有価証券報告書-第18期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 14:12
【資料】
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【項目】
158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるサイバー・セキュリティ業界は、政府機関や、金融機関、交通機関等の重要インフラ企業に対するサイバー攻撃が相次ぎ発生した他、引き続きランサムウェアによる被害も拡大しており、サイバー脅威の増大傾向が続いています。政府においては、セキュリティ・クリアランス制度の整備や、サイバー安全保障大臣の新設、NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)の発展組織の組成決定、能動的サイバー防御に関する法案の整備など、政策の制定・整備が急速に進みました。さらに、経済産業省が取りまとめたサイバーセキュリティ産業振興戦略では、国内サイバーセキュリティ産業及び技術基盤を強化する方針が示される等、防衛三文書に示された「サイバー防衛能力を欧米主要国と同等以上に強化する」という目標の実現に向けて、官民が一層連携するための政策が提示されるなど、課題解決のための抜本的な政策や体制強化が進められています。
このような環境の中、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当社ではサイバー・セキュリティ事業における販売区分を顧客の分類別に「ナショナルセキュリティセクター」、「パブリックセクター」、「プライベートセクター」の3区分としておりましたが、近年注力を進めている安全保障の領域が拡大しており、顧客の属性が複雑に入り混じる案件が増加していることから、明確に区分をすることが困難となりつつあります。そのため、サイバー・セキュリティ事業の販売区分を、「セキュリティ製品」、「ナショナルセキュリティ・サービス」、「その他セキュリティ・サービス」に変更いたします。
各販売区分における分類内容は以下のとおりです。
販売区分分類内容
セキュリティ製品FFRI yaraiなどのセキュリティ製品
ナショナルセキュリティ・サービス安全保障関連のセキュリティ・サービス
その他セキュリティ・サービス安全保障以外のセキュリティ・サービス

○サイバー・セキュリティ事業
(セキュリティ製品)
FFRI yaraiシリーズの販売におきましては、当社製品を積極的に販売する戦略的販売パートナーとの連携強化及び、OEM販売が好調に推移した結果、法人向け・個人向けともに前年を上回って推移しました。また、マルウェア自動解析ツールFFRI yarai Analyzerの契約ライセンス数も増加しております。
この結果、当連結会計年度におけるセキュリティ製品の売上高は1,213,880千円(前年同期比48.2%増)となりました。
(ナショナルセキュリティ・サービス)
ナショナルセキュリティ・サービスにおきましては、防衛省を含む官公庁及び防衛産業向けに安全保障関連のセキュリティ調査・研究・分析・教育等のサービスを請け負い提供しております。当社グループにおきましては、経済安全保障重要技術育成プログラム関連案件や、NICTの推進する実証事業のサポート等、引き続き需要が拡大している安全保障関連の案件を実施しました。
この結果、当連結会計年度におけるナショナルセキュリティ・サービスの売上高は944,388千円(前年同期比16.1%増)となりました。
(その他セキュリティ・サービス)
その他セキュリティ・サービスにつきましては、エンジニアのリソースをナショナルセキュリティ・サービスに集中しているため受注が限定されております。当連結会計年度におきましては、法人向けにセキュリティ調査や情報提供サービスを中心に実施しました。
この結果、当連結会計年度におけるその他セキュリティ・サービスの売上高は429,711千円(前年同期比23.5%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるサイバー・セキュリティ事業の売上高は2,587,980千円(前年同期比30.7%増)となりました。
○ソフトウェア開発・テスト事業
ソフトウェア開発・テスト事業におきましては、一部案件の解約によりやや減収となりましたが、利益面への影響は軽微なものとなりました。また、品質保証業務を中心に新規顧客の開拓及び既存案件における単価の向上に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度におけるソフトウェア開発・テスト事業の売上高は451,465千円(前年同期比3.2%減)となりました。
その他、株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズにおきましては、案件増加に伴い人材の確保・育成を進めている他、教育・研修及び調査・テストなどの案件を中心に実施した結果、持分法による投資利益43,694千円(前年同期比25.3%増)を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高3,039,446千円(前年同期比24.2%増)、営業利益817,002千円(前年同期比64.1%増)、経常利益880,538千円(前年同期比62.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益687,022千円(前年同期比59.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ84,248千円増加し、2,162,980千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、641,498千円(前年同期比64.2%増)となりました。これは主に、税金等調整前純利益の計上880,538千円、売上債権及び契約資産の増加による支出302,976千円、契約負債の増加236,954千円、法人税等の支払額140,709千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、477,608千円(前年同期は70,716千円の支出)となりました。これは主に出資金の払込による支出430,000千円、有形固定資産の取得による支出23,485千円、無形固定資産の取得による支出22,764千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、79,641千円(前年同期は95千円の支出)となりました。これは配当金の支払額78,777千円、リース債務の返済による支出671千円、自己株式の取得による支出192千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(ロ)受注実績
当社グループは概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの種類当連結会計年度
(自 令和6年4月1日
至 令和7年3月31日)
前年同期比(%)
サイバー・セキュリティ事業(千円)2,587,980130.7
ソフトウェア開発・テスト事業(千円)451,46596.8
合計(千円)3,039,446124.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 令和5年4月1日
至 令和6年3月31日)
当連結会計年度
(自 令和6年4月1日
至 令和7年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
一般社団法人サイバーリサーチコンソーシアム--623,48520.5
日本電気株式会社441,19218.0451,94714.9
防衛省392,10916.0341,77711.2

※最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,234,030千円となり、前連結会計年度末に比べ434,623千円増加いたしました。主な増加要因は現金及び預金の増加84,248千円、売掛金の増加208,436千円、契約資産の増加94,540千円、前払費用の増加37,028千円等であります。固定資産は1,076,777千円となり、前連結会計年度末に比べ495,109千円増加いたしました。主な増加要因は一般社団法人サイバーリサーチコンソーシアムに対する基金の拠出による出資金の増加430,000千円等による投資その他の資産の増加479,134千円、有形固定資産の増加22,449千円等であります。
この結果、総資産は、4,310,807千円となり、前連結会計年度末に比べ929,733千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,497,382千円となり、前連結会計年度末に比べ310,486千円増加いたしました。主な増加要因はセキュリティ・プロダクトにおける契約の増加等による契約負債の増加236,954千円、未払法人税等の増加62,339千円、未払消費税等の増加18,049千円等であります。固定負債は24,460千円となり、前連結会計年度末に比べ11,513千円増加いたしました。増加要因はリース債務の増加8,937千円、資産除去債務の増加2,575千円であります。
この結果、負債合計は、1,521,843千円となり、前連結会計年度末に比べ321,999千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,788,963千円となり、前連結会計年度末に比べ607,733千円増加いたしました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加687,022千円、主な減少要因は剰余金の配当による利益剰余金の減少79,097千円等によるものです。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、3,039,446千円(前年同期比24.2%増)となりました。内訳としましては、セキュリティ製品が1,213,880千円、ナショナルセキュリティ・サービスが944,388千円、その他セキュリティ・サービスが429,711千円、ソフトウェア開発・テスト事業が451,465千円であります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、1,009,715千円(前年同期比11.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,212,728千円(前年同期比16.1%増)となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は、持分法による投資利益等の計上により63,825千円、営業外費用は、289千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、687,022千円(前年同期比59.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる当社の会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、これらのリスク要因について、分散又は低減するよう取り組んでまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
当社グループでは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の各リスク項目について顕在化することがないよう常に注意を払っております。また、当面の当社の課題として「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の各事項に対応していくことで、企業価値向上に努める方針であります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
○サイバー・セキュリティ事業
(セキュリティ製品)
FFRI yarai 及び FFRI yarai Home and Business Edition を始めとするセキュリティ・プロダクトの機能強化を継続する他、当社製品の販売を積極的に行う戦略的販売パートナーとの連携強化や、OEM販売による販売拡大を進めてまいります。また、純国産製品の強みを活かして、官公庁・重要インフラ企業、地方自治体、医療関係組織等への販売施策を強化してまいります。さらに、新たな戦略的販売パートナーの獲得に向けた活動も進めてまいります。
(ナショナルセキュリティ・サービス)
国家安全保障及び経済安全保障に関連したセキュリティ・サービスの提供を行ってまいります。足元では政府の進めるサイバー防衛能力強化がかつてない速度で進められており、需要が大幅に増加しております。当社グループにおきましては、経済安全保障重要技術育成プログラム関連案件や、NICTの推進する実証事業のサポートの他、引き続き安全保障関連のセキュリティ調査・研究・分析・教育等の案件の実施を予定しております。また、引き続き需要の増加が見込まれるため、新卒採用を中心にエンジニアの増員を進めております。
(その他セキュリティ・サービス)
その他のセキュリティ・サービスにつきましては、エンジニアのリソースを緊急性の高いナショナルセキュリティ・サービスに集中するため、受注を限定し、FFRIセキュリティ マネージド・サービスや、セキュリティ調査・研究及び情報提供などの案件を実施していく予定です。
○ソフトウェア開発・テスト事業
ソフトウェア開発・テスト事業につきましては、子会社である株式会社シャインテックにおいて品質保証業務及びテスト業務を中心に実施してまいります。当期においては、新規顧客の獲得及び、将来的なサイバー・セキュリティ関連業務の提供に向けて、当社の教育メソッドを活用しセキュリティ人材の育成を継続してまいります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に伴う人件費、その開発用のパソコン及びソフトウェア等の購入費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらについては主に自己資金により対応しております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,162,980千円となっており、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。

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