益等の計上により43,032千円、営業外費用は、0千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、432,173千円(前年同期比130.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる当社の会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、これらのリスク要因について、分散又は低減するよう取り組んでまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
当社グループでは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の各リスク項目について顕在化することがないよう常に注意を払っております。また、当面の当社の課題として「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の各事項に対応していくことで、企業価値向上に努める方針であります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
○サイバー・セキュリティ事業
(ナショナルセキュリティセクター)
ナショナルセキュリティセクターにつきましては、防衛三文書によって示された欧米諸国並みのサイバー能力保有に向けて、教育体制の強化及び部隊規模の拡大や、防衛関連予算の大幅増額が行われるなど、将来にわたる需要の増加が見込まれています。当社グループにおいては、需要の更なる増加や案件の長期化及び大型化に備え、セキュリティエンジニアの採用体制を一層強化してまいります。なお、採用強化や人件費の高騰を踏まえた採用コスト及び人件費の増加を見込んでおります。
(パブリックセクター)
パブリックセクターにつきましては、経済安全保障推進法の制定を受けて、各省庁で様々な角度から国内サイバー・セキュリティ産業の育成及び強化に向けたプロジェクトが進んでいます。当社グループにおいては、官公庁や重要インフラ企業に向けた販売活動を進めるとともに、地方自治体に対しては、販売パートナーによるOEM製品の販売など、付加価値の高い製品やサービスの提供を進めてまいります。
(プライベートセクター)
プライベートセクターにつきましては、引き続きFFRI yaraiの機能強化による商品力の向上を図る他、特に当社グループ製品の販売を積極的に行う戦略的販売パートナーとの連携強化を継続してまいります。セキュリティ・サービスにつきましては、FFRIセキュリティ マネージド・サービスや、セキュリティ調査・研究及び情報提供などの案件を実施していく予定です。
○ソフトウェア開発・テスト事業
ソフトウェア開発・テスト事業につきましては、子会社である株式会社シャインテックにおいて品質保証業務及びテスト業務を中心に実施してまいります。また、将来的なサイバー・セキュリティ関連業務の提供に向けて、当社の教育メソッドを活用しセキュリティ人材の育成を継続してまいります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に伴う人件費、その開発用のパソコン及びソフトウェア等の購入費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらについては主に自己資金により対応しております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,078,731千円となっており、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。

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